決勝(5)

クロスオーバー・モンスター闘技場wiki リレー小説企画内検索 / 「決勝(5)」で検索した結果

検索 :
  • 決勝(5)
    ◇ 全身が凍り付いていた。 昔、聞いたことがある。 モンスターが吹雪を受けた際の完全凍結率――つまりは指の先すら動かせなくなる確率は三割。 その吹雪をありったけ――回避行動も取れぬままに五度受けた。 そして、己の復活を拒むように全身をコロシアムの瓦礫が押し潰している。 成程、氷で全身が脆くなっている。死ぬのだろう。 今まで、自分の死ということを終ぞ思ったことはなかった。 死ぬ寸前まで闘い、戦い終わった後にやっと自分が死んだことを気づくものだと思っていた。 成程、この全身から力が抜けていくような感覚。 全身を泥沼に投げ出したかのような沈みゆく感覚。 これが死か。 成程。 わかった、つまらん。 まだ、自分は闘いを求めているらしい。 全身が凍結し、瓦礫によって押し潰された肉体はあらぬ方向に折れ曲がり、砕けかけているというのに。 それでも、自分は闘いをやめられ...
  • ◆3g7ttdMh3Q
    ...決勝(3)決勝(4)決勝(5)決勝(6) 92 延長戦 作品に寄せられた感想 CMロワのトップ。圧倒的な文章力で、一発ネタからシリアス、ホラーまでやってのけるオールラウンダー。CMロワにおける氏はまさに水を得た魚であり、とっつきやすさと緩さが売りのCMロワにおいて盛大に弾けている。CMロワの空気を作り上げた功績者である -- 名無しさん (2013-07-31 19 18 28) 名前 コメント
  • 24時~終了までの脱落者
    ...ロー ハムライガー 決勝(5) ハムライガーの攻撃 不明   モリー ルカリオ 決勝(6) ギガスラッシュ 不明 殺害数ランキング 順位 該当者 殺害数 被害者 生存状況 スタンス 1位 ハムライガー 6匹 ハム、ホイミスライム、ゲルキゾク、ガブモン、モルボル、プチヒーロー 生還 対主催→優勝狙い→贖罪 2位T 魔人アリス 5匹 チョコボ、ドラゴン、ケルベロス、ガブリアス、エアドラモン 死亡 遊ぶ 2位T エアドラモン 5匹 天使エンジェル、ピカチュウ、はぐれメタル、凶鳥モー・ショボー、メタモン 死亡 不遇脱却 4位 ルカリオ 4匹 キノガッサ、オルトロス、チャッキー、モリー 生還 対主催→抹殺→対主催 5位T ギルガメッシュ 3匹 キラーパンサー、ジュペッタ、ギルガメッシュ 死亡 優勝狙い 5位T 妖精クーフーリン 3匹 すえきすえぞー、バトルレックス、妖精クーフーリン ...
  • 51〜100
    ...決勝(3)決勝(4)決勝(5)決勝(6) ◆3g7ttdMh3Q クロスオーバー・モンスター闘技場 モリー、ベヒーモス、レナモン、グレイシア、ソーナンス、ピクシー、プチヒーロー、ルカリオ、チャッキー、ハムライガー、モルボル 92 延長戦 ◆3g7ttdMh3Q ????
  • 決勝(4)
    ... ―――決勝(5)
  • 本編SS目次(時系列順)
    ...決勝(3)決勝(4)決勝(5)決勝(6) ◆3g7ttdMh3Q クロスオーバー・モンスター闘技場 モリー、ベヒーモス、レナモン、グレイシア、ソーナンス、ピクシー、プチヒーロー、ルカリオ、チャッキー、ハムライガー、モルボル 92 延長戦 ◆3g7ttdMh3Q ???? +エピローグ 【エピローグ】 No. 題名 作者 場所 主要人物 93 クロス・ソングス ◆TAEv0TJMEI はじまりの街 レナモン 94 だけど、生きていく ◆5omSWLaE/2 ファーム ハムライガー 95 描き出す未来図 ◆TAEv0TJMEI 悪の秘密基地 ルカリオ 96 手をつなごう ◆TAEv0TJMEI 星空 グレイシア
  • 決勝(2)
    ◇ 「……そうか、そうなんだね」 生き残りの名前を聞き、プチヒーローはガブモンが成し遂げたことを理解した。 ガブモンは命を犠牲にしてでもハムライガーを救ったのだ。きっと、そうだと信じている。 プチヒーローはガブモンのことを、そしてハムライガーのことも、信じていたのだから。 それでも、沸々と湧き上がる悲しみの感情は抑えきれない。 当然だ、ハムライガーは彼ら二匹共が揃って戻ってくることを願っていたのだから。 「……死んだのだな」 「うん」 ルカリオの目から見ても、プチヒーローの消沈は明らかであった 己のように、元より奪われて来た者も、あるいは平穏無事に暮らしてきた者でも、 誰もが誰も平等に、この場所では何かを奪われずにはいられない。 「ベホマ」 プチヒーローが唱えた治癒呪文は、ルカリオの失った体力を満たしていく。 体を動かすのにも、あるいは波導を多用しな...
  • 決勝(1)
    ◇ ――かたり、かた、かた、かたかたかた 生き残った者の特権の一つは感情を露わに出来るということだ。 泣き、笑い、怒り、喜ぶ――死者には出来ない、死者の表情にあるのは最期の感情の残滓のみ。 ならばこそ、チャッキーは嗤う。殺した者の分も含めて、何もかもをも踏みにじって、嗤う。 下顎が上顎が噛合う度に、かたりと音が生じる。 ただの音だ、だが――彼にとっては笑いだ。人形故に己の頬は上がらない。 故に、これが己に張り付いた微笑だ。世界に産声を上げた己の笑いだ。 ああ――この時間が一生続けばいいのに。 不自然なまでに整えられた地面を噛みしめるように、愛おしむように、しっかりと、一歩ずつ足跡を刻んでいく。 一歩一歩足跡を刻む度に、距離が縮んでいく。ああ、いっその事――このまま永遠に歩いて行きたい。 だが、何時までも楽しい時間は続かないのだ。 辿り着...
  • 決勝(3)
    図らずしも二対二の形になったか、否。 ルカリオとベヒーモスは二であるが、黒き竜とチャッキーは敵同士であるが故に、決して組むことは無い。 二対一対一、これがこの戦場での正確な形だと言えるだろう。 ただし―― 「ドゥドドオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」 黒き竜の口より紫煙が吐出さされた。 文明の発展により、誰を狙うでもなく生み出された毒――スモッグ。 毒性はあるが、致死性は低い。 排気ガスという性質上、吸い込まないという手段による回避が可能なためである。 呼吸を止めて数秒、吐き続ける相手に一撃をくれてやれば簡単に毒の垂れ流しは終わる。 ただ、黒き竜の目的は当てることではなかった。 「毒だと……」 ルカリオとベヒーモスの二匹が、敵が吐くものの正体に気づかないか。答えは否、気づかないわけがない。 しかし、問題はその先にある。 意識を失ったプチ...
  • 決勝(6)
    ◇ 「……何が起こった?」 先ほどまで、レナモンが持つスマートフォンには自分達の契約下においたスライムのステータスが表示されていた。 今はもう消えている、何らかの強力な攻撃を受けたのか、急激にHPが減少し、死亡したらしい。 現在、スラリンガルのサーバー内にいるレナモン達にはその詳細はわからない。 「誰かが、彼を解放した……というだけならば良いのですが、実際は」 「あぁ……モリーだろう」 出来ることならば、何事も無く平穏無事にモリーには倒れていたままでいて欲しかった。 だが、あのスライムを倒した者がいるというのならば、未だ知らぬ強力な参加者よりも、モリーが生きていたと考える方が腑に落ちる。 サーバーを抜けだして、再びスラリンガルの心臓部へと戻る。 スライムの死体はそこにはない、戦いは他の場所で起こったのだろうか。 「……む?」 ふらふらと...
  • 延長戦
    「君は……誰?」 「私はアリス」 「そっか、僕はハムライガー」 邪教の館.exe――つまりは、悪魔合体プログラムを起動し、ハムライガーは自分の肉体を失った。 自分の肉体と二つの魂、そして一つの魔晶によって――新しい者が誕生するのだろう。 そして、それは――ハムライガーの望みであり、少女の望みだった。 きっと、誰かが止めなければ――何時の日か、何処かの世界で、それこそブリーダーさんが住まう世界に、少女は現れるかもしれない。 だから、ハムライガーは彼女を呼ぶことにした。 「ねぇ、何で僕を呼んだの?」 暴走COMPは呼んでいた、その中にある邪教の館アプリを利用するものを――すなわち、アリスを召喚する者を。 シャドームーンによって、アリスは討ち倒された。 だが、肉体を失い、魂の欠片を失い――それでも、眠っているだけだった。 だから、逃げ場所を探していたハム...
  • ベヒーモス
    ――我は幻獣王様に御仕えする身分、斯様な酒におぼれている暇などはない 【名前】ベヒーモス 【出典】ファイナルファンタジーシリーズ 【説明】 轟くような巨大な体躯を持つ、牛のような魔物。 その強靱な腕とツノを振り回すだけでも破壊をもたらすほどの強さ。 そんな反則的なタフさに加え、さらにカウンター技を持つ種族も多いという。 【パーソナルデータ】 オス。幻獣王バハムートに仕える身分で、プライドが非常に高い。 カウンターでメテオが出せる。 【スタンス】 脱出派 【初期支給品】 不明 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 26 お酒はほどほどに 40 バーサク状態でベヒーモスに挑んだら、カウンターでメテオ食らって死ぬに決まってるだろ! 51 駆け抜けてBlue 65 救いの手 72 CALLING YOU 79 終焉の...
  • ソーナンス
    ――ソーナンス! 【名前】ソーナンス 【出典】ポケットモンスターシリーズ 【説明】 自分からは攻撃せず、相手の攻撃に対して反撃する戦法が得意なポケモン。 体力はとても高いものの、それ以外の能力はあまり良いとはいえない。 しかし反撃以外にも、自分が倒れると強制的に相手をみちづれにするわざも覚えているため、かなり強いポケモンといえよう。 【パーソナルデータ】 オス。連れてこられる以前はポケモントレーナーに育てられていた。 戦うことが嫌いな性格。「ソーナンス!」 カウンター、ミラーコート、みちづれ、アンコールを覚えている模様。 【スタンス】 平和主義 【初期支給品】 不明 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 02 本当に逃がしますか? →はい 28 歪みの国のアリス 46 命の価値は? 52 そんなものはない ...
  • ピクシー
    ――アタシは……捨てられたんだね。売られたって言ってもいいのかな 【名前】ピクシー 【出典】モンスターファームシリーズ 【説明】 コウモリの羽にツノ、尻尾と、まるで小悪魔のようなモンスター。 わがままな性格である傾向が強いが、ブリーダーの人気は非常に高い。 遠距離による多彩なかしこさ技を得意とする。 【パーソナルデータ】 メス。数か月前まではブリーダーに飼われていた。 戦闘が好きで、それを見てくれる観客にもサービス旺盛なアイドル的な性格。 回避に特化して鍛え上げられた反面、非常にか弱い。 メガレイを習得している。 【スタンス】 【初期支給品】 不明 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 02 本当に逃がしますか? →はい 28 歪みの国のアリス 46 命の価値は? 52 そんなものはない 74 黄昏の影を踏...
  • プチヒーロー
    ――僕はプチヒーロー、プチット族の勇者……一応 【名前】プチヒーロー 【出典】ドラゴンクエストシリーズ 【説明】 プチット族の勇者で、プチファイター、プチマージ、プチプリースト等の仲間と共に行動することが多い。 大きな葉っぱ一枚を服として装備出来るほどに小柄。 強力な呪文や剣技を習得しているが、未熟なために失敗してしまう。 【パーソナルデータ】 オス。泣き虫でこわがり。プチット族に期待されていたプチット族の勇者。一人称は「僕」 ライデイン、ベホマ、アルテマソードなどを習得しているものの……。 【スタンス】 平和主義 【初期支給品】 水鏡の盾 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 05 モンスターだって何にでもなれる 36 可能性の魔物 49 show me your brave heart 61 ありがとう ...
  • チャッキー
    ――かたかた、かたり。 かた、かたり。 【名前】チャッキー 【出典】モンスターファームシリーズ 【説明】 オレンジのキャップに赤い蝶ネクタイ、間の抜けた顔が特徴の人形の姿をしたモンスター。 その愉快な容姿とは裏腹に、殺されたモンスターの呪いが込められているため、非常に残忍な性格。 体のパーツを取り外したり、手に持ったナイフを駆使して殺戮衝動を満たす。 【パーソナルデータ】 オス。殺し合いという生き方しか知らないため、食事や睡眠など、生きるために必要なこと以外は殺戮しか行わない。 普段は一切の感情が現れないが、殺し合い中は感情が高ぶり、異常なまでのハイテンションとなる。 一人称は「オレ」 【スタンス】 マーダー 【初期支給品】 グラディウス 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 21 絆のカタチ 29 眠...
  • ライガー(ハムライガー)
    ――僕はブリーダーさんを信じているから、きっと帰れるって信じてるから 【名前】ライガー(ハムライガー) 【出典】モンスターファームシリーズ 【説明】 二本のツノが特徴の犬型モンスター『ライガー』の亜種で、ウサギ型モンスターのハムとの交配種。 もふもふとした毛並みとつぶらな瞳が非常に愛らしく、ブリーダーに人気がある。 【パーソナルデータ】 オス。ブリーダーに育てられている。種族はハムライガー(ライガー×ハム)。一人称は「ボク」 甘えん坊な性格で、少年っぽい無邪気さを持っている。 【スタンス】 平和主義・殺し合い反対 【初期支給品】 ホールケーキ 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 06 さみしさの共振 20 上手くズルく生きて楽しいのさ 48 無色透明の 56 色鮮やかな結末若しくはマンイーターちゃんのパーフェ...
  • グレイシア
    ――……まったく、最低の下劣です 【名前】グレイシア 【出典】ポケットモンスターシリーズ 【説明】 水色の体に、耳元からおさげのような毛を垂らした神秘的なポケモン。 とくこうが非常に高く、強力な冷気を操ることが出来る。 その美しい容姿から、ある特定の趣向を持つトレーナーたちからの人気は高い。 【パーソナルデータ】 性別はメス。一人称は「私」、性格は真面目で、口調はですます調。 その昔ポケモンリーグという大きなポケモンバトルを制覇している一匹で、トレーナーとの死別が原因で一人生きることを決めた。 判明している技は『れいとうビーム』『まもる』『ふぶき』、他にもあると思われる。 【スタンス】 対主催 【初期支給品】 不明 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 07 Fantastic Future 28 歪み...
  • ルカリオ
    ――私は、この殺し合いを、人間を――――潰す! 【名前】ルカリオ 【出典】ポケットモンスターシリーズ 【説明】 またの名を"波導の勇者"、「はどうだん」を得意とするかくとう・はがねタイプのポケモン。 青と黒の毛並みを持つ、二足歩行のオオカミのような外見。 【パーソナルデータ】 オス。仲間思いな性格。悪人達によって仲間が連れ去られ、人間に怒りを感じていた。一人称は「私」。 【スタンス】 対主催 【初期支給品】 スピーダー 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 23 ポケットモンスター~逆襲のルカリオ~ 41 NEXT LEVEL 51 駆け抜けてBlue 57 我ハココニ在リ 73 わるだくみ 75 Theme of Evil Lucariobrave heart 76 ハイパーディシディアフ...
  • レナモン
    ―ー私は、何のために戦っているのだろう、と。 【名前】レナモン 【出典】デジタルモンスターシリーズ 【説明】 成長期の獣人型デジモン、金色狐の姿をしており長身。 あらゆる状況下でも動じない冷静沈着な性格が特徴。 必殺技は、鋭利な木葉を敵に投げつける、狐葉楔。 進化系はキュウビモン。 成熟期の妖獣型デジモンで、多数の尻尾を持った4足歩行となる。 素早い動きで相手を翻弄するのが得意。 必殺技は鬼火玉。 【パーソナルデータ】 メス。 多くの勢力が戦いを続ける激戦区の森で、幼年期クラスのデジモン達を守って生活していたが、 大規模な戦闘に巻き込まれた際、彼らを守りきれなかったことをきっかけに力を求めるようになった。 自力での進化が可能であり、キュウビモンに進化可能であることまで判明している。 【スタンス】 強さを求める ...
  • モルボル
    ――ワシの下へくるがいい、貴様に相応しき待遇でもって迎え入れてやろう! 【名前】モルボル 【出典】ファイナルファンタジーシリーズ 【説明】 複数の目と全身から伸びる触手、大きな口で人間を食べる植物の魔物。 口から強烈な悪臭を放ち、数々の状態異常を引き起こして弱らせ、対象を捕食する。 通称「くさいいき」という技で、毒に侵し、混乱させ、視界を奪い、呪文を封じ、動きを鈍らせ、失神させたり発狂させたり石化させたり肉体を縮めたりカエル化させたりカッパ化させたり即死させたりする。 【パーソナルデータ】 オス。ただのモルボルであったが自分を討伐しにきた王を名乗る男に憧れて王を目指している。王らしい尊大な喋り方を心がけていて一人称は「ワシ」 臭い息、サンダガを習得している。 【スタンス】 対主催 【初期支給品】 スライムのかんむり 【登...
  • ハルモニア
    その男の鶴の一声で、改造され尽くした人の島は非現実的な展開を始める。 海も森も砂地も、すべてが嘘まやかしであったように。 本来予想外であろう情景だが、渦中のグレイシアは冷静にせり上がり変わりゆく大地を観察していた。 いや、彼女は神経を張り詰めていた。 ふざけたあの魔物に似た、巨大な自称モンスターに乗り込む男を、遠巻きに見ながら。 踏みしめる大地は慣らされた、コロシアムの砂地。 先ほどまでの岩肌ではない、無残だった死の跡地すらもう見えない。 彼女たちが守りぬいた帰り道もまた、行方不明だ。 「もういい加減にしてほしいよね……」 うんざりと、しかし笑って。 「ピクシー?」 ソーナンスは心配そうに、投げやりに笑ったピクシーの傍に寄った。 自棄を起こしているのだろうか、無理もない、あまりにも理不尽で唐突な出来事だったから。 誰が予想できるだろうか、島が、会場がひ...
  • 剣に勇気を、胸に怒りを
    ◆ 何一つとして容赦はなく、神が世界を生み出した7日間を再現するかのように、島だった場所は子どもの玩具めいて闘技場へと変貌した。 緩やかな坂と化した地面の上を剣を抱きかかえたプチヒーローはするすると滑り落ちた。 完成した闘技場はこの島であった何もかもをも隠してしまった、埋葬されることのなかった死体と生者を除いて。 地面の下よりも深くに、最初から何もなかったかのようにされてしまった彼らは何を思うのだろうか。 いや、何も思いはしない。死体は泣きも笑いもしない。 ただ、彼らの帰りを待つ人達は――何の痕跡も無くなってしまった平坦な大地を見て何を思うのだろう。 プチヒーローは――幸福だ。 短い時間ながらも育んだ絆は、この身に、この剣に、己の魂に刻まれている。 たとえ、消えたように見えても確実に残っている。 だから、プチヒーローは悲しいのだ。残せなかった者達...
  • 蛇足
    きっとこんな話は蛇足でしかないだろう。 物語の本筋には一切関係の無い幻想上の出来事なのだから。 矢のような速度で進んでいく時間を、無理に塞き止める必要も無い。 でも、先の話には修正点が一つだけあり、そのためには理由が無くてはいけない。 だからこそ、地下空間にメテオが着弾し、結界エネルギーが断たれるまでの時間へと、巻き戻る必要がある。  ◆ 光に包まれた世界は白としか認識出来ず、知覚の枠を越えた轟音は無音として扱われる。 それがベヒーモスの意識で行われた処理であった。 とはいえ、そんなのは本来ならば一瞬だけのもの。 ただそこに、メッセージのかたまりがなだれ込むように注がれただけ。 『ベヒーモス、私は心から感謝している。  私は、やっと生という苦しみから解き放たれた』 白の空間には、結界を担う者が立っていた。 例によって念話に...
  • It's Time to Play
    ――おしてみよう ポチッとな! その異変はまず、地響きから始まった。 足下が急にせり上り、次の瞬間に体は宙に投げ出されていた。 そのまま視界がグルグルと回転、瞬く間に光景が切り替わっていく。 鳴動はすぐに止んだ。 気がつけばチャッキーは砂の上に転がっていた。 かたりかたり、と木の擦れ合う音を立てながら身を起こす。 フィールドの状況は一変していた。 先ほどまで自分がいた森や山は全て取り払われ、高い石壁で囲まれたグラウンドが広がっていた。 空は先ほどと変わらず、星々の煌めく漆黒が広がっているものの、地の方は妙に明るい。 というのも巨大な照明がいくつも取り付けられ、グラウンド全体を満遍なく照らしているからだ。 ジオラマのようなコートのような、そんな人工的な空間があった。 真っ先に目に付いたのは、会場の中心にたたずむ巨大な戦車――モリー曰く最強の...
  • ブルーディスティニー
    どうしてこんなことになってしまったのだろう。 月に吠えるでもなく、心ここにあらぬままハムライガーは天を見上げる。 なぜこんなことになってしまったのだろう。 殺すと決めた。他のすべてを殺してでも帰ると決めた。 今度こそ自分の意志でハムライガーは決断し、自分の手で彼を救おうとしてくれたガブモンを殺した。 そのことに何も思わないといえば嘘になる。 抱きしめてくれたガブモンの身体を引き剥がそうとして、上手く引き剥がせなくて。 だんだん冷たくなっていくその身体を涙ぐみながらそれでも、それでもと突き飛ばして。 ようやく、ようやくまた歩き出そうとしたのがついさっきのこと。 そうだ。また歩き出そうとしていたのだ。 帰るために、信じるブリーダーさんの元へと還るために、心通わした相手を殺してまで歩き出そうとしていたのだ。 彼の心を救ってくれたプチヒーローと再...
  • 闘技場完成
    「皆様、私は当闘技場の主催者モリーでございます」 テレビから流れる映像は既にモンスター達の死闘から正装したモリーの会見に変わっていた。 だからといって、視聴者が興醒めするということはない。 この映像を見る全ての者が闘技場の終わりではなく、何らかの始まりを感じていた。 それが何かはわからない、だが確実にもっと刺激的でもっと熱い何かであるということだけは、誰もが皆、感じていた。 だからこそ今、モリーの一挙一動を固唾を呑んで見守っている。 一瞬も見逃せない、一言も聞き逃せない、祭りは今まさにクライマックスを迎えようとしている。 「――配当は現生存者の――」 義務的な闘技場を動かす歯車の話が聞こえる。重要だ、だがそこではない。 舞台の裏側が知りたいんじゃない、舞台で今まさに起ころうとしている新たなる何かを知りたいんだ。 心臓が動いている。心臓が熱く、疾く、動いている...
  • @wiki全体から「決勝(5)」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索