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*ミックス☆ジュース リメイク版 第二話
**私市 朔耶
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*ミックス☆ジュース リメイク版 第二話
**私市 朔耶
「ちょっ、ちょっと待ってよ朔耶、こんなの聞いてないよ!?」
「え?そんなはずは・・・
私、みなさんにコレのお話をしたハズですよね?」
「いいえ、全くコレっぽっちも聞いてませんが(--♯)」
「あぅ、彩さん、そんな~。。
そんなに怒らなくても~・・・」
「コレが怒らないでいられると思いますか!?」
文化祭当日の朝。
リリアン女学園剣道部の女子更衣室の中でのできごとである。
渦中の人物である私市朔耶が、今日という日のために、ジュースバーらしい制服を用意する、と言っていたのは、部員全員が覚えていることである。
それがエプロンだったり、白衣だったり、はたまたパティシエのような格好だったりと、それぞれが胸を膨らませていた。
ところが、持ってこられたのは男物のスーツという結果では、おいコラ、ちょっと待たんかい、となるのも当然だった。
額に脂汗を流しながら、朔耶は皆に己の弁解を始める。
「いや、ほら、世の中にはニーズというものがあるじゃないですか?」
「ここぞとばかりに央さんと同じことを言わないで下さい!」
「そうだとは言っても朔耶、コレはちょっと風紀的に問題があるんじゃない?」
ニーズがあることは理解(黙認?)しているらしい香。
香はくるりとロサ・フェティダ=京の方へ向く。
「そうよねぇ。
私がこんな格好でいたら、生徒に示しがつかないわ」
と、ため息混じりに一言漏らす。
が、味方を増やしたい朔耶から、心を揺さぶる一撃が入る。
「でも、慧理奈さんには喜んでもらえそうですよね?」
「え?・・・そ、そうかしら?」
妹が喜ぶ、と聞けば、その気になるのが姉の心理。
傾きかけたその気持ちに待ったをかけたのは玲だ。
「どっちにせよ、男装なんて許可が下りなきゃダメなんじゃないか?」
せっかくの自分たちの催しが、文化祭途中で中止にされるのではないか、と考えて憂いているようだ。
朔耶の持ってきた衣装を見ながらそんなことを言うのだが、含んだニュアンスからすると、許可が下りるなら着てもいい、と言っているようでもある。
「あ、許可なら下りてるようなもんですよ?」
『!?』
とんでもない朔耶の発言に、一同一斉にそっちをむく。
4人分の強めの視線に、百戦錬磨の剣豪もちょっと怯んだが、おずおずと口を開くと、こう言った。
「だってほら、フジマツ喫茶でしたっけ?
あそこ、新撰組のコスプレするって話じゃないですか。
あれも男装でしょう?
それの許可が通っているんですから、私たちが男装する事に何か問題が・・・?」
ある意味開き直ってるような弁解だが、確かに男装が通った例も存在している。
こちらだけクレームがつくのは不公平だ、と言うのであろうが、考え方が駐車違反をくらった大阪のオバちゃんくさい。
とりあえず議論は、何とかなるだろうと言うことで一旦の区切りをみせる。
こうなっては、後は着たいか着たくないか、の話なのだが・・・。
「もう、わかったわよ。
今日だけの特別だからね?」
と、言い訳をしているが、割とノリノリの京。
「私にこの服が似合うといいが・・・」
と、審美眼で物を言う玲。見た目以上にやる気満々。
「はぁ、もう。
意外と強引なんだな、朔耶」
と、ジト目で見つつも観念した香。
「うう、央さんになんて言われるんでしょうか・・・」
一番悲惨だが、上級生がその気なので一人で断るわけにもいかない彩。
「ほっ、よかった~。
ではそう言うことで、今日も張り切っていきましょう!」
しかしやはり一番乗り気で元気なのは、主犯の朔耶だった。。
いつも着ている服とは、左右のあわせが反対のため、着替えには少々手間取った。
だが、着てみれば、そこは背が高く姿勢の正しい剣道部員たち。
男物のスーツが似合うこと似合うこと。
一度着てしまえば、先程の口論は何処へやら。
全員、さぁ行くか、といった表情だった。
ちなみに京は青のスーツと黄色のタイ、シャツは白と清潔感にあふれている。
玲はベージュ色のスーツに青のシャツ、白いタイを選んだ。見た目ばっちり高級ホストである。
香の衣装は黒のベスト、白いシャツに蝶ネクタイと、こちらは粋なバーテンダーのようだ。
彩は濃いグレーにピンストライプのスーツ、プラム(赤紫)のシャツと、まともに派手であるが、あまり乗り気でない彩の為に朔耶が選び出したもの(選択の際に『ある助言』があったのは秘密)だ。
その朔耶は黒のスーツと紅のシャツ。シンプルだが、持ち前の男顔によく似合っている。
開場まで、あと40分。
どうか、無事に終わりますように。
前日から悪い予感がしっぱなしの香は、マリア様へいつも以上に懸命の祈りをささげた。
**あとがき
はい、と言う訳で、着替えてもらいました。
作成中、センスの無かった私。
誰がどういう服なら映えるのか相談に乗ってくれたのは、央さんでしたね。
あの時はありがとうございました<(_ _)>
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