2サイクルの魅力

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2サイクルの魅力 - (2014/06/05 (木) 21:13:50) の1つ前との変更点

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***▼はじめに MTGにはスタンダードを初めとしてモダン、レガシー、ヴィンテージ、ブロック構築など、数多くの公式フォーマットが存在する。 プロツアーやグランプリなど、1000人以上も参加者が集まる。 これらの公式フォーマットは、表舞台で華々しく取り扱われるフォーマットと言っていい。 MTGは、他のTCGと違って需要のあるいわゆる高額カードがなかなか再録されない。 一度価値が上がりはじめたカードは見る見るうちに入手が難しい相場価格となってしまい、 後からMTGを始めた人ほどカード収集にお金がかかってしまうのが現状だ。 MTGでは、前述したいくつかの公式フォーマットを制定することで、新規参入者でもあまり負担をかけずにMTGを楽しめるようにしている。 スタンダードで行われるローテーションがその一つである。 これにより、毎年古くなったエキスパンションセットがスタンダードで使用不可能となってしまうが、これが必ずしもプラスに働くわけではない。 ある程度金銭面で余裕のある社会人ともなればまだいいが、学生にとってはスタンダードで使用不可能になったことによって急激に価値の落ちてしまったカードのやり場に困ってしまう。 もちろん、価値の高い時期に売ることができるのであれば、それに越したことはないだろう。 しかし、現実ではそう上手くスタンダードのローテーションの波に乗れるものではない。 MTGを引退してしまった人の引退理由の1番はまず間違いなくこのローテーションの波に乗ることができずに、スタンダードを続けることが困難になってしまったことだろう。 私もそうであったし、私の多くの友人もそうだった。 では、MTGというTCGそのものが面白くなくて引退してしまった人は果たしてどれほどいるのだろうか。 もちろん肌に合わなくて辞めてしまった人もいるだろう。 だが、MTGを辞めてしまったが、MTGそのものはとても楽しかったと感じている人もいるはずだ。 受験での引退などがそれに当たる。 そのような人ができるだけお金をかけずにMTGを楽しめる環境があれば、いったいどれほどの人がMTGプレイヤーとして復帰してくれるのだろうか。 私が実際にイニストラードブロックの闇の隆盛発売後に、MTGプレイヤーとして復帰し、真っ先に考えたことがそれだった。 MTG復帰以降、細々とMTG新規参入者獲得に向けて草の根的な活動をしている私が、ここではカジュアルフォーマットである2サイクルの魅力について熱く語りたい。 詳しくは[[@wiki>]]参照。 ---- ***▼非公式(カジュアル)フォーマット まず、私とカジュアルフォーマットとの歴史について語りたい。 県庁所在地の市中心部付近に住んでいるとはいえ、九州という地方在住の私は近所のカードショップで友人同士とMTGで対戦をしたり、 そのカードショップの小さな大会に出場するくらいがMTGをプレイする限られた環境だった。 私がMTGを始めたのは、基本セット第4版が発売されそれなりに時期が経ち、もうしばらくで基本セット第5版が発売される頃だったと思う。 エキスパンションで言えば、ビジョンズとかウェザーライトとかその辺りだった記憶がある。 限られた環境でのみプレイしてた人だと、その環境独自のルールがあったのではないだろうか。 私の環境だと、どのカードセットでも使用可能(小学生~中学生だったので壊れ環境になる心配が皆無だった)だったり、レアカードが使用禁止だったり、 特定の仲間内だけの環境に合わせたデッキをいくつか所持していた。 今でいうMO(Magic Online)のPauperがまさにこれに当たる。 私はMTG開始直後からカジュアルフォーマットと共にMTGを親しんできたといえる。 某大学のMTG同好会が近所の公民館でMTGの大会を開催し、そこで私たちのようなあまりカードを買うことができない小中学生に余っているカードを大量にくれたり、 基本的なルールを優しく教えてくれたことが、バラバラのブロックのカードを入手し、たくさんのカジュアルフォーマットを楽しめた大きな要因だった。 もう顔も覚えていないが、今でも時々あの人たちのことを思い出し、そのたびに心の中で「ありがとう」と感謝している。 公式フォーマットでプレイしていたのはスタンダードだけだった。 デュアルランドをふんだんに使ったエクステンデットともなると、私たちからすれば憧れのようなフォーマットだった。 高校2年生の頃になると、コモンやアンコモンを中心にそれなりのブロックのカードを所持するようになっていた。 私はこの後間もなくMTGを引退することになるのだが、この頃、仲間内で「ジャパンクラシック」という非公式フォーマットが採用された。 あのホビージャパンが制定したものだ。 ひとことで言うと、日本語版が存在するカードなら何でも使用できるフォーマットである。 当時の考え方であれば、基本セット第4版以降ということになる。 このジャパンクラシックという非公式フォーマットが私たちの環境で大流行し、別々の高校に進学したにもかかわらず、 放課後や休みの日に誰かの家に集合して朝から晩までわいわいとMTGに没頭した。 思えば、このジャパンクラシックが私をカジュアルフォーマットという秘境に瞬く間に導いたのだと思う。 その後間もなくして大学受験の準備のため私たちはMTGを引退した。 ---- ***▼2サイクルとの出会い 私がMTGに復帰した後、ジャパンクラシックより楽しめるカジュアルフォーマットがないか調べた。 そこで興味を持ったのが2サイクルだった。  ※2サイクルについては、2サイクルの項目の基本ルールのページ参照 もちろん2サイクルもカジュアルフォーマットである以上、研究し尽くされておらずまだまだ未開のフォーマットである。 まず、使用可能カードセットについてAとBという2つのカードプールに分かれる。 無料オンライン対戦ツール(MWSなど)で流行しているのは、最初期のカードセットから使用可能なタイプAである。 デュアルランドや今となっては大昔の各種高額カードが使用可能だが、これは資産が必要ない無料対戦ツールならではだ。 そこで、私が目をつけたのが、基本セット第4版以降が使用可能なタイプBだった。 この後、私が頭を悩ませたのが禁止カードの制定だった。 私が調べた限りでは、大きく分けて2つのパターンが存在した。 ・レガシーの禁止カードが禁止カード ・レガシーの禁止カードをベースとして独自の禁止カードを制定 突き詰めていけば、後者の禁止カードが禁止カードの理想であることには間違いない。 ただし、この禁止カードをある程度の形にまで仕上げるには、2サイクルをそれなりにたくさんプレイする必要があるし、 数多くのデッキを構築する必要があり、かなりハードルが高く断念した。 私が開催したニコ生杯(現ニコニコカップ)では、最初はレガシーの禁止カード+各ブロック構築で禁止カードに指定されているカードを禁止カードとしていた。 数回の大会を通し、参加者や視聴者から意見をもらい、各ブロック構築の禁止カードを2サイクルの禁止カードにするのは適していないという結論に至った。 そこで現在は、レガシーの禁止カード+スタンダードで禁止カードに指定されたことがある全てのカードを禁止カードとそしている。 今後、2サイクルの大会を重ねていくことによって、独自の禁止カードリストを作り上げることができればそれに越したことはないが、 意見募集や制定した環境下でのシミュレーションなどにとてつもない労力を要するので、現実的ではないのかもしれない。 それでもMTGを続けている限り、私はこの2サイクルを楽しくプレイしていくことを確信している。
***▼はじめに MTGにはスタンダードを初めとしてモダン、レガシー、ヴィンテージ、ブロック構築など、数多くの公式フォーマットが存在する。 プロツアーやグランプリなど、1000人以上も参加者が集まる。 これらの公式フォーマットは、表舞台で華々しく取り扱われるフォーマットと言っていい。 MTGは、他のTCGと違って需要のあるいわゆる高額カードがなかなか再録されない。 一度価値が上がりはじめたカードは見る見るうちに入手が難しい相場価格となってしまい、 後からMTGを始めた人ほどカード収集にお金がかかってしまうのが現状だ。 MTGでは、前述したいくつかの公式フォーマットを制定することで、新規参入者でもあまり負担をかけずにMTGを楽しめるようにしている。 スタンダードで行われるローテーションがその一つである。 これにより、毎年古くなったエキスパンションセットがスタンダードで使用不可能となってしまうが、これが必ずしもプラスに働くわけではない。 ある程度金銭面で余裕のある社会人ともなればまだいいが、学生にとってはスタンダードで使用不可能になったことによって急激に価値の落ちてしまったカードのやり場に困ってしまう。 もちろん、価値の高い時期に売ることができるのであれば、それに越したことはないだろう。 しかし、現実ではそう上手くスタンダードのローテーションの波に乗れるものではない。 MTGを引退してしまった人の引退理由の1番はまず間違いなくこのローテーションの波に乗ることができずに、スタンダードを続けることが困難になってしまったことだろう。 私もそうであったし、私の多くの友人もそうだった。 では、MTGというTCGそのものが面白くなくて引退してしまった人は果たしてどれほどいるのだろうか。 もちろん肌に合わなくて辞めてしまった人もいるだろう。 だが、MTGを辞めてしまったが、MTGそのものはとても楽しかったと感じている人もいるはずだ。 受験での引退などがそれに当たる。 そのような人ができるだけお金をかけずにMTGを楽しめる環境があれば、いったいどれほどの人がMTGプレイヤーとして復帰してくれるのだろうか。 私が実際にイニストラードブロックの闇の隆盛発売後に、MTGプレイヤーとして復帰し、真っ先に考えたことがそれだった。 MTG復帰以降、細々とMTG新規参入者獲得に向けて草の根的な活動をしている私が、ここではカジュアルフォーマットである2サイクルの魅力について熱く語りたい。 ---- ***▼非公式(カジュアル)フォーマット まず、私がどのようにカジュアルフォーマットの世界に踏み込んだのかを語りたい。 県庁所在地の市中心部付近に住んでいるとはいえ、九州という地方在住の私は近所のカードショップで友人同士とMTGで対戦をしたり、 そのカードショップの小さな大会に出場するくらいがMTGをプレイする限られた環境だった。 私がMTGを始めたのは、基本セット第4版が発売されそれなりに時期が経ち、もうしばらくで基本セット第5版が発売される頃だったと思う。 エキスパンションで言えば、ビジョンズとかウェザーライトとかその辺りだった記憶がある。 私に限らず、限られた環境でのみプレイしていた人だと、その環境独自のルールがあったのではないだろうか。 私の環境だと、どのカードセットでも使用可能(小学生~中学生だったので壊れ環境になる心配が皆無だった)だったり、レアカードが使用禁止だったり、 特定の仲間内だけの環境に合わせたデッキをいくつか所持していた。 今でいうMO(Magic Online)のPauperがまさにこれだろう。 以上のことから、私はMTG開始直後からカジュアルフォーマットと共にMTGを親しんできたといえる。 某大学のMTG同好会が近所の公民館でMTGの大会を開催し、そこで私たちのようなあまりカードを買うことができない小中学生に余っているカードを大量にくれたり、 基本的なルールを優しく教えてくれたことが、バラバラのブロックのカードを入手し、たくさんのカジュアルフォーマットを楽しめた大きな要因だった。 もう顔も覚えていないが、今でも時々あの人たちのことを思い出し、そのたびに心の中で「ありがとう」と感謝している。 当時、公式フォーマットでプレイしていたのはスタンダードだけだった。 デュアルランドをふんだんに使ったエクステンデットともなると、私たちからすれば憧れのようなフォーマットだった。 高校2年生の頃になると、コモンやアンコモンを中心にそれなりのブロックのカードを所持するようになっていた。 私はこの後間もなくMTGを引退することになるのだが、この頃、仲間内で「ジャパンクラシック」という非公式フォーマットが採用された。 あのホビージャパンが制定したものだ。 ひとことで言うと、日本語版が存在するカードなら何でも使用できるフォーマットである。 当時の考え方であれば、基本セット第4版以降ということになる このジャパンクラシックという非公式フォーマットが私たちの環境で大流行し、 別々の高校に進学したにもかかわらず、放課後や休みの日に誰かの家に集合して朝から晩までわいわいとMTGに没頭した。 思えば、このジャパンクラシックが私をカジュアルフォーマットという秘境に瞬く間に導いたのだと思う。 その後間もなくして、大学受験の準備のため私たちはMTGを引退した。 ---- ***▼2サイクルとの出会い 私がMTGに復帰した後、ジャパンクラシックより楽しめるカジュアルフォーマットがないか調べた。 そこで興味を持ったのが2サイクルだった。  ※2サイクルについては、2サイクルの項目の基本ルールのページ参照 もちろん2サイクルもカジュアルフォーマットである以上、研究し尽くされておらずまだまだ未開のフォーマットである。 まず、使用可能カードセットについてAとBという2つのカードプールに分かれる。 無料オンライン対戦ツール(MWSなど)で流行しているのは、最初期のカードセットから使用可能なタイプAである。 デュアルランドや今となっては大昔の各種高額カードが使用可能だが、これは資産が必要ない無料対戦ツールならではだ。 そこで、私が目をつけたのが、基本セット第4版以降が使用可能なタイプBだった。 この後、私が頭を悩ませたのが禁止カードの制定だった。 私が調べた限りでは、大きく分けて2つのパターンが存在した。 -レガシーの禁止カードが禁止カード -レガシーの禁止カードをベースとして独自の禁止カードを制定 突き詰めていけば、後者の禁止カードが禁止カードの理想であることには間違いない。 ただし、この禁止カードをある程度の形にまで仕上げるには、2サイクルをそれなりにたくさんプレイする必要があるし、 数多くのデッキを構築する必要があり、かなりハードルが高く断念した。 私が開催したニコ生杯(現ニコニコカップ)では、最初はレガシーの禁止カード+各ブロック構築で禁止カードに指定されているカードを禁止カードとしていた。 数回の大会を通し、参加者や視聴者から意見をもらい、各ブロック構築の禁止カードを2サイクルの禁止カードにするのは適していないという結論に至った。 そこで現在は、レガシーの禁止カード+スタンダードで禁止カードに指定されたことがある全てのカードを禁止カードとそしている。 今後、2サイクルの大会を重ねていくことによって、独自の禁止カードリストを作り上げることができればそれに越したことはないが、 意見募集や制定した環境下でのシミュレーションなどにとてつもない労力を要するので、現実的ではないのかもしれない。 それでもMTGを続けている限り、私はこの2サイクルを楽しくプレイしていくことを確信している。 ---- ***▼2サイクルの魅力 最後にこの項目の本題である2サイクルの魅力について語りたい。 カジュアルフォーマットは数あれど、2サイクルでしか実現することができないものがある。 それは、禁止カードの問題さえクリアしていれば、昔使っていたスタンダードのデッキをそのまま使うことができることだ。 つまり、旧スタンダードプレイヤーは追加資金0円から2サイクルをスタートすることができる。 これが私が2サイクルの最大の魅力だと思っている。 歴代のスタンダードで最強のデッキはどれなのだろうかと考えるだけで胸が熱くなる(引退していた時期のスタンダードのことはもちろん知らない)。 他にも魅力はある。 MTGのカードの多くはスタンダードのローテーションにより使用不可能となった場合、相場が急激に下がる傾向がある。 他の公式フォーマットで需要がある一部の強力カードを除けば、レアカードですら徐々に相場は下がっていく。 そのため、昔は高額で入手することができなかったカードを気軽に購入して使うことができる。 何度も再録されたカードも需要と供給のアンバランスにより相場が大きく変動している。 MTG全盛期のウルザブロック前後の当時の高額カードとしていくつか例を挙げる。 「[[極楽鳥@wiki>http://mtgwiki.com/wiki/%E6%A5%B5%E6%A5%BD%E9%B3%A5/Birds_of_Paradise]]」「[[神の怒り@wiki>http://mtgwiki.com/wiki/%E7%A5%9E%E3%81%AE%E6%80%92%E3%82%8A/Wrath_of_God]]」「[[ハルマゲドン@wiki>http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%B2%E3%83%89%E3%83%B3/Armageddon]]」「[[マスティコア@wiki>http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B3%E3%82%A2/Masticore]]」「[[変異種@wiki>http://mtgwiki.com/wiki/%E5%A4%89%E7%95%B0%E7%A8%AE/Morphling]]」「[[火薬樽@wiki>http://mtgwiki.com/wiki/%E7%81%AB%E8%96%AC%E6%A8%BD/Powder_Keg]]」「[[天才のひらめき@wiki>http://mtgwiki.com/wiki/%E5%A4%A9%E6%89%8D%E3%81%AE%E3%81%B2%E3%82%89%E3%82%81%E3%81%8D/Stroke_of_Genius]]」 適当に書き殴っただけでもこれだけはある。 いずれのカードもピーク時にはそれなりの高額カードだったはずだ。 しかし、現在では当時に比べればかなりの格安価格で入手できるだろう。 当時学生などで資金がなく使えなかったカードを使うことができることも2サイクルの根強い人気の一つであろう。 他にも語りつくすことのできない様々な魅力があるが、それは実際に2サイクルをプレイして肌で実感してもらいたい。 また、2サイクルだけでなく、他のカジュアルフォーマットに興味を持ったり、新しいカジュアルフォーマットの模索をしたり、 末永くMTGを愛せるような道を模索していただきたい。 最後に、ニコニコ生放送やニコニコカップを通して、多くの人が2サイクルに興味を持ってくれて、 実際に2サイクルを始めてくれている人が多いことを非常に嬉しく思う。 MTGを引退した人が偶々放送を見て、2サイクルプレイヤーとして復帰してくれたケースもある。 さらには、私は特に何もしていないのに感謝されることまである。 感謝したいのは私の方である。 多くの方が私の活動で2サイクルを体験してくれてMTGを楽しんでくれている、ただただ嬉しい限りだ。 これからもひっそりと2サイクルを中心にMTGに魅力を伝えていきたいと思う。

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