brave heart

「brave heart」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

brave heart - (2013/11/04 (月) 11:24:33) のソース

風のように鋭く早く大地を駆ける三つの影は留まることを知らない。
険しい山道だろうがお構いなしに突き進む、只管に突き進む。


「邪魔だホ!」


行く手を都合よく阻んでいた大樹を拳一つで遥か天高くその彼方まで飛ばすジャックフロスト。
開けられた道を共に駆けるキノガッサとルカリオが目指すのは邪悪の象徴飛行船。


ぶっ潰す。


唯一つ変わらない目標を共に乗せ三つの影は進んで行く。
足場も不安定のはずだが彼らの走りは全くそれを感じさせること無く迅速に大地を駆けていた。
しんそくを用い駆けるルカリオはこの速さに適応してくる二匹に対し疑問を抱くも考えるのを辞めた……。
飛行船を潰す事は三者一致しているが大きくかけ離れている点が一つ。
それはルカリオが全ての人間を殺すことを一つの目標にしているが二匹は違う。
彼らは甘い。甘すぎるのだ。
これ以上この悲劇を、醜い惨劇を繰り返してはならない。
クーフーリンが、ボナコンが。
死んでいった魂のためにも、数多多き全ての種族のために終わらせる必要がある。


仮に飛行船を堕す事が成功したとして彼らが人間抹殺を邪魔すると言うのなら。


ルカリオは殺す覚悟が出来ている。



「遅れるんじゃないホ。更にスピードを速めるホ」
「はっ!上げすぎて自分が崩れないように精々気をつけなッ!!」


軽い掛け合いに見えるもその速度から考えるとよく声を出せるものだ。
阻む物全てを気にせず駆ける両者は正に覇王の姿を連想させる勢いであり後ろに控えるルカリオの瞳にも猛者として写っていた。
(キノガッサはたしかに強い……がここまでの強さを誇っていたか?)


ジャックフロストに関してルカリオは全くの知識が無いため元の強さも種族の成り立ちも知らない。
だが同じ同胞のポケモンであるキノガッサについては知っているつもりでありその強さも感じたことが在る。
たしかに強い、がここまでの力だったのだろうか。余程良いトレーナーに恵まれていたのかもしれない。


(故に人間に対して甘くなる――)


誰が何と言おうと考えを変更する気はない。
先程は納得したような素振りを見せたが心の奥底では憎しみの波動が溢れていたのだ。
簡単に言葉で変えられるほどルカリオは冷静ではない。戦況を見る点からすれば勿論冷静ではあるが。


「あれだな……アンタ準備はいいよなぁ?」
「無論だホ。何時でも……万全だホ」
「思ったよりも早く見つけられたぞ――飛行船!!」


三者全員息は切れているが闘志は衰えていなく飛行船を捉えるや否や声を上げる。
「それじゃあルカリオ……アンタの波動をカマしてやんな」
「何……?」
「因縁あんだろ?一番槍をくれてやるって話」
キノガッサから斬込を託されるが二つ返事では済ませない。
記憶新しいボナコンの最期が頭の中を縦横無尽に駆け巡り彼に最初の一歩を踏み出させない。
「……アンタから聞いたことは覚えてる。呪いってのにやられるんだろ?でもダチがやられて腐っていられるのかい?」
「行けホ。こっちも好き勝手に暴れさせてもらうホ」


何だこいつらは。
何処から湧いてくるのだこの無謀なまでの挑戦精神は。
命が惜しくないのか?飛行船に危害を加えれば間違いなく死ぬ事になるのは説明済みだしあちらも了解済みだ。
それでも一番槍を任せるということはルカリオを捨て石にするつもりなのだろうか。


「しかしあの飛行船は――いや了解した」


そうか。


波動が疼く。行かせろ、出来る、絶対的な自身が湧いてくる。
「それに今ならこっちの居場所は割れてないから奇襲をかけれるホ」
「何アンタは全力をぶつければいいだけさ。『その前』と『その後』は任せな」


そして三者は深い森を飛び出し宙に飛んだ。



深呼吸を行い精神を統一するルカリオ。
宙に浮かび風を感じて今雌雄の時に馳せ参じる時が来ているのだ。
力とは心に在り。
波動は心に在り。
我は此処に在り。
浮かぶ飛行船はこちらに気付いてはいないため完全な奇襲であり好機は恐らく一度だけ。
謎のバリアが常時形成されている可能性が高いがその場合は崩せばいいだけの話。
この波動はそんな簡単に止められるものではない。

「波動は我に在り――いざ」
己の全身に波動を纏ったルカリオの瞳は飛行船に吸い込まれていくように見つめていた。
彼処には許されない存在が、断罪されるべき人間が多数乗っている。
確実に息の音を止める必要がありその役目はルカリオの努めである。
「それじゃあ準備はいいね」
「飛ばしてやる――だから決めてこいホ」

キノガッサとジャックフロストの拳に脚を預けるルカリオ。
屈み一瞬のブラストに全力を注ぐために全ての神経を脚に集中させる。
「ついてこれるかい?ヒーホー野郎」
「お前に今度鏡を買ってやるホ」
「抜かせッ!!」

無駄口事多きされど拳から伝わる波動は真の波動也。
「下噛むなよ――ッオオオオオオオオオオ!!」
「ヒーホオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


全開に腕を振るったその拳に乗っていたルカリオは凄まじい速度で飛行船に迫る。
従来のポケモンでは出せない異例の速度は神速を悠に超え今限界を超え悪を殺すために迫る。
「波動の力を――!!」
この先は恐らく飛行船の範囲内であり故に攻撃は一切阻まれる領域に侵入している。
この壁を超えられなくては自分が死ぬ。超えれば相手が死ぬ。
単純だ。命の遣り取り実に単純明快である。だから覚悟を決めれるんだ。


一度は弾かれた波動ならばそれをも壊す覇道を進むだけ――。




■



これは飛行船に向かっている時の会話である。
「呪いね……まぁ何が起きても不思議じゃないけどさ」
ルカリオが語る呪いと波動弾を反射した飛行船の仕組みを聞いたキノガッサとジャックフロスト。
そこにジャックフロストが見つけたターミナルエリアの件を含めればそこに何かしらの秘密があるのは確実だ。
本来ならば先にターミナルに向かうのが適作だろうが今はそんな事どうでもいい。
「飛行船はここからなら視認出来るホ」
まずは身近な飛行船に仕掛ける。これが三人の進むべき道であった。


「しかし私の波動弾を反射する程のあの呪いをどうしたら――」
「それはアンタ、自分の力を過信し過ぎじゃないかい?」
「何?」
違う違うそんな顔すんな。宥めるようにニヤリとしながら言葉を続けるキノガッサ。
「タイミングの可能性もあるって話。とりあえずもう一回飛行船に仕掛けてみなきゃその呪いってのが何かも分からないしね」
対策を練るにもまずは情報がなくては考えることも出来ない。
飛行船の仕組みを一度体験しなくては何も答えは出ず、このまま逆にターミナルに向かっても無駄足になるだろう。
「だが反逆すれば私達の命が!」
「そん時はそん時ホ。でも死ぬ気はないホ」


ジャックフロストの無責任な発言に苛立ちを覚えるも心の中に留めるルカリオ。
私は死ぬ訳にはいかない。散った仲間のためにも憎き人間どもを粛清しなくてはならないのだ。
この脳筋二人組に付き合った結果命を落としては話にも、それこそ彼らに会わす顔がない。
しかし飛行船の仕組みをよく理解していない今、もう一度飛行船に仕掛ける必要があるのは事実。
どうやらここはルカリオが腹を決めなくてはいけないらしい。
「ったくどの口が言うんだか……まぁやってみるしかないね」



「なぁルカリオ。アンタの波動弾は物理や特殊の枠を抜きで考えて遠距離技だよな
?」
「ああ。少なくとも私の手から離れるが……?」
当たり前の確認をしてきたキノガッサの問に疑問を浮かべるルカリオ。
この問に何の意味があるのか、しかしキノガッサは何か思い当たる節があるようで。
「だったら『物理』でいきゃぁ少しは違った未来が見えるかもな」
「男なら黙ってやるホ。『そこまでの手順』はこっちに任せるホ」
不敵に笑うジャックフロスト。呆れながらも瞳は真剣なキノガッサ。
この二匹が何を考えているかはルカリオには理解出来ないし、感じる波動も不明だ。
だが。何だろうか。この根拠はないが安心できる気持ちは。


「一発かましてそっから先は悔しいが一度退くしかない。そのままターミナル?ってのに向かう」
「理解した……しかしあの飛行船には」
「文句は試してから言うホ。まだ遅くはない」
そうか――ここまで来たら信じるしかないのだ。この溢れる闘気の波動を持つ二匹を。


それに人間に反逆出来るのならば。形は問わない。泥にまみれても。
この波動を用いて奴らを抹殺することが出来れば過程など気にする必要はない。
この二匹は人間に対し甘すぎる。奴らは抹殺しなければならないのだ。その役目は私が務める。


この波動は奴らを殺すための覇道也。



■



ルカリオを大きく射出したキノガッサとジャックフロストは役目を終え宙にいる。
いや、宙にいるのだ。翼を持たない二匹は存在することなど不可能。落下するのみ。
「さぁて……アイツらも人間だ。夜ならワンチャンって言ったところかい?」
「その線は薄いホ。だがこれだけ勢い付けて放ったルカリオでも通じないなら話が変わるホ」
波動弾。己を波動弾と化したルカリオの一撃はキノガッサとジャックフロストの手助けもあり、尋常じゃない威力となっているだろう。
もしこの一撃を防ぐ技術、或いは呪いだとするならば。此処から先は厳しい事になるのは確実。


そのルカリオは一直線に飛行船に飛んで行く。
話が本当ならそろそろ謎のバリアか何かに弾かれる頃だが――。
「……何も起きないね。やっぱり夜だと警備とか曖昧なのかね」
「――!?いやあの部屋……外れだけ一室光ってるホ!」
一度波動弾を防いだような壁は無くルカリオは問題なく飛行船に近づいているがジャックフロストは灯りを見つける。
そしてそこには怪しい人影が幾つか確認可能であり、最悪の場合罠の可能性もある。


「チィ!あいつら何をする気だ!?」
「どっちにしろルカリオに任せるしかないホ――今は落下中」


これから起きるであろう事に不穏を感じながらも今この時は何も出来ない。
落下する二人の瞳は飛行船から離れることは無かった。



■



纏う波動は憎き対象を消滅させるべく放つ殺意の波動。
キノガッサとジャックフロスト。両者には納得した素振を見せてはいたがやはり人間に対し甘くなれない。
大切な友を失った。誰のせいだ。これは誰に責任があるのか。
「それは薄汚い貴様らだ――人間共ッ!!」
今此処で。あの時果たせなかった鉄槌を下す。


ルカリオの想いが届いたのか否か。波動弾を弾いた謎の障壁は存在しなかった。
故に己に波動を纏わせたルカリオは苦戦することなく飛行船に接近することに成功、波動弾を放つ体勢に入る。
位置する地点は飛行船の側面、波動弾の着弾地点はホールエリアと言った所だろうか。
何にせよやっと反逆の、抹殺の第一歩を刻むことが出来る。
腕を胸の横に移し己に纏わせた波動を一点に集中させ――瞳を強く。


「――!?」
ジャックフロストが遠目で気付いた灯りのある謎の一室。
肉薄しているルカリオもまたそれを確認した。そしてそこには黒い影。
「あれは……まさか!?」
あの人間たちには見覚えがある。いやあの服装に見覚えがあるのだ。
自分は直接関与した事がないため深い理由は知らないが世間で言う悪の組織。
何故此処に。知らぬが其れは良い理由ではないのは確定であり抹殺対象に入る――何故此処に。







「呪いが発動しなかったのはこちらで一時的に全てを失くしただけ……君達モンスターは何一つ遮断出来ていないのだよ」
一室から声は届く事はないが呟く黒服が一人。



飛行船の一室は研究室のような雰囲気を帯びていた。
巨大なモニターは分割で各エリアのモンスター達を映していてその手前には操るであろうキーボードもある。
近くにはパソコンが数台とある程度の設備は整っているようだ。
「こちらの準備は出来ました……が」
何か設備を調整していた一人の団員がリーダー格で在ると思われる人物に声を掛ける。
「どうした?調整には問題無い筈だろう」
「これで『あの方』は戻ってきてくれるのでしょうか?この――モリーのやり方は間違っていると私は……いえ、出すぎた発言をお許し下さい」
「そうか。君は変革期から入った新人だね?たしかに『あの方』は戻ってこないだろう、今は我々の組織だからな」
「――ッ!」


この非道な行為に嫌気が差す人間は少なからず存在しており、それは運営側にも然り。
「まぁ金にもなるこの仕事は素晴らしい……さぁルカリオに対する準備を進めろ!」
「「「「ハッ!」」」」
リーダー格の男の伝令で一斉に作業を開始する黒尽くめの団員達。
一つの窓が開き謎の機械には一つの首輪。
(俺は何処で道を間違えたんだ……『あの方』もたしかに悪の組織として俺たちを導いてくれた。
でも今の組織は、モリーは……自分たち以外の生物をゴミ以下として……すまないポケモン達……)
そして苦悩する男が一つのスイッチを押した時一つの首輪がルカリオに向けて発射された。


■



波動弾の構えを解き飛んでくる物体に対処しようとするルカリオだが時既に遅し。
初動が遅れたが故に首輪はルカリオに装着され黒い電流が走る。
「ぐわあああああああああああああああああああああ」
苦し悶え首輪を外そうとするが一向に外れる気配もなく落下するルカリオ。
「この波動は――やめろ、私に何を――」
脳内に、全身に。流れてくる邪悪な波動はやがてルカリオの全てを飲み込み――。


大地に落下した。








「おい大丈夫か!?」
一足速く大地に落下していたキノガッサとジャックフロストがルカリオに駆け寄る。
この二匹は落下のインパクトに合わせ拳を叩きつけ直撃を回避したがルカリオは受け身も取れていない。
そのルカリオだが見慣れない首輪が一つ、そして何処か黒くなっておりその闘気もまた黒。
「……!?離れるホ!ソイツは――」
ジャックフロストの言葉の通り今のルカリオは『ルカリオ』ではない。
キノガッサも異変に気付き尻尾を力強く大地に叩きつけ後方へと飛ぶ。そしてその時。
ルカリオを中心に黒紫色の波動が爆発し辺りを包み込んだ。


「んだよこれ……感じ悪くなったなァルカリオ!」
飛びながら言葉を飛ばし着地するキノガッサ。
「悪魔の……何があったホ?」
何処かで感じた事のあるこの異変に心当たりが有るかどうか考えるもその必要は無いようだ。
光が収まるとそこには倒れていたルカリオが立ち上がっておりこちらを見つめていた。
しかし以前の様な気は感じられず邪悪な悍ましい闘気を放っており最早別のポケモンとなっていた。


「私は目覚めた、殺意の波動に。このイービルスパイラルによって。
そしてこれより全てを抹殺する――覇道は我に在り」


とある世界でデジモンを苦しめたリングが今ポケモンのルカリオに発動されていた。
その邪悪はルカリオが持っていた人間に対する憎悪に狙いを絞り彼の全てを乗っ取ったのだ。
今彼は人間側に一部洗脳された哀れな人形。その行動は全てのモンスターの抹殺。


殺意の波動に目覚めたルカリオが誕生した。


「おいおい……本の数分の間に随分つまんねぇ奴になったなぁオイッ!!」
言葉を出した時には既にマッハの速度で距離を詰め拳を振り上げていた。
顔面一直線。パンチなんて生温い。この拳で目を覚ましやがれ、と。
「今の私にそんなものは通じない」
拳が届くよりも速く闘気が放出されその衝撃で飛ばされるキノガッサ。
瞬時に両腕を交差させ威力の軽減に務めるもその勢いを殺す事は出来ずに大きく後方へ運ばれてしまう。
入れ替わりで上空から殴りかかるジャックフロストもまた大きく天に昇る。そしてその高さを利用する。
「ヒィィィィィホォォォォォォオオ!!」
高さからの落下と己に発動したタルカジャも併さりこの一撃は強烈な攻撃となるだろう。
「鉄拳制裁ってやつだホ!これでも喰らって少しは――」


「絶!!」
落下するジャックフロストに合わせるように波動を纏い拳を昇竜の様に放つルカリオ。
その拳はジャックフロストの拳とぶつかり、勝り、彼の首を強く掴む。この時ジャックフロストの口から唾が垂れる。
首を掴んだ腕を弱めずに彼を下にして大きく落下するルカリオ。
「塵と共に滅せよォ!!」
落下の瞬間大地に触れたジャックフロストを中心に黒紫の波動が大きく爆発を起こしエリアを破壊する。
余談だがこの時ジャックフロストの顔は笑っていた。


「冗談じゃねーよ……あの首輪にどんだけの力が秘められてんだよ……アンタも簡単に洗脳されてんじゃねぇよ!!」
しかしルカリオに言葉が届くことはない。
「言っただろ、私は全てを抹殺するだけだと」
「そんなチンケな首輪に何操ら「今度はお前がぶっ飛べホォオオオオオオオ!!」
大地に寝転んでいたジャックフロストの拳はルカリオの不意を突きド腹に命中し彼を後方へ。
牽制に放たれた波動も拳で粉砕しバックステップで体勢を立て直す。
「おいアンタその左肩――」
「こんなの余裕だホ、それよりも来るホ」


ルカリオはジャックフロストの攻撃を喰らっても気にはしていない。
それ程までに今の彼は強い。そして強い。


「もう迷いはない……全てを抹殺するだけだ」



膨れ上がる殺意の波動は留まることを知らず永遠に溢れ続ける。
「おいおい冗談じゃねぇぞ……」
その邪悪さは引いてしまう程。しかし威力は本物であり願い下げである。


「滅――」


「そうだ、これだけ言っとくよ」
キノガッサはルカリオが波動を高める中ジャックフロストに語りかける。


「同じポケモンなんだ、だったら後始末ぐらいさ」


「波動!!ダァアアアアアアアアアアアアアアアアン!!」


殺意が放たれたから全てを包み込むのに時間など要らなかった。


暗き闇夜に灯る人影の紫はまるで葬火の様に美しくも全てを消し去って――。




■



大地は荒廃し立っているのは殺意に目覚めた修羅が一人。
その瞳は血を永遠に求め彷徨い、潰し、全てを喰らい尽くす。
そして今も二匹をこの世から抹殺した所である。生物全てが劇的に死ねる訳ではない。
たった一つの一撃で簡単に形が崩れる。儚い。あぁ儚い。


修羅は更に血を求める。覚醒したこの波動は永遠に血を求める覇道也。


「おい……まだ終わって、ねぇぞハゲ……ッ」


「消えていなかったか」
滅波動弾は全てを消し去った。だがキノガッサはそれでも立ち上がって、立ち向かってくる。
そうキノガッサだけ。
「ジャックフロスト――そうか貴様を庇って」
此処に存在しないでキノガッサが存在しているならば。答えは一つ。
漢が一人逝ってしまった事を表わす。
「……あの馬鹿」
小さく。とても弱い声で呟くキノガッサ。その表情は笑っているのか悲しんでいるのか。
確定出来ない、理屈では説明出来ないのだ。この感覚は。


「まぁ柄でもないけどさ……危険なアンタを此処でやんなきゃいけないってこと」
満身創痍。例え身体が悲鳴を挙げていてもキノガッサは拳を構える。
亡き友に捧げる――そんなロマンチックな理由で彼女は此処に居るわけではない。
「人間を殺すねぇ……あん時から気に入らなかった。そんで今も気に入らねぇのさ。アンタ器が小せぇんだよ」
人間だって悪い奴だけではない――それを身を持って知ったキノガッサは解るのだ。抹殺する必要がない。
馴れ合いを続けろ、とも言わない。ただ。


「抹殺何てよ。アンタ……テメェもあのオッサンとやってる事変わんねぇだろ?あン?」


この発言を皮切りに両者一斉に飛び出した。



マッハパンチを放つキノガッサに合わせ波動でブースト性を帯びた加速力で突っ込むルカリオ。
そのままキノガッサの右拳を肘でかち上げガラ空きの腹に左足で蹴り上げる。
血を吐きながら上昇するキノガッサに追撃の手を休めること無く昇竜の如く飛翔。
しかしキノガッサは尻尾でルカリオの右腕を縛り上げ逆に大地に叩きつける。
「こいつを持ってけ……タネのマシンガンだよッ!!」
以前ジャックフロストと共に食した木の実のタネを今此処で吐き出すキノガッサ。
タネは烈火の如く迅速でルカリオに追い打ちを掛ける。
ルカリオは受け身を取り転がりながらタネを回避し牽制がてらに波動弾を一つ放つ。
空中で動く術を持たないキノガッサは絶体絶命。


「テメェ後で覚えとけよ……ッアァ!!」


空中で回避行動に移るには自分の身体に外部から衝撃を与えるしか無い。
尻尾を固く、己の身体にムチの様に叩きつけ平行移動を起こし無理矢理波動弾を回避。
しかし限界寸前の身体にはそれでも致命傷であり、もう長くは持たないだろう。
「身体が動かな……!?」
身体が動かないのはルカリオの方だった。
躱したタネは成長し彼の身体を縛り上げる、所謂やどりぎのタネが発動したのだ。



この隙を逃さず一気に間合いを詰めるマッハパンチ。本来ならば力を溜めたい所だが時間が勿体ない。
現にルカリオは攻撃の瞬間に弦を破り裂き防御態勢に移行していた。
そのため大きく吹き飛ばされるもののダメージは期待できない。
(やっぱあの波導って奴が邪魔で全然吸えてねぇな)
思ったよりも回復が出来ておらず舌打ちをするキノガッサだがそれでも回復に成功したことは大きい。


更にキノガッサは尻尾を叩きつけ飛翔。其処からほうしをばら撒く。
「波動は我に在り」
しかしルカリオは波動を放出しほうしを全て消滅させキノガッサの打点よりも高く空へ。
身体を回転させた踵落としはキノガッサの脳天に響き大地に落下。


「な、ナメてんじゃねぇぞオラァ!!」


ド頭から大地に突き刺さるも彼女は立ち上がる。流血なぞもう気にする必要もない。
衝撃で生まれた大地の欠片を尻尾で叩きつけ宙に浮かせ拳の構えを取る。
「即席ストーンエッジ……喰らって見やがれええええええええええええ!!」
正拳突き、回し蹴り、ラリアット、回転尻尾。動ける全ての部位を稼働させた岩の弾幕。
対するルカリオは空中に飛び第一陣を回避、迫る第二陣には波動で対応を開始する。
「斬空波動弾!!」
己一点に集中した岩の弾幕を右腕に集中した波動一撃で消し去る。この強さ圧倒的。



「着地なら文句は言わせねええええええええええええええ」
ルカリオが大地に落下する瞬間を狙い拳を一つかますキノガッサだが。
「甘い!だから貴様らは人間に対しても甘いのだああああ!!」


攻撃を左腕で掴みルカリオは空いた右腕でキノガッサを殴り抜ける。
そのまま左腕で正拳突きを行いキノガッサの心臓を狙い打、動きを止めたまま右足を振り下ろす。
右足は胸を滑りながら体全体に衝撃を与え、まだ手を休めない。
「クソがぁ!!」
キノガッサの怒り狂ったラリアットをしゃがんで躱し更に右拳を重ねる。
そこから己を竜巻の如く回転させ脚でキノガッサを巻き込みながら上昇。
止めの昇竜の如き波動飛翔拳を放ちキノガッサは反応も、受け身も取る事が出来ずに何度目か分からない落下。


「私は最凶の力を手に入れた……だがこの苛立ちは一体?」


己は全てを抹殺する力を手に入れた。だが心は晴れない。
何故だ。何が可笑しい。参加している生物を全て抹殺出来るのに。
生物?違う、私は人間を――いやち、……違う?


「私は……私は!!」
頭を抱え狼狽えるルカリオに誰も手を差し伸べない。それはキノガッサも同じ。


「テメェでテメェの事も分かんないなんてよォ……漢が泣いてるぜ?」


無論こんな台詞を吐ける程余裕が無い。
だが雌である彼女にも退けない物がある。


女もそうさ――歯を食い縛って最後までやり遂げる時だって在るものだ。



「大体よ……さっきも言ったけどテメェがやろうとしてる事はオッサンと何も変わんねぇ」
命を安く見ている外道に変わりはない。

「テメェがどんな生き方をしてきたかは知らないけど器が小せぇよ」
あたしも『あの人』に出会えて変われた。
生物誰しもが変われる、己の人生を変えられる。


「そんな意味の分かんない首輪に頭下げて貰った摩訶不思議な神通力で戦って何が楽しいんだよ?テメェも漢ならテメェの拳でよ――格闘の矜持が泣いってぞォ!!」
何度目が分からないマッハパンチを放つキノガッサ。
波導で強化されたルカリオに一発当てるにはゼロ距離で仕掛けるか不意を付くしか無い。だが。
血を吐き、動きを止め、膝を付く。


「情けねぇ……嗚呼情けない。矜持が泣いてるのはあたしかい?ったくあの人に会わす顔が無いね……。
でもこちとらあの人と出会う前から喧嘩に明け暮れてんだ……退けねえし引く気もねぇぞルカリオォオオオオオオオオ!!」


地面にローキックを放ち砂煙を挙げその隙にタネマシンガンを正面へ、己を右側面へ。
ルカリオは波動で砂を消し去り、拳でタネマシンガンを弾き落とす。
側面には波動弾――そこにはキノガッサではなく迫る岩の弾幕。余った瓦礫のストーンエッジ。
竜巻の様に身体を回転させ全て弾き飛ばし瞳は回りこむキノガッサを逃さず己の身体を半回転。


「……もう楽にしてやる……」


其処には己の移動に耐えれなくなってしまい膝を付いているキノガッサの姿があった。



息を切らし、血を流し、身体を己の血で紅く染め上げるキノガッサ。
されどその瞳は死んでおらずルカリオの姿を捉えていた。


「テメェの波導は……波動だ……何言ってるか分かんないと思うけどよォ……。
誰にも、誰も導けねぇチンケな自己満の波動何だよそりゃあ……」
波導の使命を忘れた殺意の波動は誰も導くことは出来ない。
全てを滅する邪悪な波動は誰も望んでいない。それはルカリオも同じだった。


「もういいだろ……テメェ自身に嘘付かねえでもっとテメェらしく……ハッ。
この声も届かないのかい……あーそーかい……ならさ。


あたしももう悔しいが動けない。柄じゃないけど『奇跡』って奴にすがって明日を見ることにするよ!!」


袋に入っている『彼女の支給品』を天高く放り投げる。
その物体は全てを魅了するほど黄金に輝き辺りは夜なのに朝に感じるほど眩しく。
「!?」
本能で感じ取ったのか、波動を飛ばすルカリオだが黄金の輝きに消滅され不発。
その光はキノガッサを包み込み――進化を促す。







かつてこの世でポケモンを発見したオーキドと言う博士がいた。
彼が発明したポケモン図鑑は世紀の大発明とも呼ばれそれは革命だった。
しかしそのポケモンは彼が発見した数よりも多かった。これは彼が悪いのではない。
まだ見ぬ大地のポケモンや幻、外来種など多くの生態系が産んだ奇跡の系譜。
そして新しい地域では進化を超える進化が発見されていた。



「貴様――その輝きは!?」



「知るか……テメェの目で確かめなァ!!」



人それをメガシンカと呼ぶ――



黄金の輝きは殺意の波動をも超える。


その輝きはキノガッサに鎧となって表れ彼女の力を極限まで、全開の彼方まで高める。


これがメガシンカ。


そんな訳ない。これはメガシンカではない。


彼女は言った。『奇跡』と。


最後まで諦めなかった彼女が運命か否か。


引き当てた支給品は彼女の思いに答えた。


それは偶然か必然か。


「貴様……その姿は一体……!?」





「テメェに名乗る名前は……まぁ強いて言うならアーマー進化ってところかな」





奇跡のデジメンタル――その輝きは言葉通りキノガッサに奇跡を齎した。



黄金の奇跡の輝きと邪悪に満ちた殺意の波動。
両者互いに相容れること無い光を纏い最後の立ち合わせを迎え――仕掛けたのはルカリオ。
波動を纏った拳を突き出し、対するキノガッサも迎撃のために拳を合わせる。
ぶつかり合う拳は衝撃を放ち――キノガッサの奇跡が勝る。
第二陣に拳から黄金の衝撃が飛びルカリオを大きく吹き飛ばす。


両肩に突起物。
頭に兜。
腕に装甲。
身体に鎧。
黄金の奇跡を纏ったキノガッサは初めて殺意の波動を凌駕した。


「ハハ……ハハハハハッハハハッッ!!」
突然笑い始めたキノガッサに戸惑いを隠せないルカリオ。
距離を詰め攻撃しようとしたが急な事象に一旦中止しキノガッサを観察する。


「やめだやめ。ったくよぉ……あたしだって摩訶不思議な神通力じゃねえか……奇跡に頭下げてよぉ……。
情けねぇ、嗚呼情けねえ。
あたしだってこの拳には自身が在る――それを証明して帰る。こんな所で朽ち果てる気は」
鎧は彼女の言葉と共に音も無く消滅していった。
この光景を見ている人間はキノガッサが逝かれたと想像しているだろう。
事実、彼女は唯一殺意に目覚めたルカリオに克つ術を失くしたのだ。加えて満身創痍。
上昇した勝率は全てマイナスをも超える天元突破を引き起こしている。


しかしその輝きは全て拳に集中していた。
全ては最期の一撃のために――全てを捧げる。



「――朽ち果てる気はないんだよォオオ!!


ルカリオは恐怖していた。その脚は徐々に後退し始め彼の自身の無さを表していた。
自分は、この波動は。絶対に敗北しない。この殺意は全ての■■を抹殺する。
「滅――!!」
語る言葉など無い――いや語ってしまったら自分が壊れてしまう。
この感情は理屈じゃない。


「もっと輝け……何て気取った事を言わないさ……このまま殴り抜けるッ!!」


大地を全速力で駆け抜けるキノガッサは笑っていた。
傍から見れば自殺志願者、哀れな雑種にしか見えないだろう。
しかし彼女はそんな事は微塵も思っていない。
勝利の先のヴィジョンが彼女に見えている――もう一度あの人と旅する己の姿が。


「龍哭――!!」


高まる波動に恐れること無く走り続けるキノガッサ。
止めれるモンなら止めてみろ、この輝きはそんなチンケな波動じゃ止められねえ、と。
「拳一つで終わらせるホ――ってか?」
最期まで彼女は笑っていた、その笑顔は何よりも勝る黄金の輝き。
誰が言えよう――あのポケモンは自殺志願者だと。


「波動ダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!」


究極に高められた波動は全てを飲み込む。
それはキノガッサも含まれている。が彼女も退く気は無い。立ち向かうだけ。
打ち交わす拳を通じて見えてきた生きる意味――それは闘争。


「届けえええええええええええええええええええええええええ!!!!」


迫る波動に拳を放ち対抗するキノガッサ。
黒紫の波動を突き破るように正面から輝く黄金は小さい光りながら波動に押し負ける事なく突き進む。
打点を中心に二つに裂け確実に、小さく一歩ずつ進み続けるのだ――止められるモンなら止めてみろ。


両者の叫びが響くこの夜に。意地と意地がぶつかり合う。
届くのか、届かないのか。
言えることは唯一つ。







「やっぱ奇跡に頼るってのは都合良すぎたか……しゃあねぇ……」









黄金の輝きは急に勢いを失い消滅した。










■



大きく抉り取れた大地に背中を向け歩き続けるルカリオ。
彼は勝った。だが勝利の感覚など存在せず苛立ちだけが残る。
最期にキノガッサが魅せた輝きは何処か懐かしい、そしてどんなに手を伸ばしても届かない暖かさが。


思えばこの首輪は――考えるのを止めた。
今はただ全てのモンスターを抹殺するのが使命。
だがそれを終えたら何をすればいい?


何も分からない。


誰も答えてくれない。


「我は何処に……」





【F-3/海岸/一日目/深夜】
【ルカリオ@ポケットモンスター】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、殺意の波動、迷い
[装備]:イービルスパイラル@デジタルモンスターシリーズ
[所持]:ふくろ
[思考・状況]
基本:参加モンスターを抹殺する
 0:参加モンスターを抹殺する
 1:その後は……その後は……
 2:クーフーリン、ボナコン?このノイズは……


[備考]
※オス。仲間思いな性格。悪人達によって仲間が連れ去られ、人間に怒りを感じていた。一人称は「私」。
※ボナコンの最後を見届けました。詳細はわからずとも、飛行船や呪いについて、幾らか情報を得たと思われます。
※判明しているわざ構成ははどうだん、あくのはどう、しんそくです。
※イービルスパイラルによって殺意の波動に目覚めました。
解除するには首輪を破壊するか外すしかありません。制御はターミナル介してる模様。







「すいません……もう帰れそうにありません……」



荒廃した大地に寝そべるキノガッサ。
彼女は元々ジャックフロストと戦い体力を消耗し、飛行船を追うために小一時間全速で走っていたため限界だった。
故に奇跡の力は消えてしまった。
そこに殺意の波動に目覚めたルカリオと交戦すれば朽ちるなど簡単に想像出来た。
だが彼女は戦った。何とも不器用な生物よ。


「結局アイツは人間を恨んだままか……つまんねぇ人生送ってんな」
瞳をゆっくり閉じる。そこにはあの人と修行した日々は脳裏に浮かぶ。
小さな一筋の涙。強がってもキノガッサは女であり、強くない。


「って涙何て流して……雪?」
頬を伝わる水は涙ではなく雪。しかし何故雪が……雪と言って思い浮かべる漢が一人。
「本当に……意味分かんない奴だよアンタは……ハハッ」
腹に手を当て笑うキノガッサ。更に頬を伝わる水か雪なのか。それは誰にも分からない。


拳を空に伸ばし月を見つめる。美しい、あたしも彼処に行けるのかな、と。
「後は任せた……絶対このふざけたモンをぶっ壊してくれ」
誰に誓った願いなのか、これは一人の呟き。意味など存在しない独白。
誰かが聞いたかもしれないし、誰も聞いてないかもしれない。




「でももう少し……もう少し生きていたかった……死ぬのって怖い……って柄でも無いことを言い過……ぎ。
で、も……最期くらいは……女ら……し……ッ」




誰もが劇的に死ねる話ではない。


ただこれ程月が美しい夜は存在しないだろう。


そして小さく。とても小さいが。


タネから小さい命が芽吹いていた。



【キノガッサ@ポケットモンスターシリーズ 死亡】




「イービルスパイラル未だに健在、奇跡のデジメンタルは消滅、これに伴いキノガッサ及び先の抗戦でジャックフロスト死亡確認!!」


飛行船の一室で団員が一人大きな声で各員に伝令を伝える。
実験は成功した。ルカリオの人間に対する憎悪を利用し殺戮ポケモンを創る事に成功した。
イレギュラーである奇跡のデジメンタルと強者ジャックフロストを消したことにより歓喜に満ちる研究室。
「ジャックフロストに賭けてたのによぉ」「ガブリアスがどうしたって?」「ワームモンって何だよ」


誰も死を悲しまない。するとすれば自分の賭けが外れた事に対する溜息。
人間は全員が悪い者ではない。だがこの空間に居るのは人間の邪悪さを凝縮した人間のみ。


(こんな事……こんな……ッ!)


一人の青年がズボンを力強く握り締め下を向いていた。
もうあの頃には戻れない。理想も何もかも存在しない欲を満たすだけの野蛮な組織。
こんな組織に価値なんて――しかし彼にはどうすることも出来ないのだ。
勝てる筈がない。それに自分もその悪の組織に身を置いている。どの口が悪を断罪するのだ。
悔しく二つのモンスターボールに手を添え彼は再び作業に戻る。


「バリア展開完了!!これによりもう外部からの攻撃を受けることはありません」


「よし……変わらず潜航しろ」



こうして飛行船は変わらず飛び続ける。















「さぁてこっからは……行かせてもらうホ」








飛行船の左翼を拳で撃ち抜いたジャックフロストはぶら下がりながら告げた。



ルカリオが放った滅波動弾で彼は死んでなどいなかった。
キノガッサの協力の元飛行船へ飛んで行ったのだ。
その際に生まれたクレーターに避難し滅波動弾を逃れたキノガッサ。
一か八か。ルカリオが飛行船に接近出来たように今なら近づける筈――答えは正解。


「……」
しかし代わりにルカリオの相手をしたキノガッサは死んでしまった。
此処に来てから少しは骨のある奴に出会えたかと思ったが――。


『これより我らは互いに拳を交えた盟友となる』


気付けばジャックフロストは少量の雪を降らしていた。この感情は理屈じゃ説明出来ないだろう。
そして彼も理解する必要はない。友が一人死んだのだ。それ以外に何も存在しない。


「叛逆の時間だホ……地獄への片道切符は途中下車なんて存在しないホ」


左翼の上に飛び乗り拳を構えるジャックフロスト。


此処から先は弔い合戦や人間への復習でも何でもない。





ただの喧嘩だ。





【F-3/飛行船真上/一日目/深夜】


【ジャックフロスト@女神転生シリーズ】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(小)、流血、覚悟
[装備]:GAKU-RAN(ガク-ラン)@デジモンシリーズ
[所持]:ふくろ
[思考・状況]
基本:東京に帰る
 1:頑張る
 2:喧嘩を売られたら殴る
 3:殴って勝てなかったら蹴る
 4:まぁ楽しかったホお前もな


[備考]
オス。皆様も御存知の通り、数々の激戦を繰り広げた猛者。
一人称はオイラで、語尾はホ。
あと、ヒーホー。
精神異常無効、身体状態異常無効、テトラジャ、デクンダ、タルカジャ、気合、鉄拳制裁、万魔の一撃。
純粋に最高の状態で殴りあう事に特化したビルド。
いろんなシリーズのが混ざり合ってる?
いやだってこいつ皆勤みたいなものだし、そりゃ色んなシリーズに呼び出されてるさ。


E-6でターミナルルームらしき部屋を発見しました。
目印としてオレンのみを起きました。


D-7洞窟がD-4まで開通しました。
そのことによる山部分などへの影響は不明です。


D-4及びF-3の大地は荒れました。


|No.74:[[黄昏の影を踏む]]|[[投下順]]|No.76:[[]]|
|No.73:[[わるだくみ]]|ルカリオ|No.:[[]]|
|No.73:[[わるだくみ]]|妖精ジャックフロスト|No.:[[]]|
|No.73:[[わるだくみ]]|キノガッサ|&color(red){死亡}|