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プラグイン - (2011/04/22 (金) 21:45:41) の1つ前との変更点
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世界の存亡をたくされた、ある少年がいた。
かれは他の者にはない不思議な力を持っていた。それは、人でもモノでもなんでも、手を触れただけで、自由に形を変えることができるというものだった。
かれがこの能力を知ったのは小学生のときだった。ある日の給食のサラダに、かれの嫌いなグリンピースが入っていた。残すと先生にこっぴどく怒られるのはわかっていた。かれは目を盗んで、とっさにグリンピースを全て取りだして左手に握りこんだ。
(あーあ。これがコンペイトウなら食べられるのになあ)
かれが頭の中でそう思ったとき、ふと左手にゴツゴツした感触がやってきた。おそるおそる開いてみると、嫌いなグリンピースが溢れんばかりのコンペイトウに変わっていたのだ。
カンカンカンカンカンカンカン――カンカンカンカンカンカンカン――
外の非常階段を駆け下りる音が耳奥に鋭く響く。
普段、慣れ親しんでいない音。経験したことのない音。
まるで、日常から追い立てられるように。自分の席を強引に奪われるように。
逃げても逃げても、両脚からへばりついて離れない。
早くこの音から脱したい。地に足をつけたい。日常に戻りたい。
だからもっと早く降りなきゃ。
薄く残る夕陽の欠片は、この場所まで手を伸ばしてはくれない。
足元がおぼろげになり、まるで目の前の闇を蹴り飛ばしているようだ。
たぶん頭に血が回っていないんだろう。いきなり激しく運動したせいだ。私、貧血気味なのに。残業忙しくて夕御飯もロクに食べてないし。
場違いなほど的外れな思考は、混乱を紛らわすための本能的な処置だろう。ある意味、現実逃避のそれと等しい。
そんなことはわかっている。だけど――
こんな現実、信じられるわけがない。認められるわけがない。理解できるわけがない。
つい先ほど録画した脳内映像を再生する。
床に散らばる書類。机に埋まる上司の頭。血。ナイフ。セーラー服。そして、天狗。
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#ls
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