アニメキャラ・バトルロワイアル4th @ ウィキ内検索 / 「勝てるわけねえタイマン上等」で検索した結果

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  • 勝てるわけねえタイマン上等
    勝てるわけねえタイマン上等 ◆eNKD8JkIOw ♪ ♪ ♪ 喜びを 受け止めて 君と僕 つながろう 迷い道 やっと外へ抜け出したはずさ 喜びを 受け止めて 君と僕 進むだろう それは とおい ゆめの カケラ だけど 愛しい カケラ 彼方へと 僕は DASH! またひとつ 夢が生まれ ♪ ♪ ♪ それでも、纏流子は変わらなかった。 例え、本来の纏流子の記憶が戻ったとしても。 例え、友人である満艦飾マコのことを思い出したとしても。 それだけで、彼女に植え付けられた価値観は崩れない。 そんなことなど、どうでもいいとさえ思う。 昔の馬鹿な自分のことなど。 もう死んでしまった友のことなど。 纏流子が化け物なのだと知らずに...
  • 高坂穂乃果
    ...る 死亡話 122:勝てるわけねえタイマン上等 登場話数 11話 スタンス 方針不明(ほとんど発狂) キャラ名 関係 呼び方 解説 初遭遇話 南ことり 友好 本ロワでは再会せず 矢澤にこ 友好 本ロワでは再会せず 絢瀬絵里 友好 本ロワでは再会せず 東條希 友好 本ロワでは再会せず キャスター 敵対 ゾンビを連れて襲撃されるもランサーと一緒に逃走に成功する。77話で彼の放送を視聴する 010:きっと青春が聞こえる ランサー 友好 10話でキャスター相手に共闘、その後逃走。その際に彼の呪いが掛かる。38話で一旦離れさせられるが、無理やりついてきて54話まで同行する。57話でマーダー化する要因になった 010:きっと青春が聞こえる 高町ヴィヴィオ 34話から54話まで同行。57話で再合流。69話でランサーの呪いの影響で毒を盛り、実質的に殺害 034:Anem...
  • ◆eNKD8JkIOw
    ...小湊るう子 122 勝てるわけねえタイマン上等 纏流子、高坂穂乃果 126 三人揃えば雌雄決裂六人揃えば群雄割拠 針目縫、空条承太郎、衛宮切嗣、言峰綺礼、ジャン=ピエール・ポルナレフ、東條希 143 キルラララ!! わるいひとにであったキルラララ!! あの子を愛したケダモノ二匹折原臨也と、天国を 蟇郡苛、平和島静雄、折原臨也、一条蛍、纏流子 164 地獄が噴き出る時を待つ ヴァニラ・アイス 登場させたキャラ 3回 折原臨也 2回 空条承太郎、針目縫、纏流子、一条蛍 1回 蟇郡苛、平和島静雄、宮内れんげ、園原杏里、犬吠埼風、衛宮切嗣、DIO、犬吠埼樹、セルティ・ストゥルルソン、ホル・ホース、ヴァニラ・アイス 三好夏凜、アインハルト・ストラトス、桐間紗路、小湊るう子、高坂穂乃果、衛宮切嗣、言峰綺礼、ジャン=ピエール・ポルナレフ、東條希 氏に寄せられた感...
  • 【ラブライブ!】の追跡表
    ...cR03U 122 勝てるわけねえタイマン上等 ◆eNKD8JkIOw 【南ことり】02 話数 タイトル 作者 008 Pure girls project ◆Z9iNYeY9a2 041 LOVELESS WORLD ◆0safjpqWKw 【矢澤にこ】04 話数 タイトル 作者 018 9人いないと野球もできない ◆RPDebfIIlA 030 にこぷり♥刃牙道 ◆KKELIaaFJU 067 芸風ノーチェンジ ◆RPDebfIIlA 072 クラッシュ・オブ・リベリオン ◆gsq46R5/OE 【絢瀬絵里】15 話数 タイトル 作者 006 ?←HEARTBEAT ◆KKELIaaFJU 040 かしこくもかわいくもないエリーチカはただの絵里ザベス ◆RPDebfIIlA 051 本能字の変(1) バクチ・ダンサー本能字の変(2) その覚醒は希望本能字の変(3...
  • 101~150のタイトル元ネタ
    ...曲タイトル 122 勝てるわけねえタイマン上等 123 Spread your wings(前編)Spread your wings(後編) ロックバンド「QUEEN」の楽曲タイトル 124 黄金の風 『ジョジョの奇妙な冒険』第5部の副題 125 スコープ越しの怪物 126 三人揃えば雌雄決裂六人揃えば群雄割拠 ことわざ「三人寄れば文殊の知恵」、四字熟語および同名の遊戯王カード「群雄割拠」 127 そして騎士は征く 『 Fate/Grand Order 』の概念礼装「そして船は征く」 128 悪魔と吸血鬼! 恐るべき変身! 129 誰かの為の物語 『Fate/EXTRA』の登場人物「アリス」の宝具の名前 130 変わる未来 『神様のメモ帳』のオープニング「カワルミライ」 131 お話をするお話 『ご注文はうさぎですか?』第6話サブタイ 132 One after another...
  • 【第二回放送までの死亡者リスト】
    ...果 纏流子 122 勝てるわけねえタイマン上等 刺殺 手刀 午前 桐間紗路 東郷美森 132 One after another endlessly 射殺 弓矢 午前 花京院典明 ヴァニラ・アイス 133 色即絶空空即絶色-Dead end Strayed-(前編)133 色即絶空空即絶色-Dead end Strayed-(後編) 失血死 ヴァニラ・アイスの吸血能力 午前 キャスター ヴァニラ・アイス 消滅 スタンド『クリーム』 午前 ジャン=ピエール・ポルナレフ 針目縫 139 弓兵なき戦場 刺殺 片太刀バサミ 昼 折原臨也 纏流子 143 キルラララ!! わるいひとにであった143 キルラララ!! あの子を愛したケダモノ二匹143 折原臨也と、天国を 撲殺 番傘 昼 蟇郡苛 纏流子 144 反吐がでるほど青い空 刺殺 神衣純潔 以上 14人【残り39人】 おまけ...
  • 【101~150までのタイトル元ネタ】
    ...曲タイトル 122 勝てるわけねえタイマン上等 123 Spread your wings(前編)Spread your wings(後編) ロックバンド「QUEEN」の楽曲タイトル 124 黄金の風 『ジョジョの奇妙な冒険』第5部の副題 125 スコープ越しの怪物 126 三人揃えば雌雄決裂六人揃えば群雄割拠 ことわざ「三人寄れば文殊の知恵」、四字熟語および同名の遊戯王カード「群雄割拠」 127 そして騎士は征く 『 Fate/Grand Order 』の概念礼装「そして船は征く」 128 悪魔と吸血鬼! 恐るべき変身! 129 誰かの為の物語 『Fate/EXTRA』の登場人物「アリス」の宝具の名前 130 変わる未来 『神様のメモ帳』のオープニング「カワルミライ」 131 お話をするお話 『ご注文はうさぎですか?』第6話サブタイ 132 One after another...
  • 【キルラキル】の追跡表
    ....mgrA 122 勝てるわけねえタイマン上等 ◆eNKD8JkIOw 133 色即絶空空即絶色-Dead end Strayed-(前編)色即絶空空即絶色-Dead end Strayed-(後編) ◆gsq46R5/OE 143 キルラララ!! わるいひとにであったキルラララ!! あの子を愛したケダモノ二匹折原臨也と、天国を ◆eNKD8JkIOw 144 反吐がでるほど青い空 ◆wIUGXCKSj6 149 killy killy MONSTER ◆gsq46R5/OE 157 インタビュー・ウィズ・纏流子 ◆Oe2sr89X.U 168 妹(前編)妹(後編) ◆3LWjgcR03U 186 戦風の中に立つ ◆wIUGXCKSj6 198 目覚めたその部分 ◆WqZH3L6gH6 200 死者は交叉への標 ◆WqZH3L6gH6 201 Girls Murder License...
  • 【101~150】のタイトル元ネタ
    ...曲タイトル 122 勝てるわけねえタイマン上等 123 Spread your wings(前編)Spread your wings(後編) ロックバンド「QUEEN」の楽曲タイトル 124 黄金の風 『ジョジョの奇妙な冒険』第5部の副題 125 スコープ越しの怪物 126 三人揃えば雌雄決裂六人揃えば群雄割拠 127 そして騎士は征く Fate/Grand Orderに登場する礼装「そして船は往く」 128 悪魔と吸血鬼! 恐るべき変身! 129 誰かの為の物語 『Fate/EXTRA』の登場人物「アリス」の宝具の名前 130 変わる未来 131 お話をするお話 『ご注文はうさぎですか?』第6話サブタイ 132 One after another endlessly TVドラマ「SPEC」主題歌「NAMInoYUKUSAKI」の歌詞 133 色即絶空空即絶色-Dead e...
  • 第二回放送までの本編SS
    ...、結城友奈 122 勝てるわけねえタイマン上等 ◆eNKD8JkIOw C-2 纏流子、高坂穂乃果 123 Spread your wings(前編)Spread your wings(後編) ◆gsq46R5/OE F-2 セルティ・ストゥルルソン、ホル・ホース、アザゼル、三好夏凜、アインハルト・ストラトス 124 黄金の風 ◆45MxoM2216 C-6/駅周辺 犬吠埼風 125 スコープ越しの怪物 ◆gsq46R5/OE G-5、G-6/線路周辺 東郷美森、浦添伊緒奈、ジャック・ハンマー 126 三人揃えば雌雄決裂六人揃えば群雄割拠 ◆eNKD8JkIOw G-6/駅付近 針目縫、空条承太郎、衛宮切嗣、言峰綺礼、ジャン=ピエール・ポルナレフ、東條希 127 そして騎士は征く ◆gsq46R5/OE C-6/市街地、D-6 セイバー、鬼龍院皐月、桂小太郎、コロナ・ティミル、宮内れ...
  • Trouble Busters
    ...いた赤鬼 Next 勝てるわけねえタイマン上等 投下順で読む Back 変態ではない!変身だ! Next 勝てるわけねえタイマン上等 097 アイス・ブルーの瞬間 坂田銀時 141 知らぬが仏 097 アイス・ブルーの瞬間 絢瀬絵里 141 知らぬが仏 097 アイス・ブルーの瞬間 結城友奈 141 知らぬが仏
  • 【第二回放送までの本編SS】
    ...、結城友奈 122 勝てるわけねえタイマン上等 ◆eNKD8JkIOw C-2 纏流子、高坂穂乃果 123 Spread your wings(前編)Spread your wings(後編) ◆gsq46R5/OE F-2 セルティ・ストゥルルソン、ホル・ホース、アザゼル、三好夏凜、アインハルト・ストラトス 124 黄金の風 ◆45MxoM2216 C-6/駅周辺 犬吠埼風 125 スコープ越しの怪物 ◆gsq46R5/OE G-5、G-6/線路周辺 東郷美森、浦添伊緒奈、ジャック・ハンマー 126 三人揃えば雌雄決裂六人揃えば群雄割拠 ◆eNKD8JkIOw G-6/駅付近 針目縫、空条承太郎、衛宮切嗣、言峰綺礼、ジャン=ピエール・ポルナレフ、東條希 127 そして騎士は征く ◆gsq46R5/OE C-6/市街地、D-6 セイバー、鬼龍院皐月、桂小太郎、コロナ・ティミル、宮内れ...
  • 【101~150】
    ...、結城友奈 122 勝てるわけねえタイマン上等 ◆eNKD8JkIOw 午前 C-2 纏流子、高坂穂乃果 123 Spread your wings(前編)Spread your wings(後編) ◆gsq46R5/OE 午前 F-2 セルティ・ストゥルルソン、ホル・ホース、アザゼル、三好夏凜、アインハルト・ストラトス 124 黄金の風 ◆45MxoM2216 午前 C-6/駅周辺 犬吠埼風 125 スコープ越しの怪物 ◆gsq46R5/OE 午前 G-5、G-6/線路周辺 東郷美森、浦添伊緒奈、ジャック・ハンマー 126 三人揃えば雌雄決裂六人揃えば群雄割拠 ◆eNKD8JkIOw 午前 G-6/駅付近 針目縫、空条承太郎、衛宮切嗣、言峰綺礼、ジャン=ピエール・ポルナレフ、東條希 127 そして騎士は征く ◆gsq46R5/OE 午前 C-6/市街地、D-6 セイバー、鬼龍院皐月...
  • 【第二回放送までの本編SS】
    ...、結城友奈 122 勝てるわけねえタイマン上等 ◆eNKD8JkIOw C-2 纏流子、高坂穂乃果 123 Spread your wings(前編)Spread your wings(後編) ◆gsq46R5/OE F-2 セルティ・ストゥルルソン、ホル・ホース、アザゼル、三好夏凜、アインハルト・ストラトス 124 黄金の風 ◆45MxoM2216 C-6/駅周辺 犬吠埼風 125 スコープ越しの怪物 ◆gsq46R5/OE G-5、G-6/線路周辺 東郷美森、浦添伊緒奈、ジャック・ハンマー 126 三人揃えば雌雄決裂六人揃えば群雄割拠 ◆eNKD8JkIOw G-6/駅付近 針目縫、空条承太郎、衛宮切嗣、言峰綺礼、ジャン=ピエール・ポルナレフ、東條希 127 そして騎士は征く ◆gsq46R5/OE C-6/市街地、D-6 セイバー、鬼龍院皐月、桂小太郎、コロナ・ティミル、宮内れ...
  • Spread your wings(前編)
    ...で読む Back 勝てるわけねえタイマン上等 Next Spread your wings(後編) 投下順で読む Back 勝てるわけねえタイマン上等 Next Spread your wings(後編) 104 MAN WITH MONSTERS セルティ・ストゥルルソン 123 Spread your wings(後編) 104 MAN WITH MONSTERS ホル・ホース 123 Spread your wings(後編) 104 MAN WITH MONSTERS アザゼル 123 Spread your wings(後編) 118 震えている胸で 三好夏凜 123 Spread your wings(後編) 118 震えている胸で アインハルト・ストラトス 123 Spread your wings(後編)
  • 高坂穂乃果の罪と罰
    ...高坂穂乃果 122 勝てるわけねえタイマン上等 107 まわり道をあと何回過ぎたら カイザル・リドファルド GAME OVER 105 溢れ出る瑕穢 本部以蔵 117 哭いた赤鬼
  • La vie est drôle(後編)
    ...) 纏流子 122 勝てるわけねえタイマン上等 114 La vie est drôle(前編) セイバー 127 そして騎士は征く
  • 色即絶空空即絶色-Dead end Strayed-(前編)
    ...-(後編) 122 勝てるわけねえタイマン上等 纏流子 133 色即絶空空即絶色-Dead end Strayed-(後編)
  • 始まり-全選手入場-
    始まり-全選手入場- ◆vEJQzi1x36 最強とは何か。 きっかけはそんな些細疑問だった。 それは格闘技で強いものをいうのだろうか。 それとも戦場での生存能力か。 もしくは数キロ先の人間を狙撃する技術か。 または人を魅了する魔性のアイドル性か。 はたまた常人なら奇跡と錯覚する魔術を行使する魔術師か。 答えなどないだろう。 誰もが最強であり最弱。 状況によっては最強の勝負師が、無敵を誇る闘士が、あっさりと幼子に完敗を喫することもある。 それが現実である。 なら、最強などは存在しないのだろうか。 それを否定するものがいた。 最強は存在する。 あらゆる状況をもひっくり返す可能性を持つ者が。 そしてその存在をこの目で見たいを思うものがいた。  そして今、それは『バトルロワイアル』という形で実現する。 ********* ...
  • Broken Promise
    Broken Promise ◆nL16iRrvss 「たくよお、ついてねえぜ」 ぶつぶつとぼやきながらファバロ・バローネはこれまでを思い返していた。 「変な女に絡まれたと思ったら呪いをかけられ尻尾を生やされヘルヘイムに連れてけと脅されてよお」 始まりはそう、たった一つの嘘からだった。 極寒の地、ヘルヘイム。 行ったことがあるどころか、そもそも実在しているのかも怪しい幻の大地。 今度はそこに行くのだと酔った勢いでホラを吹いたのがケチの付き始めだった。 よりにもよってその言葉を鵜呑みした半分悪魔な女に、ファバロは契約魔法をかけられ、悪魔の尻尾を生やされてしまったのだ。 解呪条件はただ1つ、嘘を誠にヘルヘイムへと連れて行くこと。 いやまあ女を殺しても解除できたのだろうが、この女がこれまた強かったのだ。 後、色々あった。 「なんやかんやで悪魔に拐わ...
  • 変わりゆく平和
    変わりゆく平和 ◆3LWjgcR03U F-7。 島の東端に位置するこのエリアの海辺に一人の青年が現れた。 「臨也ァ……」 青年の容姿は端正といっていい。 どこかの男性アイドルグループの一員、と言われても通用するかもしれない。 しかし彼の形相は今は大きく歪み、本来の面影を残していない。 「臨也……何処だ……いざや……」 彼を突き動かすのは、少女――越谷小鞠の死。 そして、彼女を殺した――と思いこんでいる――宿敵、折原臨也への怒り。 「いざ、や……」 仇の名を呟き、がっくりと膝を付く。 肉体的な疲労以上に、折原臨也の影すら見つけられない焦りが、彼を苛んでいる。 「畜生」 拳を砂浜に叩きつける。 そのたびに、大量の砂が空中に舞い上がる。 「畜生、畜生、畜生」 砂が滝のように降り注ぐ光景はどこか芸術的で...
  • たどりついたらいつも雨ふり
    たどりついたらいつも雨ふり ◆gsq46R5/OE   慣れない車の運転をしながらでも、放送を聞くことは出来た。   静雄は安全運転で走らせていた車を道路脇へと停車させる。   心臓の鼓動が早まるのを感じていた。   その名前が読みあげられないことを心の底から祈りながら、しかし心の片隅には、既に何かを悟ってしまっている自分がいて、静雄はそんな弱気な自分を殺してやりたいと思った。   瞼を閉じれば、今もあの後ろ姿が脳裏に蘇ってくる。   平和島静雄という男がこれまで見てきたどんな後ろ姿よりも大きく、強い背中だった。   破壊しか能のない静雄の戦いとは真逆の、大切なものを守る戦い方を知っていた男。   再会の暁には、その『守る』ということのやり方を教えて貰うと約束して別れた男。   平和島静雄という人間に、もっとも似合わない言葉を突きつけた男。   平和島よ。 ...
  • キルラララ!! あの子を愛したケダモノ二匹
    キルラララ!! あの子を愛したケダモノ二匹 ◆eNKD8JkIOw ♪ ♪ ♪ 遠ざかる日に、背を向けかけた もう二度と、振り向きはしないだろう ♪ ♪ ♪ 曖昧模糊。 この空間、もしくは世界のことを表現するなら、その言葉がぴったりだ。 暗いような、明るいような。 黒いような、白いような。 ショッキングピンクの壁紙が全面に貼られている部屋なのだと言われれば、そんな気がするし。 灰色の通路が世界の果てまで伸びている廊下の途中だと言われても、得心がいきそうだし。 就寝前、目を閉じた世界に広がる、なんとも形容しがたい模様の空間、と言われても納得してしまう。 一つだけ、分かることは。 分かってしまうことは。 「やっほー、イザ兄!」 「……久(お久しぶりです、兄さん)……」 眼鏡に黒いセー...
  • 本能字の変(1) バクチ・ダンサー
    本能字の変(1) バクチ・ダンサー ◆gsq46R5/OE   本能字学園――今宵この地は、戦場と化す。 ●  「うっわ……」   絢瀬絵里はその建物を前にして、思わずそんな声を漏らした。   若干引いたような声色。   闇に覆われた空を貫く勢いで屹立している『それ』は、もはや学園の規模を完全に逸脱していると言ってよかった。   遠目に見ただけでもその大きさの程は窺えたが、こうして実際前にしてみるとやはり圧巻だ。   ……果たして、この学園にはどんな生徒が通っていたのだろう。   そんなことを、ごく平凡な環境で育ってきた少女である絵里は思わずにはいられない。  「オイオイ、なんだよこりゃ。   学園ってレベルじゃねーだろ、こんなトコで育てられたらゆとり世代通り越してYUTORI世代になっちまうよオイ」   坂田銀時も呆れたよ...
  • 1+1+0+1−1=
    1+1+0+1−1= ◆eNKD8JkIOw セルティ・ストゥルルソンは、動けなかった。 支給品、凄まじいスペックを誇るオートバイであるV-MAXを取り出そうとしていた手も止まり。 彼女を攻撃し、一度は謀りながらもセルティから逃げ続けていた怪しい男を追っていた足も止まり。 その非現実的な状況に、一瞬、思考も止まりかける。 目の前のガンマンも同じく、足を止めていた。 だが、セルティは男がようやく観念したのだとは全く思えない。 恐らく、いや、きっと。 彼は自分と同じく、目の前に繰り広げられている光景のせいで、動けないのだ。 追いかけっこを繰り広げていた両者を同時に止めたその光景。 百鬼夜行に匹敵する首なしのデュラハンと、百戦錬磨の暗殺者とが同時に、咄嗟には動けなくなったその光景。 フリフリなピンクな衣装に眼帯をした少女が。 緑色の可愛らしい...
  • 真の旗
    真の旗 ◆gsq46R5/OE   真選組――それは、江戸の治安を護る特殊武装警察である。   基本的には荒事一点特化。逆に言えば、戦闘以外に関しては壊滅的。   犯人逮捕のついでに暴行・破壊活動もお手の物。おかげで世間様からの目は冷たい。   土方十四郎という男は、その副長を務める人間だ。   このバトル・ロワイアルという趣向にいち早く適応できたのも、ひとえに警察活動で培った度胸の賜物だった。   未だかつてない最悪の凶悪犯罪ではあるが、これと同じくらいに剣呑な状況なら幾度か経験してきた。   その上で彼は考える。   この場で自分が、真選組としてすべきことは二つだ。   一つは、こんな趣味の悪い催しに放り込まれた被害者を出来る限り多く生きて帰すこと。   もう一つは、言わずもがな主催者の打倒である。逮捕が無理ならば、斬り捨てることも辞さない。  「(...
  • かしこくもかわいくもないエリーチカはただの絵里ザベス
    かしこくもかわいくもないエリーチカはただの絵里ザベス ◆RPDebfIIlA ホテルから出てしばらく経った頃。 絵里は市街地の中、地図を見ながら音ノ木坂学院を目指して歩いていた。 現在はまだ深夜といえる時間帯で、辺りはまだ暗い。 地図を見ながらでないと自分達の位置がよくわからないのだ。 遠くを見据えると、シルエットが山のように盛り上がった巨大な建造物が見える。 ひとまず、絵里はそこを道標に動いていた。 そして、絵里と当分行動を共にすることになった銀時はというとげんなりした顔で絵里に着物の袖を掴まれながら歩いていた。 「…銀さん、いる?」 「いるよ。銀さんホテルを出てからエリーチカと二人三脚だよ。つーかお前、あん時の威勢のよさどこいったんだよ」 意気揚々とホテルから出発したはいいものの、やはり暗闇の街をそのまま歩くのは絵里にとって心細く、 銀時の着物を片手...
  • 悪魔と吸血鬼! 恐るべき変身!
    悪魔と吸血鬼! 恐るべき変身! ◆45MxoM2216 ここは、バトルロワイヤルの会場にある隠された地下通路。 そこに展示されていた『ジョースターの系譜』 DIOの義理の兄弟にして宿敵、ジョナサン・ジョースターを始めとする様々な『ジョジョ』たちの様々な『奇妙な冒険』 それを見てしまった吸血鬼DIOは、自らが空条承太郎に敗れるという未来を知ってしまう。 そんな認め難い真実を知ってしまったDIOは…… 「フハハハハハ!!!空条承太郎、恐るるに足らず!」 DIOは、中々にハイテンションであった。 何故先ほどまで自らの敗北の未来を知って暴れていたDIOが、このようにハイテンションになったのか? それは…… 「よもやネズミ如きに遅れを取るような男だとはなぁ!なまっちょろい奴め!」 『ジョースターの系譜』の続き―――DIOを倒した後の空条承太郎...
  • 領主さまが見てる(?)
    領主さまが見てる(?) ◆gsq46R5/OE  「酒も飲みてえけど、それより眠ぃや……」   悪魔アザゼルとの不本意な再会を終えた彼は、暫し歩いたところで休憩と洒落込むことにした。   それなりに長い距離を進んだと思うが、一向に参加者と出会う気配がないのは幸運とすべきか、不運とすべきか。   それは定かではなかったが――しかし当のファバロは、穏やかでいいやと呑気に構えていた。   どうせ、急いだところで何かが変わる訳でもないのだし。   男はどっしり構えて、自分の動く時が来るまでのんびりしていればいいのさ。   そんなもっともらしいことを言い訳に自分を甘やかしつつ、草の上に胡座を掻いて欠伸を一つ。  「だーいぶ空も白んできたしなぁ。あったけえベッドにでもありつきてえぜ……」   んでもって、朝起きたら何もかも元通り――とは、行かないだろうけどよ。 ...
  • 進化する狂信
    進化する狂信 ◆gsq46R5/OE   不味い。   これは、あまりにも不味い。   ヴァニラ・アイスは血混じりの痰を吐き出して花京院を睥睨しつつ、しかし心は冷静に現状を見つめていた。   以前の彼ならば、何をおいても殺すべき裏切り者である花京院に激昂し、我を忘れていても不思議ではない状況だ。   直情的な気性を持つヴァニラへこの期に及んで尚平静さを与えていたのは、皮肉にもあの忌まわしき敗北の記憶だった。   ヴァニラは一度死んでいる身だ。   花京院典明よりも数段憎らしい、J・P・ポルナレフというスタンド使いの手によって彼は討たれ、灰と消えた。   思い出すだけで血管が切れそうになる失態だが、そんな過去の自分を省みることで逸る心をどうにか沈静化させている。   落ち着け。   焦らず、客観的に自分の状況を見つめるのだ。   ――焦りを悟られぬように殺気を放...
  • 本能字の変(3) Angel Blossom
    本能字の変(3) Angel Blossom ◆gsq46R5/OE  「フフフフ……どうした? 先程からこのDIOに、傷一つ与えられていないようだが……」   桂小太郎が倒された。   コロナ・ティミルが刺された。   そして、園原杏里が殺された。   神威は現れた助っ人の少女と戦っており、今銀時は事実上DIOと一対一で戦っていた。   その戦況はといえば、まさに今DIOが言った通りである。  「…………ッ、……ハア……!」   銀時の体に積み重なったダメージは相当なものだ。   如何に歴戦の侍といえども、そのような状況にあっては動きに支障が出るのは避けられない。   時を止めるまでもなく、彼の剣はDIOと『世界』を前に容易くいなされ続けていた。   当然、DIOには坂田銀時をいつでも殺したり、撃破することが出来る。   それをし...
  • かりそめのメロディ
    かりそめのメロディ ◆3LWjgcR03U E-4。この殺し合いの舞台である3つの島のちょうど中心部。 小走りで汗を飛ばしながらそこに現れたのは、小柄ながら一目で只者ではないとわかる体躯を持つ少年。 範馬刃牙。父・範馬勇次郎を超えんとし、地上最強の男を目指す闘士(グラップラー)である。 より強くなるための糧とすべく戦う相手を求め、地図の中心に来てみた・・・・・・ものの。 「結局誰にも会えなかった、か……」 新八、にこの2人に出会ってからここまで来る途上。 刃牙は結局、勇次郎はおろか一人の参加者にも出会うことはなく、ここまで来てしまった。 もっとも、途中で頭上を通った電車の中に人影を見かけだが、話しかけることなどできるわけがない。 「あの人の言ってた人たち・・・・・・、誰か一人くらい、会えるかと思ったんだけどね」 特に神威という男は、人間を遥かに凌...
  • まだ見えぬ未来(よる)の先にーーInter sectionーー
    まだ見えぬ未来(よる)の先にーーInter sectionーー ◆KYq8z3jrYA ーー平成四年のこと。 東京ドーム地下に光圀水戸黄門が設えたという闘技場の存在があった。 公にはその存在は秘密にされており、観客も特別な方法によって選ばれた絶対に秘密を守る。 そこにあるという噂も本来の用途でやって来た、表の観客の熱によって流されていく。 最強と謳われながらも地上では満足したりないそれぞれの分野で活躍している超一流の格闘家たちと、それらを観戦するために訪れてくる方向は違えど同じように渇望しているファン。 求めるものは最強の称号。男ならば一度は思ったことがあるであろう強くなりたいという意思を最大限に活かせる格闘家の聖地。 ルールは単純。武器以外ならばなにをしても問題はなし。目潰しだろうが金的だろうが頭突きだろうが噛みつきだろうが、強さを縛るものは何もない。 己の...
  • 穿つべきピリオドは――
    穿つべきピリオドは―― ◆gsq46R5/OE   少年の幼少期を一言で表すなら――それは"孤独"。   とはいえ、花京院典明の生まれや人物像に問題があったかと言えば、否。   彼が生まれたのはごく普通の一般家庭だったし、友人だって作ろうと思えば人並みには作れたハズ。   それでも、彼はそうしようとはしなかった。何故か。答えは、彼に宿りし力にあった。   スタンド能力。それが、花京院に生まれながらに備わっていた異能の力。   法皇の緑(ハイエロファントグリーン)。そしてこの力は、花京院以外には見えない。同じ力を持たない限り。   彼を孤独にしたのは、つまるところ、スタンドの持つその性質であった。   というよりも、花京院自ら選んだのだ――孤独を。   自分と同じものを見ることのできない人間とは、真に心を通わせることなど出来やしないのだから。 ...
  • 芸風ノーチェンジ
    芸風ノーチェンジ ◆RPDebfIIlA 時刻が黎明に入り、普段の日常ならば既に床に入っているような時間帯の頃、志村新八と矢澤にこの両名は映画館の前で一旦休憩を取っていた。 万事屋を出発してからかなりの時間が経ったが、彼らに危険が及ぶようなことは全くと言っていいほどなく、順調に当面の目的地である駅へ向かっていた。 途中で17歳とは思えない筋肉隆々とした範馬刃牙という少年に会ったが、逆に言えば彼くらいしか遭遇した者はいない。 ところが、このまま数時間歩き通して流石に疲労が溜まったのか、新八もにこも膝が痛くなってきた。 まだ歩けるには歩けるが、いざというときに動けなければ困る。 なので、ここに留まって一服することにしたのだ。 「ふぅ…」 にこは映画館の前で地面に尻をつき、一息つく。 長時間立っていることはスクールアイドルをする上で慣れてはいるが、やはり厳しいものが...
  • 195×(144+164)
    195×(144+164) ◆3LWjgcR03U 「改めて自己紹介するぜ。……俺の名は空条承太郎」 ラビットハウス。ここには、今は3人の姿がある。 スタンド使いの高校生、空条承太郎。 並外れて大人びた小学生、一条蛍。 子供っぽいけどちょっとクールな中学生、香風智乃。 そんな3人がテーブルを囲っている。 彼らは実のところみんな10代なのであるが、実年齢と雰囲気のギャップは大きい。 「そしてこいつが俺のスタンド、『スタープラチナ』だ」 承太郎の背後から、髪を逆立てた大男が出現し、蛍と智乃が息を呑んだ。 ■ 紅林遊月という少女がラビットハウスを去ったあと、改めての情報交換を提案したのは承太郎であった。 思えば、最初に蛍と折原臨也とかいう胡散臭い男と会ってからこのかた、色々あって智乃とはきちんと話ができていない。 蛍の状態もだいぶ落ち着...
  • 憧憬ライアニズム Sprinter
    憧憬ライアニズム Sprinter ◆gsq46R5/OE   胴の傷から漏れる血の熱を肌で感じながら、男は一人、考えていた。   何故、自分は今、こうして天を見ているのだろう。   本部以蔵という男を中心に起こる最期の攻防すら、神威の耳には入らない。   彼の脳裏にあるのは、懐かしい景色だった。   家族四人で暮らしていた頃の、穏やかな時間。   今のように刺激に溢れた毎日では決してなかったが、それでも毎日が楽しかった。   懐かしい景色。   温かかった時間。   もう戻ることのない、平穏。   あの男と袂を分かった日から、ずっと強さばかりを追い求めてきた。   雷槍なんて大層な名前で呼ばれるようにもなったし、自分を慕う部下も出来た。   最強の称号を器に収めるために自分の中身を空にする、そんな覚悟はとうの昔に完了している。   そ...
  • ?←HEARTBEAT
    ?←HEARTBEAT ◆KKELIaaFJU 「こんなこと……夢よね……」  気が付いたらそこは見知らぬ個室だった。  なんで突然、こんなことに巻き込まれたのか訳が分からなかった。  夢を見ているのかと思い、試しに自分の頬を抓る―――痛い。  ―――これは夢なんかじゃない。   目を閉じて、一回大きく深呼吸する。  ――――スゥ、と、大きく吸い込み。  ――――ハァ、と、大きく吐き出す。 「…………ゲホッ」  むせた。  あまりの臭いでむせた。  しかし、それは血の匂いではない……。  日常生活的な悪臭。 (というか……ここ、トイレの個室じゃない!)  電気が付いていないので周囲は真っ暗だ。  彼女――絢瀬絵里は暗い所は苦手だった。  ただでさえ殺し合いという異常事態に巻き込まれて……  スタート地点が...
  • Sacrament
    Sacrament ◆zUZG30lVjY 放送が終わってそれなりの時間が経過してもなお、ポルナレフはショッピングモールから動こうとしなかった。 ポルナレフ個人の用件はとっくに全て終わっている。 食事を摂り、休息を取り、店頭の目ぼしい道具も一通り回収し終わった。 今すぐにでも出発できる準備は整っているのだ。 それでもショッピングモールを離れようとしない理由は―― 「――やはり気になるか」 「まぁな」 ポルナレフと綺礼の視線の先。 フードコートの端に設置されたベンチに、件の少女が膝を抱えて座り込んでいる。 彼女が目を覚ましたのは放送の直前だった。 ジル=ド=レェによる宣告を伝える暇もなく放送が始まり、そこで呼ばれた名前を聞くなり、すぐにああして塞ぎ込んでしまったのだ。 「ありゃ重症だぜ。泣き喚いてくれた方がまだマシだ」 放送を聞いた少女の様子...
  • 六人揃えば群雄割拠
    六人揃えば群雄割拠 ◆eNKD8JkIOw 東條希は、恐かった。 同行者の、二人の男のことではない。 誰かに殺されてしまうことでもない。 ぎょろりとしたカエルのような顔をした男のことでもなく。 無機質な瞳で淡々と人を、ことりちゃんを殺した筋肉質な男のことでもない。 希が恐いのは、自分自身だった。 今の現状を受け入れつつある自分が。 μ sという奇跡を手放す道に進みつつある自分が。 そして、それでも良いんじゃないかと考えてしまいそうになっている自分が。 自分が自分ではなくなってしまっていくようで。 ひたすらに、恐かった。 考える時間は、いくらでもあった。 だから、考えて、考えて、行きついた先にあった結論が。 自分は心の奥底ではμ sを諦めようとしているのではないか、というものとなってしまったことが、恐...
  • 憧憬ライアニズム Adenium
    憧憬ライアニズム Adenium ◆gsq46R5/OE   ――――男の話をしよう。一人修羅の道を邁進し、最強の座に限りなく近付いた男の話を。   彼は雄々しく戦った。   ほんのちっぽけな餓鬼だった少年は、いつしか宇宙でも有数の実力者にまで上り詰めていた。   敵を蹴散らし、貪欲に強さを喰らい、底(げんかい)など知らぬとばかりに成長する。   己の信条に基づいて、貼り付けたような柔和な笑顔を常に浮かべながら。   その姿は荒唐無稽じみてすらいたが、それだけに、その背中は人を惹き付けた。   いつの間にか先人を抜き去って先に立ち、どんな時でも不敵に笑い突き進むその姿。   どんなに歪でも空っぽでも、最強を求めてどこまでも駆け抜けていく。常に、彼はそうしてきた。   しかし。   今の彼の顔に、笑顔はない。   いつから消えていたのだろうか。...
  • 本性の道
    本性の道 ◆DpgFZhamPE 「…おれはな。てめーみたいな悪党は絶対に許さないと心に決めている」 男、ジャン=ピエール・ポルナレフは―――燃えていた。 彼を、彼の心を燃やしているのは義憤だ。 『どうやってこんな馬鹿げた催しを』だとか、『どうして死んだはずのヴァニラ・アイスの名前が名簿に』だとかそんな些細な疑問は既に心から消え失せていた。 理由は単純。 少女が見るも無残な姿で、その尊厳が汚された。 まるでその命は最初から弄ぶために用意されたかのように、彼女の意思など関係なく。 最期の断末魔は、いかに彼女が激痛と屈辱の中にいたのか察するには余り得るほどのものだった。 ―――その姿を見て。 ―――脳裏に浮かんだのは、遠い昔に亡くした妹の姿。 「いいか!このジャン=ピエール・ポルナレフが彼女の魂の安らぎのために、貴様を討つ」 全く面識のない少女だ...
  • 9人いないと野球もできない
    9人いないと野球もできない ◆RPDebfIIlA 「――――うわああああああああああああ!!!!?」 江戸時代の家屋を匂わせる和風の部屋の中、ソファに全身を乗せていた矢澤にこは意識が覚醒するとともに跳び起きた。 息で肩を揺らしながら、周囲を見渡す。 デスクの上には『糖分』の二文字が額に飾られている。なぜ『糖分』にする必要があったのか意味が分からない。 目の前には膝丈くらいの高さの机、向かい側にはもう一つのソファがある。 そこから少し目線を逸らすと、筒の上に見ているとこっちまでやる気をなくしそうな表情をした顔をちょこんと乗せた、手が生えている変な置物があった。 「ゆ、床が崩れて――私、落ちて、ない?」 この場で目覚める前に起きたことを思い返す。 いつの間にか白い部屋にいたと思ったら髪の毛がもじゃもじゃした女の子がいきなり『殺し合いをしてもらう』なんて言い...
  • 万事を護る者
    万事を護る者 ◆3LWjgcR03U 北西の島。その南に存在する基地。 1人の少女が、シャワーを浴びていた。 海水に濡れた服を乾かし、道着を羽織った少女――宇治松千夜。 道着の主――本部以蔵を待つ間、半裸を晒し続けているのも落ち着かず、基地の中を少しだけ探ってみることにした。 軍人の父を持つリゼならともかく、千夜にはあまりにも無縁な場所ではあったが、程なくしてこのシャワールームを見つけた。 ――熱い湯が体を流れていく。 シャワーのノズルを、海水に浸かった髪に当てる。 湯ともに、様々な思いもまた、千夜の頭の中から流れ出ていくような気がした。 もうすぐ半日あまりだろうか。 あまりにも色々なことがありすぎた。 濃密な生と死が、少女の周囲を交錯した。 やってしまったことへの後悔も、これからしなければならないことも、千夜にはたくさんあった。 けれど、...
  • 薄氷の殺人
    薄氷の殺人 ◆gsq46R5/OE   ラビットハウスを目指し、進み始めた心愛と龍之介。   ――だったのだが、その足取りはある理由から一旦停止することになった。  「うう……ごめんね龍之介さん。私ったらドジしちゃって」  「いやあ、仕方ないでしょ。急いだっていいことないし、ちょっと休んでから行こうよ」   大好きなモフモフを手に入れたことが理由か、それとも同行者を得たことで少なからず安心したからか。   それは心愛本人にとっても定かではなかったが、進み始めて早々に派手に転倒し、膝を擦り剥いてしまったのだ。   傷の見た目は相応に痛々しいものの、それでもあくまで転倒程度の負傷。   行動に支障はないと心愛も言ったのだが、龍之介が休むことを提案した。   雨生龍之介という青年は殺人鬼だ。   そこに間違いはない。   しかし彼は、殺人以外の面では普通の人間...
  • 三人揃えば雌雄決裂
    三人揃えば雌雄決裂 ◆eNKD8JkIOw 針目縫は恐れを知らない。 元の世界でも、彼女は己こそがこの物語の主役なのだと言わんばかりに好き勝手の限りを尽くしてきた。 楽しそうならば、本能寺学園という超がつくほど規格外の学校で行われている壊惨総戦挙にも、平気で乗り込む。 邪魔そうならば、相手がその本能寺学園で四天王と呼ばれる存在であろうと、平気で力をふるい、当然のようにそいつを排除する。 面白そうならば、相対した者に自分が親の仇だと自慢げに教え、彼女の狂乱した表情を肴に戦いに溺れる。 誰であろうと、何であろうと、針目縫を止められるものなどいなかった。 人間は等しく彼女の我儘の前に倒れ伏し。 機械だろうと彼女の我が道は塞ぎ得ない。 あの鬼龍院皐月でさえ、彼女に対して憎々し気な態度こそ取れど、力ずくでその行為を止めることはなかった。 皐月の親である羅暁な...
  • 憧憬ライアニズム Tonitrus
    憧憬ライアニズム Tonitrus ◆gsq46R5/OE   一切の予兆もなく、本部以蔵の喉笛を刺し貫くべく、日傘の一突きが放たれた。   顔に貼り付けた笑顔とは裏腹に、神威の攻め手には一切の容赦だとか様子見だとか、そういう概念が存在せず、貫徹した氷の殺意のみがあった。   本部以蔵は、彼が春雨という、まさに泣く子も黙る破竹の勢いを帯びた宇宙海賊の一員であるということは当然知らない。   まして、その中でも最強と恐れられる最強部隊、第七師団の団長――『雷槍』であることなど。   如何に本部以蔵という男が博識であろうとも、神威の住まう世界とは根本的に辿った歴史が異なるのだから、知っている訳がない。   しかしそれでも、本部はその一瞬で確信した。   自分の彼に対する見立てが、化け物、というそれですらまだ甘かったことを。甘すぎた、といってもいい。   文字通り格が違う。将...
  • 魔領にて
    魔領にて ◆ottfjEMthc  ファバロ・レオーネは逃げ足には自信があった。  因縁の相手には日頃追い回されているし、今はもういない鍵の娘との旅路でもその才能は遺憾なく発揮されてきた。  だから焦燥の形相を浮かべつつも、心のどこかで彼は高を括っていたのだ。  覚悟は据わってるみてぇだが、所詮は若いお嬢ちゃんだ。逃げようとして逃げ切れない相手じゃねえだろ……と。  確かに、一切の躊躇いなく殺しにかかってくる精神性は恐ろしいが。  それでも聖女様のようにぶっ飛んだ力を持っているわけでもないだろうし、相手は一人。  いつかのオルレアン騎士団のように、数でゴリ押してくるわけでもない。  なら多少難儀ではあれ、いける。  彼らしくもない――あるいは彼らしい、そんな考え。  しかし、これだけの布石(フラグ)があれば、もうお分かりだろう。  その考えは、一周回って気持ちいいほ...
  • royaled
    royaled ◆..N2cWeukk  広い部屋。  洋風の部屋。  ベッドが中央にあって、天窓からは光が差し込む、  あそぶものだけがいっぱい置かれた、たったひとりの少女の為の部屋。  少女はひとりきりだった。  ひとりきりの部屋で、いま、少女は息絶えようとしていた。 「……」  物心ついたときからずっと少女はこの部屋で暮らしてきた。  どうしてなのかは、分からない。  「お嬢様は生来病弱ですから」と、言われたことはあるけれど、  確かに、よく気分が悪くなったり、体が熱くなったりはしていたけれど、  誰とも比べることはできなかったけれど、それだけが理由じゃないんじゃないかって、なんとなく思う。  だっておかしいから。  メイドさんがひとりだけ付いて、彼女に食事や遊具を与えた。  運ばれてきた...
  • LONELIEST BABY
    LONELIEST BABY ◆KKELIaaFJU 『ねぇ、絵里ち、知っとる? 『夢』っちゅうのは『呪い』と同じ……らしいんやて』 『? どういうこと?』 『その『呪い』を解くには『夢』を叶えなきゃならないねんって……  で、途中で諦めた人は、ずーーっと呪われたままなんやって』  いつだっただろうか。  いつかの帰り道。  練習帰りにみんなで帰った帰り道。  そんな他愛の無い会話をした気がする。 『……ねえ、希、私が昔バレエを諦めたって知ってるわよね?』 『はは、ごめんな……でも、今は新しい夢見つかったやろ?』 『まあね……で、そんなことを言うんだったら、希にもあるんでしょ、夢が教えなさいよ』 『それは……』 『それは?』 『な・い・しょ・やで』 『なによ、それ……』  いつもの冗談のように2人笑っていた。  そ...
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