アニメキャラ・バトルロワイアル4th @ ウィキ内検索 / 「宴の始まり」で検索した結果

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  • 宴の始まり
    宴の始まり ◆IXB73G6vLY ―――彼女は一人だった。 外に出る事を禁じられ、自室にある本と天窓から見える景色しか世界を知らなかった彼女は 自分の思い描いた空想の友達と遊ぶことが唯一の心の拠り所だった。 外に出て色んな事を知りたい。 沢山の友達を作りたい。 数えきれないぐらいの思い出を作りたい。 なのに……なのに、なのになのになのに、なんで私はずっと閉じ込められないと駄目なの? なんで私はこんな目に合わないと駄目なの? 私が何か悪いことをしたの? 許せない……。私がこんな苦しい思いをしてるのに、のうのうと暮らしている人たちが…… 私の苦しみを少しでも皆に受けてもらわないと気が済まない。 みんな苦しめばいい。私だけ苦しむなんて不公平でしょ?誰にも私を責める資格なんて無い。 だってこんなに苦しんでる私を誰も助けようとしてくれなかったんだか...
  • 番外編・オマケetc
    ...十四郎、宮内れんげ 宴の始まり ◆IXB73G6vLY 繭、テレンス・T・ダービー、越谷夏海、本部以蔵、DIO、ヴァニラ・アイス、範馬勇次郎、セイバー 鮮血の開幕 ◆DbK4jNFgR6 繭、入巣清夏、遠坂時臣、ケイネス・エルメロイ・アーチボルト、アイリスフィール・フォン・アインツベルン、間桐雁夜、ランサー、セイバー 【地図候補作】 地図候補1 http //i.imgur.com/Fcf2ECg.png 地図候補2 http //i.imgur.com/regw7yh.png 【没OP候補作】 タイトル 作者 主な登場人物 始まり-全選手入場- ◆vEJQzi1x36 徳川光成、アーミラ、ケイネス・エルメロイ・アーチボルト、越谷夏海、全参加者 【第一回放送話候補作】 タイトル 作者 登場人物 第一回放送 ◆NiwQmtZOLQ 繭 【第二回放送話候補作】 ...
  • 始まり-全選手入場-
    始まり-全選手入場- ◆vEJQzi1x36 最強とは何か。 きっかけはそんな些細疑問だった。 それは格闘技で強いものをいうのだろうか。 それとも戦場での生存能力か。 もしくは数キロ先の人間を狙撃する技術か。 または人を魅了する魔性のアイドル性か。 はたまた常人なら奇跡と錯覚する魔術を行使する魔術師か。 答えなどないだろう。 誰もが最強であり最弱。 状況によっては最強の勝負師が、無敵を誇る闘士が、あっさりと幼子に完敗を喫することもある。 それが現実である。 なら、最強などは存在しないのだろうか。 それを否定するものがいた。 最強は存在する。 あらゆる状況をもひっくり返す可能性を持つ者が。 そしてその存在をこの目で見たいを思うものがいた。  そして今、それは『バトルロワイアル』という形で実現する。 ********* ...
  • 投票結果まとめ
    ... D:タイトル 宴の始まり、作者◆IXB73G6vLY氏 作品リンク: ttp //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/17204/1436887323/66-73 主催:繭@selector infected WIXOSS    テレンス・T・ダービー@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 配下:不明 黒幕:???@??? 見せしめ:越谷夏海@のんのんびより 他の登場人物:本部以蔵、範馬勇次郎@グラップラー刃牙。越谷小鞠@のんのんびより、セイバー@Fate/Zero        ヴァニラ・アイス、DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 追記:死んだ参加者の魂はテレンスの人形に封じ込められる。夏海の小鞠への呼称など僅かな問題あり。 E:タイトル鮮血の開幕 、作者◆D...
  • 黄金の風
    黄金の風 ◆45MxoM2216 (私は違う…!私は、あんな男とは違う…!) 駅周辺で休みながら、犬吠埼風は自分に言い聞かせていた。 (守るために……生き返らせるために殺してる私と、あんな奴が同じな訳がない…!) しかし、いくら自分に言い聞かせようと、彼女自身が気付いている。 自分はあの男と同じだと。 殺される側からしたら、殺す側の理由など何であろうと変わらないということを。 彼女自身が気付いている。 (……少し落ち着こう、こんなんじゃ考えも纏まらない) が、いつまでも塞ぎこんでいる訳にもいかない。 樹を生き返らせるためにも、こんな所で立ち止まっている場合ではないのだ。 (やっぱり、このまま南下して東郷と挟み撃ちっていうのが一番良いかな 打ち合わせた訳じゃないけど、東郷が言った通りに南東の市街地を攻めてるんなら、自ずと挟み撃ちの形になる)...
  • ノーゲーム・ノーライフ
    ノーゲーム・ノーライフ ◆zYVQHcA5i. 放送が始まった。 アザゼルは作業を行っていた手元から顔を上げ、それに耳を傾ける。 悪魔をコケにし、掌で踊らせようとする狼藉には殺意を覚えるが、今それを発露させても仕方がない。 一時の感情に任せて行動するのは避けるべきだと、アザゼルは先ほど発見した二つの死体から学習した。 彼らがどのような経緯の末に、あんな凄惨な末路を辿ったかは知らない。 しかし、彼らを狙撃することで危険を伴わずにスコアを挙げた暗殺者(アサシン)は確実に存在するのだ。 そいつらにしてみれば、感情的になって我を失い暴走する間抜けなど……格好のカモでしかないだろう。 アザゼルは、そんな恥を晒して死ぬのは御免だった。 只でさえ人間に敗走したことで悪魔としての威厳は地に落ち、今もこうして這々の体でいるのだ。 生きて復讐を果たし、自分を見下した奴らの上へ再び君臨...
  • 鮮血の開幕
    鮮血の開幕 ◆DbK4jNFgR6 意識が覚醒した間桐雁夜の目に入った光景は一面に広がる白。 ホワイトガーデンとでも言うべき白い部屋であった。 辺りを見渡すと老若男女問わず大勢の人々。彼ら、彼女らの首には金属製の首輪がはめられていた。 「首輪があるのは……俺もか」 そこでようやく雁夜は自らの首にも首輪がつけられていることに気付く。 「一体、どうなってるんだ。聖杯戦争の最中だってのに」 聖杯戦争を勝ち抜き聖杯を臓硯に渡すことで桜は解放される。 そのために雁夜はこれまで辛い魔術の修行に耐えてきた。 たとえ聖杯戦争の勝者となったとしても、最終的に雁夜は命を落とす。 即席での魔術会得は体に膨大な負担をかけるため、雁夜の余命は長くなかった。 それでも、それでも禅城葵の娘である桜を解放するためならばと、雁夜は聖杯戦争への参加を決意したのだ。 「誰の...
  • royaled
    royaled ◆..N2cWeukk  広い部屋。  洋風の部屋。  ベッドが中央にあって、天窓からは光が差し込む、  あそぶものだけがいっぱい置かれた、たったひとりの少女の為の部屋。  少女はひとりきりだった。  ひとりきりの部屋で、いま、少女は息絶えようとしていた。 「……」  物心ついたときからずっと少女はこの部屋で暮らしてきた。  どうしてなのかは、分からない。  「お嬢様は生来病弱ですから」と、言われたことはあるけれど、  確かに、よく気分が悪くなったり、体が熱くなったりはしていたけれど、  誰とも比べることはできなかったけれど、それだけが理由じゃないんじゃないかって、なんとなく思う。  だっておかしいから。  メイドさんがひとりだけ付いて、彼女に食事や遊具を与えた。  運ばれてきた...
  • 足りない箇所をただ埋め合うように
    足りない箇所をただ埋め合うように ◆Oe2sr89X.U  午後のラビットハウスに、ある放送が響いた。  今度は危険人物ではなく、三好夏凛という"乗っていない"参加者によるものだった。  目的は人探しと、特定人物への警告。  特に前者は、紅林遊月の名も挙げられており、一行にとって無関係とはとても言いがたい内容であった。  時が止まったように安穏とした時間が流れるこの場所を置いて、殺し合いは徐々に加速しつつあると、そう感じずにはいられない――そのことに歯噛みしたのは、一人や二人ではなかった。     ◆    ◆    ◇    ◇    ◇    ◇  ――二階より所変わって、ラビットハウス、一階。 「安全地帯だな、まるで」  各々が恐怖と不安の中で迎えた殺し合いの始まりから、既に半日以上の時間が経過していた。  先...
  • 二度殺された少女たち
    二度殺された少女たち ◆DGGi/wycYo ――少女がひとり、無防備な状態で目の前に蹲っている。 私の存在には気づいていない。 このまま武器を取り出してしまえば、あっさり殺せるだろう。 だが、そのような真似をするにはまだ早い。 赤いカードからガムを取り出し、くっちゃくっちゃと音を立てる。 少女はまだ、気づいていない。 白いうさぎ――クリスが浮遊しながらこちらを見ているだけだ。 ぷくーっと一度膨らませ、再度口の中に運ぶ。 「おい」 ドスの利いた声を浴びせる。まだ反応しない。 白いうさぎが、ちょんちょんと彼女を突っついている。 邪魔なそいつを払いのけ、私は左手で少女の胸倉を掴んだ。 「おい、起きろ」 少女は「ん……」と暢気そうな声を上げると、やや引きつった笑顔を見せる。 「あなたは……? 私は…宇治松千夜」 ...
  • Spread your wings(前編)
    Spread your wings(前編) ◆gsq46R5/OE   厄日だ。   走行するV-MAX二輪の後部座席に跨りながら、ホル・ホースは自分の運のなさを心底嘆いていた。   これまで過ごしてきた人生はそれなりに長いが、今日はその中でも最悪の一日だ。   J・ガイルの旦那が殺された日も、DIOの暗殺に失敗した日だって今日に比べれば平和な一日だったとさえ思う。   草木もぐっすり眠っているような真夜中に叩き起こされ、得体の知れない餓鬼に殺し合いをしろと言われ。   縫い目の気狂い女に殺されかけて、どうにか同盟相手を手に入れたと思えばおっかない悪魔に出会う有様。   そろそろ不幸が一周してとびきりのいいコトが舞い込んでこなければ割に合わないほどの不運を味わっている。   少なくとも、あの繭とかいう餓鬼にはいどうぞと命をくれてやるつもりはない。   具体的な方法...
  • 夜と朝の間に
    夜と朝の間に ◆WqZH3L6gH6  ある殺し合いの舞台においてE-4と区別される領域。  そこの丁字路の中央に浮世離れした派手な少女――針目縫が立っていた。  大げさなほどの身振りで左右の先、逃げたガンマンと首なしを探る針目。  はたから見れば、可愛らしい少女が途方にくれてるだけのように見える。  だが少女の本質は残忍さを色濃く持つ化け物。  道路だけでなく、空や森の向こうまで索敵の範囲は及んでいる。  よくよく見ればその動きは人らしさどころか、生物らしさもどこか欠如しているようでちぐはぐに見える者もいただろう。  数分経ち、針目は「飽きた」と呟きながら、丁の字に背を向けたを返した。 「あーあ、退屈」  不満を口にしながらもにこやかな笑顔のまま歩む針目。  だが、ホル・ホースに一矢報いられた苛立ちや、殺し合いの主催による身体の不調による苛立ちは失せてい...
  • 心の痛みを判らない人
    心の痛みを判らない人 ◆45MxoM2216 ようやく運が向いてきた、とホル・ホースは思う。 自分の周りにはあの恐ろしく強い悪魔を含み、四人もの手練れがいる。 それだけではない。 あの繭という女と深い繋がりがあるらしいタマヨリヒメとかいうカード。 まさしく切り札と言えるそれを持っている悪魔は、味方として自分の前にいる。 そしてその悪魔とタマヨリヒメが探しているという小湊るう子。 先ほど遭遇した2人の少女たち――三好夏凜とアインハルト・ストラトスは、つい先刻まで小湊るう子と同行していたらしい。 戦力面は言わずもがな、バトルロワイヤル打破へ向けての考察も自分たちほど進んでいる参加者はいないだろう。 まぁ先ほどちょっとした衝突があったが、あれであの少女たちの溜飲も下がったはずだ。 つまり、何が言いたいのかと言うと―― 「なるほど、つまり...
  • Mission: Impossible
    Mission Impossible ◆KYq8z3jrYA 『怪物』は、目的地である映画館へ向かうため、鍛え抜かれた太い足でもって南に歩を進めていた。 バーテンダーとの戦いは敗北を迎え、定時放送による死者の発表は思わぬ衝撃を与え、その悲しみの咆哮は世界の全てを壊してしまうのかと錯覚するほどだったが、それも今や幻だったかのように無表情を貫き前だけを据えている。 なにか大きな変化でも起きたのか。しかし、真実は怪物以外知る由もない。 発した声は、誰にも聞こえず風に流されていった。 怪物の姿は、街角に消えていく。 ◇◆◇ 泣き叫び震えていることだけが恐怖を表すものではない。 紅林遊月はどこかで聞いたその言葉の意味を身をもって刻んでいた。 針目縫。この悪趣味な催しに少なくとも賛同しているのであろう人物。 彼女を止めるために拘束から抜け出した遊月は、...
  • フォロウ・ザ・コールド・ヒート・シマーズ
    フォロウ・ザ・コールド・ヒート・シマーズ ◆0safjpqWKw 駅に向かって走り続けるランサーは、ふと立ち止まった。 広い三叉路。左に行けば駅に続き、右に行けば最初の目的地だった音ノ木坂学院がある。 右手の道の先、夜であれば見逃してしまいそうな黒い影。 朝日に照らされ始めた今では、それが人の身体――遺体だとはっきり認識できる。 「……あれが、セイバーと戦って敗れたという、トウシロウか」 遺体の傍らに立ったディルムッドは目を伏せる。 侍は全身に傷を負っていた。一つとして、軽傷と呼べるものはない。 どれもが致命の一撃。命を刈り取ることを目的として放たれた、「殺す」ための剣ばかりだ。 特に、腹部への突きと胴部に走る袈裟切りの一撃が深い。真正面から渾身の力で斬り伏せられたことが容易に想像できる。 思わず簡単しそうなほど見事な切り口。しかしディルムッドの表情は暗い...
  • きっと青春が聞こえる
    きっと青春が聞こえる ◆0safjpqWKw 「いやぁぁぁぁ! 来ないでぇぇぇぇ!」 「はっはっはっ。元気なお嬢さんですねえ」 前回のラブライブ! スクールアイドルμ sのメンバーとしてレッスンに励んでいた私を待っていたのは、最後の一人になるまで殺し合えという女の子の命令。 最初は夢とか何かのイベントって思ったけど、ピンク色の髪の女の子がカードにされたのは夢じゃない! 急いで周囲を見渡したら、私以外にもことりちゃん、にこちゃん、絵里ちゃん、希ちゃんがいた! みんなを呼ぼうとしたら地面が崩れて、目の前が真っ白になって…… 気がついたら、目の前になんかドロドロした顔の人をいっぱい引き連れたギョロ目のおじさんが立ってたの! 「おやおや、いけませんねえ。こんな時間にあなたのような婦女子が一人で出歩いては。私が家まで送って差し上げましょう」 「い、いえ……あの……う...
  • 変わりゆく平和
    変わりゆく平和 ◆3LWjgcR03U F-7。 島の東端に位置するこのエリアの海辺に一人の青年が現れた。 「臨也ァ……」 青年の容姿は端正といっていい。 どこかの男性アイドルグループの一員、と言われても通用するかもしれない。 しかし彼の形相は今は大きく歪み、本来の面影を残していない。 「臨也……何処だ……いざや……」 彼を突き動かすのは、少女――越谷小鞠の死。 そして、彼女を殺した――と思いこんでいる――宿敵、折原臨也への怒り。 「いざ、や……」 仇の名を呟き、がっくりと膝を付く。 肉体的な疲労以上に、折原臨也の影すら見つけられない焦りが、彼を苛んでいる。 「畜生」 拳を砂浜に叩きつける。 そのたびに、大量の砂が空中に舞い上がる。 「畜生、畜生、畜生」 砂が滝のように降り注ぐ光景はどこか芸術的で...
  • 憧憬ライアニズム Epigram
    憧憬ライアニズム Epigram ◆gsq46R5/OE   守護る、という台詞とは裏腹の行動だった。   何故なら彼の剣の矛先は、もはや神威にすら向いていない。   裂帛の気合を以って振り上げた刀身で、銀髪の侍を両断しにかかる。   無論、一度は紅桜と打ち合い、勝利したことのある銀時だ。   たったの一撃で戦闘不能ということはなく、彼もまた、自らの剣でそれを受け止めてみせる。   しかしその顔に、苦いものが浮いているのもまた確かであった。  「相っ変わらず、食欲旺盛なことで……!」   悪態をつきながら、銀時が無毀なる湖光を大きく振るった。   こうなっては、もう自力で正気を取り戻すのは難しい。   紅桜を早急に破壊し、本部の体に根付いた電魄の影響を取り払う必要がある。   ただし、それで本部以蔵の命が助かるかと言われれば、銀時には断言できない。 ...
  • Nothing But a Dreamer
    Nothing But a Dreamer ◆X8NDX.mgrA  瀟洒な印象の部屋がある。  入り口から見て正面奥に位置する大きな机、それと同じデザインの椅子に、その男は腰掛けていた。  男は左腕にした時計をちらりと見やると、わずかに目を細めた。 「ふむ、そろそろゲームの開始から十八時間か。  駒の数も随分と寂しくなったものだ……そう思わないか、ユウジ?」 「……」  ワイングラスを傾けて、ヒース・オスロは傍らの青年に訊ねた。  日本人離れした銀色の髪と赤色の瞳が目立つ青年は、表情を変えず無言のまま。  そのことに気を悪くした様子もなく、オスロは言葉を続ける。 「彼女……繭の知り合いは、まだ三人もいるらしい。  よほど幸運なのか、はたまた手心を加えているのか……まあ、知ったことではないがね」  オスロはある目的の元で、このバトルロワイア...
  • 世界一歪んだ親孝行
    世界一歪んだ親孝行 ◆45MxoM2216 ジャック・ハンマーは、放送よりも前に先ほどの激闘による気絶から目覚めていた 平和島静雄の攻撃は確かに苛烈だったが、狂気の沙汰としか言いようがないドーピングによって極限まで高められた彼の肉体にしてみれば、致命傷には程遠かったのである ましてや、今の彼は極制服…それも2つ星の極制服を身につけているのである これは、四天王達が身につけている特別なものを除けば、最も強力な極制服である 生命繊維が織り込まれたこの制服により、ジャックの身体能力は更に上昇している 本来の物に比べ燃費が悪化しているとはいえ、幸いにも先ほどの戦闘でオーバーヒートすることもなく、まだまだ健在であると言えよう よって、ジャックが放送前に目を覚ましたことは、自明の理だったのである 「…」 どうやらこの学ランは、思った以上の拾い物だったらしい ...
  • は行の死亡者名鑑
    は行の死亡者名鑑 【ホル・ホース】 ホル・ホース                >―-=ニ..__              /         `ヽ、_            /              ≧=<             f                  ≧            i           /           ,'   __ -=====- ___          ,'=≦ニニニニニニニ≧==- ___          /ニニニ==================ニニ≧x     「『上手い鉄砲』に、数はいらねえ」         >'゙´     ___....--=====--  ___ `   __>'゙´ _...>r ==-、__ i}! ソ イ≦二三ミ`ヽ=、 i≧-=≦ _>'...
  • 孤軍
    孤軍 ◆3LWjgcR03U 時刻は間もなく午前6時。 殺し合いの舞台となったこの島にも朝日が強く照りつける。 (闘いてえ……っッッ!!!) その中を範馬刃牙は走る。 目的はただ一つ。 旭丘分校にいるという「化け物」。 少女の姿でありながらとてつもない力を持ち、背後から放たれた銃弾を容易く回避するという。 そいつと闘うために。 『――おはよう。午前6時、定時放送の時間よ』 殺し合いという場にあって、純粋に闘いを求める姿勢は異質とすらいえるだろう。 定時放送はそんな彼の元にも届いてくる。 『ここまでにあなたたちは誰と出会った? 誰を殺した? 誰と闘った? 今はただ、私の声に耳を傾けなさい』 (放送かぁ) 思えば、ここに来てから考えていたのは闘うことばかり。 殺し合いというこの状況そのものにはあまり考えてはいなかった。 ...
  • あなたの死を望みます。
    あなたの死を望みます。 ◆DGGi/wycYo M:『東郷美森は犬吠埼樹を殺害した』 Y:『私、結城友奈は放送局に向かっています!』 R:『義輝と覇王へ。フルール・ド・ラパンとタマはティッピーの小屋へ』 「……」 ――『東郷美森は犬吠埼樹を殺害した』 ――『東郷美森は犬吠埼樹を殺害した』 ――『東郷美森は犬吠埼樹を殺害した』 ――『M』 「………………」 ✻  ✻  ✻ 「ぅ……ん……?」 右目を照らす眩しい光で覚醒した少女は、まず自分が仰向けに寝かされていること、そして両手両足を縛られていることに気が付いた。口は……塞がれて居ない。 次に判ったのは、ここが畳の上だということ。 最後に視認したのは……東郷美森と、浦添伊緒奈――ウリスが同じ空間にいたこと。 「おはよう、小湊るう子」 ウリ...
  • 逃れられない 時を知る
    逃れられない 時を知る ◆3LWjgcR03U E-7。エリアの大部分を占める海が、姿を現しはじめた陽の光を受けて輝いている。 今、このエリアの南側にある砂浜に、1人の男が海中からざばりとその巨体を現した。 極限まで鍛え上げられた筋肉は、しかし感情のない瞳と相まって、どこか不自然さを感じさせる。加えて、今はその体にまとっている学ランが違和感に拍車をかけている。 彼の名はジャック・ハンマー。 地上最強の生物である範馬勇次郎を父に持ち、文字通り全てを捨ててその父を越えんとする怪物である。 彼は猛スピードで飛行するヴィマーナから振り落とされ、海に転落したばかり。 常人ならば水面に叩きつけられたショックで、まともに泳ぐこともままならないはずだ。 しかしこの怪物は完璧に受け身をとったばかりか、海獣のごとき泳ぎで海峡を渡りきってみせたのである。 日に30時間の鍛錬と...
  • GRAND BATTLE
    GRAND BATTLE ◆gsq46R5/OE  響くは鋼の旋律、散るは鮮やかなる火花。  サーヴァントと人間が刃を打ち合わすという、本来あり得ざる光景が城下の地にて繰り広げられていた。  攻めるは僧衣の神父――その内に冒涜の本性を秘めたままの求道者。  唯でさえ人間離れした身体能力を強引に増強したことで、今の彼は怪物めいたポテンシャルを発揮している。  対し、それを迎え撃つのは誉れも高き騎士王アーサー……もといアルトリア・ペンドラゴン。  堕ちた騎士の聖剣は未だ全霊を発揮できずにいるが、それでも彼我の戦力差は圧倒的なものがあった。  今の綺礼は、彼らしからぬ勢いでセイバーに対し攻め手を連打している。  それは考え無しの行動ではなく、彼が義憤の念に突き動かされているという訳でもない。  宝具、神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)。  片割れを失い、駆り手たる征...
  • MAN WITH MONSTERS
    MAN WITH MONSTERS ◆NiwQmtZOLQ 「……『禁止エリア』だとォ~~……ッ!?」 ホル・ホースは思わず舌打ちをする。 この殺し合いが始まってからというもの、ルールや支給品をしっかりと確認する時間は確かに無かった。 だが、今は多少無茶をしてでも確認しておくべきだったと深く後悔する。 禁止エリアというルール。それは、先に自分が言ったような「どこかで隠れ潜む」という行為を制限する為のものであろう。 考えれば当たり前だ。あの繭という少女は自分達に殺し合いをしろと言ったのだから。 力を持ちながら正面切っての戦いをせず、ただ逃げ果せて最後の一人を待つ───なんて、一番されたくない事だろう。 だから、ある定点に居続ける事を防ぐ為に、どんどん殺し合いの会場面積を絞っていく。 それを察せなかっただけでもプロ失格だが、それ以上に彼を焦らせていたのは。 (何...
  • Underworld
    Underworld ◆zUZG30lVjY DIOの浅い眠りを妨げたのは、繭という忌々し女の声であった。 『――おはよう。午前6時、定時放送の時間よ』 窓すらない閉鎖的な空間を寝床と定めたのが災いし、腕輪から発せられる音声が反響して耳障りな雑音と化す。 DIOは一瞬だけ不快感を露わにしたが、すぐに気を取り直して即席の寝床に身を横たえ直した。 たかが脱落者の定時読み上げ。目くじらを立てる必要もない。 むしろ参加者達の始末を目的とするDIOにしてみれば、他の有象無象がどれだけDIOに貢献したかの成果報告であるとも言える。 「さて、何人死んだか」 DIOにとっての関心事は死亡者の頭数のみ。 ヴァニラ・アイスやホル・ホースは簡単に討たれるような使い手ではなく、承太郎達が早々に死ぬとも思えない。 学園の戦いでDIOを愚弄した面々は手ずから殺害したいと考え...
  • た行の死亡者名鑑
    た行の死亡者名鑑 【高町ヴィヴィオ】 【東郷美森】 【東條希】 高町ヴィヴィオ           、____   __ . -─-  .   ___,          V /      、    丶/ /              V  / /    }、_   V¨¨ミ、           /イ   ハj{    }''"㍉ /}¨..ヽ}   ━━┓┃┃           ̄|i  l⌒八  / ⌒ ミ/}\ }        ┃   ━━━━━━━━            |l  | ○ ヽ{ ○ ミ^Y{  ヾ         ┃               ┃┃┃               从  |⊃ 、_,、_, ⊂〃_ノ..ヽ                                ┛            /...
  • 誰かの為に生きて
    誰かの為に生きて ◆3LWjgcR03U 旭丘分校。 その教室の一つの中に、絶世の美青年とでもいうべき容貌を持つ男の姿があった。 青年――ランサーは、所持していたIDカードの効果により、意思に反して土方の遺体とともにここまで連れてこられた。 「旭丘分校、ここか……。……くそっ、遠すぎる!!」 本来ならば、残してきた少女――穂乃果たちのもとへ、すでにたどり着いていてもおかしくない頃合い。 地図を確かめてはっきり分かるのは、駅との間に横たわる絶望的なまでの距離。 それでも、槍兵は歩みを止めるわけにはいかない。 無力な少女たちが自分を待っている限り。 「……う……」 しかし、窓を飛び越え走り出そうとするランサーの目に映るのは、横たわる侍の亡骸。 元々ここに来る直前は、彼を弔おうとしていたのである。 「改めてになるが、トウシロウ。君とは話したこ...
  • 孤独なHeaven
    孤独なHeaven ◆KKELIaaFJU  日の光も差さないホテル内。  その帝王DIOはそのホテルで優雅に休息を取ろうとしていた。  カツーン、カツーンとホテルの廊下にDIOの足音だけが廊下に響く。  ホテルの案内図通りに進んでいく。 「ここか……」  辿り着いたのはシャワールーム。  一先ず、シャワーで汗を流そうとする。  着ていた衣服を脱衣場にあった洗濯機にぶち込み。  適量の洗剤、柔軟剤、その他諸々を入れて、洗濯機のスイッチをDIOは押した。  洗濯機が音を立てて勢いよく回り始めたのを見て、DIOは関心した。 「ほう、随分と便利な時代になったものだな」  100年前にはなかった未来の技術。  DIOが関心するのも全くもって無理はない。  近くにあった洗濯機の説明書きで理解はした。  脱衣所を抜け、DI...
  • Broken Promise
    Broken Promise ◆nL16iRrvss 「たくよお、ついてねえぜ」 ぶつぶつとぼやきながらファバロ・バローネはこれまでを思い返していた。 「変な女に絡まれたと思ったら呪いをかけられ尻尾を生やされヘルヘイムに連れてけと脅されてよお」 始まりはそう、たった一つの嘘からだった。 極寒の地、ヘルヘイム。 行ったことがあるどころか、そもそも実在しているのかも怪しい幻の大地。 今度はそこに行くのだと酔った勢いでホラを吹いたのがケチの付き始めだった。 よりにもよってその言葉を鵜呑みした半分悪魔な女に、ファバロは契約魔法をかけられ、悪魔の尻尾を生やされてしまったのだ。 解呪条件はただ1つ、嘘を誠にヘルヘイムへと連れて行くこと。 いやまあ女を殺しても解除できたのだろうが、この女がこれまた強かったのだ。 後、色々あった。 「なんやかんやで悪魔に拐わ...
  • 前途多難
    前途多難 ◆eNKD8JkIOw 「全く、驚くべきことばかりだね」 そう言って、折原臨也さんはとても楽しそうに笑いました。 「俺からしたら、スタンドが見えているあんたらに驚くがな」 やれやれだぜ。空条承太郎さんはそう呟きながら帽子を深く被り直し、缶ビールに口をつけます。 ここは、映画館のロビー。受付カウンターや待ち合い席が並んでいます。 私たちは、そこでお話をしていました。 なんと、私たち三人はすごく近くの位置からスタートさせられていたのです。当然のように、出会います。出会っちゃいます。 殺し合いだなんてとんでもないとあわあわしながら私が言って。 空条さんが知ったことかって顔で、売店のビールを勝手に飲み始めて。 私は折原さんに言われて名簿を確認し、小毬先輩とれんちゃんが巻き込まれていることを知って。 青い顔をしながら泣きそうになる私を、...
  • 運命のイトとヒトの布
    運命のイトとヒトの布 ◆NiwQmtZOLQ ─────運命の糸を断ち切った、その先に。 ☆☆* 徐々に冷え込んできそうだと、頬を撫でる風でふと思う。 ここが川に近い橋の上だからか、それとも高速で走っているからか。どちらにしろ、冥府に近い戦場において寒気がするなど縁起が悪いな、とふと思う。 本当なら、悪くはない景観でも眺めながらゆっくりと渡りたいとも思える橋だが、残念ながら今その上を駆ける皐月にそんな余裕は毛頭無い。 なんせ、背後から迫り来る化物にそんなことを説いたところで、理解を示す訳が無いのだから。 「──────来たか」 『ああ。仕掛けてくるぞ』 漸く対岸が見えてきたところで─────背後の空気に、糸のようにか細く、しかし強固な殺意が織り混ざる。 化物─────針目縫が、この瞬間を狙い澄ませ急速に速度を上げた証。 風す...
  • まわり道をあと何回過ぎたら
    まわり道をあと何回過ぎたら ◆X8NDX.mgrA 「あ、アキラ嬢!これはどうすれば止まる――のわあぁっ!?」 「あちゃー……」  どんがらがっしゃーん、と音を立ててゴミ箱に激突したカイザル・リドファルドを見て、蒼井晶は内心で(ホント使えねー)と思いながら溜息をついた。  晶は民家の壁を背に、捻挫した足が楽になるように伸ばして座っていた。  カイザルがゴミの中から立ち上がり、倒れたスクーターを持ち上げて、不慣れな手つきで転がして晶の方に歩いてくる。  そうして晶のもたれる壁にスクーターを立てかけると、心底申し訳なさそうに謝罪した。 「すみませんアキラ嬢、やはり私は馬でなければ駄目なようです」 「ううん、まともに運転できないのはあたしも同じだし、リドさんは気にしないで!  それよりどうしよー、そろそろ放送だよね?結局ホノホノは見つけられなかったし……」 ...
  • 噴火する平和
    噴火する平和 ◆gsq46R5/OE   万事屋。   その施設の扉を片足で蹴破れば、ジャック・ハンマーは内部を改めにかかった。   淡々と探索する姿はまるで機械兵器か何かのようで、ある種の空寒さすら感じさせる。   いや、事実この会場へ招かれてからの彼は、殺人機械(ターミネーター)と呼んで差し支えあるまい。   少女一人を殺し、後には更に二人へ致命打を与え、英霊の飛行宝具へしがみつく狂気的な執念すら発揮してのけたのだ。  「…………」   靴を脱ぐことさえなく、土足のままで上がり込む。   ジャック・ハンマーは、実に淡々と室内を策敵していく。   何か使える品物がないか、がめつく物色するような真似はしない。   人の隠れる空間がありそうならば探るが、そうでなければ見向きもしてはいなかった。   彼が望むのは力、ただ力。  「…………」 ...
  • Sacrament
    Sacrament ◆zUZG30lVjY 放送が終わってそれなりの時間が経過してもなお、ポルナレフはショッピングモールから動こうとしなかった。 ポルナレフ個人の用件はとっくに全て終わっている。 食事を摂り、休息を取り、店頭の目ぼしい道具も一通り回収し終わった。 今すぐにでも出発できる準備は整っているのだ。 それでもショッピングモールを離れようとしない理由は―― 「――やはり気になるか」 「まぁな」 ポルナレフと綺礼の視線の先。 フードコートの端に設置されたベンチに、件の少女が膝を抱えて座り込んでいる。 彼女が目を覚ましたのは放送の直前だった。 ジル=ド=レェによる宣告を伝える暇もなく放送が始まり、そこで呼ばれた名前を聞くなり、すぐにああして塞ぎ込んでしまったのだ。 「ありゃ重症だぜ。泣き喚いてくれた方がまだマシだ」 放送を聞いた少女の様子...
  • 錯覚CROSSROADS
    錯覚CROSSROADS ◆KKELIaaFJU 「………………銀さん?」  心配そうな声で絵里は銀時に声をかける。 「絵里、―――――――――――――」    何か銀時が言いかけた。  その言葉を遮るように、絵里は先に言葉を口に出す。 「銀さん、まさか……  ……………………電車酔い?」 「ちげぇよ!!!」 「だって、ほらさっきから顔すっごく青いし……」 「元々だよ!」 「いやいや、銀さんそんな顔色じゃなかったわよね!?」   明らかに様子がおかしい。  絵里は黒カードから鞘を取り出して構える。  問い正すように銀時に鞘を向ける。 「ねぇ、銀さん本当は何を見たの……!」 「おい、そんなもん、ここで振り回したら危ねぇって!!」 「答えてよ!」  その時、大きく車体が揺れて―――  電車...
  • たどりついたらいつも雨ふり
    たどりついたらいつも雨ふり ◆gsq46R5/OE   慣れない車の運転をしながらでも、放送を聞くことは出来た。   静雄は安全運転で走らせていた車を道路脇へと停車させる。   心臓の鼓動が早まるのを感じていた。   その名前が読みあげられないことを心の底から祈りながら、しかし心の片隅には、既に何かを悟ってしまっている自分がいて、静雄はそんな弱気な自分を殺してやりたいと思った。   瞼を閉じれば、今もあの後ろ姿が脳裏に蘇ってくる。   平和島静雄という男がこれまで見てきたどんな後ろ姿よりも大きく、強い背中だった。   破壊しか能のない静雄の戦いとは真逆の、大切なものを守る戦い方を知っていた男。   再会の暁には、その『守る』ということのやり方を教えて貰うと約束して別れた男。   平和島静雄という人間に、もっとも似合わない言葉を突きつけた男。   平和島よ。 ...
  • 『犯人』に罪状が追加されました
    『犯人』に罪状が追加されました ◆eNKD8JkIOw やあ、はじめまして。 それとも、もしかして承太郎君や蛍ちゃんみたいに、以前俺に会った人がこれを読んでくれている可能性もあるかな? それならば、そういう人たちには久しぶり、また会えたねと言っておこうか。 俺の名前は折原臨也。 21世紀の東京、新宿でしがない情報屋を営んでいる男だ。 そして、これを読んでいる君と同じく、この殺し合いの参加者でもある。 いやあ、参ったねえ。まさかこんな催しに強制参加させられるなんて、思いもよらなかったよ。 一日が終わり、ベッドに寝転び瞳を閉じれば、また今日と同じ明日が来る。今までと何ら変わりのない日常がある。 もしかしたら君も、そう思っていたクチなんじゃないかな? それとも、何者かに命を狙われ、毎日襲撃に脅えるような非日常に身を投じていたパターンかな? いや、逆に何者かを殺...
  • 第一回放送 -この声は冒涜-
    第一回放送 -この声は冒涜- ◆DGGi/wycYo 白い部屋。 無機質なその部屋は、沢山の窓に囲まれている。 開いているそれらの窓は、殺し合いの全てを映し出す。 「ふふ」 少女は笑う。 ゲーム開始から6時間。最初の放送が始まる。  ✻  ✻  ✻ 『――おはよう。午前6時、定時放送の時間よ』 このゲームの生存者全てに等しく与えられる声が、会場全体に響き渡る。 その声は、生者全ての腕輪からも発せられていた。 『ここまでにあなたたちは誰と出会った? 誰を殺した? 誰と闘った? 今はただ、私の声に耳を傾けなさい まずは、大事な話をしましょう。 腕輪で確認出来るルールに明記したけれど、あの場所で説明していないことがあったわ。 そう、禁止エリアについてよ』 数秒時間を置き、少女は続ける。 『本当は...
  • キルラララ!! あの子を愛したケダモノ二匹
    キルラララ!! あの子を愛したケダモノ二匹 ◆eNKD8JkIOw ♪ ♪ ♪ 遠ざかる日に、背を向けかけた もう二度と、振り向きはしないだろう ♪ ♪ ♪ 曖昧模糊。 この空間、もしくは世界のことを表現するなら、その言葉がぴったりだ。 暗いような、明るいような。 黒いような、白いような。 ショッキングピンクの壁紙が全面に貼られている部屋なのだと言われれば、そんな気がするし。 灰色の通路が世界の果てまで伸びている廊下の途中だと言われても、得心がいきそうだし。 就寝前、目を閉じた世界に広がる、なんとも形容しがたい模様の空間、と言われても納得してしまう。 一つだけ、分かることは。 分かってしまうことは。 「やっほー、イザ兄!」 「……久(お久しぶりです、兄さん)……」 眼鏡に黒いセー...
  • サカサマオツキサマ
    サカサマオツキサマ ◆DGGi/wycYo ♪  ♪  ♪ そう…あの日 おなじ夢を描いたんだ 輝く瞳は ■■を信じてた  ♪  ♪ 東條希は荒野を走っていた。 目的地に向けて、ただひたすらに。 ここに来てから半日以上、色々なことがあった。ありすぎた。 散々な目に遭った彼女の胸中のほとんどを占めるのは、この地でただ一人生き残っている、大切な親友。 「絵里ち……」 時折呟かれる名前は、荒い呼吸となって溶けてゆく。 一般人なら既に音を上げそうなほどの距離を移動したが、そこはスクールアイドル“だった”身。 体力や運動神経は人並み以上だと自負しているつもりだ。 けれども、音ノ木坂学院までの道は遠い。 ヴィマーナは再使用までに時間が掛かる。今の希にそれを待つという選択肢はない。 自転車か何かがあればとも考えた。右...
  • 前哨戦
    前哨戦 ◆45MxoM2216 花京院典明は迷っていた ここで"姿の見えないスタンド使い”を追って放送局へ踏み入るか、それとも一旦退いて当初の予定通りに島を南下し、仲間を集めるか 元々"姿の見えないスタンド使い”を撒くために墓地を経由して南下していた上、相手のスタンドは明らかに逃げ場の少ない閉所でこそ真価を発揮するタイプだ 先ほど奴が入っていった放送局など、どう考えても相手のホームグラウンドだろう 最悪の場合、既に何かの罠が仕掛けられているかもしれない さらに言えば、先ほど邂逅したアフロの男にしても、まだ善玉であると決まったわけではない 本人は襲ってきたのは女の方だと言っていたが、その女が否定も肯定もする前に死んでしまったのだから、確認する術も最早ない 普通に考えれば、ここは無理をせずに一旦退くのが良いのだろうが… (僕が拘束していな...
  • 高坂穂乃果の罪と罰
    高坂穂乃果の罪と罰 ◆3LWjgcR03U 北西の島の、さらに北西部。 市街地を走る胴着の男の姿があった。 男――本部以蔵の顔は硬い。 数刻前まで浮かべていたような、自信に満ち溢れた表情は消えている。 (……) その原因は、自分がついていながら命を失った少女――高町ヴィヴィオの死。 そして、放送で読み上げられた参加者の死。 その中の、ある名前。 (勇次郎……) 範馬勇次郎。 闘争に身を置く者なら、誰もが知る名前。 かつて闘い敗れ、目標としてきた存在。 彼が死んだ。 殺し合いが始まって6時間あまり。地上最強の生物は、あまりにもあっけなくこの世から姿を消した。 彼を易々と上回る者が、この場にはいるのだ。 (嬢ちゃん……ディルムッつぁん……無事でいろよ) こうなれば、駅から銃声が響いた直後に姿を消した宇治松千夜。 キャスター...
  • もしもからきっと
    もしもからきっと ◆3LWjgcR03U ――絶望的。 少女――東條希の置かれた現状は、まさにそれだった。 彼女の最初の殺人――最初で最後の殺人になるかもしれないが――から振り返ってみよう。 相手が自分と同じような戦う力を持たない少女であったこと。 ゲーム開始直後の、どこか現実離れした浮ついた雰囲気。 ビームサーベルという、一見しておもちゃのようにも見える武器。 ふざけて胸を揉むふりをするというある種稚拙ともいえる作戦でありながら殺人を成功させた要因は、こうした状況が揃っていたことにある。 要するに、彼女はラッキーガール。幸運だったのだ。 だが、殺し合いが加速するに従い、一度きりの幸運の女神は嫌が応にもその脆さをさらけ出す。 カエルの如き目をした奇人――キャスターとの遭遇。 身体能力においては聖杯戦争では最弱のクラスといえども、彼はサーヴァント。人...
  • 1+1+0+1−1=
    1+1+0+1−1= ◆eNKD8JkIOw セルティ・ストゥルルソンは、動けなかった。 支給品、凄まじいスペックを誇るオートバイであるV-MAXを取り出そうとしていた手も止まり。 彼女を攻撃し、一度は謀りながらもセルティから逃げ続けていた怪しい男を追っていた足も止まり。 その非現実的な状況に、一瞬、思考も止まりかける。 目の前のガンマンも同じく、足を止めていた。 だが、セルティは男がようやく観念したのだとは全く思えない。 恐らく、いや、きっと。 彼は自分と同じく、目の前に繰り広げられている光景のせいで、動けないのだ。 追いかけっこを繰り広げていた両者を同時に止めたその光景。 百鬼夜行に匹敵する首なしのデュラハンと、百戦錬磨の暗殺者とが同時に、咄嗟には動けなくなったその光景。 フリフリなピンクな衣装に眼帯をした少女が。 緑色の可愛らしい...
  • La vie est drôle(前編)
    La vie est drôle(前編) ◆X8NDX.mgrA 「はははははっ!!おらおら、もっと行くぞ!!!」 「僕も混ぜてくれると嬉しいんだけどね」 「てめえは引っ込んでろ!」 「ぐっ……」  斬撃の風圧で街灯が破裂する。踏みしめた地面が、それだけで抉れる。  市街地に反響する剣戟が、戦闘の激しさを物語っていた。  ここにいるのは、このバトルロワイアルの中でも比類なき強者に分類される三人。  生命戦維の身体を持ち、神衣純潔と一体化した纏流子。  宇宙最強を誇る戦闘種族・夜兎族の神威。  英霊としてセイバーのクラスで顕現した、騎士王アルトリア・ペンドラゴン。  三人は、出自も経歴も大きく違うが、その強さは誰もが認めるところ。  彼らが暴力的なまでの殺意をぶつけ合う様相は、英霊同士の戦闘にも匹敵する。...
  • それでも『世界』は止まらない
    それでも『世界』は止まらない ◆eNKD8JkIOw 波紋。 吸血鬼 柱の男。 スタンド使い。 ジョナサン・ジョースター。 ジョセフ・ジョースター。 そして、空条承太郎。 「全く、こうして俯瞰的に見せられても忌々しき血族よ」 彼らは時に写真の中で、絵画の中で、映像で、活字で、音声で。 青春を過ごし、仲間と出会い、別れ、吸血鬼と対峙し、柱の男に立ち向かい、スタンド使いを薙ぎ倒しながら。 『奇妙な冒険』を繰り広げていた。 タイトルは『ジョースターの系譜』 細く、長く連なることで、なんとか地下通路の体裁を取り繕っているようなジョースター展示会。 彼らの活躍を華々しく喧伝しながら、その空間は博物館、美術館、ミュージアムのような様相で、DIOの目の前に広がっている。 ここは、ホテルの地下通路のその先。 『ホテル』と『地下闘技...
  • 逆境に耐える
    逆境に耐える ◆7fqukHNUPM 改まっての自己紹介は、『ハイディ・アインハルト・ストラトス・イングヴァルト』という、聞きなれない言語圏のフルネーム。 いや、『ヴィヴィオさん』という名前を呟いていた時点で、えらい独特のネーミングセンスだとは思ったけれど。 そして、『Stヒルデ魔法学院中等科』という学校名と、『覇王流』という流派による、身分の開示だった。 しかも、貴女はどこかで『魔法戦』競技をしている方なのですか、という質問までされた。 最初は、漫画やアニメの見過ぎじゃないのかと思った。 しかし、この少女が大人の女性に『変身』した姿を見てしまったのも、見間違えようのない事実なわけで。 彼女――アインハルト・ストラトスの語る出自は、『大赦』という一般人の入れない世界にいた三好夏凜にとっても、にわかには受け入れにくかった。 この宇宙にはいくつもの並行世界――次元世界があ...
  • ころしあいがはじまった
    ころしあいが始まった ◆DGGi/wycYo ✢     ✢     ✢ 世の中には、大きな野望や変わった趣味を持った生き物がいる。 彼らは可能な限り、その野望、趣味に向けて行動しようとする。 今回のそれもまた、そういった『行動』における『犠牲』であった。 ――彼ら、彼女たちは、その薄暗い部屋で目を覚ました。 何だここは、と口々にぼやく者たち、 すぐ傍でまだ寝ている身内を起こす者たち。 彼女はどちらかと言うと後者だった。 「ちょっと、夏海早く起きてってば!」 彼女――私立旭丘分校中学2年、越谷小鞠。目が覚めたら 知らない場所で、傍らで妹の夏海が寝ていたのだ。 何が起こったか分からず不安である以上 とにかく知っている人を起こすしかなかった。 「うーん…姉ちゃん今何時だと思ってるの・・・  まだ暗い・・・って何じゃここはぁ!?」 眠い目を擦った夏海...
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