アットウィキロゴ

猫 屋 敷

2話

空港まではバスで向かう。
持ち物は記載されていなかったので、とりあえず最低限の旅道具は持ってきた。それから、普段の任務に必要な物など。

「……あれかな……あれだよね」

自分よりいくつか年上に見える、眼鏡に長髪の男。
肩口まで伸びた髪が遠目に見ても鬱陶しい。
そして話しかける事をためらわせる、異質な雰囲気。
まぁガーディアンの組織の人間は大抵変人だが。

そのままじっと見ていると、男は顔をばっと上げ――はっきり、とこちらを見た。
目が合う。非常に気まずい――

「Crowか」

Crow。……クロウ。ようするに鴉のことで、私のコードネームである。

「あ、はい」
「俺はNo.009、Swallow。よろしくな」

神経質そうな顔つきだが、意外と社交性はあるらしい。
Swallow、というのはツバメのことか。
一桁のナンバーということは結構古株のガーディアンなのだろう。

「それで、……行き先は?」

私は一番肝心な事を聞く。
すると彼は、物凄い事を言ってのけた。




「決まっていない」



「……は?」
「いや、西部大陸の方から回れとは言われたのだが……あとはこの資料しか貰っていない」

資料の表紙には、ヱトリア帝國によるとみられる事件、と書かれている。

「……それって」
「この資料をもとに、片っ端から回れ、ということだろう」

「…………」



前途多難である。
最終更新:2010年03月23日 02:26