第一回生存者報告

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  • 第一回生存者報告
    チャッキーが刃を振るうたび、肉製のブーメランを叩きつけるたび。スライムたちの体が容易く散っていく。 周囲には青い体液が弾け飛んで、赤く染まったチャッキーのボディがどろりとした青い液でコーティングされる。 その、面白いようにガンガン蹴散らされていく様、鮮やかな剣捌き、演舞の如し。 これぞ"無双"。爽快で痛快な光景。 その華麗な姿に人々は興奮し、熱狂するのである。 かたかたかたと乾いた笑い声を響かせながら、ダークヒーローは画面の外へと姿を消した。 「生中継でお送り致しました。チャッキーVSスライム軍団! 見事チャッキーの圧勝となりました」 「いやぁ、実に素晴らしい戦いでしたねぇ」 「情け、容赦が無いと言いますか。見ているこっちまで手に汗握るようなバトルでしたよ」 テレビモニターは戦いの映像から画面を切り替え、スタジオの様子を映す。 斜め...
  • モリー
    ...オープニング 67 第一回生存者報告 79 終焉の物語 81 闘技場完成
  • ◆5omSWLaE/2
    ...5 救いの手 67 第一回生存者報告 73 わるだくみ 79 終焉の物語蛇足 87 It s Time to Play 作品に寄せられた感想 CMロワの 1。独自のコンセプトにより書くも読むもとっつきやすいロワを築き上げた。主役でもなければ悪役でもない、けれど世界の何処かでそれぞれ生きているモンスターたちの物語の場を用意してくれた氏に感謝を -- 名無しさん (2013-07-31 19 14 33) 名前 コメント
  • 51〜100
    ...ン、レナモン 67 第一回生存者報告 ◆5omSWLaE/2 *-* モリー 68 君の思い出に ◆3g7ttdMh3Q C-5 レナモン、メタモン、エアドラモン 69 黒く蝕み心を染めん ◆7NiTLrWgSs F-6、G-6、F-7 ギリメカラ、ライガー、オルトロス、ゲル、プチヒーロー 70 僕たちは世界を変えることができない。 ◆3g7ttdMh3Q C-5 レナモン、エアドラモン、ワームモン、アグモン、魔人アリス 【71〜80】 71 その心まで何マイル? ◆/wOAw.sZ6U E-7 ライガー、プチヒーロー、ガブモン 72 CALLING YOU ◆3g7ttdMh3Q B-3 ベヒーモス 73 わるだくみ ◆5omSWLaE/2 D-4 ルカリオ、妖精ジャックフロスト、キノガッサ 74 黄昏の影を踏む ◆/wOAw.sZ6U D-6 グレイシア、ピクシー、ソーナン...
  • SSタイトル解説
    ...~チカラ~ 67 第一回生存者報告 脱落した者に興味があると思うか? 死亡者報告をする必要なんて無い。 68 君の思い出に 69 黒く蝕み心を染めん ゲーム「モンスターハンター4」のクエスト名から。 70 僕たちは世界を変えることができない。 音楽アーティスト「銀杏BOYZ」の楽曲から。 71 その心まで何マイル? 72 CALLING YOU 73 わるだくみ とくこうを二段階上昇させる、ポケットモンスターのわざ。ルカリオたちの「飛行船を落とす企み」のことを指している。 74 黄昏の影を踏む 75 brave heart アニメ「デジモンアドベンチャー」の挿入歌。デジモンが進化する時に流れる燃えソング。 76 ハイパーディシディアファイナルファンタジーサードストライククロノファンタズマイグゼグスシャープリローデットアルティメットマッチファイナルエディションラブマックス!...
  • 闘技場完成
    ...ち望む No.67:第一回生存者報告 モリー No.91 決勝(1)
  • オープニング
    ...モリー No.67 第一回生存者報告 レオモン 死亡
  • 本編SS目次(時系列順)
    ...、ベヒーモス 67 第一回生存者報告 ◆5omSWLaE/2 *-* モリー 69 黒く蝕み心を染めん ◆7NiTLrWgSs F-6、G-6、F-7 ギリメカラ、ライガー、オルトロス、ゲル、プチヒーロー 74 黄昏の影を踏む ◆/wOAw.sZ6U D-6 グレイシア、ピクシー、ソーナンス 【夜】 No. 題名 作者 位置 登場人物 66 ~チカラ~ ◆TAEv0TJMEI C-5 凶鳥モーショボー、はぐれメタル、メタモン、エアドラモン、レナモン 68 君の思い出に ◆3g7ttdMh3Q C-5 レナモン、メタモン、エアドラモン 71 その心まで何マイル? ◆/wOAw.sZ6U E-7 ライガー、プチヒーロー、ガブモン 72 CALLING YOU ◆3g7ttdMh3Q B-3 ベヒーモス 73 わるだくみ ◆5omSWLaE/2 D-4 ルカリオ、妖精ジャックフロスト...
  • 救いの手
    ...系列順 No.67:第一回生存者報告 No.64:不定形の王道 投下順 No.66:~チカラ~ No.58:さよなら アグモン No.70:僕たちは世界を変えることができない。 No.51:駆け抜けてBlue ベヒーモス No.72:CALLING YOU
  • ~チカラ~
    ... No.67 第一回生存者報告 時系列順 No.68 君の思い出に No.65:不定形の王道 投下順 No.67 第一回生存者報告 No.50:escape 凶鳥モーショボー 死亡 No.50:escape はぐれメタル 死亡 No.50:escape メタモン No.68:君の思い出に No.58:さよなら エアドラモン No.68:君の思い出に No.30:迷い生きる獣達 レナモン No.68:君の思い出に
  • 終焉の物語
    ... 蛇足 No.67:第一回生存者報告 モリー No.81:闘技場完成
  • 参加者名簿
    8/8【ドラゴンクエストシリーズ】 〇スライム/〇ホイミスライム/〇はぐれメタル/〇キングスライム/〇プチヒーロー/〇ドラゴン/〇キラーパンサー/〇バトルレックス 8/8【ファイナルファンタジーシリーズ】 〇チョコボ/〇トンベリ/〇サボテンダー/〇モルボル/〇ベヒーモス/〇ギルガメッシュ/〇オルトロス/〇ボナコン 10/10【ポケットモンスターシリーズ】 〇ピカチュウ/〇メタモン/〇ソーナンス/〇キノガッサ/〇ルカリオ/〇ガブリアス/〇タブンネ/〇ジュペッタ/〇グレイシア/〇コイキング 10/10【真・女神転生シリーズ】 〇妖精ジャックフロスト/〇魔獣ケルベロス/〇妖精クーフーリン/〇天使エンジェル/〇堕天使デカラビア/〇外道バックベアード/〇魔人アリス/〇邪鬼ギリメカラ/〇凶鳥モーショボー/〇幽鬼マンイーター 8/8【モンスターファームシリーズ】 ...
  • 先見えぬ王道
    「…………」 別れを告げることは出来なかった。 スライムは目の前で消え失せた、ただ何も無くなった空間を見てモルボルは大きく嘆息をもらす。 また、目の前で死が起こった。 今度は、名も知らぬ魔物の時とは違う。 命令を下すことが出来た。その結果、スライムは死んだ。そして己もまた、死んでいた。 しかし、蘇生した。 生命の川とも言うべき、幾千万ものスライムは皆死に、自分だけは生きてしまった。 王とは何なのだろうか、いたずらに命を浪費する存在であるのか。 頭上で輝く王冠が、モルボルには滑稽に思えてしまう。 「何が……王だ」 王冠を投げ捨ててしまいたかった。 何も出来ぬ裸の王など、いない方がマシというもの。 己の王位ごと、命をも捨ててしまいたい。楽になりたい。 うねる触手が王冠をとらえる。 「…………わかっている」 しかし触手が王冠を外すこと...
  • 決勝(2)
    ◇ 「……そうか、そうなんだね」 生き残りの名前を聞き、プチヒーローはガブモンが成し遂げたことを理解した。 ガブモンは命を犠牲にしてでもハムライガーを救ったのだ。きっと、そうだと信じている。 プチヒーローはガブモンのことを、そしてハムライガーのことも、信じていたのだから。 それでも、沸々と湧き上がる悲しみの感情は抑えきれない。 当然だ、ハムライガーは彼ら二匹共が揃って戻ってくることを願っていたのだから。 「……死んだのだな」 「うん」 ルカリオの目から見ても、プチヒーローの消沈は明らかであった 己のように、元より奪われて来た者も、あるいは平穏無事に暮らしてきた者でも、 誰もが誰も平等に、この場所では何かを奪われずにはいられない。 「ベホマ」 プチヒーローが唱えた治癒呪文は、ルカリオの失った体力を満たしていく。 体を動かすのにも、あるいは波導を多用しな...
  • 18時~24時までの脱落者
    時間 名前 殺害者 死亡作品 死因 場所 夜 はぐれメタル エアドラモン ~チカラ~ スピニングバスターを受けて粉々にされる C-5 夜 凶鳥モーショボー エアドラモン ~チカラ~ 『バイナルストライク』を使用、自ら命を絶つ C-5 夜 メタモン エアドラモン 君の思い出に ヒートバイパーを受けて死亡 C-5 夜中 エアドラモン 魔人アリス 僕たちは世界を変えることができない。 友達になろうとした C-5 夜中 アグモン ワームモン 僕たちは世界を変えることができない。 メタルキングの槍に突き刺され死亡 C-5 真夜中 魔人アリス ワームモン 君のとなり 獣王拳 C-5 真夜中 ワームモン ワームモン 君のとなり 君のとなりへ 地獄 真夜中 ガブモン ハムライガー 心重なる距離にある 限界 E-8 深夜 キノガッサ ルカリオ brave heart 意地をぶつけ切り、死亡 F-3 深夜 オ...
  • 12時~18時までの脱落者
    時間 名前 殺害者 死亡作品 死因 場所 開始前 レオモン モリー オープニング ゴッドスパークの杖で見せしめ ????? 昼 タブンネ キングスライム 邪知暴虐の王 体当たりを受けて全身骨折 D-7 昼 すえきすえぞー 妖精クーフーリン @ メタルキングの槍で目玉から一突き F-2 昼 チョコボ 魔人アリス human in the box チェーンソーで足を切られ、ジハードで消し飛ばされる B-7 昼 堕天使デカラビア ゴーレム お酒はほどほどに バッカスの酒で暴走し、潰される E-4 昼 ドラゴン 魔人アリス 歪みの国のアリス 呪殺される C-7 日中 外道バックベアード 幽鬼マンイーター 悪の華 麻痺で行動不可能なところを殴り殺される E-5 日中 スライム トンベリ 上手くズルく生きて楽しいのさ 氷の刃で肉体を切断される F-5 日中 ブイモン チャッキー 眠ったままで 刃で切り...
  • バトルレックス
    ――我は捕食者の王、龍である。 【名前】バトルレックス 【出典】ドラゴンクエストシリーズ 【説明】 両手を使いバトルアックスを構える二足歩行のドラゴン。 火炎の息や氷の息に加え、はやぶさの如く斧を高速で振るう。 【パーソナルデータ】 オス。獣。 これまで龍としての誇りと、生きること以外には興味を抱かなかった。 火炎の息、はやぶさ斬りを会得している。 【スタンス】 生存優先 【初期支給品】 ゴッドアックス 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 08 怪物騙 34 進撃の巨竜
  • ブイモン
    ――俺ケダモンじゃないです! デジモンです! 【名前】ブイモン 【出典】デジタルモンスターシリーズ 【説明】 成長期の子竜型デジモン、青いボディと額のVマークが特徴。 二足歩行をしており、格闘技で戦うのが得意。 必殺技はブイモンヘッド。 【パーソナルデータ】 オス。若者。ヘタレな後輩キャラ。「ッス」みたいな口調。まだ自力で進化出来無いようだ。 一人の少女の下で育った。 【スタンス】 生存優先 【初期支給品】 メダパニの杖 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 18 悪の華 29 眠ったままで
  • 凶鳥モーショボー
    ――だからね、しばらくでいいから、モーショボーのこと守って欲しいの 【名前】凶鳥モーショボー 【出典】真・女神転生シリーズ 【説明】 「悪しき鳥」を意味する名を持つ、少女の悪魔。 翼と一体化したような髪の毛と、赤い着物が特徴。 旅人を誘惑し、隙を見せたところで唇を嘴に変貌させ、頭に穴を空けて脳みそを啜りとる。 【パーソナルデータ】 メス。少女の外見。 多くの悪魔が跋扈する弱肉強食の世界で生きてきた野良悪魔。 他者を利用することで生き延びてきた。 現在判明している魔法は『メパトラ』『トラフーリ』 【スタンス】 生存優先 【初期支給品】 不明→C-5に放置 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 17 力の証 33 タチムカウ-狂い咲く己の証明- 50 escape 66 ~チカラ~
  • オルトロス
    ――タコ野郎はタコらしくタコ壷に引きこもってやるー 【名前】オルトロス 【出典】ファイナルファンタジーシリーズ 【説明】 ギリシャ神話に登場する双頭の犬の名を持つ、オクトパス。 「タコ足」や「タコ印の墨」、さらには上級魔法など、多彩な技を使用できる。 【パーソナルデータ】 オス。特に主人公一行との戦闘経験はない、川に住むタコ。関西弁で、女の子が好き。 【スタンス】 生存優先・隠れる 【初期支給品】 わざマシン64 【登場話】 +開示する 話数 タイトル 10 まるっきりタコじゃん! 47 えー?何?聞こえない? 53 ようやく戦ったね(ニッコリ 69 黒く蝕み心を染めん 76 ハイパーディシディアファイナルファンタジーサードストライククロノファンタズマイグゼグスシャープリローデットアルティメットマッチファイナルエ...
  • 24時~終了までの脱落者
    時間 名前 殺害者 死亡作品 死因 場所   ベヒーモス 黒き竜 決勝(3) わざマシン29 不明   チャッキー ルカリオ 決勝(3) 波導剣で顔面を切断される 不明   ソーナンス モリー 決勝(4) せいけんづきが貫通 不明   ピクシー モリー 決勝(4) せいけんづきが貫通 不明   モルボル ハムライガー 決勝(4) ハムライガーの攻撃 不明   プチヒーロー ハムライガー 決勝(5) ハムライガーの攻撃 不明   モリー ルカリオ 決勝(6) ギガスラッシュ 不明 殺害数ランキング 順位 該当者 殺害数 被害者 生存状況 スタンス 1位 ハムライガー 6匹 ハム、ホイミスライム、ゲルキゾク、ガブモン、モルボル、プチヒーロー 生還 対主催→優勝狙い→贖罪 2位T 魔人アリス 5匹 チョコボ、ドラゴン、ケルベロス、ガブリアス、エアドラモン 死亡 遊ぶ 2位T エアドラモ...
  • きらがぶじゃれじゃれん!!
    「フカフカのようなツルツルのような不思議な肌触りがするよ」 「なぁ、そろそろ拙者にじゃれるのはやめてくれないか?」 4足歩行の厳つい顔を持つ獣、キラーパンサーは成長期爬虫類型デジモンのガブモンにじゃれついている その様子は傍から見ればキラーパンサーがガブモンを押し倒している感じである 正義感が強いものであれば誰かが襲われていると勘違いするだろう そもそもこのような奇妙な光景がどうして生まれたのかは数刻を遡る ◇ 「やっぱりオレは辛い目に遭い続けなきゃいけないみたいだな」 森の中をキラーパンサーは一人呟き続けながら歩き続けている しかしそう呟くのも無理はなかった ……――― かつての彼は野生に生きる魔物としては致命的なまでに体が弱かった 狩りをしようにもすぐ獲物に逃げられ、仮に捕えたとしても振り落とされてしまう そん...
  • バトロワ中にエクササイズやったら死ぬ
    カロリーナに戦うことは出来ない。 美を追求するためのトレーニング、そしてダイエット、それが彼女に出来る全てのことだ。 だから、彼女は踊る。 それしか出来なくても、それが出来るのだから、 それをすることを、彼女は選んだ。 ──「戦イナンテヤメテワタシト一緒ニえくささいず致シマ、ショォー!!」 何一つ、打算はなかった。 けれども、 ──「ハァーイ、わんつーわんつーー!!はむノわんつーニモ負ケズニィ!両手両足ヲパンパン!ハイッ!強ク!正シク!美シクゥ!!」 少なくとも、目の前で命が奪われようとしていること。 それだけは嫌だった。 だから、彼女は踊った。 【モッチー(カロリーナ)@モンスターファームシリーズ 死亡】 そら撃つよ。 目の前で隙丸出しで踊ってたら、そりゃゲルキゾクだってガトリング撃つよ。 そっちは...
  • Theme of Evil Lucario
    風のように鋭く早く大地を駆ける三つの影は留まることを知らない。 険しい山道だろうがお構いなしに突き進む、只管に突き進む。 「邪魔だホ!」 行く手を都合よく阻んでいた大樹を拳一つで遥か天高くその彼方まで飛ばすジャックフロスト。 開けられた道を共に駆けるキノガッサとルカリオが目指すのは邪悪の象徴飛行船。 ぶっ潰す。 唯一つ変わらない目標を共に乗せ三つの影は進んで行く。 足場も不安定のはずだが彼らの走りは全くそれを感じさせること無く迅速に大地を駆けていた。 しんそくを用い駆けるルカリオはこの速さに適応してくる二匹に対し疑問を抱くも考えるのを辞めた……。 飛行船を潰す事は三者一致しているが大きくかけ離れている点が一つ。 それはルカリオが全ての人間を殺すことを一つの目標にしているが二匹は違う。 彼らは甘い。甘すぎるのだ。 これ以上この悲劇を、醜...
  • ようやく戦ったね(ニッコリ
    さて、サボっていることがバレたサボテンダーは主催からの伝達をうけて、東へ向かった。 戦闘をする覚悟もできていたし、戦略も練りに練っていた。 とにかく、走り続けること数分。 「おいおい……、どこにもいねえじゃねぇか……」 サボテンダーは誰にも出くわすことがなく、F-6の湖に辿り着いた。 誰にも出くわさなかった? そらそうよ。 だって、もう通り過ぎてるもん。 東側にいた三体のモンスターはサボテンダーが走っていた時に、同じエリアにいたものの、もう森にはいなかった。 サボテンダーが走っていたのは森だった為、運悪く誰とも遭遇しなかったワケである。 「どうすりゃいいんだよ……。戦って勝たないと……俺は、俺は……!」 このままでは強制的な脱落、つまり殺処分が待ち受けているだろう。 何としてでも、東側にいるという三体のモンスターを見つけなければならない。 だ...
  • 描き出す未来図
    いつからだろうか、その伝説が人に、ポケモンたちに、囁かれだしたのは。 曰く、それは黄金に輝く鎧を纏い、漆黒のマントを靡かせて、炎の剣を掲げし者。 人であるとも、ポケモンであるとも、人でもポケモンでもないとさえ囁かれし者。 彼の者は悪しきを挫き、弱きを助けし者。 人、その者を――勇者と呼ぶ。 ▽ 「……っ、戻れえええっ、ガー太郎!」 青年が付き出したモンスターボールから放たれた光が傷だらけのガーディーを包み込む。 ガーディーはまだいける、やらせて欲しいとばかりに抵抗するも、そのままボールに吸い込まれていく。 (わりいな、ガー太郎。お前がよくても、俺っちが駄目なんだ。もうこれ以上、お前たちが傷つくのを見たくないんだ) 分かってる。これがその場しのぎにしかならないどころか、状況を悪化させるだけの選択なのは誰よりも青年自身が分かっている。 分...
  • わるだくみ
    「また見つけた。ほら、食いなよ」 「助かるホ」 キノガッサが見つけ出したオボンの実を受けとり、ガブリとかじった。 そのまろやかさのある魅惑の味と、蓄えられた自然のエネルギーが、ボロボロの肉体を癒していくのを実感させる。 島の中央、森林の奥深く。ここには自然からの恵みが多く実っている。 オボンの実もその恩恵の一つ……しかし、それを探し出すにはある程度の経験が必要とされるだろう。 野生の世界を生き抜いてきたキノガッサのような者でなければ、簡単には見つからないような場所にある。 しかしその貴重さに見合うだけの価値はあり、口にした者の体力を回復させる効能は、オレンの実を大きく上回る。 「ヒーホー! これだけ食えば殴り合いには困らないホ」 全快とは言えずとも、ジャックフロストにとっては十分なだけの力を補給出来た。 重くなっていた体も、先ほどと比べると格段に軽い。...
  • モンスターだって何にでもなれる,挿絵アリver
    南に山岳地帯、西に森林、北側には川が流れる、見事なまでに隔離された場所。 こんな辺鄙な場所で、何を祭ると言うのか、総じて祭られるような神様は人が訪れぬ程の秘境を愛する者なのか。 「俺にゃあ、理解でっきないね!っとォ!」 暗い色をしたぬいぐるみが、ほこらの屋根によじ登る。 ふわふわとした柔らかそうな体つき、しゃべるたんびにチャックが閉じたり開いたりするどこか不気味で、愛らしい?見た目。 彼はジュペッタ、捨てられたぬいぐるみに怨念のエネルギーが入り込み動き出した、と語られているポケモンである。 徘徊して自分を捨てた子供を探している恐ろしいポケモン!なんて世の中で語られているが、そんなことはない。 このジュペッタに関しては。 「ああー何にも見えねえ!誰もいねえ!殺しあいをしろだあ?  あんな頭のてっぺんがハゲて目立ちまくるよっくわっかんねえおっさんの言うこと聞...
  • モンスターだって何にでもなれる
    南に山岳地帯、西に森林、北側には川が流れる、見事なまでに隔離された場所。 こんな辺鄙な場所で、何を祭ると言うのか、総じて祭られるような神様は人が訪れぬ程の秘境を愛する者なのか。 「俺にゃあ、理解でっきないね!っとォ!」 暗い色をしたぬいぐるみが、ほこらの屋根によじ登る。 ふわふわとした柔らかそうな体つき、しゃべるたんびにチャックが閉じたり開いたりするどこか不気味で、愛らしい?見た目。 彼はジュペッタ、捨てられたぬいぐるみに怨念のエネルギーが入り込み動き出した、と語られているポケモンである。 徘徊して自分を捨てた子供を探している恐ろしいポケモン!なんて世の中で語られているが、そんなことはない。 このジュペッタに関しては。 「ああー何にも見えねえ!誰もいねえ!殺しあいをしろだあ?  あんな頭のてっぺんがハゲて目立ちまくるよっくわっかんねえおっさんの言うこと聞...
  • 「で?ICBMって何だ?食えるのか?」,挿絵アリver
    「火イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!」 「崩オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」 199X年!!7の月!! その日、東京は滅亡する!! ICBM着弾10分前!! だが、そんなことはここで殴りあう二人の漢には一切関係はなかった!! 「99勝ッ!!99敗ッ!!今日こそは決着をつけてやるホ!!」 「それはこっちの台詞だホ!!」 炎を纏った拳で殴るのはジャックランタン!! 冷気を纏った拳で殴るのはジャックフロスト!! 熱と冷がぶつかり合い、その余波で東京の面積が削られていく!! だが、ICBMですら止められない二人の闘いを誰が止められるというのだ!! 二人は強敵と書いて、ともと呼ぶような野暮な間柄ではない。 ただ、どっちが強いか、それを決めるためだけの間柄...
  • 「で?ICBMって何だ?食えるのか?」
    「火イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!」 「崩オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」 199X年!!7の月!! その日、東京は滅亡する!! ICBM着弾10分前!! だが、そんなことはここで殴りあう二人の漢には一切関係はなかった!! 「99勝ッ!!99敗ッ!!今日こそは決着をつけてやるホ!!」 「それはこっちの台詞だホ!!」 炎を纏った拳で殴るのはジャックランタン!! 冷気を纏った拳で殴るのはジャックフロスト!! 熱と冷がぶつかり合い、その余波で東京の面積が削られていく!! だが、ICBMですら止められない二人の闘いを誰が止められるというのだ!! 二人は強敵と書いて、ともと呼ぶような野暮な間柄ではない。 ただ、どっちが強いか、それを決めるためだけの間柄だ。 だ...
  • テレビのスイッチを切るように
    深くも浅くもない木々の合間を縫って、彼はその木の一本に背を預ける。 木漏れ日とまばらな影に覆われる純白の高貴は、眩い空を仰ぎ、瞳を閉じた。 警戒しながらの浅い眠りを迎え入れ、彼の心は記憶の整理を始める。 ここにきてからのことはまだ余りに短く、さして登場することはなかった。 見たこともない世界、見たこともない魔物の王、どこかで見たことがあるような……挙動不審なモンスター。 つっかえる情報の一端。 ゲルキゾクの頭が、心が違和感を覚えると同時に記憶は遡る。 「……エクササイズって儲かるのかしら」 茫洋と興行集団を眺めていた主がつぶやいた。 彼女はいつだって金を欲していた。 何故か、と一度だけ問うて見たことがある。 興味本位で尋ねた質問。 どうせ適当に業突張りな台詞を頂戴するのだろうと返事を待っていたが、彼女は、陽の光が宿らぬ瞳で。 『金がありゃあ、金で契約すりゃ...
  • 我ハココニ在リ
    人は、奇跡を信じない ◇ 人は時に奇跡を求める。 切羽詰まった時、自分の手ではどうしようもない時、文字通り運頼みの時。 それでもと。それでも自分の願いが望みが、叶ってくれるのではないかと期待する、神に祈る。 もしその願いが真になれば、人はそれを奇跡だともてはやすだろう。 祈ることさえ忘れた絶望的な状況で、奇跡と呼ばれる何かが起き救われたのなら、人は大いに喜び、感謝するであろう。 けれども大抵の場合それは、自分が願い、訪れた時だけに限るのだ。 親しい人間に奇跡が訪れた時はまあいい。 良かったね、おめでとう、と祝えるくらいには人間の心は破綻していない。 だがしかし、それが見も知らぬ人間に訪れたとしたらどうか? 驚くだろうか、感嘆するだろうか、妬むだろうか。 否。 大抵の人間は奇跡が起きたと訊いても、まず最初に疑うであろう。 それってほんと...
  • レナモンの唄 ~Memories Off~
    森を抜けた先の草原にてレナモンは息を潜めつつも身体を癒していた。 遮蔽物らしい遮蔽物のない草原だが幸いレナモンという種族は隠形には長けている。 タオモンへの進化を経験しより強力な術のコツを掴んだことで隠れ身の術の精度も増していた。 無論、それでもただ隠れるだけなら森の中のほうが向いていたのは事実だ。 しかしレナモンは何よりもあの場から離れることを優先した。 振り返り見てしまった魔人アリスから逃げることを第一とした。 あれは死だ。死を導き、死へと導く死の天使だ。 離れなければならない、一歩でも遠く遠く死の届かぬところまで。 その判断は正しかった。 アリスとシャドームーンの戦いは予想をレナモンの上回る規模で繰り広げられた。 いや、予想を上回ったというよりも予想外だったというべきか。 前提としてあの魔人相手にスティングモンが戦いを成立させられるとは思ってもいなか...
  • 君の思い出に
    まるで時間が奪い去られてしまったかのように、 生きるということを忘れてしまったかのように、 声を上げることも、逃げようとすることも、出来なかった。 「ル、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」 怪物が産声をあげた。 祝福するものはこの世界に誰一人としていない。 求めるが故に、彼は全てを捨ててしまった。 もう帰れない。 行き着く所まで行ってしまった。 さよなら――彼はそんな言葉を聞いたような気がした。 声の主は解らない。分からなくていい。わかるひつようがあるのか? 今、するべきことは唯一つ。 怪物の――クワガーモンの、スカルグレイモンの、モー・ショボーの腕が、掴めなかった者達の腕が伸びる。 怪物の中の■■が命ずる!■■■■■■が叫ぶ! 『二度と離さぬように!その腕に収めよ!』 迫る四本の絶望、メタモンはそれを大人しく...
  • 高く翔べ
    ──気に食わない目をしている。 エアドラモンに対してエンジェルが抱いた第一の印象はそれだった。 と言っても、第二の印象を抱くことはエンジェルは想定していない。 見敵必殺、霊魂無き畜生に対して天の使いは一切の躊躇をしない。 それは同情という点でもそうであるし、 また遥かに体格で勝るエアドラモンに対しての怯えという点でもそうである。 支給された銃を熟練の兵士の様な冷徹さでエアドラモンに対して向ける。 「鎖無き獣に──」 エアドラモンの本能がそれの危険性を確信した。 その攻撃にあらゆる神の慈悲はない、食らえば確実に死ぬ。 夕陽が海へと身を潜らせることを夜の知らせとするように、それは死という絶対の法則性によってもたさられる絶死の攻撃なのだろう。 さて、エアドラモンが決して知り得ることの無い情報であるが、 その攻撃の名はとある修羅の絶技より名を取って、...
  • 決勝(1)
    ◇ ――かたり、かた、かた、かたかたかた 生き残った者の特権の一つは感情を露わに出来るということだ。 泣き、笑い、怒り、喜ぶ――死者には出来ない、死者の表情にあるのは最期の感情の残滓のみ。 ならばこそ、チャッキーは嗤う。殺した者の分も含めて、何もかもをも踏みにじって、嗤う。 下顎が上顎が噛合う度に、かたりと音が生じる。 ただの音だ、だが――彼にとっては笑いだ。人形故に己の頬は上がらない。 故に、これが己に張り付いた微笑だ。世界に産声を上げた己の笑いだ。 ああ――この時間が一生続けばいいのに。 不自然なまでに整えられた地面を噛みしめるように、愛おしむように、しっかりと、一歩ずつ足跡を刻んでいく。 一歩一歩足跡を刻む度に、距離が縮んでいく。ああ、いっその事――このまま永遠に歩いて行きたい。 だが、何時までも楽しい時間は続かないのだ。 辿り着...
  • 進撃の巨竜
    クーフーリンは駆ける。青空の元、眩い光が照らす荒地を。 見渡す限りに広がるのは大地の鈍い色、その先に見える大海原の青。 差し当たって目指す場所は小さな集落。人工的に作られた建造物、何かがあるだろう。 彼は足を休めることなく、風の如く走り続ける。彼の究極の目的、それは"救うため"だ。 モリーによって狂わされた"己の"世界を、その魔の手から救うために……。 そうしてたどり着いた廃村を散策する。 何かしら役に立つ備品などがあれば集めておきたい。 彼が求める道具は決して武器ではない。武器ならば既に間に合っている。 ……その手に握られるのは世界で最も硬いと言われる金属で作られた槍。 『メタルキングの槍』。 この武器の前には、どんな相手であれども一切の不足など存在し無い。 そしてまた、クーフーリン自身にも戦いに対する迷いは無かっ...
  • 決勝(4)
    ◇ 雷が詠唱者たるモルボルの体を焼きつくした時にハムライガーが思ったことは、まだ生きている――それだけだった。 モルボルを冷気の中で永遠の眠りにつかせんとした氷の棺桶は、王の雷によって葬られた。 成程、名案といえるだろう――彼に残った莫大なダメージを度外視すれば、だが。 そうだ、無感情な感想と共にハムライガーが一瞥だけをくれてやったのも、 まだ、ぎりぎり、なんとか、モルボルが生きている――が、手を下さなくても死ぬからだ。 例え誰かに助けられ命を永らえようと、少なくとも今自分がどこかへと行くのを、その傷で邪魔しようとするのは不可能であるからだ。 だから、 「……待て」 許されていいはずがない、火傷を通り越し、焼き焦げたその身体がこちらに向かってくることなど。 ハムライガーの身体が震えているのは、己が放ったブリザードが故では無い。 傷つけば傷つく程に、研磨される宝石...
  • 絆のカタチ
     澄み渡る空気をいっぱいに取り入れ、降り注ぐ柔らかな陽光を全身に受ける。  足裏に感じる岩肌は硬く、吹き抜ける風は微かな冷たさを孕んでいた。そよぐ風の強さと空気の薄さが、標高の高さを物語っていた。  荒野によく似た山地の中腹。そこに佇むのは、茸のような頭部が特徴的なポケモン――キノガッサだった。  その瞳はしかと閉ざされている。故にキノガッサは見ていない。  眼前に在る、巨大で無骨で硬質な岩塊を、その瞳に捉えてはいない。  キノガッサは目を開けない。  黒く閉ざされた視界のままで、キノガッサは、すっ、と足を動かした。  その所作に音も淀みも乱れもない。  自然と一体化した――否、自然そのものの動作で、左手を水平に翳し、左足を前に出す。  その動作に続くのは、右半身の引き絞りだ。流れるように右膝を曲げ、右拳を握り締める。  されどその身は柳のようにしなやかで、緊張めいた力...
  • そんなことよりきのみが食べたい
    ピカチュウは逃げていた。 そりゃあもう逃げていた。 全速力で逃げていた。 まじめに殺しあえって? いやまあ確かに殺すとまではいかずとも襲ってきたのがコラッタやオニスズメなら電撃くらい食らわせたよ。 正当防衛なんだしさ。 でもさ、相手はどう見てもドラゴンタイプなんだよ、ドラゴンタイプ。 しってるだろ ドラゴンはせいなる でんせつの いきものだ! つかまえるのが むずかしいけどうまく そだてりゃつよさは てんか いっぴんだ。 そうどこぞのチャンピオンも言っているらしいじゃないか。 強いんだよ、あいつら。 600族だってごろごろいんだよ。 加えて電撃が効きにくいとあればやってらんないよ。 まあ相手の見かけ的に飛行タイプも兼ねてそうだし、それなら等倍ではあるんだけどさ。 それにしたって、“ドラゴン・ひこう”といえばあのカイリューやボーマンダと同じじゃないか。 ...
  • 力の証
    力というものはそれを持つものによって意味合いが異なるものである。 相手に勝つもの、相手に負けないもの、相手に屈しないもの、生き残るもの。 それはなぜ力を求めるのか。その理由によって変わってくるものだ。 己の力を誇示するため。 何かを守るため。 強いものとして頂点に立つため。 己の身を守るため。 どれもが正解であり、故に答えなど存在しない。 そしてここ、モンスター闘技場の中。 二つの力の形が今まさにぶつかり合っていた。 そこにそれぞれ異なる意味の力を求めて。 ◆ 鬱蒼とした森の中。 向かい合っているのは2体の、モンスターと形容できるだろう生き物。 黄色い体毛を持った2足歩行のキツネのようなモンスター。 サメをイメージする鰭を備えた、ドラゴンのようなモンスター。 互いに面識などない。初対面、そして種族としても初見...
  • 黒く蝕み心を染めん
    ゆっくりと歩いていく。 一匹は上機嫌で、幸せそうな様子のまま歩いていく。 もう一匹はそれを眺めて、何かを思案するように、でもそれを彼には見せずに歩いていく。 ふいにこちらを振り向いた上機嫌な獣に、悪魔は微笑む。 だが言葉を投げかけることはない。 彼が発する言葉はどれも、ここにはいない誰かに向けられていて、でもそれは目の前にいる悪魔に向けられている。 彼が見ているのは現実だが、真実ではない。 だからかける必要はない。あちらからかけてくるから。 「あ、ブリーダーさん! 湖だよ、湖! 少し休憩していこうよ!」 「ああ、そうだな。そうしようか」 狼は彼を、ブリーダーと呼んだ。 四足歩行、立派な牙と鼻、一つ目。誰がどう見ても人の姿には見えない。 でも彼から見えるのは、自分を育ててくれた愛しいブリーダーの姿。 それが彼の眼から映る景色であり、現実。 こうしてしま...
  • brave heart
    back to Theme of Evil Lucario ■ 大地は荒廃し立っているのは殺意に目覚めた修羅が一人。 その瞳は血を永遠に求め彷徨い、潰し、全てを喰らい尽くす。 そして今も二匹をこの世から抹殺した所である。生物全てが劇的に死ねる訳ではない。 たった一つの一撃で簡単に形が崩れる。儚い。あぁ儚い。 修羅は更に血を求める。覚醒したこの波動は永遠に血を求める覇道也。 「おい……まだ終わって、ねぇぞハゲ……ッ」 「消えていなかったか」 滅波動弾は全てを消し去った。だがキノガッサはそれでも立ち上がって、立ち向かってくる。 そうキノガッサだけ。 「ジャックフロスト――そうか貴様を庇って」 此処に存在しないでキノガッサが存在しているならば。答えは一つ。 漢が一人逝ってしまった事を表わす。 「……あの馬鹿」 小さく。とても弱い声で...
  • 勝者なき戦い
    ――これは聖獣の物語ではない。 「いやぁ、やっぱ男なんてちょろいわ~! ちょろあまだわ~!」 マンイーターは調子に乗っていました。 自らの手の内を知っており、もっぱらの脅威だったギリメカラ。 彼を出し抜けたことが嬉しくて貯まらないと嘲笑い続けていました。 「褒めてくれるよね、迎えてくれるよね、ブリーダーさん、ブリーダーさん」 ハムライガーは盲目でした。 心壊された彼には、最早ブリーダーのことしか見えていなくて。 目の前の敵に手を抜かれていることも知らずに、自身が優勢だと勘違いしていました。 ああ、なんて愚かなことなのでしょう。 きっとこの光景を見たなら、神にも悪魔にも立ち向かったただの人間は顔をしかめたことでしょう。 アンタら、そいつを舐めすぎてるぜ、と。 ギリメカラのサマナーだけではありません。 神魔をぶん殴るジャックフロスト...
  • Fantastic Future
     ――――どうして、こんなことになってしまったのだろうか。  流動体の身体を小さく震わせて、わたしは一人考える。  つい先日までは確かに幸せだった、その筈なのに。  たくさんのポケモンの『タマゴ』を作るお手伝いをしてあげると、トレーナーさんは喜んでくれた。  無邪気に笑って、これでまた強くなれると褒めてくれた。  その顔を見たいがために何度も寂しい思いもした。  自分はあの日溜まりの中でずっと暮らしていけるんだと思っていた。  それが崩れてしまったのは――はたしてどうしてだろうか。  トレーナーさんは言っていた。  もっと良い個体が見つかったから、もうお前に使い道はないと。  その時わたしは初めて気付いたのだ。  あの人が見ていたのはわたしじゃなく、わたしと一緒に育て屋さんに預けられたポケモンでもない。  ……全部、生まれる子供のことだった。  強いポケモンが欲し...
  • 決勝(3)
    図らずしも二対二の形になったか、否。 ルカリオとベヒーモスは二であるが、黒き竜とチャッキーは敵同士であるが故に、決して組むことは無い。 二対一対一、これがこの戦場での正確な形だと言えるだろう。 ただし―― 「ドゥドドオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」 黒き竜の口より紫煙が吐出さされた。 文明の発展により、誰を狙うでもなく生み出された毒――スモッグ。 毒性はあるが、致死性は低い。 排気ガスという性質上、吸い込まないという手段による回避が可能なためである。 呼吸を止めて数秒、吐き続ける相手に一撃をくれてやれば簡単に毒の垂れ流しは終わる。 ただ、黒き竜の目的は当てることではなかった。 「毒だと……」 ルカリオとベヒーモスの二匹が、敵が吐くものの正体に気づかないか。答えは否、気づかないわけがない。 しかし、問題はその先にある。 意識を失ったプチ...
  • Reckless Fire
    船は静かに空の闇を漂い、彼の密航を咎める者は星と月以外には誰一人としていない。 ただ、存在を示すかのようにGAKU-RANが星の海の中、軍旗のようにはためいていた。 まだ拳は握らない。 相手が何であろうが、今から始まるものはただの喧嘩だ。 この拳の中に握りしめるのは武器ではない。 握力と決意、ただそれだけ。 これからジャックフロストは殴るだろう。 顔面の形が変わるまでに殴り、自分が誰を殴っているのかわからなくなるまで殴り、許してと懇願されてなおも殴るだろう。 だが、それ以上はしない、他人の命をこの手の中に握る気はない。 「んじゃ、ボチボチ……」 ジャックフロストは拳を握った。 この拳で――くそったれな運命だって、ぶん殴ってやる。 「喧嘩の押し売り……させてもらうホ!!!」 ジャックフロストは思いっきり、飛行船をぶん殴った。 ...
  • 君のとなり
    全てを救うなどということは夢想にしか過ぎない。 どうしても救われぬもの、取りこぼされるものは出てきてしまう。 それが人間界に来てからシャドームーンが目の当たりにした人間たちの生きる現実だった。 救われぬまま不幸の中死に絶えることなど、なんら珍しいことではない。 故に人は神に縋る。仏に縋る。 生きているうちは苦しくともせめて死んだあとは天国に、極楽に行けるよう願うのだ。 それが唯一彼らにとっての救いであり、死んだものを救う方法だ。 けれど。 人は奇跡を信じない。 誰しもが神を信じているわけではない。 あるものは神の存在を否定し、あるものは救われる価値がないと自分に見切りをつけ、あるものにいたってはそもそも救われるという考えさえ抱けない。 それでもまだ死そのものが彼らにとっての救いならばいい。 死ぬことで救われる。死んでやっと救われる。 あまりにも悲しい救いだが、それ...
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