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鶴見良行 『バナナと日本人』 - (2008/12/18 (木) 20:05:44) の編集履歴(バックアップ)


928 :無名草子さん:2008/11/21(金) 17:10:35
今さらだけどバナナと日本人って良書なの?

930 :無名草子さん:2008/11/21(金) 20:23:57
名著だよな。>バナナと日本人

953 :無名草子さん:2008/11/28(金) 01:27:57
長らく積読だった鶴見良行『バナナと日本人』読了。悪い意味で典型的な岩波本ではないかと思って敬遠していたが良い意味で裏切られた。
マルクス主義的な帝国主義糾弾や従属理論全開の本だと思っていたが違った。
むしろ世界資本主義打倒的な反グローバリゼーション・アジを期待して読む左翼の人などは肩透かしと感じるかもしれない。
標準的な経済学・経営学に基づいた冷静で緻密な分析。今で言えば、スティグリッツのスタンスに近いか。
プランテーション成立についての実証的な歴史研究と粘り強い取材に基づき、多国籍企業による流通の独占と生産現場の支配構造を分析している。
これらの多国籍企業は戦後さまざまな手管を用い法の網をくぐって有利に土地を取得し、
また農民らの無知と交渉力の弱さに付け込んで不公正な契約で生産現場を縛った。
契約農家は初期投資のリスクを背負わされ、借金は膨れていくばかりで貧困から抜け出せないとのこと。
25年前の本なので今の状況がどうなのかはわからないという点はあるものの、今読んでも名著であることは確か。
今どきの反貧困本と比べてもレベルは高いと思う。勧善懲悪的な安易な図式に寄りかかっていない分、それほど読みやすくはない。
読む方にも多少の忍耐力が必要かも。結論部分は「生産者に思いをはせよ」という具体性を欠いた道徳論的なものであるのは不満。
まぁ今ならフェアトレードなどが提言されるのかもしれない。とりあえずこれはリストに入れてもいいのでは?
内容は歴史でもあり経済・産業ネタでもあるが、幸い「食」というカテゴリーがあるからそこに入れればいいんじゃないすか。

 

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