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その『目』が映すもの - (2015/08/09 (日) 00:19:16) の最新版との変更点

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*その『目』が映すもの ◆DGGi/wycYo ○がつ×にち  はれ めがさめたらまよなかで、でっかいたてものがめのまえにありました。 ひかねぇがいっていた、すごくあごをあげないとみれないたてものでした。 うえをみていると、だれかがふってきました。 ――― 「んなっ!? 人が降ってきたのん!?」 知らない場所で、知らない人。 宮内れんげには、映る全てが目新しすぎた。 何か物音がしたかと思うと、突如降ってきた1つの影。 影はすぐさま体勢を整えて、れんげをちらっと見る。 「・・・・・・どちらさまですのん?」 建物から漏れる光で、顔は確認出来そうにない。 が、少なくとも知り合いではないということは何となく理解した。 影はれんげの質問に答えることもなく、どこかへ歩き始める。   「ちょっと待つのん! 質問にはちゃんと答えろって教えられたのん!」 影に追いついたれんげは、腕にしがみついて食って掛かる。      「・・・・・・君、ここがどこか分かってる?」 「質問を質問で返しちゃいけないん!」 影はハァとため息をつき、答えた。 「僕は神威、これでいいかな?   もう1度訊くけど、ここがどこか分かってるかい?」 「全く分かりません!」 自信満々に答えるれんげに頭を抱えた神威。 上から見えた人影が、こんな年端もいかない子供だったとは。 だが神威にとって、腕にしがみつくれんげは邪魔でしかない。 「……可哀想に。子供は殺したくないんだけどね」 突然しがみつかれている腕を振り払い、投げ飛ばす。 飛ばされたれんげは、数メートル先にある本能字学園の壁に激突。 ある程度手加減したつもりだが、少しやり過ぎてしまったようだ。 「君は殺し合いというものを理解していないんだね。  どうやらここはそういう場所のようだ。  弱い奴は次々死んでいく、ただそれだけだよ」 笑顔で語り、その場を後にしようとする。 どんな人生であれ、最期は笑顔で見送り健やかに死なせる。 それが神威なりの殺しの作法だが、僅かにその笑顔は歪んでいた。 ――― 気が付いたら、吹き飛ばされていた。 激突の衝撃で、意識が消えそうになる。 それでも、宮内れんげは生きていた。 神威が振り返り、こちらを見てにこやかに微笑む。 「おー驚いた、子供相手にやり過ぎたと思ったけど丈夫だ。  壁にぶつかってまだ生きていたなんてね」 「う……ぁ……」 だが、れんげは動けなかった。 何か言葉を発しようにも、口からは荒い息と、少量の血。 そして呻き声が出て来るだけだった。 男はこちらを笑いながらじっと見つめる。 流石のれんげも、何が起こるか直感で察した。 「や……め……」 せめてもの足掻きと言わんばかりに、右腕を男へ伸ばす。 男を睨みつけ、精一杯抵抗する。 それが、意味がないものと分かっていても。 「……やっぱりいいや。  今ここで君を殺すのはやめておくよ」 だが意外なことに目の前の男は、くるりとれんげに背を向け、 「もう一度言っておくよ、俺は神威。  君とはまたどこかで会うことになりそうだ。  それから、いきなりぶん投げてごめんね」 と言い残し、悠々と歩き去っていった。 「待つ……の…………ん……」 ふってきたひとは、とてもこわいひとでした。 いきなりうちをなげとばして、またあうだなんていっていました。 もしかしてあれは―― ほんもののうちゅうじんだったのん? 宮内れんげの意識は、そこで途絶えた。 * * * 女と子供は、これまで殺そうとはしなかった。 女は強い子供を産む可能性があるし、子供は将来強くなるかも知れない。 だが、この場においては生き残るのは1人だけ。 ここではそんな美学も、意味を為さないのであろうか。 (……惜しい逸材だったかもねぇ。あの目は本物だ。  将来大物になれたかも知れないけれど……) 神威はれんげに危害を加えたことを、やや後悔していた。 こんな場所といえど、子供を攻撃するのは抵抗がある。 だから殴るのではなく、投げ飛ばしたのだ。 何より、最後に睨み付けてきたその『目』は――。 殺し合い自体は今まで何度も演じてきた。 実の父親や妹を殺そうとしたこともあった。 夜兎とは、昔からそういう種族だった。 神威はその血を忠実に受け継いでいる、ただそれだけ。 だが、今回は違った。 己の血の命ずるままに行うわけではない。 繭とかいう女の手で『用意された』戦場、『強制された』殺し合い。 まるで、ふざけたお遊戯ではないか。 アホと踊るよりとんでもないアホと踊った方が楽しい。 だが、踊らされるのは面白みがない。 いつかはあの主催も殺さなければいけない。 まあ、それでも。 「……彼らもいるみたいだし、別にいいか」 名簿を見ながら思わず口元を歪める。 血の繋がった妹、神楽と、江戸の侍、坂田銀時。 この場にいない高杉を殺せないが心残りだが、別に構わない。 あの夜王鳳仙を倒したほどの修羅。 その『目』、決して忘れてなどいない。 (僕は好物は最後に取っておくタイプだからね……  最後まで死なないでよ? 神楽、お侍さん) 存外、踊らされるのも悪くはなさそうだ。 【B-6/本能字学園付近/一日目・深夜】 【宮内れんげ@のんのんびより】 [状態]:ダメージ(中)、気絶 [服装]:普段通り [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)      黒カード:不明支給品1~3 枚 [思考・行動] 基本方針:???    1:いまの、うちゅうじんなのん?    2:……。 [備考] ※骨が折れない程度に手加減はされました 【神威@銀魂】 [状態]:健康 [服装]:普段通り [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)      黒カード:不明支給品1~3枚 [思考・行動] 基本方針:殺し合いを楽しむ    1:最終的に主催も殺す    2:あまり女子供に手は出したくないけど…… *時系列順で読む Back:[[グラップラー]] Next:[[他の誰にも着こなせない]] *投下順で読む Back:[[グラップラー]] Next:[[他の誰にも着こなせない]] |宮内れんげ|024:[[あいあいびより おおきなやまをみた]]| |神威|:[[]]|
*その『目』が映すもの ◆DGGi/wycYo ○がつ×にち  はれ めがさめたらまよなかで、でっかいたてものがめのまえにありました。 ひかねぇがいっていた、すごくあごをあげないとみれないたてものでした。 うえをみていると、だれかがふってきました。 ――― 「んなっ!? 人が降ってきたのん!?」 知らない場所で、知らない人。 宮内れんげには、映る全てが目新しすぎた。 何か物音がしたかと思うと、突如降ってきた1つの影。 影はすぐさま体勢を整えて、れんげをちらっと見る。 「・・・・・・どちらさまですのん?」 建物から漏れる光で、顔は確認出来そうにない。 が、少なくとも知り合いではないということは何となく理解した。 影はれんげの質問に答えることもなく、どこかへ歩き始める。   「ちょっと待つのん! 質問にはちゃんと答えろって教えられたのん!」 影に追いついたれんげは、腕にしがみついて食って掛かる。      「・・・・・・君、ここがどこか分かってる?」 「質問を質問で返しちゃいけないん!」 影はハァとため息をつき、答えた。 「僕は神威、これでいいかな?   もう1度訊くけど、ここがどこか分かってるかい?」 「全く分かりません!」 自信満々に答えるれんげに頭を抱えた神威。 上から見えた人影が、こんな年端もいかない子供だったとは。 だが神威にとって、腕にしがみつくれんげは邪魔でしかない。 「……可哀想に。子供は殺したくないんだけどね」 突然しがみつかれている腕を振り払い、投げ飛ばす。 飛ばされたれんげは、数メートル先にある本能字学園の壁に激突。 ある程度手加減したつもりだが、少しやり過ぎてしまったようだ。 「君は殺し合いというものを理解していないんだね。  どうやらここはそういう場所のようだ。  弱い奴は次々死んでいく、ただそれだけだよ」 笑顔で語り、その場を後にしようとする。 どんな人生であれ、最期は笑顔で見送り健やかに死なせる。 それが神威なりの殺しの作法だが、僅かにその笑顔は歪んでいた。 ――― 気が付いたら、吹き飛ばされていた。 激突の衝撃で、意識が消えそうになる。 それでも、宮内れんげは生きていた。 神威が振り返り、こちらを見てにこやかに微笑む。 「おー驚いた、子供相手にやり過ぎたと思ったけど丈夫だ。  壁にぶつかってまだ生きていたなんてね」 「う……ぁ……」 だが、れんげは動けなかった。 何か言葉を発しようにも、口からは荒い息と、少量の血。 そして呻き声が出て来るだけだった。 男はこちらを笑いながらじっと見つめる。 流石のれんげも、何が起こるか直感で察した。 「や……め……」 せめてもの足掻きと言わんばかりに、右腕を男へ伸ばす。 男を睨みつけ、精一杯抵抗する。 それが、意味がないものと分かっていても。 「……やっぱりいいや。  今ここで君を殺すのはやめておくよ」 だが意外なことに目の前の男は、くるりとれんげに背を向け、 「もう一度言っておくよ、俺は神威。  君とはまたどこかで会うことになりそうだ。  それから、いきなりぶん投げてごめんね」 と言い残し、悠々と歩き去っていった。 「待つ……の…………ん……」 ふってきたひとは、とてもこわいひとでした。 いきなりうちをなげとばして、またあうだなんていっていました。 もしかしてあれは―― ほんもののうちゅうじんだったのん? 宮内れんげの意識は、そこで途絶えた。 ✻ ✻ ✻ 女と子供は、これまで殺そうとはしなかった。 女は強い子供を産む可能性があるし、子供は将来強くなるかも知れない。 だが、この場においては生き残るのは1人だけ。 ここではそんな美学も、意味を為さないのであろうか。 (……惜しい逸材だったかもねぇ。あの目は本物だ。  将来大物になれたかも知れないけれど……) 神威はれんげに危害を加えたことを、やや後悔していた。 こんな場所といえど、子供を攻撃するのは抵抗がある。 だから殴るのではなく、投げ飛ばしたのだ。 何より、最後に睨み付けてきたその『目』は――。 殺し合い自体は今まで何度も演じてきた。 実の父親や妹を殺そうとしたこともあった。 夜兎とは、昔からそういう種族だった。 神威はその血を忠実に受け継いでいる、ただそれだけ。 だが、今回は違った。 己の血の命ずるままに行うわけではない。 繭とかいう女の手で『用意された』戦場、『強制された』殺し合い。 まるで、ふざけたお遊戯ではないか。 アホと踊るよりとんでもないアホと踊った方が楽しい。 だが、踊らされるのは面白みがない。 いつかはあの主催も殺さなければいけない。 まあ、それでも。 「……彼らもいるみたいだし、別にいいか」 名簿を見ながら思わず口元を歪める。 血の繋がった妹、神楽と、江戸の侍、坂田銀時。 この場にいない高杉を殺せないが心残りだが、別に構わない。 あの夜王鳳仙を倒したほどの修羅。 その『目』、決して忘れてなどいない。 (僕は好物は最後に取っておくタイプだからね……  最後まで死なないでよ? 神楽、お侍さん) 存外、踊らされるのも悪くはなさそうだ。 【B-6/本能字学園付近/一日目・深夜】 【宮内れんげ@のんのんびより】 [状態]:ダメージ(中)、気絶 [服装]:普段通り [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)      黒カード:不明支給品1~3 枚 [思考・行動] 基本方針:???    1:いまの、うちゅうじんなのん?    2:……。 [備考] ※骨が折れない程度に手加減はされました 【神威@銀魂】 [状態]:健康 [服装]:普段通り [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)      黒カード:不明支給品1~3枚 [思考・行動] 基本方針:殺し合いを楽しむ    1:最終的に主催も殺す    2:あまり女子供に手は出したくないけど…… *時系列順で読む Back:[[グラップラー]] Next:[[他の誰にも着こなせない]] *投下順で読む Back:[[グラップラー]] Next:[[他の誰にも着こなせない]] |宮内れんげ|024:[[あいあいびより おおきなやまをみた]]| |神威|042:[[神威純潔(かむいじゅんけつ)]]|

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