――力が、欲しいか?
▼
くだらない、本当にくだらない。
死した龍の亡骸を前にして、レナモンは力なく嗚咽を漏らし続けた。
分かっていた。
言われるまでもなく見せつけられるまでもなく分かっていた。
力を得たところで失われたあの子たちは帰ってこない。
力さえあればと嘆いても、全ては後の祭りに過ぎない。
今更なのだ。今更、今更力を得たところで何になる。
変わらない、何も変わらない。
意味なく理由もなく、無為に力を求めているだけだということくらい遠の昔に理解していた。
理解した上で、それでもと力を求め続けていた――はずだった。
なのに。
何故、こうも心が痛い。
何故、打ち倒した相手へと延々と乞い続ける?
喰らえばいいではないか。
勝ったのだ。
奴は死に、私は生きているのだ。
なら、今まで通り、敗者のデータをものにすればいい。
龍が見せた力の果て、それをものにすれば自身もまた、力の果てへと辿り着ける。
……辿り着いて、一体どうしようと言うのだろうか。
守るべき者を守れるはずだった力。
守るべき相手もいない力。
無為なる力。
レナモンは、力を求めずにはいられなかった。
それは後悔でもあり、逃避でもあった。
皆を護れなかった私は、皆に置いて行かれた私は、かつての願いの残滓に縋り付くしかなかった。
独りは寂しい、独りは辛い。
背中越しに守る相手は失い、共に歩く相手もおらず、対面する敵も刹那でしかなく通り過ぎて行く。
未練にしがみつく亡霊として独り、世界を彷徨った。
彷徨い歩いて、その果てに、たった一つ残された、この未練さえも否定された。
「本当に、本当にどうすればいいんだろうな……」
力への欲求と敵を求める意思は、どうやらあの龍に連れて行かれてしまったみたいだ。
がむしゃらなまでに身体を動かしていた未練を失ってしまった私は、糸の切れた操り人形のように項垂れ続けるしかなかった。
そうして、何時間も答えの出ない自問自答の檻に囚われた私を現世に引き戻したのは。
「がああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
天駆ける龍の嘆き声だった。
「あれは……」
知っている。
遠い空を飛びゆくあれがなんなのかを知っている。
エアドラモン。
神に近きもの。
だがその姿からは神と称される神々しさは欠片も感じられなかった。
ただただ痛々しさだけが伝わってきた。
泣いていたから。
エアドラモンは泣いていたから。
『レナモン君』
一瞬、そんな声が聞こえた気がした。
幻聴だ。
死者は蘇らない。
命は失い続けるしか無いのは嫌なほど承知している。
大方名も知らないあの龍の姿を、エアドラモンに重ねて思い出してしまっただけだろう。
「追えと、言うのか」
けれど。
これまでは何度呼びかけても幻聴さえ返ってこなかったのだ。
藁にもすがる思いでレナモンはエアドラモンを追うことした。
どうせこのまま項垂れていても、答えなど出はしないのだから
それに。
何故だろう、あのエアドラモンの目は、私に近いようでいて、遠いように思えたから。
▼
力が欲しいなんて思ったことは、はぐれメタルには一度もなかった。
むしろその考えを忌避さえしていた。
見てきたから。
力を欲し、ぐれメタルを追いかけ回す人間たちをずっとこの目で見てきたから。
彼らは怖かった。
とってもとっても怖かった。
あんな存在になりたくなんてなかった。
それに。
それに力があったところで、何かが変わるとも思っていなかった。
モーショボーに妬まれたように、自分たちは客観的に見ても強い方のモンスターなんだろう。
でも、僕たちも、より強き者たちからすれば格好の餌にすぎない。
弱肉強食なんて言うけれど、あれは間違いとは言わずとも、一面的にしか合っていない。
強いものでもより強いものに食われる。
強くなるには強いものと戦ったほうが経験値がたまりやすいのは広く知られた常識だ。
中には例外もいるけれど。
その例外ことメタル系の中でも、強いメタル系のほうがより経験値も多くて、人間どもに目の敵にされるんだ。
たとえこの身がメタルキングであろうとも、ゴールデンスライムであろうとも、プラチナキングであろうとも。
より一層人間たちから血眼になって追い掛け回されて、いつかは力尽きるのがオチだった。
それこそあの呆気無く死んだ仲間のように、力に溺れ自滅したかもしれない。
だからは僕は『劇的な出来事』に憧れた。
平穏に生き、幸せに死ぬなんて未来は思い描けない。
どうせいつ殺されるか分からない人生なんだ。
一瞬で世界が変わるような、ぐっと凝縮された何かがあってもいいじゃないか。
短い一生のうちに、ドラマチックな体験を、自分が大きく変わる瞬間を味わいたい。
そんな想いを胸に、仲間たちの話を聞く度に、次は自分の番かなと待ちわび続けた。
そして今、僕は、ここにいる。
ずっと待ちわびていた『劇的な出来事』は、望んでいたようなものじゃなかったけれど。
確かにはぐれメタルを大きく変えた。
どうせ死ぬんだからとどこか投げやりだった自分が、今は生きたいと思えるようになった。
『生きる目的』ができたから。
なのに。
なのになのになのになのに。
世界は、いつだって残酷だ。
はぐれメタルたちは当初、北東を目指した。
コイキングに続き、少女を背負うことになったはぐれメタルからすれば、少女の目覚めを待ちたいところだったが、モーショボーに断固拒否された。
ちんたらしていたら、怖い怖いアリスに見つけられかねない。
それが彼女の主張であり、はぐれメタルとしても自分たちを襲った狐のことがあったため、頷くしかなかった。
そうして彼らは、襲撃者たちに襲われた西でも南でもない北東へと逃げることを選んだ。
この島の地形を把握していない彼らではあったが、その選択自体は悪くはなかった。
程なくして彼らは島の端へと辿り着き、夕日に照らされた青い海を目にした。
「キャハハ、うーみー!」
「……コイキングさんも、連れて来たかったな」
「もう、何湿っぽっくなってるのよー。海よ、海! 水銀君が言ったんでしょ、この島から逃げようって!
だったらさー、外へと続く逃げ道を一つ見つけられただけでも、一歩前進じゃない?」
「うん、そうだよね」
自由へと繋がる航路。
呪いがある以上今すぐには逃げられないが、それでも眼の前に開けたどこまでも広がる海は、彼らに自由への希望を抱かせるには十分で。
けど、その分、その希望を奪われた時の絶望は大きかった。
「なに、あれ……飛行船?」
「ひ、飛行船って、あの人間たちが乗ってる空飛ぶ乗り物の……?」
彼らが目にしたのは飛行船だった。
サボテンダーやオルトロスに警告を与えながら、反時計回りに島の淵を周回していた飛行船だった。
そんなことを知りもしない彼らは、まさか人間たちが自分たちが逃げようとしていることを察して処分しに来たのではと恐れおののいた。
実際には今すぐ逃げようとしているわけではないが、しかし、海岸にいる以上は誤解されかねない。
そう早とちりした彼らは、そのまま大慌てで来た道を引き返し、そうして出逢ってしまった。
ともすれば今の彼らにとって、アリス以上に出逢っては行けなかった存在と鉢合わせてしまった。
「寄越せ……」
眼前には飛竜。
見たことも聞いたこともないモンスターだったけど、そいつは余りにもはぐれメタルからすれば見覚えのある目をしていた。
力を欲するものの目。
その為なら数多の命を奪うことにも躊躇しない、人間/怪物の血走った目。
「その人間を、寄越せええええええええええええええええッ!!!!!」
「っ、あああああああああ!」
飛竜が起こした竜巻を前に、避けようとしてしまう弱い僕自身を叱咤し、女の子とモーショボーさんを包み込む盾になる。
この身に魔法は一切効かない。
バギクロスだろうがバギムーチョだろうが、鋼の体の前には通用しないんだ。
恐れるな! 過信はせず、慎重に、けど怯えず守り抜け!
▼
戦いの図は簡単だった。
逃げるはぐれメタルたち、追う飛竜。
はぐれメタルが仲間たちの盾となり、モーショボーがトラフーリを唱えて自分たちを逃し、されどそこに飛竜が追いすがった。
魔法の力で見失おうとも、飛竜は少女を執念で見つけ出しその都度はぐれメタルたちを襲撃した。
元よりトラフーリは距離を空ける呪文ではない。
単純に言えば安全に一歩下がり、敵から意識を外れさせる呪文だ。
シンボルエンカウントの戦闘から逃げ出したところで、敵シンボルは間近にいたままでどこかに行きはしない。
戦場が開けた草原だったことも、はぐれメタルたちには災いした。
どれだけ瞬間的に戦場から離脱しようとも、飛竜に追う意思がある限り、エンカウントは何度でも果たされる。
この戦いにおいてトラフーリは、戦闘を仕切りなおす程度の意味しか持たなかった。
無論、はぐれメタルたちも考えなしに逃げていたわけではなかった。
飛竜が追うのを諦めないと踏んだ彼らは、ならばと南に広がる森を目指した。
森に入ってしまいさえすれば、木々が邪魔で空から探すことは不可能であり、大柄な飛竜では森に侵入することもできまい。
これは、両者にとって森へと逃げこむまでの勝負だった。
時間と距離と速度の勝負だった。
「さっきは守ってくれてありがとね~。でもさー、あいつの狙いがその子なら、大人しく渡しちゃえばいいんじゃないかな?」
「ダメだよ! そんなの! あいつは危険だ、危険過ぎる!」
モーショボーは術技が、はぐれメタルはその存在そのものが逃走に特化していた。
幾ら相手が空を飛べるとはいえ、この二人のコンビだけなら逃げ切れたはずだ。
「えー、だってほら、なにか訳ありかもしれないし?」
「キミみたいに食べることが目的かもしれないじゃないか!」
それがこうも追いすがられるのははぐれメタルが少女を背負い、その持ち前の素早さを発揮しきれていないからだ。
……否。
「あ、それならほらほら、その子が人間じゃないってばらしちゃうとか!
キャハハ、ナイスアイディア! あいつが拘ってるのが人間なら文字通り人違いってことで見過ごしてもらえるかも?」
「……そんな理性が残ってるように見える? 多分腹いせで僕たちもこの子も殺されちゃうよ」
はぐれメタルが素早さを発揮できないのは、少女を護るためだけではなかった。
その咆哮が嵐を呼び、その声が風を呼ぶ飛竜の猛攻から少女だけでなくモーショボーを庇うために何度も歩む動作を中断していたからだ。
「……何よ、いい子ちゃんぶっちゃってさー。君さ、そんなこと言ってたら死んじゃうよ?」
「死なない、死にたくないよ。僕は、死にたくない!」
逃走劇の果てにモーショボーのMPははぐれメタルから借りたスリースターズで消耗を抑えてでさえ、疾うの昔に尽きていた。
無理もない、確かに彼女の魔力は低くはなく、覚えてる魔法も悪くはない。
しかし彼女自身のレベルは悪魔の中でも下から数えたほうが早い程低かった。
これまでずっと他人を利用するだけ利用して、自分は強者から逃げ続けてきたのだ。
強くなれているはずがなかった。
「だったらさ。放っていけばいいじゃん。こいつも、モーショボーのことだって放っていけばいいじゃん。
水銀君に期待なんてしてないって言ったじゃん。モーショボーだっていざとなれば君を切り捨てる気満々だったしさ―。
ばっかじゃないの、なんでそんな一生懸命モーショボーのことまで守ってんのさー」
だから、そう、モーショボーの言う通りだった。
はぐれメタルは一人でなら逃げ切れた。
重りもなく、余計な行動なんてせず、ただただ逃げることに専念すればもっともっと生きていけたのだ。
でも。そうしたくはなかった。
生きたいという想いと、もう誰かを放って逃げたくないという思いが、彼に誰かと一緒に逃げることを選ばせた。
それに。
「約束、したから……」
「……はぁ?」
「コイキングさんとだけじゃない、キミとだって約束したから」
たとえ逃げ隠れはしても、嘘つきにはなりたくなかった。
コイキングとの約束も、モーショボーとの約束も守りたかった。
「僕は生きる。生きて生きて、長生きして、コイキングさんのことを伝えて!
モーショボーさんがちゃんとした本物の人間の脳みそが食べられる時まで守――「スピニング、バスタアアアアアアアアアアアアア!」」
守りた、かっ、た……。
【はぐれメタル@ドラゴンクエストシリーズ 死亡】
―――願いもまた弱肉強食。得たばかりの目的は鬱積した妄念に駆逐される
それが終わり。
ようやく生きる目的を得たはぐれメタルの、あまりにやりきれない最後。
はぐれメタルは殺された。
“人間を食べる”、その言葉に激昂し、少々乱暴でも一刻も早く少女を助けださねばと決意した飛竜によって。
手加減した風ではぐれメタルが背負っていた少女だけをできるだけ優しく吹き飛ばした後に、突撃からのフィニッシュホールド。
体当たりから何度も何度も打ち上げた果てに大地へと叩きつける打撃技は、奇しくもはぐれメタルが苦手とする武闘家タイプのそれだった。
ぐちゃり、と。
銀の血飛沫を上げてはぐれメタルだったものが潰える。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
銀の屍は勝鬨をあげながら降り立った飛竜の尾に押しつぶされ、糧としてロードされる。
敗者には屍を残すことも許されない。
それでも残せるものがあったとするなら。
「……コイ、きん、グ?」
はぐれメタルがコイキングより託された、彼のことを伝えるというその約束をまた新たに果たせたという事実だけだった。
▼
地面に投げ出された衝撃で、メタモンは目を覚ましていた。
痛い……。
最初に感じたのは痛みだった。
身体を打った痛みだった。
目を覚ませば、楽しい明日が待っているはずなのに、どうして痛いんだろ。
未だふわふわな夢の中にいた半覚醒のメタモンを現実に引き戻したのは誰かが口にした聞き覚えのある言葉だった。
「……コイ、きん、グ?」
コイキング。
知っている名前だ。
長いことを育て屋さんで過ごしたわたしは、色んな人の色んなポケモンとも触れ合って。
コイキングさんとも何度だって遊んだもの。
でも、最近はコイキングさんと遊んでないな。
だって、わたしは捨てられたから。
暗い洞窟の中に置いてかれたから。
あの日以来、生きるのに必死で他のポケモンたちと遊んだりすることはなかった。
ううん、そもそも、自分のことに精一杯で他の誰かを気にする余裕もなかった。
それがコイキングさんなら尚更だ。
コイキングさんたちは弱いから。
あの洞窟で一度も見かけなかったのは、きっと生存競争に負けたか、そうでなければ、隠れ潜んでいたか、運良くギャラドスに進化できたか。
そのどれかだったのだろう。
だから、おかしい。
コイキングの名をここで聞くはずがない。
不思議に思い寝ぼけ眼をこするメタモンは、そこでまた驚愕する。
「あれ……? ドラゴン、さん……?」
おかしい。ドラゴンさんが目の前に居る。
あれ、でもどうしてドラゴンさんが目の前に居るのが、おかしいんだろ?
ドラゴンさんとはともだちになれたんだ。
何もおかしなことないじゃないか。
そうだ、ともだち。
わたしはドラゴンさんとともだちになって、グレイシアさんと、ピクシーさん、ソーナンスさんともともだちになって。
それから、それから、アリs……あ。
メタモンは思い出した。
全てを、思い出した。
友達になったドラゴンはもういないのだ。
友達になったからドラゴンはメタモンをかばって死んでしまったのだ。
「あ、あ、あああ……」
「お、おい、どうした? ……あ、そっか。目を覚ましていきなりなら驚くよな。
大丈夫、君を襲った奴なら片方は倒した。俺は君の味方だ。
って、それよりは、えーっと、まずはじ、自己紹介、でいいんだよな!?」
声にならない悲鳴をあげるメタモン。
その様をどう捉えたのか、一人納得した相手は挙動不審にきょろきょろした後、メタモンと目が合うように屈んだ後、お辞儀までして口を開いた。
「は、初めまして、俺のパートナー、俺のテイマー! 俺はエアドラモン、よろしくな!」
「ぱ、パートナー……? てい、まー?」
きょとんとするメタモン。
ようやく寝ぼけから回復してきたとはいえ、突然の展開にメタモンの頭はついてこれない。
きょろきょろと回りを見渡した後、その場に居るもう一匹に気づき、何気なく問いかける。
「えっと。どういう、ことなのかな?」
「……。モーショボーの方が聞きたいよ」
モーショボーとはこの子の名前かな。
メタモンは話しかけた女の子みたいな姿をしたモンスターが背を向けたことに訝しみつつ、もう一度、エアドラモンへと目を移そうとした。
唐突にパートナーだとか言われたから混乱したけど、考えてみれば、数時間前の自分と大差ないじゃないか。
きっと自分にとってのともだちになりましょうと似たような意味合いだったんだ。
メタモンはそう考えた。
「はい、喜んで! ともだちになりましょう、エアドラモンさん!」
甘い考えだった。
「違う、違う、そうじゃない! そうじゃないんだ! 友達、友達、友達ィ! そんなのは要らない、そんなのは捨てた!
そうじゃない、そうじゃないだろ!? 君はそうじゃないんだ、俺の、俺のおおおおお!」
唾液を振りまき、狂ったように悲痛な叫びをあげるエアドラモン。
メタモンには、自分が何かしてしまったことは分かっても、その訳が分からず、どうすることもできなかった。
「ご、ごめん、ごめんね、エアドラモンさん! でも、ともだちは捨てちゃダメだよ! 捨てられるのはとっても悲しいことなんだよ!」
「黙れ、黙れ黙れ黙ってくれええ! 聞きたくない、俺が聞きたいのはティラノモンのことなんかじゃない!
俺を見てくれ! 俺を、俺だけ、を……」
だから、そうかとエアドラモンが静かに口にし、一度顔を伏せた時、その意味をメタモンは図りそこねた。
けれど、次にエアドラモンが顔を上げた時、そこに浮かんだ狂った笑みを目にして、それがろくでもない何かなのは察した。
「そうだ、そうだよな。この場には、まだそいつがいたもんな。
なら、混乱しちまうのも当たり前だ。二匹もいたんじゃ、どっちがパートナーかなんて分からないもんな。
悪かった。ごめんな、俺のテイマー。ダメだな、俺は。せっかく君と出会えたのにその嬉しさで冷静さを欠いてしまってるみたいなんだ。
考えてみれば当然だよな。君が悪いはずがないんだ。悪いのは全部全部全部全部」
ゆらり、とエアドラモンの畳まれていた翼が広がる。
メタモンにはその羽根が悪魔の羽根に見えた。
「俺から君を奪おうとしたこいつらなんだ!」
羽ばたきと同時に撃ち出されたマヒ針は、エアドラモンの気がメタモンに向いているうちに逃げ出そうとしていたモーショボーの矮躯に突き刺さる。
「何すんの、よー……」
小柄な身体が災いし、麻痺毒はすぐさまモーショボーの全身に回る。
モーショボーはパララディも唱えられるが、そうするよりも速く、エアドラモンがその長い尾で彼女をぎりりと締めあげていく。
「キャハハ、ちょっと、モーショボーにSMプレイなんて趣味ないんだけど―。変、態? ロリコ、ン?」
「黙れ、そんなんじゃない! 俺はただ、あの子に、俺がパートナーに相応しい力を持っていることを分かって欲しいだけだ!」
悪態をつくも、モーショボーの声はどんどん苦しげになっていく。
メタモンがそんな彼女を放っておけるわけなく、必死にエアドラモンにしがみついて止めにかかる。
「止めて、止めてよ! わたし、そんなこと望んでないよ!」
「そんな、こと? 君が、よりにもよって君が、そんなことと言うのか!」
「そうだよ、わたしは、わたしはエアドラモンさんがモーショボーちゃんを傷つけることなんて望んでない!」
「うるさい、うるさい、うるさい! 君も分かってくれるはずだ! 力さえ見せれば、俺の力さえ見せれば!」
「分からないよ! 分かりたくなんてないよ!」
「力さえあれば、誰かが振り向いてくれる! 強ければ人気が出る!
それを君が、よりにもよって君が否定するのか!?」
一瞬、メタモンは言葉に詰まった。
エアドラモンが何故そうまでして、自分を求めているのかは分からない。
ただ、彼の言っていることは痛いほどに理解できた。
それはメタモンにとってもずっと抱えてきた未練だったから。
力さえあれば。
わたしが、もっともっと優秀な個体で、新しいあのメタモンよりも優秀だったなら。
ずっとトレーナーさんの傍に居させて貰えたかもしれない。
あの優しい笑顔をわたしに向けてもらえていたかもしれない。
分かる、分かる、分かる。
エアドラモンの願いは、自分の未練でもあり、よりにもよってわたしが否定しても何の説得力もない。
でもだからこそ、わたしが、このわたしが否定しなきゃいけないんだ。
「……違うよ」
わたしは、泣いていた。
これから告げるその言葉、その意味を分かった上で告げるのが辛くて悲しくて、泣いていた。
「確かに力さえあれば、必要とされるかもしれない。求められるかもしれない。
でも、そんな力だけで結びついた関係じゃ、いつか、あなたよりもっと強い新しい子が現れた時、あなたは捨てられちゃう。
そんなのふわふわじゃないよ。ちっとも、ふわふわじゃない」
それはエアドラモンさんに告げると同時に、自分にも言い聞かせる言葉。
あの人と、トレーナーさんとの――別れの言葉。
「だからこそ力が必要なんじゃないか、強ければ、誰よりも強ければ、捨てられることもない!」
「しねばともだちになれるなんておかしいよ! 殺せばパートナーができるなんておかしいよ!
みんな必死に生きているのに、人気のためなんて理由で命が失われるなんてわたし、嫌だよ!」
さようなら、ありがとう、大好きでした。……ごめんなさい。
▼
力が欲しかった。
ずっと力を欲していた。
誰かの顔色を伺ったりなんかしないで、強者に怯え続けたりしないで、胸を張って生きていける、そんな力に憧れていた。
モーショボー。
モンゴルに伝わる鳥の魔物。
悪しき鳥。
愛を知らずに死んだ少女が変じた悪魔。
愛を知らぬからこそ、モーショボーにとって、愛で結びついた関係なんて想像もつかなくて。
他人なんて、物理的にも、関係的にも、食うか食われるか、ただそれだけのものだった。
それは、今この時も変わらない。
はぐれメタルに命がけで守られようとも、ピンクの少女の訴えを耳にしようとも。
既に死に、悪魔と化してしまった時点で、彼女が愛を知ることは永遠にない。
ただ、それでも。
悪魔にだって、心はある。
はぐれメタルや、ピンクの少女の言葉に綺麗事だと唾を吐きつつも、惹かれるものがあったのは嘘じゃない。
きっとそれは、はぐれメタルもピンクの少女もこちら側だったから。
強者に振り回され、無力を嘆き、生きるのに必死な此方側だったから。
自分と同じ境遇の彼らが、それでもと明日を夢見て、希望を唄い、力を否定するその姿が、モーショボーには輝いて見えたのだ。
自分も、あんなふうに生きられたなら。
力がなくても、強く生きられたなら。
「だからこそ力が必要なんじゃないか、強ければ、誰よりも強ければ、捨てられることもない!」
「キャハハ」
おかしな話だ。
今、自分は殺されようとしている。
なのに、生きられたらなんて夢物語を考えている。
「死ねばともだちになれるなんておかしいよ! 殺せばパートナーができるなんておかしいよ!
みんな必死に生きているのに、人気のためなんて理由で命が失われるなんてわたし、嫌だよ!」
「キャハハハハ」
でも、いいじゃない。
どうせこれで最後なんだし。
最後くらい上手くズルくじゃなくて、馬鹿になって馬鹿なことをやってみよう。
「キャハハハハハハハハハハハハ!」
「何がおかしい!?」
このくそったれな強者/エアドラモンに、今まで好き放題してくれた強者たち/世界の理に、一矢報いて死んでやろう。
「おかしい? そうよ、こんなの絶対おかしいよねー。だってさー、そこの子の言う通りじゃない。
モーショボーたちはみんな生きるだけで必死だったのに。
よりにもよってそんなモーショボーや水銀君を殺す理由が、生きるためじゃなくて人気?
キャハハハハハハハハハハハハ、受ける~! これだから恵まれてる奴は大っ嫌い!」
「恵まれてる? この俺が!? 不遇デジモンのこの俺が恵まれてるだと!?」
恵まれてるじゃん。その大きな翼は大空を自由に飛べるんだから。
「だってそうじゃない! 不遇? それで?
それが命に関わったりするの? しないよね?
そもそもテイマーだとかパートナーだとか、そんなのが欲しいだなんて思えるのが、余裕のある証拠なんだってば」
生きるのに必死なら自分のことしか考えられない。
他人はみんな利用するかされるかで、愛のある関係なんて想像もつかない。
それが想像できるってことが、どれだけ幸せなことか、考えたこと、ある?
「違う、違う、違う! 俺は恵まれてなんかいない! 不遇だからこそ力を得て人気にならなきゃいけないんだ!
おまえに、おまえに俺の何が分かる!?」
「分かりたくもないよ、強者の傲慢なんてさー。そっちこそ分かってる?
そんな道楽で振り回される弱者の気持ちが。生きる希望を持てたばかりなのに踏み潰されちゃった水銀君の気持ちがさ。
ねえ、分かるの? 分かるの? 分かった上でモーショボーたちは殺されるの?
キャハハ! だったらやっぱり笑うしかないよねー」
本当に、笑うしかない。
強者たちはその力で、自分の我を押し通せる。
人間の脳みそだって食べ放題だ。
美味しいものが食べたいだなんて理由で、必死に生きる命をぷちりと踏み潰せる。
ああ、なんて羨ましい。
「うるさい、うるさい、うるさい、黙れ黙れ黙れ黙れええええええええ!」
なんて妬ましい。なんて腹立たしい。なんてムカつく。
「黙るのはそっち」
一刻も早く黙らせようと、締め付けるのに飽きたらず、喰い殺しに来るエアドラモン。
その馬鹿みたいに開かれた大顎に呑み込まれゆく中、モーショボーは笑っていた。
今までで、一番、楽しそうに笑っていた。
「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
笑って、笑って、笑い尽くした果てに、凶鳥は歌い、羽根を広げる。
大空に祈るように光に包まれる。
ずっと繰り返されてきた過ちが吹き飛ぶように鳥の歌を響かせる。
――バイナルストライク――
月明かりが照らす光のない世界で、モーショボーは時間の許すまで少し笑った。
強者も弱者も飲み込んだ爆発に吹き飛ばされながらも、凶鳥は高く光を目指した。
広がる世界を見渡すために、小さな翼は風に乗り、
「バーカバーカ。ざまあみろ」
そして涙と共に消えた。
【凶鳥モーショボー@女神転生シリーズ 死亡】
▼
どうしてこんなことになってしまったのだろうか。
口内からのモーショボーの自爆によって瀕死の重傷を負ったエアドラモンの脳裏を走馬灯が駆け巡る。
あの後、ティラノモンを殺しかけ、それをライチュウに庇われたエアドラモンは、泣きながら空を彷徨った。
どこをどう飛んだのか、覚えていなかった。
どこに向かっているのかも、分からなかった。
自分が何故泣いているのかも分からない。
友を本気で殺しかねなかったことにショックを受けているのか。
あるいは、自分が欲したものを捨ててまで自分が切り捨てたものを守ろうとしたピカチュウのことを、羨ましいと認めてしまうのが嫌だったからか。
答えを出すことから逃れるように、エアドラモンは全速で飛び続けた。
飛び続けて、飛び続けて。
もしかしたら、このまま飛び続けていれば、何かが変わったかもしれないその空の最中で。
エアドラモンは、それを、見つけてしまった。
奇跡だった。
それは、エアドラモンにとって奇跡だった。
遥か空の上から、その小さな姿が目に入ったのも奇跡ならば、その存在そのものも奇跡だった。
人間だ。人間の少女だ。
何故、こんなところに人間の少女がいるかなどと、疑問を持つことはなかった。
人間はエアドラモンを呼び機会を与えた。
エアドラモンは人間に選ばれるために戦って殺してきた。
なら、遂にその時が来たのだ。
俺は人間に、認められたのだ!
やはりライチュウになってしまったとはいえ元ピカチュウに勝ったのが大きかったか!?
いや、それ以前にエンジェモン系列を倒したことで注目されだしてたんじゃ!?
なら、トドメは俺だけのスピニングバスターでハートをがっちりつかめたってことか!?
やった、やったぞ、やったんだ!
もはやエアドラモンに自分が選んだ道が間違っていたことへの苦悩はなかった。
あるいは、その苦悩から逃れるために、自分は正しかったのだと正当化したのかもしれない。
言うまでもないことだが、その少女とはメタモンだった。
彼女を見つけられたのも、少女を運ぶはぐれメタルのボディが夕日の光を反射し、エアドラモンの気を惹いたからに過ぎなかった。
だが、エアドラモンはその真実を知らない。
知ったところで決して受け入れようとはしなかっただろう。
狂愛は盲目で、相手のことではなく、自分のことしか見えなくなっていた。
世界が、エアドラモンの望むがままに、都合のいいように歪んで認知されていく。
エアドラモンは、少女を連れて行るモンスター二匹を、少女を襲った敵だと決めつけた。
きっと少女はエアドラモンの活躍を見て、いてもたってもいられず、この島に飛び込んできたのだ。
そういえばさっき、飛行船を遠くに見た気がする。
もしかしたらあれに乗って、エアドラモンに会いに来たのかもしれない。
でも、そこで、あの二匹のデジモンに見つかって襲われたんだ。
エンジェモンっぽかった奴のように、人間に裏切られたと思って危害を加える奴らがいてもおかしくない。
なら、あの子が危険だ。
あいつらから助けないといけない。
それにもし、そうやってかっこいい姿をあの子に見せれたら、あの子はより俺のことを好きになってくれるはずだ!
追撃戦の果てにエアドラモンは、見事少女を救い出した。
銀色のバブモンはやたらと硬かくて、もしかしたら完全体のメタル系だったのかもしれないが、だからこそ、スピニングホールドの強さが映えたことだろう。
かっこよく勝鬨をあげたエアドラモンに応えるかのように、少女が目を覚ました。
焦点の合わぬ目で、ぽけーっとして寝言を呟いている少女を愛おしく感じた。
けど、なんでだろう。彼女は急に口をぱくぱくしだしたんだ。
ああ、そうか、彼女はバブモンたちに襲われた後だったんだ。
俺のこともあいつらの仲間だと思ってるのかもしれない。
或いはいきなり実物の俺が目の前にいて驚いているパターンもありえるな。
だからエアドラモンはまずは少女を安心させるために、自分は敵じゃなく、少女のパートナーなんだとアピールすることにした。
少女はどうにも合点がいっていないようだが、疑問に思うことはなかった。
どころか、現状を理解していない少女の様子に、もしや選ばれし子供達パターンか!?などと内心ガッツポーズしていたくらいだ。
ともだちにと言われた時は、ついついティラノモンのこともあって過剰反応してしまったが、彼女はこっちの事情を知らないのだ。
この子は悪く無い、悪いのは今もこそこそ逃げ出そうとしているこの子を怖がらせたデジモンだ。
色気のないレディーデビモンだ。
そうだ、そうに違いない、そうできゃいけない。
この子が泣いているのも、この子が拒絶してくるのも、この子が俺を否定するのも。
こいつの、こいつの、こいつのせいなんだ!
その憎きデジモンは、あろうことか俺ののことを恵まれていると称した。
いつも俺がグレイモンやガルルモンに向けていた妬みの目で俺を見つめてきた。
俺の根幹を揺るがすその目が、その声が耐えられなくて、俺は奴を黙らせた。
その結果が、このザマだった。
俺は力を得たはずだ。
エンジェモンを、ピカチュウを、メタル系を超える力を手に入れたはずだ。
なのに何故、俺は今、地に伏している!?
ダメだ、ダメなんだ、俺は負けちゃダメなんだ。
弱くちゃダメなんだ。少女だって言ってたじゃないか。
弱かったら捨てられると。この子のためにも俺は、もっと強くならなくちゃいけない。
誰よりも強くならなくちゃならない。
そのためにも。
そのためにも。
お前は邪魔だ、お前は邪魔だ、“エアドラモン”!
どうしてこんなことになってしまったのか。
その答えは既に出ている。
エアドラモンだからだ。
俺が、エアドラモンだからだ!
俺がエアドラモンだからティラノモンなんかにまとわり付かれ、大空を羽ばたけない。
俺がエアドラモンだからどれだけ強くなっても少女は振り向いてくれない。
俺がエアドラモンだから、不遇だとか、人気だとかを気にして、そこをとやかく言われて心乱れる。
俺が、エアドラモンでさえなければ。
俺が、大手を振れる強いデジモンなら。
俺は、俺は、俺は、パートナーを得られるんだ!
消えろ、消えろ、エアドラモン!!!
お前は、俺に、必要ないんだあああああああああ!!!
……だから……。
―――だからッ!!
Air Dramon エアドラモン Air Dramon
エアドラモン Air Dramon エアドラモン
『エアドラモン、超進化―――――ッ!!!』
Air Dramon エアドラモン Air Dramon
エアドラモン Air Dramon エアドラモン
▼
――力が、欲しいか?
欲しい。欲しい。欲しい! 力が、チカラがほしい! 進化できるチカラを! エアドラモンを捨てされるチカラを! 誰かが振り向いてくれるチカラを!
――ならばくれてやる。この我の“ムー”の残滓を全て貴様にくれてやる!
▼
こうして、エアドラモンは完全体へと進化を果たした。
はぐれメタルを倒し、莫大な経験値を得た時点で、既に進化は可能になっていたのだ。
ならば、その完全体とはなんだ?
メガドラモンか?
否。
サイバードラモンか?
否。
カラテンモンか?
否。
他人のとは言え正規の進化ルートに乗るには、エアドラモンはイレギュラーを取り込みすぎた。
エンジェモンをロードした、ピカチュウを殺した、はぐれメタルの心を得た、モーショボーの生き血をすすった。
天使、獣、メタル、悪魔。
それだけの力を取り込み、かつエアドラモンに縁のあるデジモンといえば一体だけだ。
ただの一体だけだ。
「まさか……」
隠形の術にてずっとこの戦いを見守り続けていたレナモンが、降臨した魔獣の姿に慄き、声を漏らす。
忘れるはずがなかった。
メタルエンパイアの侵攻の最中、森に住んでいたカブテリモンが戦いに狂い、闇に呑まれ、暗黒進化してしまったのをその魔獣の姿を。
レナモンが護りたかった多くの命を奪ったそのデジモンの名前を。
「だが、だがあれは、なんだというのだ……」
エアドラモンが魔獣に進化したことは、驚きはしたものの、まだ受け入れられるものだった。
カブテリモンが進化することもあるのだ。
同じく魔獣のパーツを構成するエアドラモンがキメラモンに進化しうるのも分からなくはない。
けれど、だが、しかし!
「あれもまた、力の果てというのか……。あんなものが私の求めたものだとでもいうのか!?」
その姿は、レナモンが知る魔獣と比べても異形だった。
拘束された天使の翼、女物の着物を纏った悪魔の腕、オレンジ色と黄色に彩られた獣の脚部、泡立つ鋼の髪。
そして何より、その胴と頭部を構成する、白い毛に覆われた暗黒のドラゴン!
不完全な完全体、完全で不完全な蟲毒の獣。
「ル、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
合成魔獣 キメラモン ここに 降誕
【C-5/草原/一日目/夜】
【レナモン@デジタルモンスターシリーズ】
[状態]:ダメージ(小)
[装備]:なし
[所持]:ふくろ(空)
[思考・状況]
基本:???
1:???
[備考]
メス。
多くの勢力が戦いを続ける激戦区の森で、幼年期クラスのデジモン達を守って生活していたが、
大規模な戦闘に巻き込まれた際、彼らを守りきれなかったことをきっかけに力を求めるようになった。
自力での進化が可能であり、キュウビモンに進化可能であることまで判明している。
※エアドラモンとはぐれメタルたちの戦いの顛末を全て見聞きしていました。
【メタモン@ポケットモンスターシリーズ】
[状態]:少女に変身中、疲労(小)
[装備]:なし
[所持]:ふくろ(中身なし)
[思考・状況]
基本:みんなを笑顔にして、幸せにする
1:殺すことは仕方ないこともあるかもしれないけれど、そうでなかったら反論する。今はエアドラモンを止めたい
2:”ともだち”をつくる
3:アリスが気にかかる
【キメラモン(エアドラモン)@デジタルモンスターシリーズ】
[状態]:狂乱、暗黒進化 ※ダメージなどは進化時に全快済
[装備]:なし
[所持]:なし
[思考・状況]
基本:誰よりも強く――
1:――
[備考]
デジモンに性別はない。が、オス寄り。
長い不遇生活でやや後ろ向きかつ、理屈っぽい性格。
アグモンともども、少なくとも参加者のうちでシリアスなレナモンとは別の世界観出身の可能性が高い(断言はしない)。
数多のロードと莫大な経験値、デビモンならぬムーの残滓によりキメラモンへの進化ルートが開通しました。
キメラモンを構成するパーツのうち、幾つかにロードしたモンスターたちの面影が見られます。
現在、グレイモン部分にムー、エンジェモン部分にエンジェル、デビモン部分にモーショボー、メタルグレイモン部分にはぐれメタル、ガルルモン部分にピカチュウ。
ただし、逆に屍や虫、恐竜に対応するデジモンは取り込んでいないため、あくまでも完全体としてのキメラモン止まりです。
※メタモンのことを人間と勘違いしています
※はぐれメタルからモーショボーに渡ったスリースターズ@ファイナルファンタジーⅥはバイナルストライクやエアドラモンによるロードで消滅しました。