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「体育祭の喜怒哀楽 前編」 - (2006/01/27 (金) 18:31:22) の編集履歴(バックアップ)
体育祭の喜怒哀楽 前編
石原 華央梨
「ごきげんよう」
いつもの挨拶も今日はどこか張り切り気味。
何故かって?今日は、秋の一大イベントともいえる体育祭だから。
「まぁ、私も張り切っているのだけれど」
華央梨は松組の教室に向かっている途中で呟いた。すると、
「ごきげんよう、華央梨さま」
都橋彩が華央梨に微笑を浮かべ挨拶してきた。
「ごきげんよう、彩さん。今日はお早いのね」
「ええ。なんと言っても体育祭ですから」
「ふふ。そうね」
華央梨は優雅に笑むとふと思い出したように
「そういえば、彩さんも松組よね?」
「そうですよ。団長頑張って下さいね」
「(私は知らなかったのに彩さんは知ってたんだわ)一人じゃなく二人だから少しは荷が軽くなるけれどね」
そう言って二人で微笑みを交わした後別れた。
「私って思ってたよりも存在感あるみたい」
「それはそうでしょ」
背後から声が聞こえて後ろを振り返るとそこには同級生の京の姿が。
「京。ごきげんよう。それより、いつからいたのよ」
「さっきから。全然気づかないんだもの。彩さんと話した後からだよ。リリアンの女王さま」
京は何故か最後の部分だけ強調して答えてきた。
「からかうのはやめてよ。一応、私だって張り切っているのよ?」
「分かる、分かる。だって学年最後の体育祭だもんね?」
「そうそう」
こうやって気軽に同級生と話せるのももう半年を切った。高校を卒業したら母の実家であるイギリスにいくのだ。でも、それは誰にも言わない事にしていた。
「「松組に勝利の女神が微笑みますように」」
* * * * * * * * * * *
華央梨のでる競技は色別対抗リレー、百足競争、着せ替えリレーである。
緑のハチマキをきゅっと結び華央梨はこう呟いた。
「お姉さま、見ていてくださいね」
と。