偽トロキャプチャー3DSの作り方

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偽トロキャプチャー3DSの作り方 - (2012/12/19 (水) 21:05:30) の編集履歴(バックアップ)


フレキシブルケーブル取り付け手順

この手順は偽トロキャプチャーキットを使用してフレキシブルケーブル(以下フレキ)を取り付ける手順です。

半田付けの難易度は経験者であればそれほど高くはありませんが、
ゲーム機の分解、ケースの加工など綺麗に仕上げるためには専用の工具が必要です。
電子工作が初めての方は、経験者にアドバイスを受けながら作業してください。

<注意事項>

この手順に従って作業を行ったいかなる結果も全て自己責任でお願いいたします。

ゲーム機を分解/改造すると、メーカーの保証/修理が受けられなくなります。

ゲーム機本体のロットなどにより、ここで紹介する手順通りに行かない場合があります。


<フレキセットに含まれるもの>

偽トロキャプチャーキット本体(基板の信号fラインの部分はカット済み)

フレキシブルケーブル

電源用配線材(10cm、8cm) ストリップ済み(そのまま半田付け可能)

サウンド用配線材(11cm 3本)

0.8mm有鉛半田(30cm)


<必要な道具>

半田ごて(20W前後)

テスター

フラックス無洗浄タイプ(半田付けがブリッジしやすいので必ず塗布)

マジックペン(サウンド配線を識別するため)

ケースに穴を開ける工具(ハンドドリル、カッターナイフなど)

ハサミ

ピンセット

ルーペ


<フレキのカット>

キットに付属するフレキはそのままでは使用できません。白い線に沿って、ハサミで丁寧に切ります。
フレキは切り込みなどがあると、その部分から破断しますので、なるべく滑らかになるように切ります。
白い線を多少はみ出しても、信号線の部分が切れなければ大丈夫です。
(フレキに印字されている文字(シルク)は、上下反転している場合もありますが、不良ではありません。)

<ゲーム機の分解>

フレキを取り付けるにはゲーム機を分解して、メイン基板を取り出す必要があります。
最近のゲーム機は部品も細かく、フレキやフレキコネクタなど、扱いを誤ると破損してしまうことも多々あります。
分解方法はネットを検索するなどして、十分な情報を得てから開始してください。
"ifixit":http://www.ifixit.com/Device/Nintendo_3DSには非常に丁寧に紹介されていますので、参考になると思います。
(SDカードスロットを外す方法は、シールドとSDカードスロットの間に大き目のマイナスドライバをいれて、
粘着テープを剥がす方法が良いかもしれません。テープはなくても大丈夫です。)

<ゲーム基板にフレキを取り付ける>


フレキを基板にTPの位置に合わせます。作業中にずれると修正が難しいので、写真の丸の位置をセロテープで止めます。
セロテープをはがすときは、必ずフレキ側からはがします。基板側からはがすと、フレキを破る危険性があります。


写真上部の丸も、セロテープで固定しています。
半田付けは、フレキの端のTPから開始しして、反対の端に向かって進めていきます。
(フレキのたわみを少なくするため)

半田の量は少量でかまいません。

フレキが浮き上がらないよう、メイン基板に押し付けながら半田付けします。
(浮き上がって、半田がフレキの下側に回りこむと、他のTPとのブリッジ(ショート)の原因になります。)


半田もれの無いように注意してください。
写真の丸の部分は、使用しませんので、そのままです。

全て半田付けが終わったら、指で半田付けした箇所をなぞって、尖っている箇所などが無いことを確認します。
もし半田が尖っている箇所にはフラックスを塗って、こてを当て丸くなるようにします。
(尖った箇所が液晶パネルの保護膜を破って、シャーシとショートする場合があります)


半田不良、ブリッジ、漏れがないことを確認するためにテスターを使用します。
テスターを抵抗値を測るモードにして、右側の丸(GND)と、左側の各信号の間の抵抗値を測定します。


テスターや基板の個体差などによって、10-20%程度前後しますが、写真のような値になればOKです。
(差動信号が0.6MΩ、それ以外が5MΩ。二つのグループに分かれる。)
∞は未接続の端子ですので、テスターの値は表示されません。
もし、大きく値が異なる場合は、半田不良やブリッジを疑ってください。

<サウンド用配線(オプション)>

サウンド用の配線を行っておくと、将来のビューアのバージョンで音声の取り込みが可能になります。
音声が不要な場合や、作業の難易度を下げたい場合は、配線は不要です。


サウンドの配線には3本のUEW線を使用します。UEW線は銅線の表面に絶縁用の皮膜を形成した線で、細く取り回しが楽なのが特徴です。
皮膜は300度程度の温度で溶け、半田付け可能になります。
3本の線の両端を、写真の様に、こて先に盛った半田で溶かします。溶けると、線に半田が乗ります。
(温度調節機能付の半田ごてを使用の場合は、温度を400度以上に設定します)


UEW線の先端に半田が乗っています。

線は3本とも同じですので、最後に基盤に配線する際に、どのTPから引き出した信号か識別する必要があります。
マジックペンを使用して、「マーカー無し」「マーカー1本」「マーカー2本」を書き込んでおきます。


半田付けの箇所は写真の通りです。
マーカーを付けた反対側を半田付けします。


写真のような感じになります。下画面液晶が上に載りますので、なるべく低く、出っ張らないようにします。
線が細いので、取り回しの際に、半田が取れたり、切断しないように、フレキにセロテープで固定しておきます。
(セロテープは最後まではがしません)

<基板の戻し>

基板を筐体に戻します。

フレキとサウンド配線は写真のように引き出します。
(軽くフレキを引っ張りながら、筐体に基板を組み込みます。無理に基板を押し込むとフレキが破断するので要注意。)

ゲーム機の分解時に外した全てのフレキシブルケーブル、パーツ類を元通りに取り付けます。
(取り付け忘れは命取りになりますので要注意)

ゲーム機のVOLUMEスイッチやWIRLESSスイッチなどが、きちんと部品の溝にはまって、正常にスライドすることも確認しておきます。

スライドパッドを取り付ける前に、SDカードの取り付けを行います。
(SDカードのコネクタ取り付け位置を、フレキとスライドパッドが覆ってしまうため)


スライドパッドのフレキシブルケーブルと干渉しますので、上手に逃がすようにします。
(強く折り曲げると、フレキシブルケーブルの信号が断線しますので、要注意です。)
(ショートフレキスライドパットの場合は<ショートフレキ スライドパットの対応>を参照してください。)

最後に基板を固定するためのネジも締めます。

<電源ケーブルの配線>

GNDと+1.8Vをゲーム機本体から配線します。+1.8Vは信号のプルアップやリファレンス電圧としてだけで使用しますので、
キットを組み込むことで本体の消費電力はあまり増えません。


SDコネクタ横のコンデンサに直接半田付けします。
短いほうがGNDで、長いほうが1.8Vになります。
(間違えるとキットが壊れることになりますので、要注意です)
先にコンデンサに半田を盛って、その後、線を半田付けします。


電源の配線はSDコネクタの横を通るようにします。

フレキにサウンドの配線と一緒にセロテープで仮止めして置くと、後の作業がやりやすいです。

<筐体の穴あけ>

ゲーム機の筐体内部にキットを格納出来るスペースはありません。
そのため、筐体に穴を開け、フレキ類を筐体外部に引き出します。

今回紹介する方法は、基盤本体を筐体に通すことが出来るので、後から半田不良の修正や、
ゲーム機の部品取り付け漏れを直す(かなり大変なのでお勧めは出来ません)ことも可能です。

フレキだけが通る、小さい穴で済ませる方法もあります。この場合は、一度組むと、本体を分解するには、
基板から半田付けしたフレキをはがす必要があります。(スポットドライヤーを使用すれば可能です)

ユーザ各自でどちらが良いか十分検討して、独自の方法を編み出してください。


タッチペンを収納するケースは邪魔ですので取り外します。
画面中央のネジ止めは、こちらの手違いで、元々ネジ止めされていません。

USBコネクタ込みでキットが通る厚み(約7mm)にします。
幅はキットの幅(27mm)以上が必要です。


卓上ドリルを使用して、7mmの穴を開けてつなげます。
最後はカッターで整えれば完了です。


空けた穴から、「フレキ+サウンド+電源」を引き出します。
そして、タッチペンケースを元の位置に戻し、フレキを通したままタッチペンケースをネジ止めします。

ゲーム機の残りのネジを止める前に、基板と「フレキ+サウンド+電源」が接続可能か確認しておきます。
届かない場合は、筐体内部に引っかかっている可能性があります。

この時点で、一度バッテリーを戻し、ゲーム機の動作確認を行っておきます。
その際、配線(電源、サウンド)が接触(ショート)するとゲーム機が壊れますので、
配線の先端部分は、セロテープなどで、覆うなどします。動作確認が終了したら必ずバッテリーは外します。

ゲーム機のL/Rボタンのフレキも忘れずに取り付けておきます。

上手に配線を取り回せば、力をかけなくてもゲーム機の蓋は閉じることができます。
もし、うまく閉じない場合は配線が噛んでいないかを確認します。
<半田ジャンパの設定>

FPGAのI/Oは外部電源(1.8V)で使用します。そのための半田ジャンパの設定です。


写真の向きで、下側に半田を盛ります。
(上側とショートしていないか、確認してください)

<基板の半田付け>

フレキを基板の端子の上に乗せ、直接半田付けします。
(注意:ゲーム機のバッテリーは必ず抜いて作業すること)


事前に、フレキの端子の箇所の穴を半田で埋めておきます。
注意点としては、穴と基板の面が水平になることを心がけ、半田を多くしすぎないでください。
うまく水平にならない場合は、フラックスを塗って、こてを当ててください。


裏面です。
半田を流しすぎると、裏面に溢れてブリッジする可能性がありますので、チェックしておきます。


フレキを当てて、位置を合わせます。
ずれないように注意して、フレキの上からこてを当てて、丸印の三箇所を止めます。
(新たに半田を追加しなくても、穴埋めに使った半田を溶かして、付けます)

仮止めしたら、順次端子を半田付けしていきます。
フレキが浮かないように、上から押さえつけながら、右下から左上の端子に向かって、半田付けします。

フレキのレジスト(半田が乗らないように保護する部分)にずれがある固体もあるので、
端子の半田が、端子の横を通っている信号にブリッジしないように注意します。
ブリッジする様であれば、フラックスを塗って、こてを当てることでブリッジを解消します。
ブリッジしていないことをルーペ(拡大鏡)などで、確認してください。
(ブリッジすると、ゲーム本体の画面が乱れたり、ビューアソフトの画面にノイズが乗ったりします)


最後に電源 2本、サウンド 3本を直接半田付けします。
電源は長さ、サウンドはマークの有無で端子の場所を判別します。

GND(短い方)の半田付けは、かなりの熱量を必要としますので、温調半田ごての温度を上げて、
十分熱した状態で半田付けします。

最後に、念のため2本の電源(GNDと+1.8V)がショートしていないか、テスターでチェックしておきます。
(筐体を閉じるときに、電源線がシールドに挟まってショートすることが稀にあります)

<動作確認>

バッテリーを入れて、正常にゲーム機が動作するか確認します。

ゲーム機の正常動作を確認後、PCとUSBケーブルで接続して、ビューアソフトを起動します。
(ビューアソフトはご購入の方にご連絡しています。)


万が一動作しない場合は、写真の様な形にすることで、基盤をを筐体から外すことが出来ます。
(フレキは強く引っ張ったり、折り曲げないように注意します)

<筐体への組み込み例>

"専用カバー":http://cart05.lolipop.jp/LA04663495/?mode=ITEM2&p_id=PR00102219120で写真のように組み込めます。


<トラブル事例と対策>

症状 原因と対策
|ゲーム機の電源スイッチを入れても、起動しない|WiFiモジュールの接続ミス、
配線した電源がショートしているなどが考えられます。|
|ゲーム機の表示は正常だが、
ビューアの下画面にノイズが出たり、表示されない。|下画面データの取り込みタイミングを、
ビューアアプリの設定 -> キャリブレーションで調整する。|
|ゲーム機の画面、ビューアの画面の両方がノイズや
色調がおかしい。|基盤とフレキの半田ブリッジの可能性があります。
ルーペなどでブリッジしていないか確認して、
フラックスを塗り半田ごてを当て、解消します。|
|ゲーム機の画面は正常だが、ビューア画面の色調がおかしい。|基盤とフレキの半田不良(未接触)や、
ゲーム機本体側とフレキの半田漏れや、
半田不良の可能性があります。|
|ゲーム機のネジを強めに締めると、ゲーム機の画面が乱れたり、
色調がおかしくなる。|ゲーム機本体側のフレキの半田箇所に
尖っている部分があり、それが液晶パネルの
シャーシとショートしていることが考えられます。|
|ビューアの画面は正常だが、ゲーム機本体の画面が乱れる。|液晶パネルのマージンが低く、カメSPAを取り付けたことにより、
正常に信号が認識できなくなっている可能性があります。

極めて稀なケースで、個別に対応が必要と思われます。

PCと未接続状態で、ゲーム機本体の上画面が
乱れる(同期信号がずれる)ケースが現在確認されています。
このケースでは、基盤側の#4b、#4c、#4d、#4eに
それぞれ、2.2Kオームで+1.8V(#1d)にプルアップすることで
解消しました。
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