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*他の誰にも着こなせない ◆Oe2sr89X.U  「何処の誰だか知らねえが――」  纏流子は、先刻目の前で繰り広げられた虐殺劇を思い出す。  繭と、そう名乗った女がアーミラなる女を殺した。  彼女の使っていた、カードの能力に流子は心当たりがない。  これまでにも様々な極制服の使い手と戦ってきたが、竜を呼び出すなど生命戦維の力をもってしても不可能な筈だ。    「――いけ好かねえ野郎だぜ」  不快感を隠そうともせず、流子は忌々しげに口許を歪める。  そう、いけ好かない。  率直に言って、気に入らないのだ。  あの見透かしたような態度。  何もかも自分の思い通りに行くと思っている物言い。    アーミラがやらなければ、自分が突っ込んでいたかもしれない。  自分なら、あんな竜の手ごときで殺されたりはしなかったろう。  伸びてきた手を掻っ捌いてあの透かした顔へ肉薄し、そのままぶった切ってやれた筈だ。  もちろん、流子とて馬鹿ではない。  繭はそのような局面にも備えて何かしら姑息な手を用意しているのだろうし、ここで短気を起こしても結局死ぬことになる。そう考えたから、アーミラの二の鉄は踏まなかった。  流子としては、自分があの女に殺されることを危惧するなど――屈辱以外の何物でもなかったが。  「いいぜ。そんなに痛い目を見るのがお望みならそうしてやるよ」  流子はくつくつと笑うが、その眼光は猛禽を彷彿とさせる鋭さだ。  怒りの矛先が誰に向かっているのかなど、言うまでもない。    ――――この会場に存在する、全てだ。  「よくもまあ、私をこんなつまらねえゲームなんぞに駆り出してくれたもんだぜ」  纏流子。  彼女の纏っている神衣は、彼女にとっての相棒たる"鮮血"ではない。  露出度が高い所こそ変わらないが、色は全面を通し白を基調とした、清潔感のあるものだ。  名を純潔。神衣、純潔。かつては鬼龍院皐月が袖を通していた花嫁衣装。  尤も。これは、皐月に着こなせる代物ではなかった。    「いいよ、繭。てめえの思い通りに動いてやる」  実に屈辱的だし、腸が煮え繰り返りそうな思いだが、それが一番手っ取り早いというならそうしてやろう。  私はこんなところでは死ねないし、死んでやるつもりもない。  漸く自分の価値に、人間という生き物の本懐に気付くことが出来たのだ。  それなのにどうして、こんな所で死ぬことを受け入れられようか。  繭は憎たらしい。だがそれ以上に、私はこの下らない遊びをとっとと終え、帰らねばならない場所がある。  「ただし忘れるんじゃねえぞ。私が最後に殺すのはてめえだ」  そこだけは、何があろうと変わらない。  纏流子は繭という存在を許せないし、許そうとも思わない。  こうしている今だって心の底から嫌悪している。  仮に彼女が純潔を纏っていなかったとしても、そこだけは変わらなかっただろう。  好戦的な笑みと共に、白磁の花嫁衣装を纏う少女が往く。  片太刀バサミはない――しかし問題ない。  純潔の力さえあれば、あんなものが無くたってこの会場に居る連中くらいは軽く捻り潰せるのだから。  「さあ始めようじゃねえか。てめえの言うゲームってヤツをよ」  獰猛に笑い宣戦する彼女を見た者は、きっとこう思うだろう。――怪物、と。  それは彼女が忌んだ自分自身の正体であり、本来の世界線ならば乗り越える苦しみだった。  だが彼女の物語は繭という邪悪に曲げられ。二度と戻ることはない。  今の纏流子は、間違いなく『生命戦維の化物』だった。 【C-3/ガソリンスタンド/一日目 深夜】 【纏流子@キルラキル】 [状態]:健康 [服装]:神衣純潔@キルラキル [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)      黒カード:神衣純潔@キルラキル [思考・行動] 基本方針:全員殺して優勝する。最後には繭も殺す    1:とりあえず手当たり次第に暴れ回る。 [備考] ※少なくとも、鮮血を着用した皐月と決闘する前からの参戦です。 支給品説明 【神衣純潔@キルラキル】 纏流子に本人支給。 纏流子の父が開発していたもう一つの「神衣」。 襟の目の模様が蠢くなど「鮮血」同様生物的な動きを見せており、自我を有しているようだが喋ることはない。 *時系列順で読む Back:[[その『目』が映すもの]] Next:[[9人いないと野球もできない]] *投下順で読む Back:[[その『目』が映すもの]] Next:[[9人いないと野球もできない]] |纏流子|:[[]]|
*他の誰にも着こなせない ◆Oe2sr89X.U  「何処の誰だか知らねえが――」  纏流子は、先刻目の前で繰り広げられた虐殺劇を思い出す。  繭と、そう名乗った女がアーミラなる女を殺した。  彼女の使っていた、カードの能力に流子は心当たりがない。  これまでにも様々な極制服の使い手と戦ってきたが、竜を呼び出すなど生命戦維の力をもってしても不可能な筈だ。    「――いけ好かねえ野郎だぜ」  不快感を隠そうともせず、流子は忌々しげに口許を歪める。  そう、いけ好かない。  率直に言って、気に入らないのだ。  あの見透かしたような態度。  何もかも自分の思い通りに行くと思っている物言い。    アーミラがやらなければ、自分が突っ込んでいたかもしれない。  自分なら、あんな竜の手ごときで殺されたりはしなかったろう。  伸びてきた手を掻っ捌いてあの透かした顔へ肉薄し、そのままぶった切ってやれた筈だ。  もちろん、流子とて馬鹿ではない。  繭はそのような局面にも備えて何かしら姑息な手を用意しているのだろうし、ここで短気を起こしても結局死ぬことになる。そう考えたから、アーミラの二の鉄は踏まなかった。  流子としては、自分があの女に殺されることを危惧するなど――屈辱以外の何物でもなかったが。  「いいぜ。そんなに痛い目を見るのがお望みならそうしてやるよ」  流子はくつくつと笑うが、その眼光は猛禽を彷彿とさせる鋭さだ。  怒りの矛先が誰に向かっているのかなど、言うまでもない。    ――――この会場に存在する、全てだ。  「よくもまあ、私をこんなつまらねえゲームなんぞに駆り出してくれたもんだぜ」  纏流子。  彼女の纏っている神衣は、彼女にとっての相棒たる"鮮血"ではない。  露出度が高い所こそ変わらないが、色は全面を通し白を基調とした、清潔感のあるものだ。  名を純潔。神衣、純潔。かつては鬼龍院皐月が袖を通していた花嫁衣装。  尤も。これは、皐月に着こなせる代物ではなかった。    「いいよ、繭。てめえの思い通りに動いてやる」  実に屈辱的だし、腸が煮え繰り返りそうな思いだが、それが一番手っ取り早いというならそうしてやろう。  私はこんなところでは死ねないし、死んでやるつもりもない。  漸く自分の価値に、人間という生き物の本懐に気付くことが出来たのだ。  それなのにどうして、こんな所で死ぬことを受け入れられようか。  繭は憎たらしい。だがそれ以上に、私はこの下らない遊びをとっとと終え、帰らねばならない場所がある。  「ただし忘れるんじゃねえぞ。私が最後に殺すのはてめえだ」  そこだけは、何があろうと変わらない。  纏流子は繭という存在を許せないし、許そうとも思わない。  こうしている今だって心の底から嫌悪している。  仮に彼女が純潔を纏っていなかったとしても、そこだけは変わらなかっただろう。  好戦的な笑みと共に、白磁の花嫁衣装を纏う少女が往く。  片太刀バサミはない――しかし問題ない。  純潔の力さえあれば、あんなものが無くたってこの会場に居る連中くらいは軽く捻り潰せるのだから。  「さあ始めようじゃねえか。てめえの言うゲームってヤツをよ」  獰猛に笑い宣戦する彼女を見た者は、きっとこう思うだろう。――怪物、と。  それは彼女が忌んだ自分自身の正体であり、本来の世界線ならば乗り越える苦しみだった。  だが彼女の物語は繭という邪悪に曲げられ。二度と戻ることはない。  今の纏流子は、間違いなく『生命戦維の化物』だった。 【C-3/ガソリンスタンド/一日目 深夜】 【纏流子@キルラキル】 [状態]:健康 [服装]:神衣純潔@キルラキル [装備]:なし [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10)      黒カード:神衣純潔@キルラキル [思考・行動] 基本方針:全員殺して優勝する。最後には繭も殺す    1:とりあえず手当たり次第に暴れ回る。 [備考] ※少なくとも、鮮血を着用した皐月と決闘する前からの参戦です。 支給品説明 【神衣純潔@キルラキル】 纏流子に本人支給。 纏流子の父が開発していたもう一つの「神衣」。 襟の目の模様が蠢くなど「鮮血」同様生物的な動きを見せており、自我を有しているようだが喋ることはない。 *時系列順で読む Back:[[その『目』が映すもの]] Next:[[9人いないと野球もできない]] *投下順で読む Back:[[その『目』が映すもの]] Next:[[9人いないと野球もできない]] |纏流子|042:[[神威純潔(かむいじゅんけつ)]]|

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