AncientAgeの罠
171 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/06/09(土) 11:41:59.54 E6sxDTdv
「ポーション、団子、種はいかがですもに?お安くしとくもに~!」
アサシンである私は、生計を立てるために今日もヌブールの村で露天を開いていた。
「やあ、もにこちゃん、今日もGSP1k個頼むぜ!」
「あ、俺も俺も。薬用人参とって来たからGHP作ってくれよ。」
他の露天より少し安めに売っているからだろうか、近頃は常連さんも何人かできた。
生産は大変だけれど、私を必要としてくれる人がいる事は幸せなことだ。
みんなの為に、今日は気合入れて多めに作っちゃおう。
私は張り切ってランダル洞窟へと向かった。
「ちょっと待つモニ!」「待つモニ!」「待つモニ!」
突然私は3人のもにこに呼び止められた。
「なんでしょうもに?」
「不細工の癖に粋がるんじゃないモニ!」
「お前のせいで相場が下がるモニ!」
「GHPの相場は300g以上と聖モニ姫連合☆ミで決められてるモニ!」
聖モニ姫連合☆ミ
噂によるとモニコン達による資金援助で成り立っている組織で
ダイアロス島の90%以上のモニコが加入しているらしい。
参加資格として2顔であることが条件だ。
私は3顔ゆえに入ることはできなかった。
172 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/06/09(土) 11:45:03.26 E6sxDTdv
私には私を信頼してくれる常連さんたちがいる。
ボッタクリのような値段をつけるわけにはいかない。
「そんなこと、あなた達にとやかく言われる筋合いはないもに!フィルター入れるもに!」
「威勢のいいブスモニね…お兄ちゃん達、この豚を痛めつけてあげるモニ!」
そう言って彼女がモニモニすると、茂みの影から大男達が現れた。
「姫の…命令だ。悪く思わないでくれよもにこちゃん。」
リーダー格のパンデモスの男は低い声でそう言うと私に向かって重たい金のモルゲンを振り下ろした。
その瞬間私の意識は遠のいた。
「いたたたもに…」
意識を取り戻すと、思ったとおり私の荷物袋の中は空っぽだった。
「運が悪かったと思って水に流すもに…。銀行にはまだストックがあるもに。」
私は西銀へと急いだ。
銀行前にはやたら人だかりができていた。
それもそのはずだった。銀行前にはネオクドラゴンが立ち塞がっており
人々の往来を妨げていたのだ。
私が呆然とその場に立ち尽くしていているとTELLが次々に届く。
「無駄モニよ、モニヒヒヒ。」
「お前は聖モニ姫連合☆ミのブラックリストに載ってるモニ。」
「邪魔者は潰すモニ。」
周りを見ると露天をしている2顔モニコ達が私に後ろ指をさして笑っているのが分かる。
「逃げられると思っているモニ?」
「消毒してやるモニ!」「一生粘着されて苦しむがいいモニ!」
私は必死に走った。私は逃げ足の速いアサシンだ。
だけど…だけどどこへ逃げても2顔のモニコ達がいた。そして同じように私を嘲笑う。
173 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/06/09(土) 11:48:08.73 E6sxDTdv
「こっちよ!」
突然一人の4顔モニコが私の手を引っ張った。
私は彼女に導かれるままビスクの地下水路へと逃げ込んだ。
「危ないところだったわね。ここなら人は来ないしもう大丈夫よ。」
「ありがとうもに…。」
「あら、新しい仲間かしら?」
そこには私達の他にもたくさんの1345顔のモニコ達がいた。
「私達はみんなあなたのような目にあって、ここへ逃げ込んできたの。」
「ここは日は当たらないけど、食べ物も手に入るし生活には困らない場所よ、安心して。」
こうしてそれから地下水路での生活が始まった。
確かにここなら安全だ。ゴーレムは少し怖いけど…
それ以上に2顔モニコやモニコンに追われる辛い思いはせずにすむんだ。
しばらく経って、地下での生活にも慣れた。
そんなある日のことだ。
アサシンである私はその隠密技能を生かして地上の様子を視察する、という役割だった。
その日もビスクで一番背の高い木のてっぺんに登って町の様子を伺っていた。
「モニィィィィィ!」
突然ビスクの街にモニコの悲鳴が響き渡る。
「消毒!消毒ゥ!」
「お兄ちゃん、許してモニ…何でこんなことするモニ?」「モニィィィ!」
思いがけない光景だった。
次々にアニマルケイジに封じ込められるモニコ達。
「やめるモニ!離すモニ!この変態!」
「変態?この俺がか?」
「もぎゃああぁ!!!
抵抗したモニコはカオスフレアで容赦無く焼かれて、それはWARAGEよりも凄惨に見えた。
このままじゃ私もあぶない。早く地下水路のみんなに報告しなきゃ。
私は早足で地下水路へ逃げ込む。
174 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/06/09(土) 11:49:39.21 E6sxDTdv
「リーダー、大変ですもに!モニコ達が!モニコ達が…!」
「…言わなくても分かっているわ。ついに消毒が始まったのね。」
「し…消毒?」
「エルカプモニア消毒計画…。全てのエルモニーをダイアロスから駆除する計画よ。
これはね、だいぶ前からビスク上層部で秘密裏に計画されていたことなの。
私はアクセル様と古い付き合いがあったからこっそり教えてもらえたのよ。
聖モニコ連合☆ミのあまりのマナーの悪さに耐えかねたビスク政府がついに実行に移したのね。」
「そんな…わるいモニーばかりじゃないのに…捕まったモニコ達はどうなるもにか?」
「99%のモニコは処分場というところに送られて謎肉に加工されるわ。
活きのいいほんの一握りは慰安所に入れられて一生モニコンたちの慰みものになるのよ。
どちらにしても待っているのは地獄のような苦しみよ。」
「私達はどうなるもに!?」
「大丈夫、私達は特別にアクセル様からエルモニー保護区へ行く許可がでているわ。」
みんな、こっちへいらっしゃい!」
リーダーがそう案内した先には一基のアルターがあった。
うっすら青白く希望に満ちた光を放っている。
「このアルターはね、約1万3000年前のAncientAgeという時代につながっているの。
誰もが住む家を持つことができる、楽園のような世界よ。
さあ、みんな、行きましょう…辛い日々は終わりを告げるのよ。」
リーダーを皮切りに仲間達はみんなそのアルターに乗って行ってしまった。
残されたのは私一人だけ。
私は行かなかったんだ。
何かとてつもない罠が待ち受けている気がしたから。
みんながその後どうしているのかは知らない。
私は今も逃亡生活を続けている。
最終更新:2007年08月14日 20:19