NKiD-03 黒曜
無名騎士藩国の開発・採用した独自I=D。開発開始はターン4。
開発
ターン1に開発された01アメショーはコストパフォーマンスに優れた優秀な機体であったが、用兵側からは攻撃力の不足が報告されていた。また1機の運用に3名の操縦手を必要とすることから、人的資源による出撃数制限が意外にも大きなものとなっていたのである。
これらの問題に対処すべく、要求仕様として以下のようなものが出された。
機種:I=D
使用別:陸戦
用途:砲撃
座席数:2
特性:01アメショーを上回る戦闘能力を有すること
この要求に対し、設計局は開発テストベッドとしてターン1で試製されたXNK-02を使用した試験を開始した。
XNK-02では武装セットとして35mm機関砲、ATM、7.62mm機関銃が用意されていたが、このうち遠距離砲撃に用いられるATMの攻撃力不足が指摘されていた。
これは親子弾方式であったためで、特に超大型目標に対する打撃力不足が顕著であり、不発率の高さとも相まって改善要求が多く寄せられた。
通常のHEAT弾頭による試験も行われたが、既存サイズの弾頭では回収されたアウドムラの装甲に対して有効打を与えることができず、より強力な貫通力を持つミサイルが求められた。
そこで持ち込まれたのがKEMである。これは炸薬の爆発ではなくミサイル自体の運動エネルギーをもって装甲を貫く運動エネルギーミサイル(Kinetic Energy Missile)であり、ミサイル版APFSDSとも呼べるものだった。
しかし、ここにも問題があった。威力は申し分なく数度の実射試験を経て搭載が決定されたものの、弾頭が高速・高加速過ぎるためにミサイル本体に精密誘導装置を搭載できず、I=D側に誘導装置を搭載せねばならなかった。FCSもかなり高級なものが必要であり、パイロット数を減らす関係もあって大型コンピュータの搭載は必須事項だった。しかしXNK-02はサイズと伏せ機構の問題から機体容積に余裕がなく、追加装備の受け入れは困難であると判断された。このため機体を約2倍にスケールアップし再設計することとなった。
この再設計の副産物として、装甲厚の増加、大型ジェネレータの搭載、脚部ローラーダッシュ機構の搭載が可能となった。
また、伏せ機構が廃止された。これは伏せ機構の使用に伴うパイロットへの負担が問題視されたのと、長距離砲戦重視のために必要性が薄れたと判断されたからである。
XNK-02では(伏せ機構の関係もあって)腕部直付けであった35mm機関砲はマニピュレータによる保持が可能となり、アサルトライフル型にまとめ上げられた。
こうして完成したのがXNK-03、通称試製黒曜である。5機が試験生産されてテストが繰り返された。
テスト機は概ね良好な成績を修めたが、本格量産に入る前にターン4の同時多発爆発が発生。一部試験装備のまま藩国防衛戦に出撃することとなった。
初出撃では10基のKEMによる同時攻撃でアラダ3体を撃破する活躍を示し、
性能諸元
頭頂高 |
7.92m |
全幅 |
4.19m |
重量 |
32.3t |
速度 |
歩行時 40km/h ローラーダッシュ時 85km/h |
行動距離 |
700km |
固定装備 |
12.7mm旋回機銃 三連スモークディスチャージャー×2 |
発動機 |
|
特記 |
肩部ステーションには空挺降下用フックを装着可能 |
装備
●04式76mm自動砲
中・遠距離用制圧兵器。KEMは弾数が少なく、また~2000mレンジでは威力に劣ることから開発された副武装である。マガジン式で弾種変更/再装填が容易であり、用途別に数種の砲弾が用意された。
砲種 |
滑腔砲 |
口径 |
76mm |
砲身長 |
44口径 |
砲身数 |
1門 |
発射速度 |
12発/分 |
砲重量 |
4,687kg |
弾種
- APFSDS(Armor Piercing Fin Stabilized Discarding Sabot/装弾筒付翼安定徹甲弾)
名称 |
04式76mm離脱装弾筒付翼安定徹甲弾 |
形式 |
固定弾 |
使用砲 |
04式76mm自動砲 |
完成弾重量 |
3.58 kg |
発射体重量 |
2.68 kg |
発射体長さ |
340 mm |
侵徹体重量 |
1.73 kg |
侵徹体長さ |
320 mm |
侵徹体直径 |
16 mm |
L/D比 |
20 |
侵徹体材質 |
タングステン合金 |
散布界 |
X軸で最大0.4mil(1000mで0.4mの散布界) |
曳光剤 |
距離3200mまで発光 |
初速 |
1420m/s |
有効射程 |
2,100m |
最大射程 |
3,400m |
対I=D用砲弾。同じ運動エネルギーを持つ砲弾でも、その径を小さく・長さを長くすれば侵徹長さ(目標装甲に食い込む長さ)を増大できる。しかし砲弾はその直径に対し一定以上長くすると飛翔中の安定性が悪くし、質量が増大するために初速が遅くなる。
この問題を解決するために開発されたのがAPFSDSである。
針状の侵徹体(penetrator)を砲腔と同じ直径の軽金属装弾筒(Sabot)で包むことで全体の質量を軽くして初速を稼ぎ、装弾筒は発射直後に空気抵抗で分離・侵徹体だけが飛翔していく仕組みである。侵徹体の安定性問題は安定翼をつけることで解決されている。(といっても横風にやや弱く、遠距離での命中精度はAPに比べやや劣る)
1200m/s以上の速度域では、着弾部分の超高圧のために砲弾と装甲が固体と流体の中間的振る舞いを起こし、砲弾が先端から押し潰されながら装甲を押し広げていく。超高圧で押し潰された砲弾と装甲は一部溶解し、隙間から逆流して排出される。
なお、運動エネルギーが減少すると通常の貫通現象へと戻り、流体的振る舞いは見られなくなる。
- HESH(High Explosive Squash Head/粘着榴弾)
名称 |
04式76mm粘着榴弾 |
形式 |
固定弾 |
使用砲 |
04式76mm自動砲 |
完成弾重量 |
8.01 kg |
弾丸重量 |
6.73 kg |
弾丸長 |
382 mm |
炸薬 |
HMX 1.11 kg |
信管 |
短延期信管 |
初速 |
800m/s |
有効射程 |
4,200m |
特記 |
|
名称 |
04式76mm榴弾 |
形式 |
固定弾 |
使用砲 |
04式76mm自動砲 |
完成弾重量 |
8.56 kg |
弾丸重量 |
7.12 kg |
弾丸長 |
392 mm |
炸薬 |
HMX 0.82 kg |
有効区域 |
正面幅 35m 縦深 25m |
信管 |
二動信管、複動信管、近接信管 |
初速 |
800m/s |
有効射程 |
4,200m |
特記 |
|
●04式KEM
黒曜の主力装備である運動エネルギーミサイル。運動エネルギーミサイルとは、通常ミサイルが炸薬によって目標を破壊するのに対し、ミサイルを超音速に加速して激突させ、その運動エネルギーで対象を破壊する兵器である。
76mmAPFSDSを上回る2100m/s(最高値)もの速度で激突し、質量も大きいためにその運動エネルギーは165kJにも達する。これは第1世界の120mm戦車砲のおよそ20倍の威力であり、APFSDSと同様に着弾面の流体的振る舞いを引き起こして貫通する。
ミサイル本体は高速・高加速すぎて高度な誘導装置を搭載できないため、I=D本体に誘導機能のほとんどを依存している。04式KEMの場合は本体FCSと目標を結んだ目視線とミサイルの誤差角を検出、胸部レーザー誘導装置によって目標への誘導を行う。
タングステンカーバイド製弾芯 |
誘導装置 |
姿勢制御ロケットモーター |
IMU |
ロケットモーター |
安定翼 |
レーザー受信装置 |
ノズル |
全長 |
4.03m |
弾体直径 |
0.22m |
乾燥重量 |
75.1kg |
総重量 |
216.9kg |
最終速度 |
2100m/s |
ロケットモーター 燃焼時間 |
5s |
有効射程 |
5800m |
最適交戦範囲 |
2000m~5000m |
推力 |
90.7kN |
比推力 |
202s |
運動エネルギー |
165.6kJ |
運用にはいくつかの制限がある。
- 発射から着弾までの約5秒間、I=D本体が標的を照準し続ける必要がある
- 近距離では加速が不十分であるため、最低でも1.2秒、300mは離れて発射しなければ効果が臨めない。
- 雨、霧、煙が酷い場合、I=D側からのレーザ誘導が制限される
- ロケットモーターの排気煙で位置が暴露されるため、発射後は直ちに移動せねばならない
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●短砲身12.7mm機関砲
胸部に固定装備された旋回式機関砲。主に対人用途に使用される。
●35mm機関砲
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●アタックシールド/電磁式ツインバンカー
●電磁式パイルバンカー