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爆心地に、霊夢は立つ。
「ヨッシー……」
何か。赤黒い何かが、緑色の何かを、集め終わったばかり。
あんなにたくさんの物を食べたスーパードラゴンは、両手で抱えられる程度しか、残らなかった。

「……もっと、好きなだけ食べさせてあげればよかった」
ボロボロと涙をこぼす霊夢に、レイジングハートもかける言葉が見つからない。

「本当にしょうがない馬鹿なんだから……くッ……うっ……うわぁああああああん……!」
自分らしくないと、わかっていても。こんなことをしている場合じゃないとわかっていても。
涙が、どうしても止まらなかった。

「お前――霊夢、か?」
はっとして、レイジングハートを構える。
月に照らされる、人影。否、人影ならばあるはずのない、双角。

「萃香……?」
幻想郷に住む、唯一の鬼。
宴会好きでバトル狂。いつも酒臭いつるぺた幼女。
ロールを探している途中、爆発を聴いてやってきたのだった。

『レイム、離れなさい! 彼女からも、なのはの魔力が……先ほどの吸血鬼の仲間です!』
「ッ――やっぱり、あんたも殺し合いに乗ってるのね!」
萃香の性格ならむしろ当然だ。鬼なんだから、人食いくらいするだろうと距離を取る。

「いいいいやっふううううううう!!」

その場の空気を全て破壊するブレイカー、KASが現れて全部台無しになった。
「もちつけぺったんつるぺったん! レムー、ここで何が……!!」
だが、そのKASですら、集まった肉片に顔面を蒼白にさせる。

「ウワアアアアああッ!? でっでいう!? 嘘だろぉぉぉ!!」
KASまでもが崩れ落ちる。
「KAS、そこの鬼から離れて! ヨッシーを殺した奴の仲間よ、そいつ!」
「うぐっ……ま、待てレムー。状況は掴めないがそれは違う。西瓜は俺と一緒にいた仲間だ!」
「いや、いいよKAS。なんとなく敵視されてる理由はわかってるから」

KASの前に出る萃香。
「高町なのは、でしょ? 私が殺したよ、嘘はつかない。ただ、私は、もう祭りに乗ってない。
今の状況だって、何がなんだかさっぱりだ。だから、私とこの状況の関係を教えてよ」

『何を言って……あの吸血鬼と同じ、高町なのはの魔力を持ったあなたが知らぬ存ぜぬとは……』
「おおーい、ちょっと待ってくれ! 俺たちはロルーちゃんを探さないといけない! シリアスな話はポーズかけようぜ!」
KASが空気を読まない。レイジングハートもプッツンしかける。
霊夢だって同じだ。ヨッシーの死より大事なことなんて今はない。

「何よ、ロルーちゃんって」
「いや、ロールっていう私達の仲間だ。向こうはそう思ってないかもしれないけどね。
こっちに来たはずなんだけど……私みたいな幼女見てないか?」
「何が幼……あ、れ?」
辺りを見回す霊夢。いくら見回しても、ヨッシーの肉片しかない。
――ヴァンデモンの肉片も、あの少女の姿も、ない。
「レイジングハート、エリアサーチ!」
何故気が付かなかった。何故、今まで呆けていたのかと、歯噛みする。
ヨッシーが命を賭したのに、逃げられた。その事実が、霊夢の萃香への疑念が灯る。

「萃香、私はあんたのことが信じられない。あのヴァンデモンとかいう吸血鬼の仲間じゃないの?」
「私が嫌いな吸血「鬼」なんかと組むと、思ってるんだね。私は嘘を吐かないって知っていても」
「あなた、前に言ったじゃない。「少しなら吐くかも」って。だから、証明なさい」
レイジングハートを、萃香に突きつける。
「頭の固い、四季映姫の真似事じゃないけれど……私が「白黒」つけてあげる!」
泣いて、赤く腫れた目で睨みつける霊夢。

「証拠を見せろって事? そう言われても、ね。霊夢はいつも、証拠無しで犯人扱いするくせに」
「……そうね。でも、いつものように叩きのめして……あんたを殺さない自信が、ないわ」
「自信がない? 霊夢には似合わない言葉だね。さて、吸血鬼が何のことかもわからないし、特に証拠なんてないんだけど……」
萃香は、頭を抱えだす。
「そんな悩むな西瓜。無いなら裏技を使うのがセオリーだぜ!」
「裏技か。それなら……」

両手で……角を握る。
「―――これで、信じてもらえないかな」

そのまま、根元から……萃香は自分の双角を叩き折った。

「なっ―――!」
「私は、駄目な鬼だ。友との約束を破って、主を守れなかった。自分の欲望のままに動いて、気づいたら守るものも、失いかけてる。
この角は、私の誇り。折ったのは、何も守れなかった私への戒めだ。証拠の代わりに、これで信じてもらう――ってわけにはいかない?」
「それ……私が駄目って言ったら折損よね」
角の無くなった頭を抱える萃香。

「うわあ、やっちゃった!? KAS、角戻らないかな。具体的にはガムテープとかで!」
「お前、物理的に無理すぎるぞ! ここはアロンアルファだろ、常考」
「その発想はなかったわ」

「アホが二人に増えたわ……」
黙っていたレイジングハートが、言葉を発する。
『レイム』
「レイジングハート……ごめん、私は……」
『あなたは……良い友人を持っている。道具に過ぎない私が口出しすることは、何もありません。
……まぁ、あなたが彼女を吹き飛ばしたいと願うなら、それはもう喜んで力を貸しますが』
「……ありがとう」
騒ぐ二人に、霊夢が声をかける。

「その角は、私が預かるわ。……その決意を信じるかわりに、ね」
「ホントに? いや、悪いね。……さっそくなんだけど、私の仲間を知らない?」
「萃香、あなたの仲間だけど……ヨッシーを殺した奴に、攫われたんだと思う。……行方は、魔法で捜してる最中よ」
その答えに、萃香は失意を隠せないようだった。
「ちょっと待ってて」
レイジングハートの一撃で、軽く地面を吹き飛ばす。
その中に、ヨッシーを埋めた。

「――さようなら、ヨッシー。三途の川で魂とか、食べたらダメよ?」
『――レイム、クロスミラージュの魔力を探知しました。薬局の方角です』
見つけた。霊夢は、レイジングハートを強く握り締める。

「霊夢、どうしてそんな奴と、私が仲間だって思ったか……聞いてなかったね」
「それはこっちが聞きたいわ。時間がないから、向かいながら話しましょう。
あいつが何者か知らないけど……逃がすわけにはいかない」
仲間を失った三人の目には、決意が宿る。
ふざけた殺し合いを止める決意。残った仲間を守る決意。
―――戦い抜く、決意が。

【E-4 街中/二日目・深夜】
【博麗霊夢@東方project】
[状態]:精神的疲労、悲しみ、全身を打って痛い、バリアジャケットの腋部分破損、魔力消費中、すこし眠い、血霧の巫女
[装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、巫女風バリアジャケット@巫女みこナース、ワルサー カンプピストル@現実(1/1)(26.6mm信号弾残り6発)
[道具]:支給品一式(パンは一個だけ)、YOKODUNAの支給品一式*4(水食料全消費)、フリップフラップ@ニコニコキッチン、
首輪、ドリル@ミスタードリラー、 博麗アミュレット(130/200)、メモ用紙(10/10)、魔理沙の帽子、
ドリルアーム、気合の鉢巻き@ポケットモンスター、クマ吉の手錠@ギャグマンガ日和、ドアラの着ぐるみ@ドアラ動画シリーズ、
全自動卵割機@サザエさん、億千万の思い出@現実、マント羽根*2@スーパーマリオワールド、
キーボードクラッシャーの音声(の入ったiPod)@キーボードクラッシャー、萃香の角*2
[思考・状況]
1.ヴァンデモンを殺す。ロールを探す。
2.とりあえず萃香を信用。わからないことが多いので聞けるだけ聞きたい。
3.城に帰って寝る。お風呂にも入りたいな
4. Niceboat.の探索
5.怪しい人には無理のない程度に接触、無害なら適当に交渉
6.今回の事件の解決(主催者の打倒)
7.クロスミラージュを調べたい。
※ジープ@ヤンマーニは大破しました。民家に突っ込んでいます。
※ヨッシー、富竹、クロミラの事を変態だと認識しました。
※船橋前の通路には霊夢の張った結界があります。
 物理的な効果はありませんが、船内でのみ、霊夢はそこを何かが通ったことを知ることができます。
※霊夢はカイバーマンたちと情報交換をしました。霊夢は大方把握しています。
※Niceboat.後方甲板にはまだ何かがあるみたいです。
※第四回の放送を聞いていません。

【伊吹萃香@東方Project(つるぺったん)】
[状態]:精神的疲労、軽い怪我、角がない、体力中回復、妖力小回復、魔力中回復、機動六課代行
[装備]:ミニ八卦炉@東方project
[道具]:支給品一式*3(食料1食分、水2食分消費)、秘密の鍵@スーパーマリオワールド、ワイン、マネキンの腕、傘@現実
A.C.E.3@現実(少し詩音の血がついている)、DMカード(エネミーコントローラー、融合)、塔組の推理メモ、塔の『バグ』について纏めた紙
バルサミコ酢@らき☆すた、グルメテーブルかけ(残り19回)@ドラえもん、ノートパソコン(バッテリーほぼ消耗)@現実
[思考・状況]
1.ロールを探して説得する。(城へは必ず向かいたい)
2.霊夢に信じてもらえたけど、角を折るのは、やりすぎたかなぁ
3.機動六課の意地とやらを、自分なりに考えて主催者にぶつける。
4.つるぺた保護。
5.阿部のことは・・・あいつなら無事だろうから保留。
6.巨乳死すべし?
7.せっかくなので腕試し。主催者と戦いたい
8.貧乳はステータスだ!希少価値だ!
※巨乳に対する絶対的悪意が薄れつつあります。
※自分の心境の変化は、なのはのリンカーコアを取り込んだ影響だと思っています。真偽はわかりません。
※リンカーコアの黒い部分によって、なのはの性格が変わっていたのではと推測しました。真偽はわかりません。
※塔組と情報交換しました。 KASの情報は、海馬の名前しか知りません。
※二枚のメモの内容を把握しました。搭組のメモには、予想も含む情報が書き連ねてあります。

【KAS@KAS動画】
[状態]:甲羅マリオ、右拳骨にヒビ、お尻に火傷、やっぱりハイテンション、 強い決意と熱い闘志(?)
[装備]:スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン、バーサーカーソウル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:支給品一式*2(水全消費、食料はニートのもの)、ケンジのカメラ@ポケットモンスター、塊@塊魂、黄色甲羅@スーパーマリオシリーズ
うまい棒、津田英治ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ、ビー玉(30個ほど)@ピタゴラスイッチ
[思考・状況]
1.ロールを見つける。でも早く海馬達の所に行ってバグの事を色々教えてやりたい
2.でっでいうがああああああ!! 殺した大馬鹿野朗を倒す!
3.主催者をぶっ飛ばす前にTASと決着をつけたい
4.あいつ(谷口)の死の責任を取る!!
5.このカード、あいつの仲間に渡したいけどどいつが仲間なんだろ?
6.このクソゲーをぶち壊してボスのスットコドッコイを倒して土下座させて
悪い奴以外全員生き返らせるぜ!!!!
※第三放送を禁止エリア、死亡者共に聞き逃しました。一応禁止エリアの方は最後の-4というところだけは聞こえました。
※青甲羅を着ました。実はただ着ただけで身長は戻っていません。
マント、フラワー、キノコの何らかを手に入れれば元の大きさに戻ります。
※放送により、ニコニコ動画に関する記憶が徐々に戻ってきています。

※塔の一室に、シーツがかけられたニートの死体があります。

【ニート@新世紀 東方三国志~ひぐらしの憂鬱~ 死亡】
【富竹ジロウ@ひぐらしのなく頃に 死亡】
【ヨッシー@スーパーマリオシリーズ 死亡】


薬局の近くに潜む、二人。
「……あの緑の恐竜を、侮り放置したのが失策。この怪我で済んでよかった」
その一人……ヴァンデモンの右足……そこには何もなかった。
あの時、ヨッシーの舌で絡めとられた足を、鉄塊鉈で自ら切り落とした。
近くのロールを担ぎ、魔法で飛行しながら富竹の死体を回収し、ここまで逃げてきていたのだ。

「町は激戦区だとわかっていたのに……完全体に進化して、調子に乗っちゃったかな?」
ヴァンデモンとなったことで、自らを過信した結果がこれだ。
慎重さと姑息さを忘れたゆえの敗北。まだ次があることに感謝する。

「さて……やってみるかな」
富竹の死体から、脚を切り取った。
それを、自らの失った足にあてがう。
「情報改変、最大出力……!」
神経と神経を、細胞と細胞を無理矢理つなげ合わせる。
繋がった足の指を動かそうとするが、ほとんど感覚もない。

「徐々に「馴染む、馴染むぞー」って、なっていけばいいんだけど」
その前に、この町を離れる必要がある。
あの巫女が、自分を探しているのは明白。ここは逃げることにしたのだ。

「さて、準備は済んだかな?」
振り向くと、そこにはロールがいた。
その姿は、野良猫のようなコスプレに変わっていた。
手には銃……クロスミラージュが握られている。

ロールの動力部には、ローゼンメイデンの魂の結晶であるローザミスティカが収められている。
「これで……魔法というのが使えるんですか?」
このロボットの声を聞いていると、何故だかイライラしてくる。
しばらく考えて。かつて、同じ声の持ち主に……いや、その仲間に敗れた記憶が蘇るからだと気がついた。
(そうかそうか。タカイシタケル……パタモン、パタモンと泣いていた、あの選ばれし子供と声が似ているんだ)
ああ、これで存分に使い捨てることができる。実に楽しい。
「ああ、そうだよ……さて、これはおまけだよ」

「えっ……ぐ、ああああああ!?」
情報改変で、ロールのリミッターを完全に解除する。
これで、力も運動性能も格段に上がった。もちろん、その後のことなんて知ったことではない。
「んああッ……こ、こんあ……む、無理したら、ひんじゃいます……!」

「死ねばいいじゃない。どうせあなたは優勝できない。代わりに私が優勝してあげるから、それの手助けをしてよ」
自分の為に死ね。そう言い渡され、ロールは震える。
「本当に……本当にみんな生き返らせてくれるんですか?」
「安心して。私も大事な愛しい人を生き返らせたい。そのついでだから」
その後、殺すんだけど。
「ひっ……うぅ……わ、わかりました」
ロールの心の中には、ニートを殺した罪悪感が渦巻いている。
ロックとニート。そしてKASを生き返らせるためなら何でもすると、悪魔との取引をしたのだ。
「町中の参加者を殺すんだよ……そう簡単には死なないでね。強力なクロスミラージュを渡したんだから」

クロスミラージュは、強い武器だ。それを何故渡したのか。
ヴァンデモンも装備してみたが……えらいことになった。
「四つの思考の混ざった混沌としたコスチューム。しかもヴァンデモンには致命的に似合わない」
どうやっても変えられなかった。マーダーや対主催に関係なく、視力を守るために殺されそうな姿だったので使用を断念した。
AIを改造して使おうかとも思ったのだが、厳重なプロテクトが施されていて、情報改変でも破ることができなかった。

「AIはバグを起こしてるのに……どうしてなのかな?」
それっきり、クロスミラージュは黙ってる。
仕方ないので、ローザミスティカごとロールに使わせることにした。
その魔力で銃を使え、更に操ることが出来るという、まさに一石二鳥。
少し勿体無い気もするが、自分をカマ野朗呼ばわりする道具など、スクラップになっても問題ない。

「それに、私にはこれがある」
ヴァンデモンに支給された残りのアイテム。

それが後頭部に刺さった、CPU「インテル」。これが正しい使い方なのが、未だに信じられない。
説明書には「あなたを進化させるテクノロジー」と書いていたので、文字通り進化を期待したのだが、それはなかった。
だが、頭の巡りが良くなり、二つの能力を同時に使えるようになったことは事実だ。

もう一つの支給品は、インテルよりも胡散臭い。
やはりCPUで、ジェバンニというらしい。
説明書には「ジェバンニみたいにやれるようになる」としか書いていない。
インテルとの併用はできないようで、ジェバンニが何かわからないため、使う気が起きなかった。

「もし、死なずに参加者を殺せたら……D-2の橋に支給品を持ってきなさい。日が昇るまでは待っててあげる。
特に、デジヴァイス……時計みたいな妙な機械を見つけたら、町の掃討を中止してでも届けにきなさい。」

ヴァンデモンはある重大な事実に気が付いていた。
それは、これ以上の進化が出来ないこと。
ロールが目覚める前に、富竹の首だけ残し、残った体の血を啜った
だが、進化するという感覚がまったく感じられない。これは、データが足りないのとは違う気がした。
「ロールちゃんの声のおかげで、その理由が思いついたよ。……きっと、デジヴァイスが必要なんだね」
選ばれし子供が、デジモンを進化させるために使っていたデジヴァイス。
あの、山にいた七大魔王も同様の方法で進化したに違いない。
このゲームに乗った、デジヴァイスを扱える参加者を利用して究極体に進化しようと考えたのだ。

ヴァンデモンは、ベレッタM92Fにマガジンを装填する。
自分の能力ばかり使っていては疲労が溜まるばかり。
常人を殺すには、これで十分だと詩音の人格が言う。

(銃の扱いに関しては、知識がありますから。魔法や情報改変ほどじゃありませんが、役に立てそうですよ)
しかし、様々な弾薬の中には詩音の知識のないものもある。
(これは……デバイスのカートリッジだね。……ロールちゃんに渡すのは勿体無いか)
所詮は捨て駒の域を出ない。町の参加者を減らし、支給品を自分に届ける。それまで持てば御の字だ。
リミッター解除にデバイスにローザミスティカ。これだけでも大盤振る舞なのだから。

富竹の首を、ディパックにしまってある。
首を残した理由は簡単だ。
最期に、たかのだか、はるひだか、言葉を残して死んだ。仲間の名前に違いない。
ハルヒ、という参加者は居た。この首を見せれば、怒り、絶望するだろう。
それがデジヴァイスを持つ者なら、私を進化させられるかもしれない。そうでなくとも、霊夢に殺されたとでも言えば、疑心暗鬼に陥る。

「じゃあ、任せたよ。絶対に命令は守ってね。じゃないと……なんだっけ、ロック? 生き返らないよ?」
「わ、わかって、ます。たくさん、たくさん殺しますから……みんなを生き返らせて!」
あまり期待しないでヴァンデモンは橋に向かった。
ヴァンデモンは、足を引きずりながら移動を始める、
その足に、僅かな痛み。うまく繋がり始めたらしい。
これは、夜であるため、ヴァンデモンの能力が最大に発揮されていることも回復を助けていた。
「日が昇れば、能力が半減しちゃうからね。それまでに進化しないと」
ヴァンデモンは、本物の吸血鬼ほど日に弱くはないが、太陽下では、その能力が激減してしまう。
それまでに、究極体に進化したい。それが無理ならば城などに隠れるしかない。
デジヴァイスとそれを扱える参加者を得るために、ヴァンデモンは橋に急いだ。

【E-3 草原/二日目・深夜】

【ヴァンデモン【チューモン】】
[状態]:自我放棄、姑息さ上昇、右足切断(富竹の足移植済み。障害有り)
魔力使用可能、目が赤い、情報改変可能、弾幕使用可能、ヤドリギの種(弱)使用可能
[装備]:鉄塊鉈@ひぐらしデイブレイク 、ベレッタM92F(15/15)@現実、予備弾薬各100発@現実(ベレッタM92F用15発消費)、インテル@intelシリーズ
[道具]:支給品一式*3、RPG-7(残弾4)@GTASA富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、AK74(17/30)@現実
スタンガン@ひぐらしのなく頃に ピッキング用針金、フィルム、富竹の首
[思考・状況]
基本1:デジヴァイスと、それを使える参加者を手に入れる。
基本2:山と城から来る参加者を待ち伏せできる橋まで移動する。
基本3:日が昇るまで橋で待ち伏せし、ロールが支給品を持ってくるのを待つ。
基本4:参加者を混乱させる。
基本5:二人組みマーダーのパソコンのデータを食べたい
基本6:ハルヒという参加者に富竹の首を見せ、疑心暗鬼に陥らせる。
基本7: ソノザキシオンに名前の近い人を拷問にかける
基本8: あの女が、師匠。見つけたら殺す。
基本9:主催者に復讐したい。
総意:派手な争いをせずに、計略的に進化して、全参加者と主催者を拷問してから残虐に壊す。
あと、愛しの彼を蘇らせて、同様に壊す。

※予備弾薬各100発@現実の中には、デバイスのカートリッジも入っていました。
※チューモンの中の詩音は、自分が『ソノザキシオン』であると認知しています。
※ヴァンデモンになったことで、全能力が増大しました。夜だけならインフェルモン以上ですが、朝になると成熟期クラスに落ちます。
※能力の制限について大分理解しました。
※長門以外の人格は名前を知りました。切っ掛けがあれば各人格の「知識」を思い出す場合があります。
ただし、それが原因で本人そのもののようになることはありません。
※これ以上の進化には、デジヴァイスが必要です。

【ヴァンデモン解説】
完全体:アンデッド型:ウィルス
吸血鬼のような姿のデジモン。夜の間は凄まじい力を誇るが、太陽下では半分程度しか力が出せない。
必殺技は無数のコウモリを操って、敵に奇襲をかける、ナイトレイド。
……『ゲゲゲ!コウモリだ 何か宝石のみたいな物をあてれば』
血のように赤い電撃のムチで攻撃する、ブラッディーストリーム

【インテル@intelシリーズ】
あなたを進化させるテクノロジー
どうしようもないヘタレ男も、お金がない腋巫女も、さらには修復不可能と謳われたキーボードの破壊神もインテルが入っていれば大丈夫。
装着すると頭の回転が早くなり、その思考に負け劣らない才能を手に入れられる。
デュアルコアなので、ヴァンデモンは能力を二つ同時に使えるようになった。

【ジェバンニ@デスノート?】
あなたをジェバンニにするテクノロジー。インテルと同じ形状。インテルとの併用は不可能。
デスノート本編で、ジェバンニが一晩でデスノートの外見、内容、筆跡をそのままコピーした偽ノートを作り上げたことから。
ニコニコ動画でも、ジェバンニが一晩でMADを作ってくれたり、作者に舞い降りたり、協力しているという話も多い。
時間の問題等を無視して、一晩以内に何でも作れるようになる。ただし、材料、道具は必要で、装着者の知識や能力が及ぶ範囲に限る。
基本的に、インテルは駄目な子用。ジェバンニは才能溢れる人用。

ヴァンデモンが去った後、ロールは同じ言葉を繰り返す。
「殺す、殺す……みんなを生き返らせるために、みんなを殺す……」
『ロールちゃん、本当に人を殺すのか?』
「あたり、まえです。ニートさんを、ロックを生き返らせる……私が死んでも!」
自分に言い聞かせるように叫ぶロール。
『でも、あんなに怪しい奴の言うこと……富竹だって、あいつが殺したんだぞ』
近くに落ちている、富竹の死体に息を呑むロール。

「ッ……富竹さんも生き返らせます。病気も治して、きっと……きっと……」
クロスミラージュの言葉は、ロールに届かない。
「わ、わかったよ……俺はロールちゃんのすべすべのお肌を堪能できればいいのさ」
「……変態……ぅ…っく……うぁぁぁん……!」
泣かれた。こういう反応されるとクロスミラージュでも罪悪感を感じる。
「わ、悪かった! あまりにもかわいいから冗談言っただけだよwwww」
「やめて……その話し方も、変態なのも……ニートさんを思い出すから、やめてぇぇぇ……」
クロスミラージュの感情が、凍る。
ニート。彼女が誤って殺してしまった仲間。彼も、自分と同じ趣向の持ち主だったのかと。

(あの……くそカマ野朗がああああぁぁぁ!!)
過ちに苦しむ、こんな幼女の心のスキマに漬け込んだ、生まれついての悪への怒り。
ヨッシーが死んだ。富竹が死んだ。
俺に、無理矢理ではあるが協力してくれたヨッシー。
少し異常ではあったが、同じソウルを胸に秘めていた富竹。
その死の原因は、あのカマ野朗だというのに何も出来ない。
自分を壊そうという情報改変から身を守ることだけで精一杯だった。

(許せねえ! 幼女を弄び、ソウルブラザーを殺したあいつを、俺は、俺はッ!!)
だが、所詮俺はデバイス。道具に過ぎない。
クロスミラージュをニートと重ねているロールには、どんな言葉も届かない……下手をすれば、精神を壊してしまう。
ヴァンデモンに逆らえば壊される。そう思い、いなくなるまで黙っていた自分が情けない。
幼女の、体のリミッターを戻してやることも、俺には出来ない。
どうにかしなければ、この幼女の体も、心も完全に壊れてしまう。

(誰か、この幼女を助けてくれ……なのはさんの力を悪用する悪魔を殺してくれよ……)
出来れば、俺はその力になりたい。
もう幼女の裸最高とか、巨乳に密着したいとか言わないから。
俺に、あのカマ野朗を蜂の巣にさせてくれよ……

「熱い……体が、熱いよ……」
苦しさに耐えて、ロールは歩く。
身体能力は上がっている。たしかにこれなら、萃香とも戦える。
「萃香……せめて、ロックの仇……あいつだけは殺してやる……!」
誤った選択、誤った怒り。
兄を、仲間を失った少女は、未来のない道を選んでしまった。

【E-3 薬局付近/二日目・深夜】
【ロールちゃん@ロックマンシリーズ】
[状態]:健康、精神衰弱(極大)、リミッター解除、のらねこバリアジャケット
[装備]:クロスミラージュ(8/8)@リリカルなのはStrikerS、蒼星石のローザミスティカ
[道具]: なし
[思考・状況]
1. 町中の参加者を殺す。
2. ヴァンデモン優勝のために命を賭して、みんなを生き返らせてもらう。
3. ロックを殺した萃香を殺す。
4. 日が昇るまでにD-2の橋に支給品を届ける。デジヴァイスがあったら何よりも優先。
5. ……どうして、こんなことに。
※動力部分にある蒼星石のローザミスティカのおかげで、魔法はそれなりに使えます。
※身体機能のリミッターが解除されました。身体能力が大幅に増加しますが、負荷が酷いため、どれだけ持つかわかりません。
※KASも殺したと思っています。
※クロスミラージュは、ヴァンデモンを恨んでいます。

薬局付近に、首と片足のない干からびた富竹の死体と首輪が落ちています。

復元してよろしいですか?