第四章 Blind

『鬼さんこちら 手の鳴る方へ』
目隠しされて私は歩いた
幼い足取り 両手を差し出しながら
手を打つ君を追い駆けていた

寂しくないんだと知っていた
足音 手拍子 聞こえるから
見えない事など怖くはないと
可哀い愚かさを勇気と呼ぶ

『鬼さんこちら 手の鳴る方へ』
目隠しされて私は走った
確かな足取り 転ぶ事など怖れず
誘う(いざなう)君を捕まえたくて

どんなに掴もうともがいても
虚しく空を掻く私の腕
見えない事など怖くはないと
凛々しく迷い込むは闇の底

無邪気だった日々は
歪み始め やがて消えてしまう
いつ何処で間違えたかも見えない
見せてくれない Blind Waltz

『鬼さんこちら 手の鳴る方へ』
目隠しされて私は気付いた
止まった足取り 帰り道が判らない
笑った君はただ見ているだけ

『鬼さんこちら 手の鳴る方へ』
いったい何処へ連れて行くの?

『鬼さんおいで 解いてあげる』
今更目隠しを外すのは何故?

『鬼さん 見てごらん 君の周りを』
嗚呼...酷い景色ね


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最終更新:2007年05月25日 21:56
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