252 :無名草子さん:2009/01/17(土) 08:47:11
さて、先日に続いてレビューなど。

本日のおすすめは、池内恵『現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義』講談社現代新書。
タイトル通り、現代アラブ・ムスリムの社会思想について扱ったもの。
1967年、第三次中東戦争にアラブ連合がボロ負けしてからの
中東社会の思想についてまとめたものですが、
アラブ社会の共産主義との繋がり、イスラーム主義について理解するには非常に良い本です。
アラブ人が何を考えているか知るには最も手頃ではないでしょうか。
イスラム教が如何に現代社会に適合できず、袋小路に追い詰められているかわかることと思います。
ただし、中東の歴史・事件史については他の本も参照すること。

wikiでは、後半トンデモスレスレとあったが、
筆者はエジプトで公開資料を淡々と読み進め、考察する形を取っているので、
本のトンデモっぷりはアラブのトンデモっぷりをあらわしていると言えます。
だってあっちじゃ、社会的地位のある人が平然とノストラダムスの予言張りのトンデモを主張するんだぜ?


298 :無名草子さん:2009/01/22(木) 13:06:34
>池内恵『現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義』(講談社現代新書)
これはいったん保留にしてほしい。
この本が出たのは2002年。

アラブ思想は深刻な閉塞状況にあるという論旨だったが、
果たしてその見方はその後の7年を占うのに有用だったろうか。
9.11の翌年、この本が日本の読者に与えた戦慄は、
必ずしもその後の歴史の裏書きを得ることは無かったように思える。


476 :無名草子さん:2009/02/05(木) 00:30:37
>>252
遅レスで、後半トンデモと書いた者だけども、
どっかのレビューでもあったが「陰謀論とオカルトがあんまりつながってない」気がするんだよね
大体、世紀末にオカルトが蔓延するのは、後進国だっつうなら、日本はどうなんだとw
オウム事件ってなんだったんだと。当時ハルマゲドンって5%くらい信じてたんだから
あと、イスラム圏の人が「西暦」で世紀末を叫んでるってこと自体に、
中東の西洋化を感じることができる、ともいえると思うんだが
(実際、1500年代くらいにイスラム暦の世紀末運動は起きている、と鈴木の論文にある)
池内さんはものすごい分析的に見て、勉強になる人だけど(東大オメ)
ちょっと、「自分の視点が常に正しい」って力が強すぎる気がする。
あれの三部が代わりに「書物の運命」の二部のサイード批判だったら文句なしベストだけどね。

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最終更新:2009年02月05日 01:41