消毒されないテクス




322 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/26(木) 11:30:09.82 Yk6D4j2Z

 今日のミシンは絶好調、会心の出来モニ♪
 よく出来ました、という事で、ブランド名として、私の名前を刺繍する。
 ハイキャス3点とシルクパンツ、全部均等に売れると一番良いんだけど、なかなかそうはいかない。
 そこが商売の面白いところでもある。

 儲けは・・・テクスエンドの、エンドは、終わってる(END)のエンドらしい・・・

 やっぱ、シルク包帯売りの方が儲かるかも・・・、裁縫で儲けるのに裁縫100いらない現実orz
 それにしても、ネオク山のミシンは使いやすい、銀行も近いし♪
 でも、商売をするには、通行量が少ないから、店を開くのはビスク西になってしまう。

 普段着の濃紺に染めたハイキャスを銀行に預け、染色前のハイキャスに着替える。
 看板や看板代わりのペットを出すとウザイので、商売品と同じものを装備して、看板代わりにする。
 判ってくれているお客様が何人居るか判らないけどorz

 CH一覧を見ると、いつもの美容室の営業案内があった、良かった、まだ続いてくれている・・・
 ビスク西のレコ石を握り、飛べ、ビスク西銀前!!

 人々の話し声が耳に突き刺さる、静かネオク山に比べ、ビスク西は煩い。
 いつもの場所へ走っていくと、ブラムストーカー服のコグ兄さんが立っている。
 看板代わりの豆豚が、周囲を威嚇している、可愛いけど、こいつ、強さ不明なんだよな・・・
「こんばんわ~、コグ兄さん、シャンプーと調髪お願いしたいです」
「いらっしゃいませ、毎度のご利用ありがとうございます^^」
 コグ兄さんの笑顔にちょっと、頬が熱くなる。
 相変わらず素敵だなぁ。
「調髪も良いですが、たまには髪型変更もしてみませんか?」
「い・や・で・す。ハゲは懲りました」
 コレさえなければなぁ。
「残念。モニ娘の坊主頭、可愛いのにw」
 あぁ、涼やかな笑顔が憎たらしいほと素敵だ・・・狙ってるのがハゲでなければorz
 それ以上に、淡い恋心を持っても、無駄な相手。
「さぁ、まずはシャンプーからいきます」
「ぁぃ」
 優しい指使いで頭皮から髪を洗われる、この感触だけで満足しよう・・・うん。
「次は調髪・・・ちょん、ちょん、ちょん・・・と、OK、綺麗な6頭の完成」
「ありがとうございます」
 ぺこり、とお辞儀をすると、優雅にお辞儀を返された。
「代金はいつもどおりですね?」
「はい^^」
 いつもの代金を支払う。
「3顔に飽きたら、何時でもご用命を、すぐに4顔か5顔にしてあげるから」
 何故、顔型を持ってるんですか・・・コグ兄さん・・・


323 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/26(木) 11:30:48.54 Yk6D4j2Z

「モニ子ちゃん、プラントファイバーが溜まったんだけど、買い取ってくれるかな?」
「はい、いつもいつも、ありがとうございます」
「いや、こっちの方こそ助かるよ、溜まる一方だからね~」
 西銀に入ると、すさまじい勢いでハエが飛び交ってた・・・・・・
 コグ兄さんの機嫌が一気に悪くなるのが、側に立ってるだけで判る。
 自分も気分が悪くなってくる。
 可愛らしい服装に身を包んだモニ娘の頭にハエが大量に飛んでいる・・・それも一人や二人でないorz
「ウゼー」
 完全に三白眼になったコグ兄さんが怖い・・・
 いつもの買取単価でそそくさと取引を終わらせる。
 二人揃って飛び出すように、西銀を出た。
「ハエ、苦手です・・・できるだけ、側で露店しないようにしてるのにorz」
「ボサ頭は趣味もあるからともかく、ハエを飛ばしたままで居られる神経が判らない」
「ウンウン、露店している人だろうと、強制シャンプーできると良いのに、って私はよく思います」
「そうだな・・・」

 三白眼だったコグ兄さんの顔が突然、満面の笑みに代わった。
「いらっしゃいませ、海女王殿♪」
 私と同じように、毎日露店前に髪を整えてもらっている、バイーンさんだ。
 海王上着からバイーーーンと飛び出すアレが凶悪だ。
「シャンプーは良いわ、さっき、泳いできたから。調髪をお願いね」
「はい、判りました」
 バイーーーンと飛び出しているアレもアレだけど、唇が艶かしい・・・
 コグ兄さんの鼻の下が伸びている。
「毎度毎度、ご贔屓にありがとうございます」
「こちらこそ、助かるわ、ハエを飛ばして露店なんて、信じられないから」
「そうですよね、今、西銀に入って、窒息するかと思いましたよ、自分も」
「本当に困るわよね、食料品街でも、ハエを平気で飛ばしているのも居るんだから」
 そーですよねー、そして何故か、モニ娘が多いんですよねー、同族ながら吐き気がする。
「それじゃぁ、また、お願いね」
「はい、ご利用ありがとうございました」
 モンローウォークで立ち去る後姿を、コグ兄はでろ~んとした顔で見てた。
「コグ兄さん、鼻の下伸びてる伸びてる」
「お、そ、そうか?」
「上手くいくといいね~、それじゃ、私も露店してきます」
「はいはい、モニ子ちゃん、またよろしく」
「こちらこそ、それじゃあ、失礼します~」
 恋さえしてないんだ、なら、応援するのが心意気ってもんでしょう。



324 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/26(木) 11:31:12.91 Yk6D4j2Z

 ハエを避けて露店を開く、そして、お気に入りの小説をひっぱりだす。
 さぁ、昨日の続きを読もうっと。

「大変だー!!水没魔だ!!」

 その叫びに、あわてて本から視線を外す。
 店を片付け、人だかりの方へ走る。
 水路には、沢山のモニ娘が沈んでいた・・・

 モニ娘しか、居ない・・・いや、私は沈んで無いけど?

「モニ娘対象の水没魔か?」
「生き残ってるモニも居るぞ」
「モニがモニを沈めたのか?あいつ等同族嫌悪が激しいからな」

 沈んでいるモニ子に見覚えがあった。

「あーーーーー!!!」
 思わず叫んでしまって、視線が集中する。
「あの、えっと、全員ハエが飛んでた人なんですけど・・・」
 怖かった視線が一気に緩んだ。

「美容室やってま~す、よかったらどうぞ~」
 コグ兄さんが晴れやかな笑顔で、宣伝をしていた。

 コグ兄さんの美容室は今日は盛況なようだ。

【どーして、アタシが水死してるモニーーー】
 戻ってきたのが、ぎゃーぎゃー騒いでるのが聞こえた。

 ・・・・・そーいや、水死体でも、ハエって居なくなるのかな?
 かえって、増えそう・・・



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最終更新:2007年08月14日 20:52