リリアン女学園付属図書館内検索 / 「聖香お姉さまSS・選挙ポスター編1」で検索した結果

検索 :
  • 聖香お姉さまSS・選挙ポスター編1
    聖香お姉さまSS・選挙ポスター編1 雪村 芽衣子  ガラガラガラ……。 「……お姉さま? 聖香お姉さま!」  美術室で興奮した様子で待つ雪村芽衣子のもとに姉の正木聖香がやってきた。 「芽衣子、用ってなんですの?選挙で忙しいのに」 「選挙だからおよびしたんですわ」 「あら、なんですの?」 「ほら、見てください、これ!」  そう言いながら芽衣子は某都知事のポスターを広げて見せた。 「まあ、これは選挙のポスターじゃない?」 「おじさまが選挙管理委員をやってらしたときにくださったの」 「そうでしたわね、芽衣子の叔父様はたしか、都庁にお勤めなさってたわね。そうだ! 今度の選挙、このようなポスター書いてくれる方誰かいらしゃらないかしら?」  芽衣子は聖香のことをじっと食い入るように見つめていた。 「そうそう、この間、芽衣子がわたくしを書いてくれた絵、学内でも評判ですのよ」...
  • 聖香お姉さまSS・選挙ポスター編3
    聖香お姉さまSS・選挙ポスター編3 雪村 芽衣子 「聖香お姉さま、デッサンは終わりましたわ。あとは色をつけて、レタリングでお姉さまの名前をいれて完成ですわ」 「芽衣子、描けましたの? 少しお見せなさい」 「あっ、いけません、完成するまでのお楽しみですわ」 「だめですわ、みせなさないって!」 「あっ!」  聖香は無理やり絵を芽衣子の手から奪い取った。そのキャンバスに描かれた自分の絵は…… 「やっぱり! タイが曲がってるわ! それに少しこの顔、怖くないかしら? それとも芽衣子、わたくしいつもこんな難しい顔をしてますの?」 「え、ええと……その、聖香お姉さまらしくていいんじゃないかしら、あはは……」  二人の間に無言の空気がながれた。 「そうだわ!こうすればどうかしら?」 「えええ!?」  なんと聖香が芽衣子にむかってウィンクしてみせたのである。 「どう? これで、...
  • 聖香お姉さまSS・選挙ポスター編2
    聖香お姉さまSS・選挙ポスター編2 雪村 芽衣子 「まず、そこにたって! 姿勢はぴんと!」 「腕はどうすればいいと思う? 芽衣子」  ぎこちなく腕をくんでみると芽衣子は思ったよりいい反応を示した。 「あ、それ、それがいいですわ、じっとしててください」  しかし…… 「う~ん……」 「少し偉そうにみえないかしら?」 「やっぱりもうちょっとこう……」 「こ、こうかしら?」 「右手は腰にあてないでいいですわ!」  あわてて腰にあてた両手を下ろす聖香。それにとうとう耐え切れず芽衣子が聖香の腕をつかんで腰にあてた。 「あ~~~もう、こう、こういうポーズですの!!」 「じゃあ、左手を太股に……」 「ちがいますっ、それじゃお下品ですわ!」 「腰のこのあたり、ここですわ、おわかりになって!?」  芽衣子が聖香のかわりにポーズをとってみせる。……ぎこちない。しかしここで芽...
  • 雪村 芽衣子
    ...004/4/21 聖香お姉さまSS・選挙ポスター編1 2004/4/21
  • イベントSS
    ...2004/4/21 聖香お姉さまSS・選挙ポスター編1 雪村 芽衣子 2004/4/21
  • 「a picture of my sister」(聖香さん&芽衣子さん姉妹)
    a picture of my sister 月城 玲 「お姉さま、絵のモデルになってくださらない? もちろんちゃんと報酬はありましてよ!」  放課後のことだった。私と芽衣子は、薔薇の館で、紅薔薇さまである二宮央さん、貴水朋子さま、その妹である一ノ瀬ひめ乃さん、黄薔薇さまである常盤京さま、その妹である五条慧理奈さん、大河内香さまとお茶を飲んでいた。朋子さまはひめ乃さんといちゃいちゃしているし、央さんはスポーツ新聞(きっと野球欄)を真面目な顔でスクラップしているし、香さまと京さまは難しい顔でなにやら竹刀の具合を確かめているし、慧理奈さんは剣道部のお二人に混じってお話を聞いているし、芽衣子は美術資料集を夢中で読みふけっているしで非常につまらなかったのだが。  そのとき唐突に芽衣子が言い出したのだ。絵のモデルになって欲しいと。妹である雪村芽衣子が、その手の頼み事をしてくるのは珍しいこと...
  • 「ふさふさしっぽのハムスター」
    ふさふさしっぽのハムスター 一ノ瀬 ひめ乃 ああ、とても静か。 土曜日の午後、放課になり、ひめ乃はお姉さまと連れ立って図書館に訪れていた。 普段は演劇部の事で忙しいお姉さまが、ひめ乃に気を遣って誘ってくださったのだ。 館内には、図書委員を含む数名の生徒。 とても静かだ。 お姉さまは次の演劇の資料を探し、わたしも薔薇の本を探して席についた。 新しくうちの温室に植えた薔薇の栽培における注意点など、そういうものが載っている本。 新書サイズの本には小さな薔薇の写真が載せてあった。 わたしは斜め向かいに座るお姉さまを思った。 お姉さまの演劇に対する情熱は感嘆に値する。 それはけして、部長だから仕方なくやっているというものではないのだ。 ただ演劇が好きで、素晴らしい舞台にするためには努力を惜しまない。 普段は気さくでopen the doorな社交...
  • 「午後の部」
    午後の部 正木 聖香 「お姉さま、一緒に踊りましょうよ~」芽衣子からお昼休みのフォークダンスに 誘われた。さぁここで問題発生!どちらが男性パートでどちらが女性パートで 踊るのか!?「お姉さまは、ぜひ男性パートに」「芽衣子のほうが男性パートに 似合ってるかも?」「お姉さまの意地悪~!」そんなこんなしていると 春菜さんがやってきて、「聖香さま、女性パートに回っていただけませんか? 男性パートにはロサ・フェティダとロサ・キネンシスが、いらっしゃるので 女性パートにも、目玉がほしいと思いまして」 「あはは、お姉さまが目玉だって、ただの数合わせじゃないの?」「もう、芽衣子ったら! 私だって、京様や央さんにはかなわないけれどファンの子だっているのよ、たぶん…… でも、これで芽衣子が男性パートで決まりね!」そしてオクラホマ・ミキサーが鳴りはじめた。 フォークダンスなんて、小学校...
  • 「体育祭準備SS中編」
    体育祭準備SS中編 五条 慧理奈 図書館の扉を開けるとそこにはロサ・ギガンティアこと正木聖 香さんとお姉さまが二人で仲睦まじげに本を共に見ていた。 「....お姉さま..何をなさっているの...」怒りをこ らえつつ聞くと京はあっさりこう答えた。 「聖香と本読んでるの」しかも慧理奈には見向きもせずに。 慧理奈はつかつかと歩み寄り京を無理やりこちらに向かせる。 驚いた顔の聖香さんを横目に慧理奈は恥じらいもなく大声で怒 りをぶちまける。 「お姉さま剣道部に行ってらっしゃるんじゃなかったんですか !?私がこの1時間何をしていたと思ってらして!?あんな重 い段ボールを一人で薔薇の館まで運んだのですけれど!?」息 を切らしこれ以上はないほどの怒りの形相で京を思い切り睨む 。 「あ...あのね...慧理奈さん...これには訳が... 「聖香さんまでお姉さまのグルなの!?...
  • 「袴競争出場手続きのおはなし 白薔薇編」
    袴競争出場手続きのおはなし 白薔薇編 中司 春菜  春菜が薔薇の館に体育祭実行委員会の書類をもって来た時、館には聖香だけが居た。 「ロサ・ギガンティア、ごきげんよう」 「ごきげんよう、春菜さん」  挨拶を交わすと、「いつも通り聖香さまで良いのに」と言う聖香に、 「でも、実行委員が山百合会に書類を持ってきたわけですし」  そう言いつつ、聖香に数枚の書類を手渡す。 「もう、そんなに厳格にしなくとも良いと思うけど。ところで、春菜さん時間ある?」  書類を受け取りつつ、聖香は春菜に尋ねる。 「はい、聖香さま。未だそんなに忙しいわけでは有りませんし」 「それじゃあ、私のお茶に付き合ってくださらない?ちょっと休憩したいんだけど独りでお茶と言うのもね」 「はい、お付き合いします、聖香さま。何を入れましょうか?」 「あら、私のお茶に付き合わせるのだから、私が入れるわ」  その...
  • 「花言葉に想いを込めて」
    花言葉に想いを込めて 中司 春菜  芽衣子は彼女のお姉さまである聖香と連れだって、図書館にやってきた。図書館の戸を開けると、芽衣子にとって見慣れた長い黒髪が見えた。 「はーるなさん!」  芽衣子は後ろからぎゅっと春菜に抱きついた。 「きゃ、芽衣子さん!?」  春菜は本を抱えたままぎゅっと固まる。 「春菜さんって意外と胸大きい?」 「な……何言ってるんですか芽衣子さん。と、言うより手を離して」  芽衣子の台詞に頬を染める春菜。 「春菜さん、真っ赤になって可愛い」 「ほら、あんまりからかわないの芽衣子」  聖香がたしなめると芽衣子は素直に春菜から離れる。 「ごきげんよう春菜さん」 「ごきげんよう聖香さま。助けて下さいまして有難うございます」  聖香の挨拶に答える春菜。 「別に大したことではないから。何の本を持ってるのかしら」 「花言葉とかを書いた本ですね。聖...
  • 「リリアン七夕祭・笹団子編」
    リリアン七夕祭・笹団子編 大河内 香 夕方になり、団子作りが始まることになった。 「いよいよエプロン発表会ね」 そう言って朋子が取り出したのは、女の子の憧れ!白いフリルエプロンだった。 「素敵ですわ、お姉さま」 隣で微笑む妹のひめ乃もまたおそろいのエプロンである。 「ペアルックなんて本当に仲がいいわよね」 ひめ乃の隣の春菜が羨ましそうな声を上げる。 「お二人ともよくお似合いですわ。私、昔作ったエプロンだから…私もそういう可愛らしいのを用意すればよかったわ」 溜息をつきつつ聖香が着衣したのは小さなパンダが散りばめられたエプロンである。 「まあ、聖香さまのエプロンも可愛らしいじゃありませんか」 「そ、そうかしら?」 「ええ。とってもお似合いですわ」 邪気のない笑顔を向けられ満更でもない様子の聖香である。 「春菜さんはどんなエプロンを持ってきたの?」 「私...
  • 「嬉し恥ずかしお弁当」
    嬉し恥ずかしお弁当 雪村 芽衣子  お昼休み。大河内香と従姉妹である雪村芽衣子は家族をまじえてお弁当をひろげていた。 芽衣子「おばさま、お久しぶりです」 香の母「もうリリアンにはなれた? 芽衣子ちゃん」 芽衣子「ええ、香ちゃんが言った通りに過ごしているつもりです。おかげさまでお姉さまもできたし……」 香の母「だめよ~、香のゆうことなんか聞いちゃ。このこったらあの喋り方どうにかならないのかしらね」 香「……」  芽衣子は心の中で自分の性格が男っぽくなった一因には香ちゃんの存在があるのではと思いつつも笑顔でその場をごまかした。 香はというと、さっきからなぜか落ち着きがない。それに気づいた芽衣子が問いかけた。 芽衣子「香ちゃん?」 香「芽衣子には関係ない」 芽衣子「関係ないって、なによ。このわたくしが珍しく心配してるのに!」 聖香「どうしたの? 芽衣子。大声なんか出し...
  • 「七夕祭SS・飾りつけ編」
    七夕祭SS・飾りつけ編 正木 聖香 今年も七夕の季節がやってきた。リリアン女学園でも、 山百合会主催の「リリアン七夕祭」を行うことになった。 七夕祭当日、山百合会役員は揃って会場の飾り付けを するため、ここミルクホールに集合している。 「芽衣子、ここお願いね」 「あのお姉さま、こよりはこう巻いたらよろしいのでしょうか?」 手作りの会らしく、試行錯誤で飾りつけを行う光景は参加していても なにか微笑ましい。まるで、小学校の時のお楽しみ会のようだ。 普段クールな香さまや朋子さまも、少しはしゃいでいる。 「皆さん、願い事お決まりですか?」 ひめ乃さんが、飾り付けのお星様を折り紙で作りながら訪ねた? 「リラックマとデートしたい!」 芽衣子が真っ先に声をあげた。 「リラックマって何?」 私が、首をかしげながら尋ねると。 「お姉さまは、ホントに遅れてますね……」 「...
  • 準備SS「ある日の午後」前編
    ある日の午後 前編 常磐 京 ある日の午後、薔薇の館にて―...。 そこには山百合会2年生の二宮央、正木聖香、五条慧理奈の3 人が集まり、何やらこそこそと話している。 「ええ、そうですわ...直接が1番よ...だってロサ・フ ェティダは...」 「聖香さんの言うとおり。慧理奈、頑張り時よ、ここが... 」 「え、ええ...でも....」 このいかにも不思議なやりとりをビスケット型の扉の向こうで 聞いていた私は首を思いっきり傾げた。そして驚かせようとそ っと扉を開け、聖香の肩をそっと叩いた。 「きゃああああああ...っ」可愛い乙女らしい声をあげて驚 く聖香。 「あ、あら...ごきげんよう、ロサ・フェティダ...」引 きつる笑顔を必死に保って挨拶する央。 そして...「またバカバカしいことをなさって...昔から こうですものね、お姉さまは...」可愛くない...
  • 「カルメン山百合に還る」4
    カルメン山百合に還る 4 中司 春菜  そして体育祭当日。応援合戦はもうすぐ赤組の番。 「はーるなさん。真っ赤になってどうしたのよ」 「なんか、やっぱり恥ずかしい」 「何言ってるのよ、本番だって言うのに」  芽衣子は春菜と違い平然としてるようだ。 「次は赤チームの応援です。今年の赤チームのテーマは『カルメン』です」  放送が赤チームの順番を告げる。カルメン達はロープを越えてトラックまで飛び出す。そしてカルメンたちはスピーカーから流れる音楽に合わせ、カスタネットを鳴らし軽やかに舞う。相変わらず少し頬が赤い春菜や、何となくノリノリに見える芽衣子。それぞれがそれぞれの表情をしつつ舞い踊り、赤チームの手拍子をリードしていく。 「オーレ!」  口にくわえていた椿の花を、空に投げてフィニッシュを決めるカルメンたち。一斉に回りから拍手が始まる。  応援を終え退場した芽衣子。...
  • 「2005年度山百合会劇・配役決めSS」
    2005年度山百合会劇・配役決めSS 大河内 香 「それでは賛成の人は拍手をしてください」 香さまの声に従って全員が拍手を返した…いや、正確には全員-1人が。 「それじゃ、主役は聖香で決まりだね」 満足そうに頷くと、芽衣子がノートに『竹取物語 決定』と書き入れた。 「何故私が主役をやらなくてはいけないんですか」 漫画ならば『ダンッ』という効果音がついているだろう。 「…それは、今回行なう劇が竹取物語だからよ」 何を今更、といった調子で朋子さまが余裕の笑みを浮かべて答えた。 「な…だから…なぜ竹取物語だと私が主役になるのか、と聞いているんです」 いつもなら穏やかな白薔薇さまと称されるが、今日ばかりはそういうわけにはいかない。 「朋子さまがかぐや姫をやられてはどうなんです?演劇部の部長でもあるわけですし…」 「そうなのよね~、だからだめなのよ。それに、主役は若い子に...
  • 「体育祭準備中 中編」
    体育祭準備中 中編 二宮 央 「どうぞ」 「ありがとう、聖香さん」 赤いマグカップが机上に置かれる。聖香さんの手には白いティーカップ。 「え~と…、それで…、今日はもしかして会議の日でしたっけ?」 すっかり忘れてましたわ、と聖香さんが苦笑するので今度はこちらが『?』になる。 「いいえ?今日会議があるとは聞いてませんけど?」 「…………………そ、そうですよね!?今日は会議じゃありませんわよね??」 急に声の音量が高くなった聖香さんに驚きつつ、肯定の為に頷いて見せる。 「あの、それでしたら央さんは……」 「お姉さま?大声を出されて…どうかされました?」 「芽衣子!」 何かを言いかけた聖香さんの言葉を遮るようにビスケットの扉が開いた。 「館の外まで声が聞こえてましたわ」 仮にも白薔薇さまなんですからもう少し落ち着いて……と、 どちらが姉か分からないような言葉を続...
  • 「ミックス☆ジュース」リメイク版 第六話
    ミックス☆ジュース リメイク版 第六話 私市 朔耶 「ごきげんよう、香さま」 「お、望ちゃんじゃない、いらっしゃい^^  ・・・あれ?  ねぇ、芽衣子は一緒じゃなかったの?」  一人でやってきた可憐な人物に、大河内香は歓迎と、そして疑問を差し出した。  芽衣子とは、白薔薇のつぼみである雪村芽衣子嬢のことだろう。  お客の彼女、黒崎望は、芽衣子ちゃんと一緒に行くからね、と香に前もって連絡していたのである。 「それが・・・あの・・・  途中までは一緒にいたんです。  でも、お姉さまを連れてくるのを忘れたって言って、一目散に―――」 「薔薇の館へとんでっちゃったんだ?」 「はい・・・」  その慌てていたであろう、芽衣子の姿を思い描き、香は小さく吹き出すと、微笑ましい、と言った表情で言葉をつむぎだし。 「まったく、しょうがない子だね」 「でも、それも芽衣子ちゃんの...
  • 「たとえ一億光年離れても、」(りなさん&萌さん姉妹)
    たとえ一億光年離れても、 月城 玲  窓ガラスの向こうで星がきらきらしている。萌は教室にただ一人立って、ぼんやりと空を眺めていた。 いつからだろうか。  萌はお姉さまを探し出すことが上手になった。  例え人ごみの中からだって見つけてみせる。これは自慢なんかじゃなくて、本当のこと。  お姉さまの明るい髪の色が目立つからだって言われてしまえばそれまでなんだけど。  でも、たとえば今この夜空に幾億も瞬く星の中にお姉さまがいたって、絶対に見つけてみせる、って。  萌は自分を信じている。 「ごきげんよう、萌さん。私、2年藤組の久保りなって言うの。どうぞよろしくね?」  萌は自分の目の前で微笑む上級生の方を見つめながら、やたらとどきどきする自分の鼓動を感じていた。  学園に転入してきてから、数人の生徒に声をかけてもらったけれど。こんなに素敵な方が自分に声をかけてくだ...
  • 「体育祭準備SS後編」
    体育祭準備SS後編 五条 慧理奈 「...あのねぇ慧理奈...私は私なりに心配してるの。自 分の健康管理よりテストの結果を大切にして一夜漬けしようと する妹が放っておけるわけないでしょ?最近ずっと風邪気味だ ったし.....まぁでもかまってあげられなかった私も悪い か...」苦笑しつつごめんね、と謝る京。 「....ごめんなさい...私てっきり...」 「聖香は残念だけど芽衣子ちゃん一筋で他は目に入らないみた いだから安心しなさい?」珍しく命令口調で話す京。しかし優 しい笑みを浮かべ、慧理奈に歩み寄り髪を梳く。 「...相変わらず綺麗な髪...怒ってばっかりいるとボサ ボサになるよ?」さっきの笑みはどこへやら、今度は大口を開 けて笑う京。この姿、お姉さまのファンには絶対見せるべきじ ゃないな...そう考えた慧理奈であった。 ―...放課後、2人が仲良く...
  • 「eternity rose」(朋子さん&ひめ乃さん姉妹)
    eternity rose 月城 玲  …雪が降ってる。  貴水朋子は、ふわふわと落ちてくるその白い雪をてのひらに受けて、思わずびっくりしたような表情になった。  基本的に朋子は何が起っても動じたりしないタイプではあるのだけれど。 「絶妙のタイミング」  呟いて思わずくすりと笑った。  第二期山百合会選挙の結果が掲示されたのはつい先ほどのことで。  紅薔薇さまに立候補していた自分の当選をつい先ほど知ったばかり。  そんなときに、最高のタイミングでちらちらと降り始めた粉雪は、まるで朋子への祝福のようでもあったから。  と。 「お姉さまっ…!」  この寒い中コートも羽織らずに校舎から駆け出してきた影があった。  ふわふわの長い髪。折れそうに華奢な手足。白い肌。大きな瞳。 「ひめ乃?」  見間違えるはずもない。彼女は朋子の妹、一ノ瀬ひめ乃だった。  ...
  • 「あなたといっしょにどこまでも。」(朔耶&彩さん姉妹)
    あなたといっしょにどこまでも。 月城 玲  姉妹ができた。  同じ剣道部の先輩の、りんご大王なんて呼ばれてる、どこか少年めいた優しい人。  なんだか急に距離が近くなったみたいで不思議な気がするのは私だけなのかしら。  姉妹の契りを交わしたことでのちょっとした変化。  それは姉妹になってすぐのこと。剣道部の部活も今日は無くて、姉妹になったばかりだというのにお姉さまには会えないだろうと、なんとなく寂しい気分を味わっていたときだった。 「ごきげんよう、彩。一緒に帰りませんか?」 「えっ、お姉さま!?」  教室の外からひらひらと手を振る長身の、その姿に気づいて彩はがばっと立ち上がる。  彩のお姉さまである私市朔耶さまは、にっこり笑って言った。 「姉妹になったばかりだし、一緒に帰ろうと思いまして」 「はい、勿論ですっ」  嬉しさに胸の奥がどきどきしはじめた。 一緒...
  • 「激闘☆枕投げ 9」
    激闘☆枕投げ 9 二宮 央 「慧理奈さん、悪く思わないで下さいね!」 「…えっ!?」 急に攻撃の矛先を向けられた慧理奈は戸惑いを隠せない。 枕を受けたり投げたりと、戦う司令塔・藤とは逆に、慧理奈は指示のみに専念していた。 誰にも枕を投げていないし、投げられてもいない。 今まさに枕をこちらに投げようとしているはなめの姿に驚き立ちすくんだ。 「お姉さまぁ!」 とっさに口をついたのはいつも自分を守ってくれている姉、京を求める言葉だった。 「!!」 それが効果絶大。 枕を投げかけていたはなめの脳裏に、一瞬ロサ・フェティダの顔が過ぎった。 とっさに投げるのを止めようとした為に、前に倒れ込む羽目になった。 「きゃっ!」 ばたーん、と派手な音をたてて絨毯に沈むはなめを横目に、 「お姉さま、ありがとうございます……」 慧理奈は遠く離れた姉の愛を感じ、感謝するのだった。 ...
  • 「はちみつ色の幸福論」(京&慧理奈さん姉妹)
    はちみつ色の幸福論 月城 玲 どうしてだろう。気分が晴れない。いつもの自分じゃないみたいに苛立つ。素直に笑うことができない。  2年松組の五条慧理奈は、放課後珍しく居残って課題を仕上げていた。  別に、テストの結果が悪かったのだとか、何かリリアンの生徒にふさわしくない行いをしたとか、そういうことではなく。単にこの、少しばかり体が弱いということが祟ったのだ。体調が悪化して休んでしまった昨日の分を取り戻すべく(本当はそこまでしなくとも成績が落ちることはないのだけれど)、とりあえず居残りして課題を仕上げていた次第だった。  が。  それが裏目に出たのだというか、なんと言うか。いや、裏目に出たという表現自体、このできごとに使うのは変なのだが。  それは、課題を終えた慧理奈が松組の教室を出た直後に起こった。 慧理奈の目に、とんでもないものが飛び込んできたのだ。 「京...
  • 「セント・メアリの鐘の音は 3話 ふたりは時を飛び越えて」
    中司 春菜 ごきげんよう、皆様方。だいぶ時季はずれになりましたが、学園祭SS「セント・メアリの鐘の音は」の続きを投下させていただきます。  色々検討した結果、他のSSと矛盾が出ないように、基本的に時間の流れを明記しない方針で書かせていただきます。ですから「話数=時間の流れ」を示すものでないとご理解下さるようお願い致します。  それではお話しの方、ごゆっくりとお楽しみ下さいませ。 セント・メアリの鐘の音は 3話 ふたりは時を飛び越えて  ひめ乃はお茶を入れつつもそわそわしている。そんなひめ乃を見て、 「ひめ乃ちゃん、お姉さまが待ち遠しいんでしょうけど、落ち着いたら?」 「で、でも」 「変にそわそわしてもお姉さまは喜ばないわよ」  春菜はそう言ってひめ乃を落ち着けようとする。しかし、何でひめ乃が今ここにいるかといえば……  演劇部の公演が終わり、ひめ乃は舞...
  • 「山百合会劇・衣装部買い出し編act1」
    山百合会劇・衣装部買い出し編act1 一ノ瀬 ひめ乃 体育祭も終わり、いよいよ学園祭もまじかという季節になってきた。 学園全体がクラスや部活動の出し物準備でとても忙しくなってきている。 三年菊組の私市朔耶、二年松組、三条綺羅、一年桃組の一ノ瀬ひめ乃は、 学園祭での山百合会劇の衣装係をする事になり、 放課後シスターに外出許可をもらい、衣装用の生地の買出しに出かける事になった。 それにしても豪華な面子だとひめ乃はつくづく幸せ者だと痛感していた。 リリアン四剣士のお一人の私市朔耶さまは高身長に焼けた肌がとても素敵だし、 三条綺羅さまは茶道部に所属する礼儀正しく麗しいお方。 そしてなんの変哲もないただの一年生のわたし。 経費を安く押さえる為に、やはり生地は日暮里の繊維街に赴く事になった。 洋裁が好きなひめ乃はたまに来る事はあるけれど、 家庭の事情というやつで...
  • 「あなたの定位置」(慧理奈さん&志保子さん姉妹)
    あなたの定位置 月城 玲 「志保子の声はきれいだわ。その声で聖書を朗読するなんて素敵な贅沢ね」  夕日が差し込む聖書朗読部の部室。  慧理奈さまは微笑みながら志保子に言った。 「そんなことはないですわ。お姉さまの声だってとってもきれいですもの。私なんてかすんでしまうくらい」 「そんなことないわよ、…って。これじゃ志保子と同じ事を繰り返してることになるわね。少し間抜けだわ」  夕日が慧理奈さまの髪をすり抜けてきらきらひかる。整った顔立ちに光のお化粧がほどこされて、一層美しかった。志保子は思わずそれに見とれ、聖書のページをめくる手を止めた。 「どうしたの? 志保子」  心配そうな顔で志保子を見つめる慧理奈さま。 「いえ、なんでもありませんわ。続けましょうか?」 「そうね」  志保子の、姉妹制度の「姉」である慧理奈さまが、唐突に聖書朗読部を訪れたのには驚いたけれど...
  • 「七夕祭SS・肝試し1番」
    七夕祭SS・肝試し1番 大河内 香・正木 聖香 「ではこれから肝試しの組分けのくじ引きをします」 白薔薇さまこと正木聖香の一言に対し、一瞬の静寂を越えてミルクホール内の空気は一転した。 「うわっ、ドキドキする!」 「私肝試し苦手なんですよ」 「一緒の組になれるといいね」 そんな声が各方面から飛び交っている。 時計回りにくじの入った箱をまわし、一番最後の黄薔薇さま・大河内香まで箱が行き渡った頃にはすでにパートナーを探す声が飛び交っていた。 「ひめ乃ちゃんは何番だったの?」 中司春菜は隣にいた紅薔薇のつぼみ・一ノ瀬ひめ乃の手元を覗いた。 「3番よ。春菜さんは?」 「あら、私も3番よ」 春菜が答えるより先に第3者の声が割り込んだ。 「お姉さま!」 ひめ乃の一言でその人が紅薔薇さまである貴水朋子であることが知れた。 3人の後方では友人同士で同じ数字を引いた久保りな...
  • 「高温の冷気と溶けそうな白雪」(玲&かずら姉妹)
    高温の冷気と溶けそうな白雪 月城 玲  いつだって――ふわりと明るくて、さりげなく優しくて、そして時々脆くて。  私を姉と認めてくれた、  そんな淡雪のような、不思議な存在。  マリア像の前でお祈りをすませ、もう帰ろうと校門へ向かうと、霧のように細かい雨が降ってきた。 雪ではなく、雨だ。もう冬は終わりなのだとあらためて実感する。そういえば中学の頃読んだ枕草子でも、冬のくだりが一等好きだった。どちらかといえば徒然草の方が好みではあったのだが。  やはり雪が降らないことが残念だった。しんと冷えて張り詰めた、あの不思議な強い空気が私は好きだったのだ。  そしてそれ以上に、そんな凛とした空気が生み出す、ふわりとした白雪が私の心を強く惹いてやまない。 「あ、ごきげんよう、お姉さま…!」 突然。 静かなのに確かな明るさを秘めた声が、私の背後から聞こえてきた。...
  • 「袴競争出場手続きのおはなし 黄薔薇編」
    袴競争出場手続きのおはなし 黄薔薇編 中司 春菜  放課後の空き教室。今は体育祭実行委員会が利用している。その扉が開き一人の生徒が顔を出した。 「ごきげんよう、春菜ちゃん」  微笑みながら入って来たのはロサ・フェティダこと常盤京。入り口そばの机に座っている春菜に挨拶する。 「ごきげんよう、京さま」 「久しぶりだねー、春菜ちゃん。体育祭実行委員会、何にもできなくてごめんね?何か手伝えることあったら何でもするから言ってね」 「はい、ありがとうございます」  挨拶を交わした京は春菜の席に貼りつけられてる紙を見て言う。 「体育祭競技の参加申し込みなんだけど、春菜ちゃんに言えば良いわけね」 「あ、はい袴競争ですね」  クラス会議以外で出場を決める競技は、袴競争とクラブ対抗リレー位なのだから春菜はすぐに京の言いたいことを察する。 「そう。慧理奈と2人で、っていうことで、よろし...
  • 「華の松組応援団」
    華の松組応援団 二宮 央 3年松組の教室に緑チームの主だったメンバーが集まっている。 「うちのチームは楽ね。毎年応援は同じで良いわけだし」  そう言う京の台詞に皆頷く。今年も緑チームの応援は、学生服での応援団スタイルに決まっている。 「メインはわたしと華央梨、それに朋子ね」  京は3年生3人の名前を上げる。央はそれを聞きながら3人の勇姿に思いをはせる。 「ところで央ちゃん」  京が央の方を向いて話しかける。 「はい、なんでしょうか?」 「央ちゃんは、旗振りをお願いね」 「旗振りですか?」 「ええ、緑チームの団旗を振ってちょうだい」 「判りました、京さま」  京はそのまま続けて 「慧理奈は太鼓をお願いね」  京は慧理奈の方を向いて話す。 「判りましたわ、お姉さま」  慧理奈は京にそう返事をする。 「それじゃぁ、皆さんしっかり応援しましょうね」 「はい...
  • 「It's a beautiful day 」
    It s a beautiful day 月城 玲 繰り返す過ちを犯した罪さえも、 洗い流せる術をくれた人。 「お姉さま」 聞き慣れた心地良い声に、ゆっくりと振り返る。どきどきとした新鮮な喜びはないけれど、淡く優しい色の絵の具に心が染まっていく。 「ごきげんよう、かずら」 窓から差し込む穏やかな光をまとって微笑む妹の姿を、ゆっくりと視界に捉えた。 光に透けたかずらの瞳と、私の漆黒の瞳とが、しっかりと見つめあう。 ふ。と、二人で同時に笑い合った。 「お姉様の髪、綺麗ですね」 「唐突だな」 そういえば以前かずらにそう言われた事があった。 夏の、髪を切ろうかと言った後に。 なんにせよ、綺麗だと言われたものは残しておこうと思ったので、私の髪は長いままだ。 窓ガラスから差し込む光が綺麗だと、思う。 急に思いついて、かずらに歩み寄り、手を...
  • 「体育祭準備SS前編」
    体育祭準備SS前編 五条 慧理奈 「...お姉さまのバカ...」重そうな段ボール箱を抱えな がら慧理奈はため息と共に言葉を吐き出していた。 ...そう、ことの始まりは昼休み―...。本当なら今一緒 に山百合会の演劇の準備をしているはずの姉、ロサ・フェティ ダこと常盤京は剣道部の手伝いがあるから、とさっさと妹に準 備を任せて行ってしまったのだった。 たくさんの衣装が入った段ボールを抱えながらえりなは再びた め息をついた。 するとそこにロサ・キネンシスこと二宮央さんが通りすがった 。 「ごきげんよう、慧理奈さん」にっこり笑ったあと央さんは大 変そうね、またロサ・フェティダ?、と苦笑した。 「...央さん助けて...重過ぎるのよ...この箱... 」げんなりした顔で央さんに助けを求めると央さんは2つの内 1つの段ボール箱を持ってくれた。 「...ありがとう.....
  • 「ミックス☆ジュース」リメイク版 第九話
    ミックス☆ジュース リメイク版 第九話 私市 朔耶 「もしもし、そこなお嬢さん。  物陰に隠れて、何を見てらっしゃるのかな?」  寂しそうにテントを見つめる視線に気が付いたのは、彩だった。  ただ、今は忙しくて手が離せない、との事で、ちょうど休憩中の朔耶がそのお嬢さんのところへやってきた。  彼女はびくっと肩をすくませると、ぱっと振り返った。 「え!?  あ、朔耶さま・・・えっと・・・ごきげんよう」  少々クセのあるショートカット。  和服を身にまとい、新撰組のはっぴを着ているこの美少女は、二年生の葛城かずらだ。  かずらは、声の主が見知った顔であったことに少々安堵し、見つかってしまったことに不安を覚え、一応それでも挨拶をする。 「はい、ごきげんよう。  かずらさーん、こんな所にいないで、あっちに注文しにきたらいかがです?」 「でも、お姉さまは忙しそうだし・・...
  • 正木 聖香
    正木 聖香 短編SS 「伝説の本」 2005/3/18 「片足だけあげて 後編3」 2004/11/6 「片足だけあげて 後編2」 2004/11/6 「片足だけあげて 後編1」 2004/11/6 イベントSS 「七夕祭SS・肝試し1番」 2005/7/24 「七夕祭SS・飾りつけ編」 2005/7/16 「フィオラノへ……」本編 2004/10/28 「フィオラノへ……」計画編 2004/10/18 「午後の部」 2004/??/?? 「午前の部」 2004/??/??
  • 「ミックス☆ジュース」リメイク版 第一話
    ミックス☆ジュース リメイク版 第一話 私市 朔耶 「ねぇ、ブドウとマスカットって、ジュースにした時にどっちがおいしいと思う?」 「えーと・・・どうなんでしょうねぇ。  どちらかと言えば、マスカットの方がさっぱりしてると思いますよ?」 「朔耶さまー、いいオレンジの選び方とかって知ってますかー?」  うっすらと寒さの降りてき始めた、神無月の終わり。  揉めに揉めた文化祭企画だったが、ジュースバーをやろうと言うことで、話のまとまったリリアン女学院剣道部。  その部員である、大河内香、私市朔耶、都橋彩の三人は、翌日に控えた文化祭のために、学校最寄のスーパーへ買出しに来ていた。  文化祭の準備と言う名目があること、さらに女の子だけでの買い物と言うこともあって、中々どうしてあれも欲しいこれも欲しいになってしまい、買い物篭がどんどん膨れ上がっていく。 「ちょっと朔耶、なに、そのり...
  • 短編SS
    短編SS 「プロ野球愛好会 祝開幕会合」 今岡 栗実 2005/4/5 「伝説の本」 正木 聖香 2005/3/18 「プロ野球愛好会 沖縄キャンプ編」 二宮 央 2005/3/14 「高温の冷気と溶けそうな白雪」(玲&かずら姉妹) 月城 玲 2005/3/11 「あなたといっしょにどこまでも。」(朔耶&彩さん姉妹) 月城 玲 2005/3/11 「たとえ一億光年離れても、」(りなさん&萌さん姉妹) 月城 玲 2005/3/11 「eternity rose」(朋子さん&ひめ乃さん姉妹) 月城 玲 2005/3/11 「a picture of my sister」(聖香さん&芽衣子さん姉妹) 月城 玲 2005/3/11 「あなたの定位置」(慧理奈さん&志保子さん姉妹) 月城 玲 2005/3/11 「はちみつ色の幸福論」(京&慧理奈さん姉妹) 月城 玲 2005/3/11 「出会い...
  • 「修学旅行出発SS前編」
    修学旅行出発SS前編 石原 華央梨 華央梨は日課のお御堂でマリア様にお祈りを捧げる事を終えてお御堂からでた。 「うーん。いい天気ね。マリア様のお心だわ」 そう言ってどこまでも青い空を見上げる。 と、そこに 「華央梨さま?」 純真無垢なエメラルドの瞳で華央梨を呼び止めるのは黄薔薇のつぼみ五条慧理奈である。 「あら、慧理奈ちゃん。ごきげんよう」 華央梨は伸びをしようとしていた手を下ろし微笑んで挨拶した。 「ごきげんよう、華央梨さま。お御堂にいらっしゃったんですか?」 「ええ。といっても、もうお祈りは捧げ終わってしまったわ」 「敬虔なクリスチャンですね。華央梨さまは」 その言葉に華央梨はきょんと目を点にする。 「私が?そんなことないわよ。それより、薔薇の館に行かなくていいの?」 お嬢様らしかぬ軽やかな笑いで返す華央梨。 いつもの優雅な立ち振る舞いも親しい友達や下...
  • 準備SS「ミックス☆ジュース」買出し編
    ミックス☆ジュース 買出し編 都橋 彩 「ねぇ、ブドウとマスカットってジュースにする時どっちがおいしいかな?」 「えーどうなんでしょうねぇ。  マスカットの方がさっぱりしてると思いますよ?」 「朔耶さまー、いいオレンジの選び方って知ってますかー?」  10月の終わり。  結局、彩が央にもらってきた「ジュース・バー」と言う企画が通った剣道部。  大河内香、私市朔耶、都橋彩の三人は、翌日の文化祭のために、学校最寄のスーパーへ 買出しに来ていた。  中々どうして、あれも欲しいこれも欲しいになってしまって、買い物篭がどんどん膨れ 上がっていく。 「ちょっと朔耶、なに、そのりんごの量」 「え?  いや、りんごジュースは需要が高いかと思いまして」  ひょっこり戻ってきた彩が、横から冗談を飛ばす。 「てゆーか、ご自分で飲むつもりだったりして?」 ...
  • 「体育祭の喜怒哀楽 前編」
    体育祭の喜怒哀楽 前編 石原 華央梨 「ごきげんよう」 いつもの挨拶も今日はどこか張り切り気味。 何故かって?今日は、秋の一大イベントともいえる体育祭だから。 「まぁ、私も張り切っているのだけれど」 華央梨は松組の教室に向かっている途中で呟いた。すると、 「ごきげんよう、華央梨さま」 都橋彩が華央梨に微笑を浮かべ挨拶してきた。 「ごきげんよう、彩さん。今日はお早いのね」 「ええ。なんと言っても体育祭ですから」 「ふふ。そうね」 華央梨は優雅に笑むとふと思い出したように 「そういえば、彩さんも松組よね?」 「そうですよ。団長頑張って下さいね」 「(私は知らなかったのに彩さんは知ってたんだわ)一人じゃなく二人だから少しは荷が軽くなるけれどね」 そう言って二人で微笑みを交わした後...
  • 「セント・メアリの鐘の音は 0話 開店前」
    セント・メアリの鐘の音は 0話 開店前 中司 春菜 学園内のある教室で、執事とメイドが並んでいる。もっとも正確にはそれっぽい格好をしたリリアン女学園の生徒達だ。それを見ながら春菜は『何処でどう間違ったんだろう?』と思っていた。最初、彼女が立案したときの企画は『おにぎりとかサンドイッチを出す軽食店』だったのだ。ところがふたを開けてみれば『英国風喫茶店』に企画が変わり、気がつけば『これはメイド喫茶?』になっていた。しかし、そんなことを考えてる彼女も、ピンタックのブラウスに黒いロングスカートなんて格好をしてるのだから何と言うべきか。 「どう、春菜さん?」  メイド服を選んだ張本人、ひめ乃が春菜の前でくるりとターンをしてみせる。 「うーん、可愛いわよ。これならお姉さまも、ひめ乃ちゃんの魅力にノックアウトね」 「は、春菜さん!」  ひめ乃は春菜の台詞に慌てだす。しかし、髪を白いリボン...
  • 「山百合会劇・衣装部買い出し編act3」
    山百合会劇・衣装部買い出し編act3 一ノ瀬 ひめ乃 次はお妃さま。エレガントでロココ調の衣装にするつもりでデザイン画を書いてきた。 後ろがふんわりするようにバッスルを入れる予定。 慧理奈さまにひめ乃の私物を使ってもらう事になっている。 ティアラもバレエの舞台で使ったものがあるから、 それを慧理奈さまにつけて頂く事になった。 やはり優雅な王妃さまのドレスといえば色はワインレッドか、ボルドー。 問題は生地だ。 アンダースカートとオーバースカートのデザインで、 アンダーは3者相談の上、上品な茶色がいいという事になった。 なかなかいい生地が見つからずうろうろとする3人。 値段と照らし合わせながら物色していると、 綺羅さまからお声がかかった。 「ねぇ、ひめ乃さん、この生地どうかしら? とても素敵だと思うんだけれど」 見てみると優雅なボルドーのグログラン...
  • 「セント・メアリの鐘の音は 2話 男装の姉妹」
    中司 春菜  ごきげんよう、皆様方。学園祭SS「セント・メアリの鐘の音は」の続きを投下させていただきます。  色々検討した結果、他のSSと矛盾が出ないように、基本的に時間の流れを明記しない方針で書かせていただきます。ですから「話数=時間の流れ」を示すものでないとご理解下さるようお願い致します。  それではお話しの方、ごゆっくりとお楽しみ下さいませ。 セント・メアリの鐘の音は 2話 男装の姉妹  朔耶の計らいで学園祭デートをし始めたふたり。並んで歩き出すが、かずらはちらりちらり玲の指先を見つめる。 「かずら」  そのかずらにそっと差し出される玲の手。かずらは満面の笑みにちょっと朱を差しながら、玲の手を握る。 「ところで何処に行きたい?」  玲の簡潔な、ひとつ間違えれば素っ気なく聞こえる質問が出る。 「お姉さまが行きた……」 「特に行きたいところが無くてね。か...
  • 「ミックス☆ジュース」リメイク版 第五話
    ミックス☆ジュース リメイク版 第五話 私市 朔耶 「ねぇ、あっちの方からやたらと黄色い悲鳴と言うか・・・  そう言うの聞こえてこない?」 「そうですねぇ、どこかの女優でも来たんでしょうか?」  人垣のむこう側。  玲と京は相変わらず忙しいが、手の空きがちになってきた香と朔耶は、先ほどから騒がしいそちらに気をとられていた。  その人垣を抜けてきたのは・・・ 「香クン香クン、マリア様が出てきましたよ!?」 「・・・そうだね、メイドさん連れたマリア様だ」  受胎告知、と言ってわからない生徒はリリアンにはいないだろう。  その姿をしたマリア様・・・演劇部所属の名女優、貴水朋子は剣道部のジュースバーの前までくると、その優雅な歩みを止めた。 「ごきげんよう、剣道部のホストのみなさん」 「ごきげんよう、みなさまとってもカッコイイですわ」  彼女の次に挨拶を贈ったのは、隣に...
  • 「午前の部」
    午前の部 正木 聖香 聖香は、はりきっていた。運動はけっして得意なほうではないのだが リリアンの体育祭は、50メートル走などの個人競技より、みんなで 手を取り合いながら進める団体競技が多いので、楽しみがいっぱいだ。 でも、去年の体育祭では、色別リレーで最初のランナーをつとめたが いきなり遅れを取ってしまい、みんなの足を引っ張ってしまったことは 忘れる事はなく、秘かに今年の色別リレーでのリベンジを誓っていた。 さっそく、最初の参加競技「玉逃げ」だ、やはり優勝候補は松組が主体で 構成されている緑組。玉逃げも運動神経抜群の、央さんにカゴを担がせて 必勝体制である。紫組の2年は作戦会議を行った結果、緑組に勝たないと 優勝の可能性はないので、央さんのカゴを集中的に狙うという作戦を紫組は 取ることを決める。しかし、これがあとになって無謀な作戦だったとはわからずに…… ...
  • 「修学旅行出発SS後編」
    修学旅行出発SS後編 石原 華央梨 そうやって話を交わしている内に薔薇の館についた。 リズミカルにそして優雅に登っていく慧理奈に華央梨は 「慧理奈ちゃんさ、確か今月修学旅行だったわよね?」 「はいそうですけど・・・?」 「ならいいの」 にっこりと笑んでビスケットの扉を開ける。 するとそこには慧理奈の予想通り京がいた。 「ごきげんよう慧理奈、華央梨。華央梨が薔薇の館に来るなんて珍しいね」 「ごきげんよう、お姉さま」 「ごきげんよう、京。ご訪問させていただこうと思って」 京はにっこりと笑んで席を立った。 「紅茶いる?」 「あ、私は忘れ物をとりに着ただけですから、すぐ帰ります」 そう言って机の上にある文庫本を取ると「ごきげんよう」と残して去っていった。どうやら急ぎの用事があるみたいだ。 「どうぞ、お構いなく」 そう言いつつも席に着く華央梨。 「そんな、お客様...
  • 「プロ野球愛好会 沖縄キャンプ編」
    プロ野球愛好会 沖縄キャンプ編 二宮 央 「キャンプに行きましょう」 「「は?」」 突然、央が提案した。 『突然』とは言うものの、央の中では前々から考えていた事であり、 その計画がまとまったので口に出しただけなのだ。 つまり、提案という名の決定事項である。 が、 そんな事を初めて耳にする栗実と慧理奈にとってはまさに『突然』だった。 写真部部室。 本来なら写真部以外立入禁止であるはずの部室の一角に、 プロ野球愛好会会員、央と栗実と慧理奈の姿があった。 (栗実は写真部なので写真部部室に居ても何の問題も無い) 学園非公認のゲリラ組織である『プロ野球愛好会』は、主にテニス部部室を 活動拠点にしている(部員が央一人なので融通が利く)のだが、 今日は栗実が『つなみさまが美味しい紅茶を持って来て下さったから、写真部に来ません...
  • 「伝説の本」
    伝説の本 正木 聖香 今日は卒業式前日。1・2年生も明日の式の準備のため、お昼までの授業だった。 私は、借りていた本を返しに図書館のドアを開けた。 「ごきげんよう」笑顔でカウンターにいたのは、 東雲柚妃さん。一年藤組のいつも笑顔が可愛い図書委員さんだ。 「ありがとう、柚妃さん。とても読みたかった本だったの、取り寄せて 貰ってよかったわ、かずらさんにもお礼言っておいてね」 「いえ、図書委員のお仕事ですし。その本はあしながおじさんの続編 なんですよね? ぜひ次は柚妃が借りてみたいです!」 「ええ、是非。でも、柚妃さんが西洋の児童文学に興味があるなんて ちょっと、意外ね」 「ああ!聖香さま、柚妃がジャニーズの写真集とかそんなのばっかり、読んでる なんて思ったでしょう?」そう言うと柚妃さんはちょっと、膨れっ面になった。 「ふふ、そんな事は思ってないわよ。でも柚妃さんっ...
  • 「学園祭SS・演劇部編」
    学園祭SS・演劇部編 貴水 朋子 「ごきげんよう」 学園で聞きなれたあいさつのほかに「おはよう」「久しぶり」といった言葉が飛び交う。 深い色の制服にまざって赤、白、緑。色とりどりの服が廊下を行きかい 大きな声ではしゃぎながら教室に入っていく少女やその友人、父兄の笑顔。 今日だけ年に一回いつもと違ったリリアンの姿がここにある。 「いらっしゃーい!熱々のおでんいかがですかー!」 今日はリリアン女学園、毎年一度のお楽しみ。学園祭だった。 遠くに聞こえる笑い声を聞きながら、視聴覚室では静かな女の戦いが開かれていた。 篠田まき、天野了花、東条萌の演劇部の1年3人娘が衣装変えに四苦八苦している状況。 そんな様子を窓に寄りかかりながら楽しそうに眺めているのは美しきマリア様ー… もといマリアの衣装に身を包んだ貴水朋子の姿だった。 今年の演劇部の出し物の...
  • @wiki全体から「聖香お姉さまSS・選挙ポスター編1」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索

ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。