科学特捜隊


「地球の平和は、我々科学特捜隊の手で守り抜いていこう!」

円谷プロの特撮作品『ウルトラマン』に登場した防衛チーム。
国際科学警察機構の下部組織で、正式名称は「科学特別捜査隊」だが、作中歌などではこの「科学特捜隊」の呼称が使われる。
さらに略した「科特隊(かとくたい)」という呼称もあり、こちらもしばしば用いられる。
作中でウルトラマンに変身するハヤタ隊員も、この組織の一員である。

基本的には怪事件調査を専門とする組織であり、怪獣との戦闘は本来は特別任務とされている。
本部はパリに存在し、『ウルトラマン』作中に登場しているのは極東支部。
極東支部は5人一班二十組の合計百名で構成されており、テレビで活躍したのはその中のムラマツ班である。
映像作品においては、他に亜光速宇宙航行の実験と宇宙探査を主任務とするサコミズ班が確認されている。
漫画作品では『TheFIRST』にて、警視庁と協力して車両やバイクで都内のパトロールを行うヤマト班、
科特隊独自の通信網やオペレーションシステムを担当しているミナト班、サイゴー長官直属と思われるサイゴー班が登場している。
このうちサコミズ班のキャップであるサコミズ・シンゴは、ウラシマ効果によって若いまま宇宙から帰還。
後年の『ウルトラマンメビウス』においてCREW GUYS総監にしてGUYS JAPAN隊長となった。
また『メビウス』に登場したアライソ整備長は科特隊時代から防衛チームの機体整備に関わっており、
『TheFIRST』にもジェットビートル整備班の班長や、女性整備士のヒナタ整備士が登場しているなど、
事件調査に赴くいわゆる「科特隊隊員」以外の支援要員も多数所属している事がうかがえる。

英語表記は「SSSP」(Science Special Search Party)。すげー直訳
この名称は『メビウス』ではアーカイヴドキュメントのレジストコードにも使用されており、発音は「スリーエスピー」。
なお、『ウルトラマン』本編での読み方は不明(メカに書かれているだけで読まれた事が無い)。
また、設定上の関連は無いが、『ウルトラマンオーブ』に登場する怪奇現象追跡サイト「SSP」の名前はSSSPが元ネタになっている。
こちらは「サムシング・サーチ・ピープル」の略で、劇中では専ら略さずに呼ばれる事が多い。

高校卒業後に入所できる科学特捜隊養成所で過酷な訓練を経た人間しか隊員にはなれず、
その訓練は五十人いた候補生の内、たったの四人しか卒業できなかったと言うほど。
+ 科特隊養成所訓練カリキュラム
まず高校卒業後に入所試験を受ける場合、その倍率は一千四百倍。
体力と学力を問われるこの試験に合格しなければまずお話にならない。

入所後はまず朝五時に起床。
射撃訓練や朝食を済ませると七時から午後二時まで、昼食を挟んで座学が行われる。
この多岐に亘る学科は全て必修であり、全てのテストに百点を取れないと落第させられてしまう。
午後二時から午後六時までは運動となり、格闘技や剣道など五十種目のスポーツを行う。
そして夕食休憩を経た後は、スライドを用いて宇宙学、怪獣学、異星人や怪獣の調査研究を行う。
全ての訓練を終えて就寝する頃には午前0時を過ぎており、四時間強でまた次の一日が始まる。
その他に航空機や潜水艇の操縦訓練や、一ヶ月に及ぶ長期間単独飛行(食料は半月分のみ!)や、
暗密室に二ヶ月閉じこもったり、空中ブランコの上で断食生活を一週間、エトセトラ、エトセトラ。
こうした各種の極限状態に追い込む訓練を含め、カリキュラムは休み無しで三年間実施される。

そりゃあ精鋭揃いになるというか、精鋭しか残らないというか……。
とはいえ『ウルトラマン』本編を見るだに怪獣や宇宙人の侵略、怪事件が頻発しているのがこの地球である。
それら人類の想像を絶する未知の脅威に立ち向かう最前線に赴くのだから、これくらいしなければ、という事か。
しかし候補生が50人×志願率1400倍=年ごとに7万人もこの過酷な訓練・任務に志願する者が現れる戦後の昭和日本、頼もしすぎると言うか、
いったいどんな教育を受けたらこんな状況になり得るのだろうか。

各々が何らかの分野におけるエキスパートであり、一致団結して事件解決に臨む。
+ 5人の精鋭達
フジ隊員以外のフルネームは、全て後年の映画『甦れ!ウルトラマン』で後付けされた設定である。
  • ムラマツ・トシオ(上段中央)
演:小林昭二
漢字表記は「村松敏夫」。通称「キャップ」「キャプテン」。科学特捜隊日本支部を率いる隊長。
慎重派であり、堅実な作戦を構築し、バルタン星人と交渉を提案したり、血気盛んな部下を宥めたりといった描写が目立ち、
部下が窮地に陥った際には自ら救助に向かう、ミスをした隊員をきちんとフォローするなど、優秀な隊長として描かれている。
ただ、怪獣の襲撃によってヨシムラ総裁らと共に海底センターに閉じ込められた時に、イライラするヨシムラを落ち着かせるために、
トランプのババ抜きをして落ち着かせようとしたり(当然「こんな事をしていられるか!」とキレられた)、
雨の日に傘を忘れたためにわざわざ部下にビートルを飛ばせて傘を届けさせたりといった奇行を行った事もあったりする。
だが科特隊のキャップを務めているのは伊達ではない。
砲丸ほどの大きさもあるノアの神の青い珠をアントラーの頭頂部に投擲で直撃させたのは、他でもないムラマツキャップなのだ。
特に本編第28話「人間標本5・6号」においては、単身でダダに占領された宇宙線研究所に潜入。
事件に巻き込まれた女性を守りながら、射撃や格闘戦を駆使してダダを圧倒するという活躍を見せた。ダダ271号「駄目だ!ムラマツは強い!」
そこまで強い部類の宇宙人では無いにしても、後年の対怪人戦強さの秘密は此処にあるのかも……。
これを受けてか『ヒーロー戦記』ではキャップとおやっさんは双子の兄弟という驚愕の設定になっている。姓が違うじゃねぇか!
『仮面ノリダー』に至っては同一人物とされている。
衝撃のカミングアウト(8:53~)

一峰大二氏の手掛けたコミカライズ版では、髭の生えた恰幅の良い男性として描かれ、外見はまったく異なる。
が、部下六名(一峰版ではムラマツ班はハヤタ、フジ、ホシノ少年以外に名称不明の男性三人で構成されている)を率いて怪獣に果敢に立ち向かい、
グリーンモンスに除草剤を投下する時、火災現場に取り残されたホシノ少年の救助、怪獣ウェットンへの特攻作戦などの危険な任務には、
部下ではなく自分が遂行しようとするなど、極めて責任感の強い、本編とはまた違った方向で頼れる隊長として描写されている。
まあ結果的に半ば強引にハヤタ隊員にその役目を奪われ、涙を流して見送るパターンにはなっているのだが、それはムラマツさんの責任ではないし。

『ウルトラマン』本編より40年後を舞台にした映像作品『ウルトラマン怪獣伝説 40年目の真実』では、
本編第8話「怪獣無法地帯」で既にハヤタ=ウルトラマンという事実に気付いていた事が示唆された一方、
TV版キャストの小林氏が既に他界していた為、作中でも故人として扱われ、遺影のみ飾られていた。

  • ハヤタ・シン(上段左)
演:黒部進
漢字表記は「早田進」。科学特捜隊養成学校を主席で卒業したエース*1にして初代ウルトラマンである。
幼い頃から宇宙が大好きで、高校卒業と同時に訓練所へ入所。その際の試験ではなんとトップの成績というから恐れ入る。
そのためパイロットとして腕利きで、ムラマツ班の中ではジェットビートルやヘリなどの操縦を行う事が多く、
漫画『ウルトラマン THE FIRST』では(バルタンの陰謀だったものの)宇宙ステーションへの転属を命じられるほど。
またキャップから隊を任される事もしばしばで、アラシ、イデに指示を出すなど実質的には副隊長であるようだ。
基本的に主人公が防衛チームの新人である事が多い『ウルトラシリーズ』では、結構珍しい設定である。
優秀な隊員である事は間違いないのだが、無謀な作戦に自ら志願したり、
自身の安否を気遣うフジ隊員に「そんな事はどうでも良い」と応じたり、自分を省みない面が目立つ。
結果的に怪獣の被害に単独で巻き込まれて窮地に陥り、ウルトラマンに変身していた。
姿くらまして変身するには都合が良いけど

インド支部からやってきたパティ隊員のエスコート権を賭けたくじ引きでインチキをして自分がその権利を得たり、
最早伝説となったベータカプセルと間違えてスプーンを掲げた事件や、怪獣墓場を見て今まで殺してきた怪獣達に詫びるなど、
要所要所で人間らしい一面も見せているが、これらがハヤタ本人の性格なのか、それともウルトラマンのものなのかは不明瞭。
実際、作中でもバルタン星人と会話する時は地球人のハヤタとして、
メフィラス星人相手には宇宙人のウルトラマンとしての立場で会話をしており、
敢えてどちらが主導権を握っているのかは明確にされていないのかもしれない。
その際メフィラス星人に「貴様は人間なのか、宇宙人なのか!」と聞かれた際には笑顔で「両方さ」と答えている。

一方、第一話ではヘッヘッヘッヘッヘとか笑ってごまかされたせいで何が起きるか分からずベータカプセルを点灯しており、
第二話ではバルタン星人の出現に際しても科特隊員としての立場のまま交渉に向かい、変身したのは自身の命が危険になったため。
続く第三話でも火力発電所を襲うネロンガに対して科特隊員としての責務を全うしており、自ずから変身しようとはしなかった。
しかしネロンガの電撃を浴びて昏倒したホシノ少年から、うわ言のように「ウルトラマン、ネロンガをやっつけておくれよ」と懇願された事で、
彼は意を決してウルトラマンへと変身し、以後は積極的に怪獣や宇宙人たちから無辜の人々を守るための戦いへ身を投じていくようになる。
この「彼」がハヤタ隊員なのかウルトラマンなのかはともかく、その戦う理由は明白なのだ。

金城哲夫氏の小説版ではその突飛な行動から「ノイローゼになったのではないか」と心配される事も多く、
ハヤタ自身、ウルトラマンである事に対しての葛藤から、ふてくされて「ウルトラマンになるもんか」と零す事もあった。
尤も、これは怪獣との戦闘時、現場にハヤタ隊員がいない事をマスコミがバッシングしたせいでもあるが……。

また、漫画『フジアキコ物語~ウルトラマン撮影秘話~』は「ウルトラマンの撮影をギャグ調に描く」という作品なのだが、
ここでのハヤタはエリート隊員らしくむやみに自信たっぷりで皮肉屋と、とても主人公とは思えない性格だったりする。
……しかし、視聴者からの本編でのハヤタの印象は案外こんな感じだったりするから困る。

実際に演者の黒部氏はウルトラマン後はサスペンスや時代劇での悪役を担当したことで知られ、そういった嫌味な演技をする役回りも多い。
余談ながら出演当時の黒部氏は撮影があまりにも多忙でほぼ本編を見たことがなく、長らく子供向け番組に出演した事を後悔していたそうだが、
後年になって改めて通しで本編を見る機会があり、その出来栄えに感心したことで、「ウルトラマン=ハヤタ隊員」であった事を受け入れたという。
また娘の吉本多香美氏も女優として活動しており、『ウルトラマンティガ』にレナ隊員として出演している。

ウルトラマン分離後は、合体中の記憶を失ってしまい、その後もおぼろげにしか思い出せずにいたが、
『ウルトラマン怪獣伝説 40年目の真実』では再度ウルトラマンから接触を受け、ベータカプセルを新たな若者に託す使命を担う。

TV本編ベースの『THE FIRST』では合体後の主導権は明白にハヤタ隊員にあり、能力を手探りで確かめながらの活動となった。
此方の作品ではベーターカプセル等の説明も受けているが、以後のウルトラマンはハヤタ隊員に命を与えたため一切表に出ては来ない。
そのためゾフィーによる蘇生分離後も記憶を失った様子は無く、むしろ明らかに残っている形で描写されていた。
前述通りパイロットとして腕利きで、アントラーの磁力光線で全滅必至の状況から、見事に危地を脱出して不時着に持ち込むなどの活躍を見せ、
また失敗を恐れる女性整備士ヒナタに対して「僕は開拓者だ。だから失敗しても当然さ。あくまで、負け惜しみだけどね」と笑って励ましている。
これらの活躍で漫画オリジナルの女性整備士ヒナタくんにがっつりフラグを立てた
本作の番外編では格闘ゲームが不得意な様子も見せており、というよりシステムを理解しないままゲージ技を即ぶっぱしまくったため、
ウルトラマンを操作しているにも拘らずペギラやナメゴンにボコボコにされてしまい、意気消沈する一幕もあった。

一峰大二氏のコミカライズ版の連載時最終話では怪獣ウェットンの体内に突入して自爆するという決死作戦を実行。
しかし自爆でも怪獣ウェットンは死なず、やむなく体内でウルトラマンに変身してウェットンをバラバラに引き裂く事に成功した。
だが「ハヤタ隊員としての死」を再び迎えてしまった事で、分離する事なくウルトラマンと共に地球を去って終幕を迎えている。
後年描かれた「さらばウルトラマン」では分離後のセリフは無いものの、笑顔でウルトラマンを見送っているので記憶を保持しているようだ。

また、『月刊ヒーローズ』連載の漫画『ULTRAMAN』では、
ウルトラマンが去ってから数十年後が舞台で、ハヤタの息子・早田進次郎を主役に新たな物語が展開されている。
こちらのハヤタは防衛大臣になっており、ウルトラマンと同化していた影響で超人的な身体能力を持ち、
その因子が息子にも受け継がれている…という設定。
ウルトラマンとしての記憶は失っていたが、宇宙人が二十数年ぶりに現れた事で記憶を取り戻す。
その後、突如出現した異星人・ベムラーを相手にウルトラマンを模したパワードスーツで立ち向かっている。
なお、アニメ版では田中秀幸氏が声を担当している

その他『ウルトラマンゼアス』に警備員役(本作は科特隊ムラマツ班が全員客演している)として出演した際には、
ペンライトを高々と掲げて点灯する、暴れ回るシャドーを前に「もっと若かったらこんな奴に負けないんだがな」とスプーンを手に悔しがるなど、
あからさまにハヤタ隊員を思わせる行動を取っていた。科特隊退職後の再就職なんだろうか?

一方、小林泰三の小説『ウルトラマンF』では記憶を失ったままだったので「自分は本当にヒーローだったのか?」という疑問を抱えており、
ウルトラマンの痕跡を探る人体実験に自らの意志で参加したり、強大な敵に単身挑もうとするなど無謀な行動が目立った。
一応ラストシーンでは再びウルトラマンと一体化し、記憶も取り戻したようである。

  • アラシ・ダイスケ(上段右)
演:石井伊吉(現・毒蝮三太夫)
漢字表記は「嵐大助」。科学特捜隊日本支部の武闘派。
ハヤタの一年先輩であるが、訓練過程で一度落第し、結果的にハヤタの同期になったという経歴の持ち主。
隊随一の射撃の名手であり、また格闘技にも長け、人間大のグリーンモンスを投げ飛ばした事がある。
スパイダーショットなど大火力の武器を操るのは、もっぱらアラシの役目であった。
血気盛んな熱血漢であり、切り込み隊長として真っ先に突っ込む事が多く、
その為にバルタン星人に乗っ取られるなどの危険な目に遭っていた。
イデと仲が良く、コンビを組んで行動する事が多い。

一峰大二氏のコミカライズでも登場していると思われるのだが、前述通りキャップ、ハヤタ以外の男性隊員は3名いる上、
彼らの名前が呼ばれないため、そのうちの誰なのかはわからない。七人目の科特隊員……いったい何者なんだ……?

『ウルトラマンゼアス』客演時には、TV局サイエンス・スクープ・システムのレポーターとして登場。
やたら毒舌で、本作防衛チームMydoの戦闘機スカイフィッシュを「品の無ぇ色だな」と糞味噌にけなした。
さらに「アラシ」と自ら名乗っており、ついでにサイエンス・スクープ・システムのロゴは科特隊同様の流星マーク。
やっぱり科特隊退職後の再就職先なのでは……?

  • イデ・ミツヒロ(下段右)
演:二瓶正也
漢字表記は「井手光弘」。科学特捜隊の開発担当。
バッジ型通信機、スパイダーショットを始めとする殆どの装備は彼の発明したものであり、
公式に理論上スペシウム光線と同等の威力と言及され、第16話ではバルタン星人の分身体相手に無双した「マルス133」
拳銃サイズのスーパーガンの先端にポン付けするだけで怪獣を文字通り消滅させる程の弾幕を叩き込める「スパーク8」など、
洒落にならない超兵器も幾つか実用化してみせている天才。技術チートキャラ名物「こんな事もあろうかと」の始祖とも言われている
宇宙語にも(「君の宇宙語は分かりにくい」と言われたが)堪能で、万能翻訳機パンスペースインタープリターを開発。
これらの装備の多くは、後の防衛チームの装備の基盤となっており、その活躍を支え続けてきた。
その洞察力についても極めて鋭く、第三話で初めてハヤタが自主的にウルトラマンに変身した際には、
戻ってきた彼の姿を見て「何かおかしいぞあいつ」と異変に勘付いたような素振りを見せている。
明るくひょうきんな性格から隊全体のムードメーカーとしての役割も担っていた一方で、
ナイーブな面もあり、危険な作戦を前にしり込みしたり、自分のせいで作戦が失敗した際には脱隊を考えたり、
また事情を知った後はジャミラとの戦闘を拒むなど、極めて人間的なキャラクターとしてファンから愛されている。
長年に亘るテーマである「ウルトラマンがいるなら自分達はいらないのではないか」という事を、
最初に悩み、苦しみ、そしてそれに対する回答を提示した人物でもある。

一峰大二版での活躍はアラシ隊員と同様であり、誰なのか判別がつかない。
楳図かずお氏の漫画版ではTV版以上にムードメーカー……もといギャグ要員扱いであり、
ハヤタやフジが多少劇画調に描かれているのに対し、彼のみ明らかなギャグキャラ顔に描かれている。
扱いの例を挙げると、ウルトラマンとハヤタの両方が腕に傷を負っていた事で、彼の正体に勘付くも、
ウルトラマンが怪我していたのは右手だったか左手だったか忘れてしまっていたとか。

映画『甦れ!ウルトラマン』ではゼットンを倒したのが彼の新兵器となっており、
TVとは逆に「自分達は強くなったからウルトラマンはいらないのではないか」という構図になっている。
最終的にはウルトラマン用のスタミナ剤を作りそれを打ち込む事でウルトラマンのピンチを救い、
これによってウルトラマンはスランプから脱している。
劇中では正確に宇宙人襲来を予知しており(他に予知できたのはウルトラマン=ハヤタだけ)、
この事からハヤタが「実は彼も宇宙人なのではないか」と考えていたようだが、真相は不明。

漫画『ウルトラマン THE FIRST』ではジャミラ戦で嬉々として倒した怪獣が地球人だったという現実に絶望し、
「宇宙人が攻撃したとしてもそれに耐えきれば宇宙人も侵略に来ない」という考えに取りつかれ、
フジ隊員に憑依したバルタン星人の策略でスペシウム光線をも跳ね返すスペルゲン反射鏡を開発、
見事に持ち逃げされてウルトラマンを窮地に追いやった。
ただし、その際にバルタン星人が用意したスぺシウムのデータを利用してペンシル爆弾を開発し、逆転の一助ともなっている。

漫画『ULTRAMAN』では科学技術研究所の所長になっている。
また、こちらではハヤタがウルトラマンだった事に気付いていたとされている。

『ウルトラマンF』ではウルトラマンが去った地球を侵略者から守る為に様々な新兵器を開発していた。
その一方、地球防衛という名目で非人道的な実験を行う国連の科学者と対立し、仲間たちを守る為に残酷な決断を迫られるなど、
事実上の主人公というべき扱いを受けている。

  • フジ・アキコ(下段中)
演:桜井浩子
漢字表記は「藤明子」。科学特捜隊の通信官にして紅一点。
基地待機を命じられる事は多いが、率先して現場に向かったり、密かにハヤタのヘリに乗り込んだりと行動派。
女の子扱いされる事に対しての反感はあるようだが、料理をしたり着物を着たり、女性らしさに溢れている。
初代ウルトラヒロインではあるが、明確な恋愛描写は皆無で、ハヤタの身を案じる事が多かった程度。
何故か宇宙人に狙われる事が多く、一度メフィラス星人巨大化させられた事も。*2
その為おっきな女の子が好きな人界隈ではある種伝説の女神的扱いされてたり

一峰大二版コミカライズではレギュラーキャラクターとして登場。
とはいえ扱いとしてはネームド隊員といった感じで、ほぼ本編準拠である。

後年の漫画『ウルトラマン THE FIRST』では補正ががっつりかかって完全にハヤタとイイ感じのヒロインである。
同作では序盤にバルタン星人に憑依され、暫く鳴りを潜めていたものの、終盤から打倒ウルトラマンのために暗躍する。
挙句の果てにハヤタを庇って死亡してしまう。な、なんだこの扱い……。
ちなみに兄さんが持ってきた二つの命の内の一つを使う事でハヤタ共々無事蘇生した。
お陰でウルトラマンは死体のまま光の国に帰る事になったが
また、番外編に彼女の休日を題材にした短編エピソードが存在しており、
漫画オリジナルのハヤタに好意を寄せる女性整備士ヒナタと15時間ぶっ通しで格闘ゲームで対戦するという、
廃人クラスの格闘ゲーマーとしての姿を見せた。なお操作キャラはバルタン星人であった。バルタン星人が格ゲーマーだったわけじゃないと思う

『ウルトラマンF』では、メフィラス星人に操られた際の巨大化用ナノマシンが体内に残っていた為、
巨大化した状態でイデ隊員の開発した「ウルトラアーマーF」を装備し、「巨人兵士F」として侵略者に立ち向かう事になった。
更に闇の巨人との戦いの末に暗黒破壊神ダークザギの力を吸収、最強の戦士「ウルトラマンF」として覚醒する。

  • ホシノ・イサム(画像無し)
演:津沢彰秀
漢字表記は「星野勇」。科特隊日本支部に出入りしている11歳の少年。
理由については特に説明されていないが、後に科学特捜隊養成所に入所したとの事なので、その前の実習か何かであろう。
流石に危険な任務にはついて行かせてもらえないものの、こっそり機体に忍び込んでいたりと行動力抜群。
また能力も申し分なく、窮地に陥ったハヤタを助け、ビートルを緊急発進させ、ネロンガを狙撃するなどの活躍を見せた。
これらの功績によって本編中で準隊員として認められ、科学特捜隊の制服をプレゼントされているのだが、
実はシリーズに出てくるレギュラーの少年の中で、防衛チームのメンバーとなった唯一の人物である。
ちなみに本編中で「ホシノくん」「イサム」くんと呼ばれているため、一人だけフルネームが最初期から判明していた。

ただ演者である津沢彰秀氏が骨折した為に降板。25話を最後に登場しなくなってしまう。
氏も声変わりに苦労しながら熱演をしており、中学進学を機に芸能界を引退してしまったが、ウルトラマンへの思い入れは強く、
2003年になって開かれた対談では「(ウルトラマンへの出演は)ものすごい財産。一番の財産ですよ」と語っていた。

前述通り、設定上は科特隊養成所で将来の科特隊員として勉強と訓練に励んでいるため、
ムラマツ班での経験が、ホシノ少年の人生にとっても極めて大きいものだった事は想像に難くない。

一峰大二版コミカライズでは、ムラマツ、ハヤタ、フジに続くレギュラーキャラクターとして登場。
後半からは科特隊員に昇格し、以後最終回まで正規メンバーとして活躍。
爆発四散したウェットンから飛び立つウルトラマンを見送りながら、
「ハヤタさんがウルトラマンだっったら良いのに。それならハヤタさんは絶対に死なないのに……」と涙に暮れた。
一方、後年描き下ろされた『さらばウルトラマン』では、ハヤタ隊員、フジ隊員と共にウルトラマンを見送り、
ウルトラマンとの別れを惜しむフジ隊員の手を引いて「きっとまた会えるよ」と励ましている。

シリーズの脚本家である金城哲夫による筆の『小説 ウルトラマン』によると、極東支部だけでも100人以上の隊員がいるとされている。
また実相寺昭雄監督の小説『ウルトラマン VOL.1 ゴールドラッシュ作戦』によると、
宇宙人・怪獣はそれぞれの捜査資料に付せられた分類番号で呼ばれるべきなのだが(例えばバルタン星人はC-101)、
適当な名前がないとプレス発表時等に不便という事で、資料部長・金下哲也が特徴などを取って即座に命名する習わしがあり、
発見されたばかりのはずの怪獣が何時の間にか名前で呼ばれているのはこの為だそうである。
この他、極東支部を立ち上げた中心人物には『ウルトラQ』に登場した一ノ谷博士がおり、
第31話におけるムラマツキャップの台詞から、ウルトラマンが地球に来る以前より、
少なくとも20年以上は独力で怪獣達と戦っていた事などが判明している。
1992年には当時の活躍を描いた(つまりウルトラマンが登場しない)公式ゲーム『ウルトラ作戦 科特隊出撃せよ』も作られた。
マイナー作品だが
科学特捜隊 日本支部誕生

本来は戦闘よりも調査に重点を置いた組織として描かれており、後年の作品に比べて武装も少ない。
怪獣退治に使われる新装備の多くも、その殆どはイデが発明開発した品である為、
隊員全員に支給されているのはスーパーガン、ヘルメット、通信バッチ程度という極めて軽装備である。
車両なども同様で、通信機が搭載されている専用車(円谷一監督の愛車にステッカーを貼っただけ)の他、
ジェットビートル、小型ビートル、特殊潜航艇S-16、宇宙タンクSL-77と、やはり戦闘力はそう高くない。
なお、地底戦車ベルシダーはイデが開発したものなので、当初科特隊に地底装備はなかったものと思われる。
ジェットビートルは他の防衛チームの機体に比べて頑強ではあったものの、攻撃力には乏しく、
怪獣迎撃の際には防衛軍と協力して行う事が多かった。

民間や警察から通報→科特隊が調査→怪獣出現→調査を元に科特隊が作戦立案→防衛軍と協力して迎撃、という流れが基本のようだ。

しかしそれでも怪獣相手に奮戦し、ケムラージェロニモン、そしてゼットンなど、
科特隊の活躍がなければ解決しなかった怪獣や宇宙人との交戦も決して少なくない。
上記のゲームを抜きにしても、アントラーマグラーミイラ人間ペスター、等身大のバルタン星人群、バニラ、ケムラー、ギガス
ゴルドン(1体目)、ザラガス、再生テレスドン、再生ドラコ、ジェロニモン、サイゴゼットン星人、ゼットンを撃破している。
※厳密にはペスター、バニラ、ザラガスは致命傷を与えて撃退したものの止めを刺してはいない。
ZATを抜いて、ダントツで防衛チーム単独での最多怪獣撃破記録を保持している。

ちなみに『ウルトラマンパワード』に登場する防衛チームWINRは、
同作がウルトラマンのリメイクに近い作風という事もあって科特隊の面々をもとにしつつ、
性別やポジションが入れ替わっていたりアレンジが加えられているという特徴がある。
例えばハヤタ隊員に相当するカイはポジションが分析官(フジ隊員)となっており、戦闘機に乗る事はほぼ無く、
彼に変わってフジ隊員に相当するヤングが女性ながらにエースパイロットとして各種戦闘機を操縦している。
さらにイデ隊員に相当するサンダースは射撃の名手(アラシ隊員)で、科学担当はテレサ・ベックという女性学者になっている他、
隊長であるエドランドはムラマツキャップ同様の慎重派ながら、アラシ隊員に近い性格付けがなされている。
そんなWINRもオリジナルの科特隊の面々とは一味違う、けれど変わらぬ巧みな連携を見せてくれる。

(以上、Wikipediaより一部抜粋・改変)

ゲーム版『ウルトラマン』(AC版・SFC版含む)ではウルトラマンがゼットンに強制敗北するデモが発生した後、
科特隊隊員が無重力弾をゼットンへ照準を合わせて打ち込む事になる。
制限時間30秒内に1発でも命中するとエンディングだが、命中せず弾数がなくなるとゲームオーバーになってしまう。
なお、無重力弾の弾数はSFC版ではウルトラマンの残機数+1、AC版では残機に関係なく2発。
…が、このミニゲーム。開始前に試し撃ちができる仕様が仇となり、
ゼットンに合わせて試し撃ち⇒着弾前にスタートボタンで開始⇒命中というプロセスで1発も使わずに決着を付けられる。
ただし9発しかない 仕損じるんじゃないぞ!!(16:14~)

+ 『シン・ウルトラマン』では

「班長、集落に子供がいます。速やかに自分が保護します」

「覇権国家はあれこれと大変だな」

「人類がこれまで積み重ねてきた英知は外星人から見れば取るに足らない常識の一つ…」

「絶望はムダに人の心を貶める、希望を持っていた方が気分がいいわよ」

「ならばその案は却下だ、人類のためとは言え君を犠牲にはできない!」

「…いってらっしゃい」

2022年公開の映画『シン・ウルトラマン』では「禍威獣特設対策室専従班」、略称「禍特対」として登場。
こちらも英称は「S-class Species Suppression Protocol」、略称「SSSP」となっており、
所属者はメンバーの証として流星マークを象ったピンバッジと「SSSP」の文字をあしらったオレンジ色の腕章を身に着けている。
この手のリブート映画には珍しく、構成員は原典の科特隊メンバーの名前を受け継いでおらず、
『シン』独自のキャラとして成立している一方で、いずれも原典の科特隊メンバーを彷彿とさせるキャラ付けがされており、
原典の予備知識が無くても問題なく視聴しやすい一方で、予備知識がある視聴者はオマージュ元を見出して楽しめるように絶妙に演出されている。
なお、メンバーの名前は庵野氏の配偶者である安野モヨコ女史の漫画『働きマン』のキャラから取られているという説が有力である。

本作では日本に突如出現するようになった禍威獣(本作における怪獣の通称。当初は「巨大不明生物」という呼称も用いられていた)への対策を行うため、
飛翔禍威獣ラルゲユウスの出現・逃走後に新設された日本政府の組織とされている。
メンバーは文科省や警察・公安といった省庁からの出向、および民間の科学者で占められており、
劇中では霞が関の独立愚連隊を自称している者もいるがその実力は間違いなく地球人類の中でも最高峰。
あくまで日本の省庁に属する一機関であるためか防衛チームのような固有の戦力や特殊な装備は保有していないが、
科学的なアプローチや自衛隊との連携により、ウルトラマン出現前にカイゲルパゴスを駆除する功績を上げている。
禍特対PV

世界各地に支部があり外国から来た怪獣外国の行方不明者の情報を海外支部から得ることも多いが、
ケロニアの回ではボリビア支部が音信不通という大被害が語られている。


MUGENにおける科学特捜隊

「SSSP」名義で、鋼鉄隊†定春氏が製作した科学特捜隊が存在する。
公開先であったニコロダの閉鎖で一時期入手不可であったが、2013年9月よりカーベィ氏によって代理公開されている。

原作最終話でゼットンを倒した無重力弾を、照準を合わせて打ち込むキャラとなっている。
公開初期の仕様では、無重力弾を当てた相手は一発KO、弾切れを起こしてもリロードでき、
加えて敵の攻撃は一切当たらない完全無敵の論外キャラであったが、
今後の更新で時間経過による自動KOを搭載すると予告されていた。
現在の所は10回リロードによる自動KOという仕様に落ち着いている。
2010年5月23日の更新で、スーパーガンへの切り替えが可能となった。
2014年2月9日に小ポトレが追加された。

そして同じく鋼鉄隊†定春氏による「アクション仕様科学特捜隊」もカーベィ氏によって代理公開中。
ドラえもんの改変キャラらしく、ちびキャラである。
尤も怪獣キャラとの対比によって小さいのであり、怪獣キャラが相手だとサイズはちょうどよく見える。
技には「スーパーガン」「マルス133」「ベルシダー」「スパーク8」「ニードルS80」など強力なものばかりである。

また、科特隊の武装の一つ「地底戦車ベルシダー」、「ジェットビートル」も同じく鋼鉄隊†定春氏によって製作されている。
これらも上記のアクション仕様科特隊同様、カーベィ氏によって代理公開中。

出場大会

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出演ストーリー

科学特捜隊と奇妙な生徒達(今の所非戦闘)


*1
雑誌の記事によると、訓練学校1年目の基本教育はオール5で50種類ものスポーツを軽くこなし、
2年目の怪獣教育では怪獣退治の基本として世界中の動物、植物の性質を覚え、さらに少量の燃料で月と地球を往復した。
さらにさらに3年目は暗闇の鉄の部屋に朝食だけで1ヶ月すごした。
さらにさらにさらに、24時間ジェットコースターに乗り続けるという離れ業をやってのけた。
こんな拷問紛いの訓練をこなしてる辺り既に人間止めてるような気がする……。
こんな超人的な精鋭をビートルが衝突しただけで喪ったのは本当に重大な損失になる所だった

*2
余談だが、フジ隊員役の桜井浩子女史は、前作『ウルトラQ』でも江戸川由利子役で出演しているが、
同作の第17話「1/8計画」にて、『ウルトラマン』とは逆に縮小されて「1/8人間」になってしまっている(夢オチだったが)。
小さくなったり大きくなったり、桜井女史も大変である。


最終更新:2023年08月04日 09:16