「第二回放送 -カプリスの繭-」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

第二回放送 -カプリスの繭- - (2016/03/06 (日) 21:54:55) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*第二回放送 -カプリスの繭- ◆DGGi/wycYo ――白い部屋、大きな窓、繭。 カードに閉じ込められた魂は一度この部屋に送られ、すぐに別の窓へと再び閉じ込められる。 バタンと大きな音を立て、また一つの窓が閉じた。 やがて時を告げる重厚な針が二つ、頂上で重なる。 少女は手近な窓を一つ開け、“向こう側”へと語りかけた。 『――正午。こんにちは、とでも言えばいいかしら。二回目の定時放送の時間よ。 今あなたたちが何をしているかなんて関係ないわ。 大事な放送なんだもの、きちんと繭の話を聞きなさい。聞かない子はどうなっても知らない。 まずは禁止エリアの発表よ。 【B-8】 【D-3】 【F-6】 午後三時になったら、今言った三つの場所は禁止エリアになる。死ぬのがイヤならそこから離れるのをお勧めするわ。 それから、A-4に掛けてあった橋が直ったの。だからここの禁止エリアは解除してあげる。頭の片隅にでも置いておきなさい。 それじゃあ、きっと一番欲しがっているお話、ここまでに死んじゃったみんなの名前を言うわよ。 大事な人が死んだなら……この後の身の振り方は、当然分かっているわよね? 【ランサー】 【保登心愛】 【入巣蒔菜】 【雨生龍之介】 【蒼井晶】 【カイザル・リドファルド】 【範馬刃牙】 【高坂穂乃果】 【桐間紗路】 【花京院典明】 【キャスター】 【ジャン=ピエール・ポルナレフ】 【折原臨也】 【蟇郡苛】 さあこれで全員、14人よ。6時間前の分も合わせたら……残りは39人。 ふふ、まさかたった半日でこんなに死んでいくなんて思わなかったわ。 ここまで残ってきた人はとっても強いのか、誰かに守ってもらったのか、それともとっても運がいいのか、どうかしら。 でもあなたも、あなたも、そしてあなたなんかも。横に居る子に突然裏切られたりしないように気をつけた方がいいわよ。 もしかしたらその子は大切な誰かが死んだことで行動を変えた、なんてことがあるかも知れない。 他人が何を考えているかなんて、分かりっこないんだから。 それじゃあこの放送はここでおしまい。 次はまた6時間後、夕方6時。その頃に繭の声が聞ける子は……何人かしら。 半分? もっと少ない? 期待しているわ』 ✻   ✻   ✻ 放送が終わり、再び部屋は静まり返る。 窓の向こうを幾つか覗いてみるが、繭にとってはなかなか愉快な光景が広がっている。 既に半日が過ぎたのだ。誰もが一人や二人、或いはそれ以上の知人友人等を失っていてもおかしくはない。 現に誰もが驚き、嘆き、涙を流し、放心する。彼も、そして彼女も。 「ふむ……」 繭のすぐ傍で、一つの声がした。 「何を見ているの?」 金髪の“男”はグラスに注いだワインを片手に、沢山の窓の中のある一つをじっと見ていた。 繭に声を掛けられた男は、にこりと微笑み返すだけだ。 ちらりとその窓を覗くと、参加者の一人である青年の姿が映っている。 名前は確か『風見雄二』だったか。 男の傍には、いつからそこに居たのか風見雄二に瓜二つな青年が立っていた。 白髪赤眼の彼もまた、沈黙を崩さない。 「…………」 繭には、彼らが何を考えているかは判らない。 この殺し合いを持ち掛けてきたのは金髪の男であり、ルール調整や舞台となる島の準備等をお膳立てしたのも彼だ。 だが何がそこまで彼、若しくは彼らを駆り立てるのか、どうしても理解することが出来ない。 ヴヴヴ、と何かが振動する音。 その発生源であるスマートフォンをポケットから取り出すと、男は誰かとの会話を始めた。 「ああ、君か――」 少女はただ一言、憎しみの混ざった声色で男の名前を呟いた。 「ヒース・オスロ……」 ※A-4の橋が修理され、渡れるようになりました。 それに伴い、A-4の禁止エリア状態が解除されます。 *時系列順で読む Back:[[退行/前進]] Next:[[]] *投下順で読む Back:[[退行/前進]] Next:[[]] |091:[[第一回放送 -この声は冒涜-]]|繭|:[[]]| ||ヒース・オスロ|:[[]]| ||テュポーン|:[[]]|

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: