スコープドッグ


「たとえ神にだって、俺は従わない」

  • スコープドッグ
    • 全高(降着時):3804mm(2208mm)
    • 乾燥重量:6387kg
    • 装甲厚:6~14mm
    • 巡航走行速度:41.0km/h
    • 限界走行速度:82.6km/h
    • 最大出力:230馬力
    • 最大トルク:51kg/m
(1/20 スコープドッグ パッケージより引用)
  • レッドショルダーカスタム
    • 全高(降着時):4210mm(2501mm)
    • 乾燥重量:6892kg
    • 装甲厚:6~14mm
    • 巡航走行速度:52km/h
    • 限界走行速度:83km/h
    • 最大出力:245馬力
    • 最大トルク:58kg/m
(1/20 スコープドッグ レッドショルダーカスタム パッケージより引用)

むせる テレビアニメ『装甲騎兵ボトムズ』に登場する人型ロボット兵器「アーマードトルーパー(以下AT)」。形式番号ATM-09-ST。
本作の主人公キリコ・キュービィー(詳しくは後述。間違ってもメイド忍者魔界の蜂僕と契約してryではない)が
最も乗り慣れている機体で、大半の派生作品でカスタム機や派生機が登場する等、作品の顔とも呼べる機体。
誰が言ったか、ファンからの通称は「スコタコ」。由来は「顔がタコに似てるから」とも言われている。
「スコープドッグターボカスタム」の略称と言う説もあるが、それだと数台しかない改造機のみを指す事になる。
更に言うとターボカスタムはTV版本編には出ておらず(TV版に登場したのは「レッドショルダーカスタム」)、初出は後発のOVAである。

百年戦争末期にギルガメス軍にて制式採用されたATで、アタッチメントや追加装備で高い汎用性を発揮できる傑作機。
あまりにコストパフォーマンスが高い為、より高性能な後継機が出てきた数十年後も一線の主力として使用されているほど。
ただし、生産性や汎用性は高いが、コストダウンのために装甲は極限まで減らされ
機体そのものに生命維持装置や脱出装置は装備されておらず、人工筋肉「マッスルシリンダー」の動力源として、
全身を循環する「ポリマーリンゲル液」の発火性が高い為、パイロットの死亡率は極めて高い
(流石に人命軽視でもここだけは自重したらしく、機体には対ポリマーリンゲル用の消火装置が装備されている。
 戦場で使う余裕があるかは別だが、『ペールゼン・ファイルズ』第5話で整備中に液がかかってしまったキリコがこれで助かっている)。
予告で「故国を守る誇りを厚い装甲に包んだAT」などと言われたのも今は昔
タイトルの「ボトムズ(VOTTOMS)」とはATという兵器の劣悪さを扱き下ろすスラングであり(bottom=底、転じて"最底辺")、
そのATを駆るパイロット達も「最低野郎ども」と呼ばれる事がある
(良くも悪くも操縦が簡単なため、戦争の長期化に伴い正規軍でさえその辺の食い詰め者をパイロットにしている事が多い)。
「作品名に主人公機どころか劇中のメカの名前でさえない固有名詞が使われる」というのも、当時としては非常に稀有である
(ただし「装甲騎兵」はそのまま「アーマードトルーパー」の日本語訳だが)。
なお頭文字が「B」ではなく「V」なのは
軍としては「BOTTOMS=最低野郎ども」なんて呼び名は好ましくないので、
V ertical O ne-man T ank for O ffence & M aneuver- S (攻撃と機動の為の一人乗り直立戦車)」を略して「VOTOMS」だと主張しているからだとか。
別銀河の話なのに英語前提の略称?気にするな!
メタ的にはサンライズが「BOTTOMS」の商標を取れなかったからという話。
「BOTTOMS(ボトム)」にはズボンやスカート等「下半身用の服」と言う意味もあるので、服飾産業から異議申し立てがあったのかもしれない
(後のVガンダムV2ガンダムの下半身パーツも「ボトムリム(Bottom Limb:下肢)」と言う名前である)。

特別なワンオフ機という訳でなく完全な量産機であり、しかも躊躇なく使い潰して乗り捨てられるような機体が、
ロボット物の主人公機として登場した事は、放送当時としては非常に画期的であった*1
人型二足歩行の搭乗式ロボットという括り以外は兵器としてのリアルさを徹底的に追求し、
それらに乗り戦場を駆ける無骨で泥臭い男達の物語を描いた本作は、リアルロボット系作品の一つの終着点として高く評価されている。
なお、「リアルロボット」という言葉はこのボトムズや同監督による『太陽の牙ダグラム』が発祥だと言われている
(『ガンダム』など現在リアルロボットの代表格と言われる作品の放映当時、まだこの言葉は存在しなかった)。
全高4m前後と当時としては異例なほどに小型の機体は、前作『ダグラム』の反省を受けてスピード感のあるアクションを実現。
派手な戦闘で手足が破損してもパイロットに直接ダメージがいかないギリギリのラインを目指しており、
機体の随所にもアクション性や兵器らしさの演出のための様々な工夫が凝らされている。
特に動作後に排莢するギミック、独特の疾走感を演出するローラーダッシュなどは、後年のロボット作品に大きな影響を与えた。
なぜかそれらしいものが両方登場している魔法少女アニメもあるが

基本的に使い捨て前提の機体であり、キリコも使えなくなった機体は容赦なく捨てている。
またその機構の単純さから、作中では有り合わせのジャンクパーツで組み上げられた事も。
設定によって多少のバラつきはあるが、概ね日本円で数万~数十万円、安価な中古車程度の価格である。
ここまで安いとウド編の治安部隊がキリコと戦う際にバイクや装甲車を使っていた理由が不明だが。いくら装甲が薄いとは言えバイクよりは丈夫だろうに
ただし「ポリマーリンゲル液」の配合は軍機である為、民間に出回っているものは品質が悪く、
結果的に民間ATならカタログスペックの5割も出れば上等とされている。
なおベテラン整備員ともなると舐めれば質が分かるとか。体に悪そうだが…
現実世界でも自動車等の冷却液(エチレングリコール)とかは毒物でありながらも舐めると甘い。
 そのためかソ連等ではウォッカ代わりに飲んで大変な事になった人が続出したらしく、現在は誤飲防止のために苦味などが付いている。
 日本の戦中派による「爆弾を食べた事がある」と言う笑い話も、主成分であるニトログリセリンが甘いからである(毒性は低い))。

固定武装は両腕に内蔵された「アームパンチ」(カートリッジ式の炸薬で腕を高速伸縮させて殴りつける格闘用装備)のみ。
手持ち武器としては、30mm弾を120発装填可能な機関砲「ヘヴィマシンガン」、
ジャングル等で使用するために銃身とストックを切り詰めた「ヘヴィマシンガン改」、
特殊部隊用に火力よりも静粛性や軽量化を重視したハンドガン「ペンタトルーパー」、
バズーカ型のレールガンである「ソリッドシューター」、対艦用の大型ビーム砲「ロッグガン」、
手持ち式の連装ロケットランチャーや連装ミサイルランチャーなどを携行する。
背部にミッションパックを装備すれば、9連装ロケット砲や小型ガトリングガンなどを背部や腕部、腰部に追加装備する事も可能。
旋回用のターンピックを腕部に装着する事で「パイルバンカー」として使用する事もできる
(ただし、それ専用の長いターンピックを装備している場合に限られる)。
またラウンドムーバーと呼ばれるブースターを装備すれば、宇宙空間での戦闘も可能である。
脚部にジェット噴射機構を搭載して操作性と引き換えに高速機動能力を得た「ターボカスタム」や、
不整地用のソリと折り畳み式の長距離砲「ドロッパーズフォールディングガン」を追加した「バーグラリードッグ」など、
追加装備により更に機体性能を拡張する事も出来る。

良く誤解されるが、スコープドッグ自体の性能は決して低くない。
戦車や戦闘ヘリより弱いのは事実だが(ただしATより強い戦車や戦闘ヘリの存在は後付け設定)。
『ボトムズ』の舞台となるアストラギウス銀河は、銀河系全域での戦争が可能なほどの文明を保持しており、
単純に破壊力だけをぶつける戦争を行えば、惑星の1つや2つ簡単に吹き飛ばせる兵器が多数存在する。
事実、ギルガメス側の首都星は過去に数度破壊されており、現在は惑星メルキアへと遷都されている。
つまり技術レベルでいえば太陽系から出る事が出来ない宇宙世紀とは比べ物にならないのだ。

しかしあくまで資源を巡る戦争である以上、敵を惑星ごと破壊しては意味が無い。
そこで地上を制圧する為の兵器──機動性と生産性を再優先して装甲の薄い、ATが開発されたのだ。
ATはあくまでも「歩兵」の延長線上であり、兵器としてはパワードスーツの一種に近い。
戦車」的な扱いをされる他のリアルロボットに対して、兵科そのものが違うのである。
その為、スコープドッグが弱いというのは、まったくもって不当な評価に他ならない。
+ 実際に比べてみた

加えて前述の通り、スコープドッグの価格は中古車程度と設定されている。
他のリアルロボットが戦車、戦闘機扱いである以上、その価格は10億から100億円とかなりの高額と見て良い。
現実に存在するリアルロボット「クラタス」でさえ、価格は1億円である。
つまり単純な値段計算で言えばガンダム1機に数百機のATが蟻の様に群がって倒しても一切損は無い(むしろ得)のだ。
そしてスコープドッグの機動力と旋回力は、それを可能にするだけのスペックを十分に持っている。
…まあ、ボトムズ乗り達は捨て駒前提だが。
え?空中からツインバスターライフルをぶっぱされたり、サテライトキャノンの雨嵐が来たりしたらどうするかって?諦めろ

加えてスコープドッグではコスト削減の為に生命維持装置をオミットされ装甲も薄くなったものの、
原型機のスペンディングウルフはコスト度外視で生命維持装置を完備。
+3mm程度ではあるが装甲が厚くて構造強度自体も高く、挙句の果てに「ポリマーリンゲル液」の燃焼・爆発を防止するシステムまで備えていたため、
驚異的な継戦力と生存率を誇り、作戦成功率とパイロットの評判も極めて高いと言う非の打ち所のない傑作兵器であった。
「スペルディングウルフ=ガンダム」「スコープドッグ=ジム」と考えれば判りやすい(そして主人公もジム乗り)。
コストパフォーマンスの悪さに目をつむってこっちを量産していればメルキアはもっと楽に戦えた事だろう。まぁこれには裏があるのだが…(後述)。

ただし外伝作品『青の騎士ベルゼルガ物語』では、両勢力の技術者が全てを注ぎ込んだ作ったベルゼルガ・テスタロッサという、
スーパーロボットもかくやという領域に到達する機体がいる。
その性能たるや、機動力はスロットルを全開にする前にパイロットが加速Gで圧死するほどで、
パイルバンカー一発で大地を砕き、この作品オリジナルの全てのATの始祖にして神に等しい機体レグジオネータ
(こちらには装甲厚が全AT中最高、最高速度に至ってはブッチギリの最速故に測定不可能)と激闘を繰り広げる、
パイルバンカーに関しては古代遺産から無限の動力を引き出しているものの、機体性能に関しては純粋な技術のみ。
ATに限らず、その他のリアルロボットと比較してもコレほどのスペックの機体は殆ど存在しないだろう。
例外といえば前述のレグジオネータぐらいである。
尤も、この機体が登場した『青の騎士』の最終巻『絶叫の騎士』は、執筆者がやり過ぎた為にどこまで公式かで議論が続いているのだが。
ちなみに、テスタロッサもレグジオネータもジェネレータを搭載しているため、マッスルシリンダーに頼らないで稼働できる
(一応テスタロッサの方は補助用という申し訳程度の理由で積んでいるが)。

+ 搭乗者「キリコ・キュービィー」について

(俺の運命を狂わせた、あの忌々しい戦争は、その日終結した。
 だが、それは何の意味もない。
 あれを見た時から…俺自身の戦いが始まっていたのだ。果てのない戦いが……)

「クソ真面目な男」を自称する寡黙な18歳の曹長。小惑星リドで味方の基地を襲撃するという不可解な作戦に参加する中、
「素体」と呼ばれる全裸の女性が入ったカプセルを目撃し、それを切っ掛けに軍を追われる。
逃亡先のスラム街ウドにて素体=ファンタムレディーと再会。彼女に「フィオナフィアナ」と名付けて、惹かれ合う関係になったキリコだが、
軍の最高機密「パーフェクトソルジャー」であった彼女を巡り、各地を渡り歩きながら戦いを繰り返す。
その過程でキリコは、ギルガメス軍の陰で暗躍する「秘密結社」や自身の出生に纏わる秘密を解き明かしていく。

当初は普通の青年だと思われていたキリコだが、物語が進むにつれて吸血部隊「レッドショルダー」の元隊員であった過去、
かつて、アストラギウス銀河の支配を企んだ、優れた能力を有する突然変異種「異能者」としての血筋や、
遺伝確立250億分の1で誕生する不死の生命体「異能生存体」である事が明かされ、
ギルガメス、バララントの二大国家から「神の後継者」「触れ得ざる者」として注目を集める事になる。

しかし、キリコの求めるものはフィアナと自らの運命を歪めた「神なる存在」に対する復讐と、
フィアナと共に誰にも干渉されず、穏やかに生活するというささやかな望みだけだった。

敢えて問うなら答えもしよう

望むる事はささやかなりし

この腕に掻き抱けるだけの夢でいい

この胸に収まるだけの真実でいい

たとえて言うなら、その名は(フィアナ)

(フィアナ)こそ、我が命

(フィアナ)こそ、我が宿命(さだめ)

                ──OVAシリーズ『赫奕たる異端』最終回予告より

余談ながら、この一文に限らずボトムズの次回予告は銀河万丈氏の熱演もあって
まさに声に出して読んでみたい名文揃いなので、機会があればぜひ触れてみて欲しい。
「キリコが飲むウドのコーヒーは苦い」という耳に残る一文からは、その味をイメージしたコラボ缶コーヒー(ブラック極微糖)が作られた他、
『ペールゼン・ファイルズ』の「分隊は兄弟、分隊は家族──嘘を言うなっ!「お前も!お前も!お前も!俺の為に死ね!」
あたりは、そのインパクトからあちこちでネタにされた為、恐らくどこかしらで耳や目にした事があるだろう。

+ 異能生存体について
レッドショルダー部隊創立者、ヨラン・ペールゼンが提唱する「どんな事態に遭遇しても、何をしても死なない」生命体。
並みの人間を超越した戦闘技能や判断力、重傷を負っても数日で回復するほどの肉体治癒能力に加え、
周囲の人間の思考や行動、自らの置かれた環境すらも改変して生存する事が特徴。
物理的・生物学的に不死となる能力ではなく、並外れた幸運や奇跡によって致命傷を回避する能力と言える。
ぶっちゃけて言うと主人公補正、或いはご都合主義を公式設定として明文化した存在である。

例えば目の前で銃を発砲された場合、銃弾が物理的に考えられない方向に逸れてキリコに着弾せず
(場合によっては逸れた銃弾が兆弾し、発砲した敵自身に直撃する事もある)、
銃を身体に押し付けて発砲された場合は、銃が暴発を起こして銃弾自体が発射されない。
発火性が高いはずのATすら、キリコが乗っている機体だけは何十発砲弾を撃ち込まれても爆発しない事もあった。
キリコを殺そうと後ろから羽交い締めにしていたATは爆発したのにである。
キリコを絶体絶命の危機に追い詰めた人物が、心境の変化や状況の急変によってトドメを躊躇う事態も、異能の発現とされている。
また、逆にキリコの絶体絶命の危機で攻撃として発現した際は、キリコが生身の状態で誤射した銃弾がたまたま跳弾して、
その銃弾がたまたま敵ATの損壊していた装甲の隙間に入り込み、敵パイロットの急所に直撃する

上空からの攻撃によってたまたま放棄されていたヘヴィマシンガンがずり落ちて宙を飛び、回転しながらキリコの手元へと飛び込んでくる
などなど、現実では到底有り得ない現象が幾度と無く起きた。

OVA『孤影再び』では、自身の危険を顧みない無謀な突撃を試みる事で、異能を発現させて250機の敵AT部隊を殲滅し、
OVA『幻影篇』では、AT同士の戦いでは勝てなかったネクスタント搭乗ATを相手に、生身の状態で銃撃戦を繰り広げて勝利している。*2
このように、TV版以降の作品ではキリコ自身が自覚して異能生存体の能力を発動させている場面も見受けられる。

ただし、一見は万能でチートに近い能力に思えるが、回避出来るのは致命傷となり得る攻撃に限られており、
致命的な急所以外に攻撃を受ければ負傷するし、負傷による苦痛からは逃れられない。
また、異能生存体の周囲では戦乱や天変地異が多発し、時には惑星一つが消滅する大惨事が起こる事もあるが、
それらの惨事も異能生存体が自らを生存させる為に、無意識に発生させている事態である可能性が高い。
そして、この能力故に異能生存体は自らの生存の為に親しい人間を次々と失っていき、その後を追う事すら許されない。
異能生存体といえど精神構造は常人と差がない為、あまりの苦痛から過去の記憶を喪失したり、追い詰められて精神を病んだりする描写もあった。
外部作品とは言え、これを撥ね飛ばしたZEXISとコネクト・フォースはマジ偉大
ただし、異能生存体にとって有害な存在に対する自動迎撃機能も備えているのか、異能生存体を敵に回した者は確実に死んだり身の破滅に遭ったりする。
実際、キリコ当人の与り知らぬ所も含めて敵に回った者はある一名を除いて全滅。唯一の例外もコンスタントに酷い目に遭っている。
また、良く勘違いされるが異能生存体はあくまで「死なない」だけであり、「負けない」訳ではない。
その為、死にこそしないが戦闘自体は負ける事も多い。まぁ、キリコを敵に回す事自体が死亡フラグだから、その後の結末はお察し下さい

なお、これらの設定はキリコの不死身っぷりが元レッドショルダーとしての技量や、異能者としての能力では説明しきれなかった為、
OVA『野望のルーツ』以降に設定されたものであり、TV本編には「異能生存体」と呼ばれる概念は登場しない。
それに対してOVA『野望のルーツ』、OVA『ペールゼン・ファイルズ』は「異能生存体は、どのような奇跡を起こし得るのか」、
「キリコやその周囲の人間は本当に異能生存体なのか」を検証する事が、物語の主軸となっている。
また、スコープドッグが原型機スペンディングウルフと比べて攻撃力据え置きのまま防御力のみを投げ捨てたのは、
ワイズマンが後継者(異能生存体)を探すための工作によるものだという設定になった。

これに対応する存在として『青の騎士ベルゼルガ物語』では「旧劣等種(読みは「ベルゼルガ」)」という存在が設定されている。
異能生存体が「死なない」ならば、旧劣等種は「負けない」存在であり、強烈な破壊衝動に突き動かされて、
敵を打ち倒すまでどんなに肉体がボロボロになろうと戦い続ける者として描写されている。
同作の主人公であるケイン・マクドガルもこの旧劣等種の一人で、絶対者との戦いに巻き込まれた彼は、過酷な運命を辿る事となる。
具体的には片目、片腕、片足を損傷、血友病(もどきの特殊疾病)発症、失語症発症、恋人の死。そして敵はキリコ同様「」。
しかも旧劣等種の方はどうやったら病死するんだと言いたくなるぐらい生命力が高く
(上記の特殊疾病はアストラギウス銀河中の人類を絶滅寸前に追い込んだ死病。旧劣等種はこの恐ろしい病魔にすら打ち勝つ)、
身体能力も異能者以上(そうじゃなきゃ「負けない存在」として成立しないのは分かるが…)。
挙句の果てにケイン以外にもかなりいると来ている。ここまで凄いのにどこが「劣等」なのか甚だ疑問である。
まぁ実際の所は、肉体的にどんなに強くてもワイズマン(神)の意向に沿った存在でなければ劣等種扱いなのだろう。
人類が他民族を野蛮人(劣等種)と貶める歴史は繰り返され続けている。

しかし、どう取り繕っても異能生存体にせよ旧劣等種にせよ、当人達にとっては無用の長物。
後者に至ってはよりにもよって、ホロコーストの方便に利用されてしまった。「そっとしておいてくれ」と言いたくもなるだろう。

元々コントグループ「怪物ランド」で活動していた 郷田ほづみ 氏が演じた事でも知られるキャラクターで、
氏がアニメ業界での活動に手を広げていく切っ掛けとなったのがこのキリコ役であり、
後に氏が演じたキャラクターがキリコと言われる事も少なくない
OVA『嚇奕たる異端』で久々に演じる事になった際、その時監督に「上手くなり過ぎだ」と怒られたという噂もまた語り草の一つである。

後のロボット作品においても、にその影響を窺う事ができる。
意外な所で、一見性格は真逆だが、はその思想とやってる事がキリコとそっくりである。結果論でしかないが

+ 外部作品では
『第2次スーパーロボット大戦Z』では『コードギアス』や『ガンダムW』のキャラとよく絡む。
また、刹那とはヒイロと共に無口トリオとして中断メッセージに登場している。
絶対遵守のギアスを持つルルーシュは、当初優秀な傭兵と評しつつもその本質を見抜き、
「この男は誰にも従わない」と危険視していたのだが、
『再世篇』においてはフラグ次第だがルルーシュ自ら仮面を外し、正体を明かすほどに信頼されており、
キリコもシュナイゼルによってゼロの正体を暴露される場面において、ゼロをフォローするメンツの1人となっている。
この2人は「カオス」と表現されたり(ルルーシュは原作内、キリコは幻影篇PVにて)、盛大な茶番によってかつての味方と敵対したという共通点がある。
その他、カレンとは序盤からよく行動を共にしていたため、アレルヤとは「強化人間の恋人がいる」という点で仲が良く、
カレンに至っては再世篇で「あいつの事が好きだからだよ!」フィアナの前で熱く暴露する友達としてですよ?
自部隊内でもトップクラスの優秀なパイロットと認識されているようで、原作展開で一時的にキリコが敵に回った際は、
から「キリコ相手に手加減とか無理」「手を抜いたらその瞬間に殺られる」
「キリコ一人で部隊全滅しかねない」と速攻で説得を諦められた。
また、キリコが持つ異能の力の特殊性と危険性ゆえに、版権作品の大ボス格からもかなり警戒されている。
…彼らにそう言わしめるだけのキリコの実際のゲーム内における実力については、下の「外部出演」にある通りである。


+ 外部出演
外部作品では『ブレイブサーガ』シリーズや『サンライズ英雄譚』シリーズなどに参戦。
なお、かつてスポンサーをバンダイの競合相手であるタカラ(現・タカラトミー)が務めていたためか、
『スーパーロボット大戦』には長らく参戦する事が叶わず、
その代わり勇者シリーズ大集合の『ブレイブサーガ』に出演するようになっていた。場違いにも程がある*3
(『ボトムズ』以外に『太陽の牙ダグラム』や『機甲界ガリアン』も同様で、
 そのためバンダイがスポンサーの『レイズナー』が唯一スパロボ参戦していた高橋作品だった。ガサラキ?知らんな)。
しかしOVA『ペールゼン・ファイルズ』以降バンダイグループがスポンサーに変更されたためか、
『第2次スーパーロボット大戦Z』で遂に初参戦を果たし、結果として『ブレイブサーガ』と『スパロボ』の両方に登場した事のある希少な存在となった。
以降は前述の高橋作品二作はさらでも他の勇者シリーズも参戦していったため希少感は薄れたものの、
そういった壁を突き崩す切っ掛けとなったことには間違いのないことだろう。
2017年にはスクエニ勢シューティング『フィギュアヘッズ』にも参戦した。

『ブレイブサーガ2』では特定の条件を満たすと隠し要素として、
外伝作品の主役メカであるスラッシュドッグと、上記のテスタロッサへの搭乗が可能となる
同時期に発売されたゲームの主役機だったスラッシュドッグはともかく、ラビドリードッグが用意されてるのに、
わざわざテスタロッサまで出した点はプレイヤー間で物議を醸したが、そもそもATは上記のようにそこまで強くないため、
パワーアップしなくても十分過ぎるほど強いダグラムや主人公が公式に搭乗したOVA版ガリアンとは違い、
(スポット参戦だった『1』とは違って正式参戦する『2』では)テスタロッサ出さなきゃ勇者ロボと釣り合わない、とスタッフに思われた可能性もある。
また、版権の都合で『青の騎士』そのものは参戦出来ない事から考えるに、スタッフの心境以外の制作サイド的な都合もあったのだろう。

『サンライズ英雄譚』では、ATらしい低コストにより迎撃で一機や二機やられようととにかく速攻の物量戦で相手を押し潰すという、
実にボトムズな戦法を取れる他、「先制」などのスキルがザコ相手の露払いに便利なので、格納庫の空きに余分があれば、
取り敢えずキリコ機などで埋めておくという人は多かったであろう
(対空戦、「先制」を無効化してくる「近接」持ち、一撃で仕留めきれない相手など、苦手も多いが)。
また、オリジナル作品『機甲武装Gブレイカー』の科学者が本機をモデルに製造した機体「デスグィード」が登場、
『Gブレイカー』と『ボトムズ』のパイロットが搭乗できる。
『Gブレイカー』の機体分類は地上専用の「グランド・トルーパー(GT)」と飛行できる最新鋭機種「フライング・トルーパー(FT)」があるが、
デスグィードはFTに分類されているのに飛行不可という変わった機体になっている。
何故かと言うと、本作では飛行適性を持つパイロットしか飛行属性機体に搭乗できないから。
ATは飛行しないため、『ボトムズ』のパイロットに飛行適性を持つ者がいないのである。
また英雄譚シリーズは『鎧伝サムライトルーパー』などのロボットに乗らない作品も参戦しており、
『サンライズ・ワールド・ウォー』ではATを敵に戦っていたメロウリンクと共演を果たした。
俺達の戦いはこれからだENDのせいで本編での出番は皆無だったが。パッケージで本編メイン級のνガンダムと並び立ってるのに

+ 『スパロボ』シリーズでの活躍
『第2次スーパーロボット大戦Z』では、キリコが初期習得している底力L9とHP10%以下で全能力+20になる「?????」
(破界篇~再世篇中盤まで本当にこの名称で発動していた。再世篇中盤で「異能生存体」に名前が変わる)、
そしてクリティカル時のダメージ1.5倍となる精密攻撃により、HPが10%を切ってからが本番というとんでもない事になっていた。
キリコ自身の技量が元々高いので、これに再攻撃を持たせると本当に手に負えなくなる。
発動条件が条件なので、最終的にはてかげん付のMAPWで無理矢理発動させられる事になる。主にハドロンあたりに
なお原作では度々キリコがその場で調達して乗り捨ててきたスコープドッグだが、
「特定の1機を換装する」という形式になっているためちゃんと改造は引き継ぐ。
原作のイメージからは乖離してしまったが、システム上仕方がないし、イベント戦闘では結構落とされるなんて事もある
ただし、(破界篇では)隠しユニットだったスコープドッグ・ターボカスタムISS仕様と、
雑誌企画から採用された再世篇の隠しユニットである「ショルダーミサイルポッドを装備したスコープドッグ」、
そして同じ機体にしようがないラビドリードッグは別機体である。
ショルダーミサイルポッド仕様はブルーティッシュドッグが使い辛いフィアナが乗り換え出来る唯一の機体なので、まずキリコは乗らないが
ちなみにターボカスタムは『野望のルーツ』におけるレッドショルダー仕様の右肩が赤く塗られたバージョンと、
『ラストレッドショルダー』に登場した赤く塗られていないバージョン、
そして『ペールゼン・ファイルズ』のISS仕様の合計3種類が味方参戦するという豪華な事になっている。
野望のルーツ仕様はラストレッドショルダー仕様に置き換えられて以後再世篇全編に至るまでリストラだけど
さらにはTV本編で使用したレッドショルダーカスタムは、本当に本物のレッドショルダー仕様の右肩よりも左肩の赤が明るいという細かい原作再現
(つまりレッドショルダー仕様を反転してグラフィックを作成したわけではない)。
ラビドリードッグは元々スポット参戦だがスタッフの主張により正式参戦が決定したという経緯もあり、
制作陣からの愛されっぷりが凄まじい。
そんな中、ターボカスタムにその座を奪われてひっそりとリストラされていたスコープドッグIIは泣いていい
また、原作通りスコープドッグはキリコ以外のAT乗りやレッドショルダーも乗って敵としても登場する。
このレッドショルダーはよりにもよって雑魚としては高レベルの底力とサイズ差補正無視のスキル持ちという、
一般兵らしからぬ事をやらかしている。

余談だが、キリコの忘れようとしていた過去を呼び覚ます曲の通称「 レッドショルダーマーチ 」は、
元々イタリア映画の『二人の水兵と一人の将軍』で使用される「水兵の到着」という曲で版権上の問題があったのか、
スパロボでは「 戦騎達の行進 」というオリジナルのよく似た曲を作って代用している。
別の曲であるためか、地味にシナリオ中で話題に上る際は「レッドショルダーマーチ」名義となっている。
残念ながらこの曲はマップ専用曲なので戦闘BGMに使用できない。
「にせる」
同時再生するとこんな感じ

『再世篇』から翌年のDL専用タイトル『Operation Extend』にも登場。
固定式の小隊ともいえるグループ出撃システムが採用された本作では、キリコは最大3つものグループに所属する。
『第2次Z』ではスポット参戦やリーダー以外は召喚攻撃要員であったグレゴルー達RS時代の同僚や、
バーコフ分隊の面々とグループを組む事ができ、それぞれ役割を分担しつつ使っていける。もちろん全機スコープドッグである。
また、ル・シャッコのベルゼルガとバニラの乗るATフライ(AT輸送用のヘリ)とのグループ編成も追加される。
ちなみにこれでバニラの声が初収録。シゲさんのついでとか言うなよ
こちらではキリコの乗る各機は完全別機体扱いになったため、別個改造は必要になったがこの点では原作のイメージに近付いている。
あと同作のMAP兵器は某ヒドインであろうとも味方には絶対に当たらない仕様のため、これで無理矢理異能発動は不可能
ちなみにどうもこの作品ではMS>ATという性能差らしく、一般兵が乗ったスコープドッグ3機が、
デスアーミーに一斉攻撃を行っても歯が立たなかったという場面がある。
まぁ、スパロボ補正が無ければ前述した様に強化歩兵に過ぎないATより決戦兵器であるMSの方が強いのは当然と言えば当然だが
(そもそもスパロボで豆鉄砲の代名詞とされているガンダムの頭部バルカンでさえ口径60mm、
 コアファイターのバルカンでさえ40mmあるのに対し、スコープドッグの主砲(ヘビーマシンガン)は30mmしかない。
 ロックガンを使えば効くだろうが、MSに例えるならビームバズーカの中でも更にクソ重い代物に当たる)。

『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』では『ビッグバトル』『赫奕たる異端』のシナリオを忠実に再現。
なお、『ラストレッドショルダー』『野望のルーツ』『ペールゼン・ファイルズ』が全てリストラになったので、
ターボカスタムが完全リストラを喰らったついでにレッドショルダーカスタムもマーシィドッグもリストラされた
本作の素のスコープドッグとラウンドムーバー装備版はソリッドシューターを装備したモノになっており、
パンチとソリッドシューターで戦い抜くスタイル。
なお、良く見るとこのスコープドッグは、地味に再世篇ではターボカスタムに出番を取られたスコープドッグIIである。
出番があった事を喜ぶべきなのか、「スコープドッグ」名義なので特に強化されているわけではないどころか、
初登場話でいきなり完全に破壊されて、即座にキリコがその辺にあった同じ色のスコープドッグに乗り換えるいつも通りの扱いを嘆くべきなのか…

『ビッグバトル』の最終シナリオではライトスコープドッグを、『赫奕たる異端』の最終シナリオではバーグラリードッグを換装形式で取得。
勿論換装するとガワが通常のスコープドッグ準拠になる。IIは犠牲になったのだ…

異能生存体の技能も健在だが、80機撃墜してエースボーナスを取得すると発動に必要な残HPの条件が少し緩くなり、
残HP10%以下が30%以下に軽減される。
底力Lv9を最大限に生かすなら従来どおり手加減付きMAPWでいいが
(空撃ちは出来なくなったが小隊内に反映されるのでやり易くはなった。しかも今作は移動後使用可能なユニットが結構多い)、
命中率30%以下の攻撃で受けるダメージを50%にする育成技能「ハーフカット」の追加も相まって、
うっかり敵から被弾しても簡単に発動できるようになるので即効性が高まる。
『天獄篇』では『孤影再び』『幻影篇』が参戦、シナリオが再現された。

『X-Ω』では遂に外伝作品『機甲猟兵メロウリンク』と同時参戦。あれこれスパロボだよな
『サンライズ・ワールド・ウォー』以来にキリコとメロウが肩を並べて戦場を同じくする事となった。

なお、後に『ガリアン』『ダグラム』『ガサラキ』『レイズナー』も『X-Ω』へと追加参戦しており、高橋作品の多くが集う事となった。
関連作品として、サンライズ発のロボットアニメの力を得た少女達の戦いを描くウェブ小説『サン娘』から、
スコープドッグの力を得た「天霧静流」が2018年10月に限定参戦している。

『T』では『ビッグバトル』の時系列で参戦。『楽園追放』の主人公アンジェラが当初キリコの抹殺を謀るも、
キリコ一行と触れ合っていく内に心境が変化していくなど、世界観を含めて密接にクロスオーバーしていく。誰が呼んだかゾフィー・ファダス枠
また、ロッチナが銀河万丈繋がりでかガン×ソード』のカギ爪の男と接触するなど絡みも多い。

『DD』ではワールド5出身作品として登場。とある人物の依頼で『レイズナー』の主人公エイジの護衛を務めている。
ちなみに本作でのレイズナーは第1部からの展開なので「顔立ちが似ている」とかは特に言われない。
『OE』では逆に「そのすました顔が気に食わない」とかゴステロにムカつかれてたのだが

『30』にはDLCで参戦。他のDLC参戦作品と同様に原作の世界から『30』世界に迷い込んだ設定。
本作ではスパロボオリジナルの重武装スコープドッグが登場し(ギルガメス文字で「30」のマーキングがされているのが心憎い)、
換装によってターボカスタムと使い分けることになる。

なお、『スパロボ』でのキリコに共通する特徴として「熱血(1回だけダメージ倍加の精神コマンド)は覚えない」というのがある。
まあキリコのイメージ的には妥当であろうし、『第2次Z』では上位版の「魂」が使え、
『OE』でもグループを組めば他のメンバーから「熱血」を貰ってこられるので困るほどの事ではない。バーコフ分隊だけは誰も覚えないが
ちなみに『第2時Z』の破界編ではグレゴルー、バイマン、ムーザが無条件で生き残って再世編でこれまた無条件で仲間になり、
『OE』に至ってはバーコフ部隊の面々までもが無条件で生存・加入する
(しかもキリコもキリコで最終決戦時に異能生存体としての力を、仲間達全員と一緒に勝って生きて帰るために使おうと決意する)。
スパロボ補正と言えばそれまでだがZEXIS、Z-BLUE、コネクト・フォースの特異性を感じずにはいられないエピソードである。
しかし、そんなスパロボ補正を以てしてもフィアナの死を覆す事は出来なかった……。
と思いきや『天獄編』にてワイズマンがキリコを従わせるため蘇生させ復活案の定、従うつもりのないキリコに奪還され生還を果たす。

『フィギュアヘッズ』では中量級2footとしてスコープドッグ及びRSCが参戦。
また、コラボ武器として、ヘヴィマシンガンやソリッドシューターなどが再現されている。
特長は、なんといっても新要素の「ローラーダッシュ」で戦場を駆け抜けられる事だろう。
「ローラーダッシュ」搭載の脚パーツ装備時はグレネードなどの特殊装備が使用不可になるが、
ダッシュがローラー移動に変化し、高速で移動できる。

+ 格ゲー的な余談
スコープドッグと直接は関係ないが、格ゲー含め創作作品に大きな影響を与えたのがベルゼルガと言うATに搭載された格闘兵器「パイルバンカー」である
(前述の「スコープドッグの腕に長いターンピックを着けてパイルバンカー代わりにする」のは後年の外伝作品で増えたバリエーション機)。
敵をパイル(杭)で串刺しにすると言う、無骨でありながら殺傷力が高そうな(と言うかエグイ)武器は人気を集め、
様々な作品に登場する事になる(中には拳で再現するような方までもが)。
ボトムズ乗りの賭け試合「バトリング」には銃器(厳密には飛び道具)の使用が禁止されている「ブロウバトル」と言うレギュレーションがあり
(パイルバンカーやアームパンチ等も火薬を使ってはいるが格闘兵器扱いなのでOK)、
またコックピットを貫通してパイロットを殺傷する利便性から、この手の格闘兵器は多用される傾向にある。
なお銃器の使用が可能なバトリングは「リアルバトル」と言う。
尤も、戦場の非情さを知るキリコに言わせればリアルからは程遠いそうだが。
殺し合いをしていても所詮は「ルールに則った競技」でしかないからだろう。

実はボトムズ本編では脇役機体の珍しい武器扱いでしかなかったのだが、
小説『青の騎士ベルゼルガ物語』では主役機の必殺武器として存分にその威力を見せつけ、
OVA「機甲猟兵メロウリンク」では主役武器として生身の主人公が白兵戦でATを仕留める際に使用された。
(対ATライフルの先端に銃剣のように装着されているもので、ATのアームパンチ機構と共通の炸薬を使用している。
 戦中後期の対戦車ライフルの凋落ぶりをイメージしてか、本体のライフル弾はほぼ効かないのが御約束となっており、
 装甲が薄めの手足をライフルで破壊し、動けなくなった所で一番装甲が厚いコックピットを串刺しにすると言う戦い方が主。
 必殺シリーズの殺し技リスペクトなのか、メロウリンクはAT以外にもトドメにブチ込んでたけど

なお本来英語で「杭打ち機」は「パイルドライバー」である。
恐らく地下貫通爆弾「バンカーバスター」から誤用したのと、同名のプロレス技があまりにも有名すぎるためだろう。
何故バスター(倒すもの)ではなくバンカー(地下格納庫)の方を採用したのか
ボトムズ本編では盾と一体化した武器だったので、パイル付きのバンカー(掩体)という意味だったのかもしれない。

また格闘ゲームではパクリ上等オマージュの宝庫である『THE KING OF FIGHTERS』シリーズに当作品を元にしたキャラが多く見られる。
二つ名が主題歌の歌詞外伝作品の主人公(先述のケイン)のクローン主人公の乗機が名前の由来、
キリコを元ネタに作っていたら何故か鉄雄になってしまったキャラなど。


MUGENにおけるスコープドッグ

バルバトス氏による『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』のスプライトを使用したものが公開されている。
高性能な回避行動で攻撃を躱しつつ、隙を見て相手に攻撃を差し込んでいく。
特殊システムとしてはクリティカルと底力LV9、異能生存体を搭載。
クリティカルは一定確率で攻撃の威力が1.5倍になり、底力は体力が減ると攻撃力と防御力が上がる
異能生存体は体力600以下で発動し、その間は攻撃力が2倍になりゲージと体力が自動回復、更に即死技以外では死ななくなる。
なお底力と異能生存体はスイッチで切り替えが可能。両方オンにするとエルクゥすら圧倒する。

デフォルトAIは搭載されていないが「AIなら自由に作って、公開してもいいよ」との事。
2014年1月9日にはコルクボード氏の簡易AIが公開された。
射撃よりも避け移動で近付いて、アームパンチによるコンボを狙ってくる。

また、新たに「レッドショルダーカスタム」も公開されている。
武装が追加され、細かい動きや演出がより洗練されたものになっている。
AIもデフォルトで搭載されている。


(ココナ、ゴウト、バニラ、シャッコ。みんなに会えて良かった。

 そして、フィアナ……)

出場大会

凍結
削除済み

出演ストーリー



*1
実際は第1話(敵も味方もスコープドッグ)以外は実質主人公専用機と化している(但し強い機体と言うわけではない)。
第1部前半のバトリング(決闘ショー)時の相手は多彩な機体。後半はワンマンアーミーなうえ敵はヘリやバイク。
第2部は「使い慣れている」と言う理由で選んだ味方より弱い旧式機(ロボット物に限らなければ結構ある設定)。
第3部は見た目は普通だがラスボスによりチューンナップされた高性能改造機。
第4部になると正真正銘の主人公専用機(ラビトリードッグ)が用意された。本編終了後には量産されたらしいが。
とはいえ個別の一機にこだわらず、壊れたら速攻で捨てて乗り換える辺り、主人公機としては異質の存在である。
キリコがスコープドッグを愛用するのは、乗り慣れているからという以上の理由はないのだ。
しかも途中で敵側の量産機に乗り込んでスコープドッグと戦うというシーンも存在する。

なお本作より前でも主人公が(設定上は)量産機に乗っている作品として『超時空要塞マクロス』がある。
主人公の最後の機体も指揮官用と言うだけで一般兵用と大して変らない機体である(ただ、パーソナルカラーリングで画面上での差別化はされている)。
後のシリーズでは主人公(それぞれ別人)専用の最新鋭機目白押しだが
途中で強化パーツを付けたが、別に主人公専用と言う訳でも無く一般兵用も同じパーツで強化されている。
尤も使い捨て低価格兵器のATとは違い、一般兵用でも劇中最強レベル(ただし敵の数に負ける)の高価格兵器だったが
(裏設定では更に高性能な味方無人機(強いが目の前の敵を倒す以上の作戦行動がとれない)が、
 画面外で暴れていた(早すぎて画面に入りきらない)……とか何とか)。

*2
生身でも対AT用火器類を使えばATに勝てる事は派生作品の『機甲猟兵メロウリンク』で証明済みである。
そもそも上述通りパワードスーツに近い扱いであるATの装甲はキリコが普段腰に下げている拳銃・アーマーマグナムで打ち抜けるほど薄い。
尤もアーマーマグナム自体、規格外と言っても良い化物拳銃ではあるが。

+ アーマーマグナムについて
拳銃とは書いたが、口径17mm又は20mm(設定ブレ。なお0.357インチマグナムが9mmで、0.44インチマグナムでも11mmしかない)
装弾数3+1(無視する場合も)・重量7kgを誇る「対AT拳銃」とも呼ばれる巨大拳銃である。
……まあ常識的に考えれば、そんなものを撃ったらよほどの超人でもない限り肩を痛める事はすぐに理解できるだろう。
事実、ボトムズの世界でも生産は既に終了しており、一部のボトムズ乗りやバトリング選手が半ばハッタリとして持ち歩く程度である。
なお、前述の「ATの装甲を撃ち抜ける」というのも少々誇張が入っており、正確には「装甲の薄い部分なら打ち抜ける」といった程度。
(だからこそ機甲猟兵メロウリンクは対ATライフルに加え、トドメ用の武器として歩兵用パイルバンカーを装備している)
流石のキリコも装甲板を撃ち抜くような真似はせず、装甲の無い光学センサー部分を貫通することで敵パイロットを射殺している。
それでも十分とんでもない威力ではあるのだが。

なお、現実世界でも敵戦車に自分の戦車を破壊された戦車兵の最後の武器として、対戦車拳銃が開発された事が(一応は)ある
(カンプ・ピストル、ないしその改良型のシュツルム・ピストル。
 『パンプキン・シザース』に登場する「ドアノッカー」のモデルといえば分かる人には分かるだろう)。

……あるのだが、これは正確には信号拳銃を改良した拳銃サイズの擲弾発射器(言い換えれば超小型のバズーカ砲)で、
「装甲車両の装甲を撃ち抜ける銃弾を撃てる拳銃」は(少なくとも、実用的なものは)存在しない
(なお上記ドアノッカーは(漫画作品だけあって)装甲を撃ち抜いている。
 尤も作中の戦車の性能が第一次世界大戦レベルな上、薬物や催眠術が施された強化人間が「保身無き零距離射撃」をしてやっと効果がある代物だが。

ちなみに『第2次Z破界篇』では例のスーパー生身大戦の際にキリコがこれを使って兵員輸送機を撃ち落とし、敵をドン引きさせた
な…ハンドガンで撃ち落とされた!

「いい銃だな」
「バハウザーM571…アーマーマグナムだ」

ただし、基本的に生身でATに立ち向かうのは無謀に等しく、生身でATに立ち向かわなければならない機甲猟兵は懲罰部隊と同義。
具体的に言えば「歴戦の機甲猟兵が罠を仕掛けての不意打ちで、ようやく1機倒せるかどうか」というレベルである
(自らが生き残る為にも、味方の死体を使って罠を作る事さえ厭わない事から「最低野郎以下の蛭野郎」との仇名まで付いている)。
そもそも生身では1発かすっただけで(衝撃波だけで)致命傷になりかねない武器を装備し、
人間を轢き殺せる巡航速度40km/hを出しながらも人間並みの小回りが利くATに対し、
関節を狙うか至近距離(避弾経始を考えると角度も重要)で命中させるかでやっと効果があるというレベルの武器である。
バトリング仕様とはいえ民間ATで相手が油断しているなら、何とか行動不能に追い込めなくもないようではあるが、
こっちはこっちでやらかしたのが覚醒前とはいえ旧劣等種なのであくまでも参考資料であろう。

猛攻を仕掛けてくる三機のAT(しかも搭乗者はネクスタントと呼ばれる強化人間であり、キリコすら圧倒する能力を持つ)を、
真正面からの銃撃で次々と仕留めていくキリコの所業は、やはり異能の為せるものと言わざるを得ない。

この影響からか宇宙世紀にも生身でMSと戦わされるキャラが登場する事に。
Vガンダム』のネネカ隊は、モビルスーツにもダメージを与えられなくはない武器こそ与えられたものの、
水着姿でV2アサルトバスターガンダムと戦わされて全滅している(水着姿な理由はパイロットである童貞のウッソに精神的動揺そ与える為)。
また『MS IGLOO 2』での後付け設定により1年戦争時代にも、対MS重誘導弾リジーナを使ってザクに肉薄攻撃を行う、
対MS特技兵と言う部隊が連邦軍に存在していた事になった(一応、ファースト第1話でも一瞬だけそれらしき3人組が映っていたとか)。
『IGLOO2』では1個小隊(4分隊)でザクに挑み、ほぼ全滅したもののザク2機の撃破に成功している。
…ファースト第14話のジオン兵達は自分達で考えた奇策なのでノーカンって事で(ガンダムの撃破こそできなかったものの全員生還している)。

*3
これにはボトムズを制作したサンライズが1994年にバンダイの100%子会社化した事で、当時のタカラ(現タカラトミー)上層部が危機感を持ち、
タカラがスポンサーだったサンライズ作品をバンダイに奪われないために『ブレイブサーガ』(1998年)に参戦させて「既成事実」を作った、
といった裏事情もあるらしい(詳しくは こちら を見てもらえれば早い)。

まぁ『メロウリンク』の時点で怪しかったんだけどね!(1993年の外伝漫画はバンダイのサイバーコミックス掲載)
結局『ペールゼン・ファイル』(2007年)はバンダイビジュアル作品になっている(プラモもバンダイから発売された)。
一応その後もタカラトミーから「ミクロマン キリコ・キュービー」や、そのミクロマンを乗せて遊べる1/18サイズのスコープドッグ等が2005年に発売され、
2016年にはラジコン(正確には赤外線コン)『ガガンガン』の「スコープドックモデル」が発売されているので、縁が切れた訳でも無いようだが…。

最終的にはクソゲーメーカーとして名を馳せたタカラトミーが2012年にコンピューターゲーム事業から撤退した事により
(実際は子会社のタカラトミーアーツに移管しただけだが)、
『ボトムズ』のみならず、勇者シリーズやエルドランシリーズ(エルドランは旧トミー系なので『ブレイブサーガ』未参戦)、
更にはサンライズが一切関わっていない(原作はタカラトミー(旧トミー)自身)ゾイドシリーズまでもがスパロボ参戦を果たしている。

なおゾイドは別として、勇者およびエルドランシリーズもバンダイからプラモデルが発売されるようになっている。
そして2022年にはバンナムからゾイド(ライガーゼロ)の超合金が発売される事が発表された
代わりにタカトミからもホワイトベース(ガンダムの母艦)等のトミカ(ミニカー)が発売されるというクロスオーバー企画なので
『ブレイブサーガ』の頃とは違い友好的な企画だと言えよう。
一方でゾイドファンからはライガーゼロの対価がホワイトベース等では不公平なのでは?とか、
まぁタカトミ製ガンダムが欲しいか?と聞かれてもアレだし…
え、ガンダムを『装甲巨神Zナイト』規格で?歩行するガンダムならバンダイが「MICRO-BOTS」(2002年)を出していますよ
チェンジングアーマーシステムプレバン送り」とか戦々恐々だったりするが。


最終更新:2023年11月08日 22:09