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(非登録タグ) [[パロロワ]] [[ニコニコ動画バトルロワイアル]] [[第230話]]
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アイスデビモンの姿が白い光に包まれる。
アイスデビモンのワープ進化に驚いているピエモンを除き、その変化する姿を固唾を呑んで見守っていた。
どれだけ巨大に進化するのか、どれだけ強化されるのか。
それを見極めるためだったが、アイスデビモンの背丈は殆ど代わることは無かった。

「……魔王アナゴ!!!!!」





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魔王アナゴ
魔王型デジモン ウィルス種究極体

ある一般的な会社員がカオスの衝動に魅入られ、某所でなのはに続く二代目魔王となったのがアナゴだ!
とある世界での魔王の血たる魔血魂をその体に入れることで、ただの平社員に過ぎないアナゴは巨大な力を手に入れることが出来たのだ!
数々の若本技を使いこなし、人望にもカリスマにもあふれた存在だ!

必殺技は数々の若本技を使いこなす若本秘技と、全てを吹っ飛ばす秘奥義、ワールドデストロイヤーだ!

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そこには悪魔から……背広を着た平凡な会社員の姿があった。
右手に篭る強大な闘気が無ければ、魔王と言われても想像がつかないほどに。


「それでは悪いですが、全力でいかせてもらいますぅ~」

アナゴが一歩を踏みしめた瞬間に、レナ、日吉、ピエモンが飛び出した。
レナは鉈を片手にアナゴの左から。
日吉はフタエノキワミを繰り出す。
遅れてピエモンがトランプソード片手に下から切りかかる。

「フンッ!」

アナゴは三者の一撃に対し、その場でふんばって全ての攻撃を食い止めた。

すなわち右手で日吉のフタエを完全に相殺し、
左手でレナの鉈を受け止め、
右足でピエモンのトランプソードを思い切り踏みつけた。

「お前たちの力はこの程度か、温い温い温いわぁ!」

アナゴはその身を高速回転させ、三人を吹き飛ばす。
吹き飛ばされた三人の体勢を整える間さえ与えず、追撃を仕掛ける。

「死ぬか!」
「きゃっ!」

「消えるか!」
「がああああっっ!!!」

「土下座してでも生き延びるのかッ!」
「ぬわあぁ!」

アナゴはまず日吉に向かって一撃を入れ、すかさずレナに向かって次の一撃。
そして最後に尻餅をつくピエモンに一撃をかました。
アナゴ怒涛の三連殺で、初動は全て返り討ちに終わった。

「くっ、みんな! ブラックマジシャン!」
「カードなんか使ってんじゃねぇ!」

見かねた遊戯が援護に入るものの、ブラックマジシャンはアナゴの咆哮一発で掻き消えてしまった。
その咆哮に気おされ、遊戯も吹き飛ばされる。

「なんで……」
『AIBO、考えたくないが唯の咆哮でDMカードが掻き消えるとは思えない。
 アナゴはDMカードを封じる技を持っている、……としか考えられない』
「そんな……」
「おしゃべりは終わったかい、遊戯君よぉ!」

尻餅をつく遊戯に向かって、アナゴが近寄る。

「くっ、ヲタチ!」

遊戯はヲタチを繰り出すが、アナゴはそのようなことは気にとめてすらいない。

「天からお塩ぉ!」

ヲタチを突き抜けて遊戯までアナゴの豪速剛拳が突き刺さり、レーザーでまとめて吹き飛ばされる。
滑走路の壁まで激突して動かなくなった遊戯とヲタチを見て、アナゴはそれに興味を無くして振り返る。
最後に残ったつかさを始末……、と思ったがつかさの眼前にはレナ、日吉、ピエモンが復活していた。
そして三者だけでなく、つかさの姿も変化していた。
逆三角形の肉体に、クワッといった言葉が似合いそうな姿に変化していた。

「あいにく、あんな攻撃でやられる程私達は弱くないよっ!」
「面白い、そんなに死にたければあの世に送ってやるわぁ!」
「できるものならやってみやがれ!」

再びレナが切りかかる。
先ほどと違うのは日吉とピエモンが援護体勢に入っている所で、三連殺を食らわぬよう警戒をしているようだ。
だが、アナゴにとってはそのような小細工は何の意味も無い、正面から叩き潰すのさえ簡単だった。

「塵は塵に、AMEN!」
「クロスミラージュ!」
『ほいきた!』

アナゴが放ったバヨネットによる銃剣乱舞の目標の先に居たレナは掻き消え、何も無い空間を掠めているだけだった。
消えたはずのレナは姿勢を低くし、アナゴの視界の下方に潜り込んでおり、下から強力な一撃を仕掛けた。

「ぬはおっ! わ、私の股間のエッチピストルがぁ!」

股間を押さえて悶えるアナゴの元に強力なGENKI-DAMAとトランプソードが襲い掛かる。
DAMAの姿に掻き消えかかっているアナゴに、レナはさらにメタルブレードを大量に投擲して、追撃を仕掛ける。

「エンディングスナイプ!」

そこにピエモンも両手の衝撃波を加え、アナゴに最後の追撃を加える。

DAMAとエンディングスナイプ、そして大量のメタルブレードによる追撃で、アナゴはとっくに消滅したとさえ思える。
それでも三者は攻撃を止める気配は無い。

「かめはめ波ぁ!」

爆音の中心から怒号が響き、そこから発せられた衝撃波がDAMAとエンディングスナイプをまとめて吹き飛ばした。
背広がボロボロになり、血を流しているとはいえ、アナゴの姿は健在だった。
少し違うのは、アナゴの足が内股になっていることぐらいか。

「今のはちょ~っとばっかり痛かったかもね、しかし!」

アナゴは言葉をそこで区切ると、どこからともなくメロンを取り出す。
そして、それを銃剣で半分に叩き割る。

「ベ~リ~メロン!」

なんとアナゴはメロンに齧りつこうとしているではないか。
もちろんレナ達はそれに付き合う義理はさらさら無く、アナゴのメロンを奪いにかかる。

「させないよ!」
「メロンぐらいゆっくり食わせろ! そんなに邪魔をするならゲシュタルト崩壊に導いてくれよう!」
「何……これ……」

突如レナの視界がブラックアウトする。
そこでレナは自殺行為と分かっていても思わず踏みとどまってしまう。

「ぐああああぁぁぁ!」
「くそッ! 視界を封じられたかっ!」
「クロスミラージュ、何とかならない!」
『ああ……、どうやら視界による物体識別能力を幻影で包んだらしい、心配すんな! すぐに直してやる!』

後ろのピエモンと日吉もまた、レナと同じ様な症状に陥っているらしい。
どうやら、アナゴの技によって視界を封じられたらしい。これは不味い。
クロスミラージュがどうにかしてくれるそうだが、これではアナゴのベリーメロンを妨害することが出来ない。

「んまぁ~い」

結局クロスミラージュがゲシュタルト崩壊を相殺したとき、ベリーメロンを食べ終わったアナゴの姿がそこにあった。
傷ついたアナゴの姿は無く、元通り回復した姿がそこにはあった。
あれだけ頑張って与えたダメージは、ベリーメロン一つですべて無駄になったのだ。

「そんな……」
「ありえねぇ……」
「アイスデビモンの奴があんなに強い力を隠し持っていたとは……これもマルクの差し金か…………」
「ベリーメロンンマ~」

アナゴは首をコキコキと鳴らし、腕をぐるぐると回して体のウォーミングアップをしている。
そこにレナ達が対峙しているにも関わらずだ。

「……クロスミラージュ、後もう一回幻影は大丈夫?」
『悪いが後一発が限界だ、というかバリアジャケット解除してもギリギリだ。それぐらいマジ余裕が無い。
 パンツどころか中身を見せてくれてもおまけ出来ない程余裕が無い、はっきり言って無い』

この救いようの無いドエロデバイスの戯言は置いておいて、絶望的な状況だった。
バリアジャケットの解除はありえない。
レナの突撃はバリアジャケットの防御力あってのもので、それが無ければ既に体はまともな形を保っては居なかっただろう。
しかし、何の小細工も無しに飛び掛った所でアナゴにダメージを与えることはできない。
そして一度見せた幻影も当然アナゴは警戒をしているだろう。二度目が通じる相手とはとても思えない。
何より、先ほどのゲシュタルト崩壊をもう一度受けるわけにはいかない。
無策の攻めはできない、しかし策は無い。
かといって逃げ回ることも出来ない、DCSの効果がいつまで持つとも思えない。
副作用は無いとはいえ、DCSが切れればアナゴに対して勝ち目はまず無くなるだろう。

「おいレナ、次はどうする」
「攻め手が、無いかな、かな……」
「おいレナよ! どうればいいんだ! このままではアイスデビモンの奴に殺されてしまうぞ!」

日吉とピエモンが次の策をねだる。しかし確実に通じる手は無い。
最善手を考える。何でもいい、アナゴに対して奇襲を仕掛ける必要がある。
そして相手に反撃の機会を与えず、徹底的にやる。
そうでなければ勝てない。ベリーメロンで回復されては意味が無いのだ。
退却はありえない、ハルバードを奪わなければ対主催は脱出できない。
ここで負けるわけには絶対にいかないのだ。
後ろには尻餅をついて動けないつかさの姿もある、だからこそ、ここで攻めなければいけない。
確実な攻めを。
しかしそれはない。手段はあるが、最善手が分からない。

そして、アナゴの咆哮が悩む時間さえ無いことをレナに思い知らせた。

「さっきは痛い目見せてくれたけど次はこうはいかないぜぇ……。
 …………術なんか使ってんじゃねえ!」

アナゴの一声が響く。
すると不思議なことにレナのバリアジャケットも、日吉の溜めていたKIと無我の境地も、ピエモンが準備していた衝撃波も掻き消えた。
術なんか使ってんじゃねえの言葉通り、全ての魔法、気合、術式が掻き消えた。
防御を保障していたバリアジャケットは無く、レナは更に追い詰められることになった。
しかし、ここでレナに電流が走るッ!

アナゴはこちらの攻め手を奪った、当然この状態で攻められるはずがない。
その油断を逆手に取り、もう一度一発をぶちかます!

「日吉君、KIは大丈夫?」
「駄目だ……殆ど出ない、糞ッ……」
「私も、さっきのアナゴの一撃で大分気力が削がれたが、まだ攻撃をする余裕はなんとかある」
「じゃあ、日吉君はKIが少し溜まったらサテライト30とプラスパワーで無理やり何とかして
 もう時間が無い、私が打開したら何が何でも後に続いてッ!」
「分かった、やってやるよッ!」
「ピーちゃんは、援護をお願いッ!」
「分かった!」

ピエモンがトランプソードの弾幕を放ち、レナはアイテム二号を展開する。
アナゴはトランプソードの弾幕を苦も無くバヨネットで叩き落す。
と、そこへ猛スピードで加速したアイテム二号、その上に乗ったレナが急接近してきた。

「小ざかしい真似をッ! ならば死をくれてやろう!」

「死ぬか!」

アナゴの三連殺に対し、レナは黒いそれを取り出す。

「消えるか!」

二撃目も、黒いそれが受け止める。
アナゴにはその黒い盾が何なのかは分からなかったが、次で仕留めてやる。

「土下座しても生き延びるのかッ!」

三連殺最後の一撃、これでそれを粉砕するかと思った。
しかし、とある世界で魔王の攻撃を防ぎきり、ジアースの攻撃から身を守った盗賊の棺桶は鉄壁だった。
三連殺を見事に防ぎきったレナは、アイテム二号の加速度ごと体を振りかぶり、鉈を思い切りアナゴにぶちかます。

「ぬぁんだとおおおおおぉぉぉぉ!」

思い切り空中に吹き飛ばされたアナゴだったが、なんとか空中で舞空術を使用して体勢を整える。
そこへ再びトランプソードの弾幕が襲い掛かる。
密度は薄いとはいえ強力な攻撃のため、アナゴはそれを防戦一方といった感じで受けざるを得なかった。
アナゴが弾幕を全て叩き落すのに手間取っているうちに、日吉はひたすらKIを溜めていた。

「まさかピーピーマックスでKIが回復するとは思わなかったが、これで問題ないぜ。
 いくぜ、これが俺のダブルGENKI-DAMAだ!」

サテライト30で二体に分身した日吉はそれぞれプラスパワーを服用。
これでパワーはフルパワーの1.5倍。それが二つ重なってフルパワーの2.25倍の超威力!
GENKI-DAMAは更に巨大なうねりとなって、空中に待機するアナゴに向かって襲い掛かるッ!

「ぶるぁああああああああああああああ!!!!!」

アナゴから発せられた衝撃波が、ダブルGENKI-DAMAと打ち合う。
チリチリ、ジリジリとエネルギーの弾ける音だけがそこにある。
これを弾き返されたらもう終わりだ、これ以上のパワーはもう望めない。
レナ達が固唾を呑んで見守る。
ダブルGENKI-DAMAに対してそれ以上の援護はもう望めない。
むしろアナゴがダブルGENKI-DAMAを防ぎきったことを考えて動いている。

「ぶるぁぁぁぁああああああああああ!!!!!! おおおおおおおおおッッッ!!!!
 やるな日吉よ、だが強力若本でございま~す!」

アナゴは一時的に衝撃波を止め、何かの錠剤を服用している。
GENKI-DAMAが到達する前に、ギリギリのところで衝撃波をもう一度展開する。

「ジェノサイドブレイバー! ぷるぁぁぁぁああああああああ!!!!!」

ギリギリまで押し込まれ、アナゴは相当不利なのにも関わらず持ちこたえている。
それが、あの強力若本という薬品の効果なのだろうか。
日吉には分かっていた、もうあのダブルGENKI-DAMAではジェノサイドブレイバーには打ち勝てないと――――


極光が止まり、そこにはアナゴの姿があった。
着衣が少しずれていたとはいえ、完全に無傷だった。

「そんなっ……!」
「馬鹿なっ……!」
「やっぱりかよ……とんだ化物だぜ、ったくよ」

「今のは少し堪えたが、強力若本を服用した私に隙は無い、このまままとめて葬ってくれよう!
 サイコクラッシャー!」

空中に点在していたアナゴが、こちら目掛けて猛スピードで突っ込んでくる。
アナゴ本体は避け切ったものの、猛烈な衝撃波がそこにいた者すべてを吹き飛ばす。

「まだまだぁ!」
「ぐっ……あああああああ!!!!!」

日吉の腹に、アナゴの頭がめり込んでいる。
苦悶の表情を浮かべた日吉は、血を吐いてその場に蹲った。

「日吉君! く、クロスミラージュ!」
『ほいきた!』

ピーピーマックスを急いで服用し、バリアジャケットを再展開する。
あの一撃を食らって、無事では済むはずがないからだ。

「ふん……ジェノサイドカッター!」

アナゴの飛び蹴りで、レナは勢いよく吹き飛ばされる。

「サイコクラッシャー!」
「あっ、………ああああああぁぁぁ!」

アナゴは空中に吹き飛ばされたレナにもう一度サイコクラッシャーをぶちかます。
レナはその一撃を受け、その場に倒れた。
バリアジャケットも、その一撃と共に掻き消えてしまった。

「く、クラウントリック!」

残ったピエモンもトランプソードと、苦し紛れのクラウントリックで応戦するも、種が分かっているアナゴに隙は無い。
トランプソードをバヨネットで弾き落とし、誘導先にあった白い布のことは気に留めない。
そして、ピエモンに一撃を加える。

「ジェノサイドカッター!」

ピエモンもレナ、日吉と同じく吹き飛ばされた。
アナゴはそこで追撃はしかけず、地面にドシャリと落ちたピエモンの確認さえしなかった。
アナゴにとっては、最後に残ったつかさのほうが重要だと言わんばかりに。

「あううう、ことのはさん!みんな!」

自分が狙われていることを理解したつかさは、ことのはにたいやき、オクタンを続けてモンスターボールから出す。

「ふん、数がいようとも物の敵では無いわぁ!
 …死ぬか! 消えるか! 土下座してでも生き延びるのかぁ!」

三連殺を受け、一斉に飛び出してきたポケモン達を順次撃墜する。
たいやき、気合の鉢巻が発動したオクタンがまだ立ち向かってきたため、さらにもう一度攻撃を仕掛ける。

「塵は塵に、AMEN!」

たいやきが無様に地面を転がっても、それでもまだオクタンはまだ引かない、気合の鉢巻の効果が奇跡的にまたもや発動した。
そしてオクタン砲がアナゴの視界に炸裂する。

「目がぁ~と言うとでも思ったか! 小ざかしい奴め、これで終わりにしてくれるわッ!
 望みどおりに……天からお塩ぉ!」

アナゴの剛拳とレーザーが、オクタンに襲い掛かる。
それでもオクタンは気合で耐え続けていたが、最後の一撃の前についに倒れてしまった。
アナゴはそれでも倒れたとは思えず、まだまだ追撃を仕掛ける。

「ジェノサイドカッター!」

アナゴの足技でバラバラに分解されたオクタンを見て、ようやくアナゴは一息を付いた。

「ふぃ~、手間取らせやがって……」
「ひぁっ……ううっ…………」

アナゴの前には、尻餅をついて泣きべそを掻くつかさの姿だけがあった。
銃を持つ手はぶらりとだれ下がり、抵抗の意思など脆い脆いものだった。
むしろ、抵抗する気があるのかすら疑わしい。

「こ、こないで……」
「ポケモン達やレナ達のほうがもっと勇敢に戦ったぞ、それなのに貴様はただ怯えているだけか!
 くだらん、本気を出すまでも無いわぁ!」

アナゴはつかさの頭を鷲づかみにし、腹に向かって拳を一発叩き込んだ。
ぐっ……というつかさの嗚咽とともに、その場で胃の中にあったものを全て吐き出させてしまった。
ゲホゲホと咽るつかさが汚らしいといった様子で、その場に頭から投げ捨てた。

そして、立つ者はアナゴ以外にだれも居ない。

遊戯は壁にめり込み動かない。
レナは滑走路の上で動かない、日吉も動かない。
つかさは相変わらず、声にならない嗚咽を続けていた。

ピエモンは荒い息を付きながらも、なんとか立ち上がろうとしていた。

「ピエモン様、よく聞いてください。
 マルク様はピエモン様を倒してこいとおっしゃられましたが、私は倒したくないのですってヴぁ……。
 マルク様も、ピエモン様も大事な主君なのであーりますからってヴぁ!!!」
「…アナゴ…………いやアイスデビモン……何故……」

ピエモンは理解が出来ない。
何故、アイスデビモンがピエモンと話をするのかを。

「決まってやが…がっはッ……!
 てめぇ、あれで手を抜いていやが…ったのかよ!」
「ほう、よく気が付いたな日吉よ。
 しかし手を抜いていたというのは適切でない、最後の切り札だけは隠し持っていたというわけだ。
 後一回、後一回だけパワーアップしてワールドデストロイヤーを放つのは、ピエモン様をも殺しかねないからだ」
「やって……くれる……ぜ…………」

そして日吉は倒れた。
嗚咽に苦しむつかさは絶望していた。
あの圧倒的な強さを見せて、まだ本気でないと。
こんな奴に、勝てるわけがないと…………。






◆   ◆   ◆


「……ん~ここにも無いわねぇ」
「ぽよ……」
「大事な探し物なんでしょ、まだまだ先は長いしゆっくり探しましょ。
 マルクの奴はご丁寧にも待っててくれるみたいだしね」
「ぽよ! がんばる!」
「その意気ね、それじゃ、次を探しましょうか」

霊夢とカービィはクッパ城の一室から出ると、その辺りを見渡して、次のあたりをつけることにした。

「レイジングハート、やっぱり何か分からない?」
『駄目です、サーチしてもドラグーンに値するようなものは見つかりません』
「ん~やっぱりそうかぁ、じゃ、こっちに行きましょ」

と、霊夢は通路の奥のほうへと進む。
それに対してレイジングハートが声を張り上げる。

『そっちはいけませんレイム! レイムが行こうとしている先には巨大な反応があります!』
「と言われてもねぇ、私のカンがそこにあると言ってるのよ。
 だから、何があろうとそっちから先に行くわ、そこに全部あったら他の所調べても無駄骨になっちゃうしね」

レイジングハートの忠告も聞かず、霊夢はカンを頼りに進む。
実の所レイジングハートの忠告は気になっていたのだが、余りに探し物が見つからないのでイライラしていたのだ。
それで、さっきからうまくいっていないレイジングハートの代わりに自分のカンを信じて進むことにしたのだ。


霊夢とカービィが通路の奥を進んだ先は、大きなホールだった。
そこまで見て、二人はヤバイと感じた。
そして、その声がそのことを証明してしまった。

「よく来てくれたのサ、霊夢。それにカービィ」
「マルクのいるホールだったか……あっちゃぁ……」
「ぽよ、これは困った……」

しかし対峙してしまったものはしょうがない。
元々ここへ来たのはマルクと弾幕ごっこをして懲らしめるためだった。
カービィの探し物がたまたま優先だったから忘れていたのだが、こうも万端で待ち構えていたら逃げるわけにもいかないだろう。

「それじゃあ、弾幕ゴッコをする前においしい茶でもいかが」

と、マルクは霊夢に湯気に茶柱の立った湯飲みを渡す。
しかし、霊夢はそれを受け取らない。

「あらマルク、私は二番煎じが嫌いなのよ」
「何を言ってるのサ、それはちゃんと最高級の一番茶を選んで……」
                    ・ ・ ・ ・
「聞こえなかったのかしら、私は二番煎じが嫌いなのよ。分かるかしら?」
「…………言ってくれるね、ボクがフランちゃんの二番煎じとでも言うのかい」
「そんなことも一言で気が付かないなんて、話が分からない奴ねぇ」

霊夢は言った、マルクのことが二番煎じだと。
それは予想通りの意味だった。所詮お前はただの二番煎じ、フランドールのパクリだと。
マルクなんか知らない、分からないとでも言いたげな態度だった。

「なかなか言ってくれるじゃないのサ……。
 そこまで言うなら、舐めてかかったことを後悔させてやるのッサ!」
「できるものならやってみなさいよ、私が二番煎じなんかに負けるわけ無いじゃない」
「余裕ぶっこいてるのも今のうちサ。ところで霊夢、レヴァンテインはあるかい?」

空中に浮かび上がって対峙する両者、それに追従するカービィも空気を入れて空中へと飛び出す。
そこへマルクが霊夢に向かい、レヴァンテインのことを尋ねてきた。

「あら、レヴァンテインなんか何に使うつもり?」
「フランちゃんのスペルカードを再現してあげようと思ってね」
「レヴァンテインならもう壊れちゃったわよ、それにフランドールの奴はわざわざデバイスなんて使わない。
 自分の魔力だけで剣の弾幕を展開してたわ。そんなことも分からないなんて、あんたは番茶以下ね」
「そんなにボクのことを馬鹿にするんだったら、この勝負でお望みどおり殺してあげるッサ!!!」

激高したマルクが大量の赤い弾幕を形成する。
霊夢はその程度苦も無くといった様子でスイスイ避ける。
カービィは霊夢の背中に飛び乗り、遠距離用コピーをセットし始めた。

「あら、弾幕ごっこはあくまでお遊びよ。ちゃんとルールの元で戦えば死ぬなんて物騒なことはまずありえない。
 それにあなた、弾幕ごっこと弾幕勝負は別物、それぐらいちゃんと分かってる? 幻想郷では常識よ」
「ふん、そういうことはボクを倒してからいって欲しいねぇ!」

しばらくの弾幕戦の後、マルクの攻撃が一旦止まる。
つまり、ここでスペルカードを使う準備をしているということだ。

「さて、ちょうどいいからいいことを教えてあげるッサ。
 これを見てごらん」
「どらぐーん!」
「こんな所にあったのね、やっぱり私のカンは間違ってなかった!」

と、マルクはドラグーンのパーツをひらひらと見せびらかす。

「カービィが生きてる時点でもしやと思ってね、案の定ノヴァのメンテナンスルームを見に行ったら一つパーツが無くなってたからね。
 取られる前に、こっちが先に取ってやったのサ!」
「つまり、倒してかっぱらえばいいってことね」
「ふん、倒せればの話ッサ!」

そして、スペルカードが展開された。


【クッパ城 中央ホール/三日目・深夜】

【マルク@星のカービィ】
[状態]:体の複数箇所打撲(ほぼ回復)、悪魔の道化、髪が桃色
[装備]:萌えもんアカギパッチ@萌えっ娘もんすたぁ
[道具]:超進化プラグインS*4@デジタルモンスター、ドラグーンのパーツ*1
[思考・状況]
基本:自分の楽しみのため、オールスター入りを果たすため、なんとしてもバトロワを完遂させる。
1:霊夢&カービィと弾幕ゴッコ
2:弾幕ゴッコが終わったらKASは首輪探知機で探そう。ふとまし長どこ~?
3:三国志状態ももう終わるかな? ラスボスとして準備を始める。 ラスボスを他の奴に譲るつもりはない。
4:なんか妙な事になっちゃったけど、まあいいや。
5:ピエモン君あらためピーちゃんはアイスデビモンにおまかせ!
※涼宮ハルヒ、永井博之は放送前に死んだと勘違いしています
※霊夢の性格に制限が効いているという推測はどうやらハズレのようです
※クッパ城内部でのマルクの評価がさらに高まりました。カービィ派のデジモンはもうほとんどいません。
これによりクッパ城内部のデジモンはマルクの命令を優先します。マルク>ピエモン
※城の結界の一部に損傷があったようです。


【カービィ@星のカービィ】
[状態]:元のピンク玉、左腕喪失、胸部から腹部?にかけて傷痕、体力全快
[装備]:ワープスター
[道具]:支給品一式(食料全消費)、空の土鍋@ねこ鍋 、ドラグーンのパーツ*1
[思考・状況]
1.目の前にいるマルクを協力して倒す
2.ワープスターで残りのエアライドパーツを探したい
3.ノヴァのありかをしっかり覚えて、ドラグーンで破壊する
4.仲間と合流したい

※第七回放送を聞いていません
※銀河に願いをの記憶を取り戻し、五つのコピー能力が自由に使えるようになりました。
 うちストーン・ファイア・ファイターが判明済み。ペイントはデラックス能力ではなく習得していた使い捨て技能なので含まれないはずです
※若干、知能がアップしたような気がしない事もないです。
※隠し部屋の位置をわりとしっかり覚えました。


【博麗霊夢@東方project】
[状態]:真・チート巫女、バリアジャケットの腋・袖・腹部分破損、全身に軽い怪我、魔力消費大
[装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、巫女風バリアジャケット@巫女みこナース、KASの帽子、博麗アミュレット(80/200)、陰陽玉*2@東方project、
[道具]:支給品一式*5(パンは一個だけ・水は一式分)、フリップフラップ@ニコニコキッチン、首輪、ドリル@ミスタードリラー、メモ用紙(10/10)、魔理沙の帽子、萃香の角*2、永琳の帽子
気合の鉢巻き@ポケットモンスター、クマ吉の手錠@ギャグマンガ日和、全自動卵割機@サザエさん、億千万の思い出@現実、
キーボードクラッシャーの音声(の入ったiPod)@キーボードクラッシャー、ワルサーカンプピストル@現実(1/1)(26.6mm信号弾残り6発)
[思考・状況]
1.しょうがないのでマルクを倒してドラグーンのパーツを貰っていく
2.カービィとドラグーンのパーツを探す。
3.もう私は迷わない!
4.みんなと合流したい。
5.怪しい人には無理のない程度に接触、無害なら適当に交渉
6.今回の事件の解決(ノヴァの破壊、主催者の打倒)
7.クロスミラージュを調べたい。
8.洩矢諏訪子の帽子が気になる。



※クロミラの事を変態だと認識しました。
※制限はされていません。けれど少し情に熱くなったので支障が出るかも。


※カービィ派の下っ端デジモンはほぼ全員が「行方不明」になりました。
 このため深刻な人手不足が発生するはずです
※隠し部屋にはおまけ部屋(エアライド格納庫)と
 ノヴァのメンテナンスルームがあります。メンテナンスルームから
 ノヴァの核方面へ辿り着けるかは不明です
※残りのドラグーンパーツは城内のどこかにあります
※ゆとりはゆとりなのでワープスターには気付きませんでした。



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