あなたもカマイっていう名前なんですか。 いつの間にか皮膚が切りつけられている場合、この妖怪のせいだという話が多い。 痛みもなく血も出ないことが多い。全国に事例があり、特に新潟や北海道など雪国に多い。 旋風に乗ってきた鼬が鎌で切る、自分の間合いに入った風神が太刀で切りつける、鼬は3匹でやってくる、 など地域によって伝承が違う。中には骨が見えるくらい深い傷を負った例もある。 地域によって鎌風、構え太刀、野鎌などと呼び方が違うが現象はどれも同じである。 複数の地域で暦を粗末に扱うとカマイタチにあういう伝承がある。 現在イラストに描かれるカマイタチは江戸時代の絵師鳥山石燕によって 描かれたものが元になっていることが多い。 これに囚われない奇抜なデザインをする者は鳥山明くらいである。 ここで石燕はカマイタチに「窮奇」という字をあてたが窮奇は中国の怪物であり、 日本のカマイタチとはほとんど関係ない。 あかぎれに似ているようだがあかぎれが長い時間をかけて傷が広がるのに対し、 カマイタチは一瞬で傷ができるという違いがある。 カマイタチは急激に筋肉を動かしたときに起きやすい。 よく旋風の中に発生した真空の刃が原因だと説明されるが、これは誤りで 皮膚表面が気化熱によって急激に冷やされるために、組織が変性して 裂けてしまうといったような生理学的現象であると現在では考えられている。 この現象は栄養状態が悪い人ほど起きやすく、 飽食時代の現在、カマイタチの事例はほとんどなくなっている。 橘崑崙の『北越奇談』には江戸時代でもこのような考え方をしていた人間も存在したことが書かれている。 ちなみに諸外国ではこの類の話がほとんどないという。 ニコニコRPGでは魔王配下の敵キャラとして登場。