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    <title>オフライン</title>
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      **オフライン


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|&amp;image(kaze.jpg)|&amp;bold(){まいにるがかぜをひいたようです}&amp;font(red){※完売しました}|
|~|マイケル×ニール&amp;font(red){R18}|
|~|2011/10/23発刊|
|~|A6/122P/600円|
|~|スケ・カク合同誌。&amp;br()テーマは「風邪えろ」。風邪をひいてもマイニルは自重せずにいちゃいちゃしていればいいよという話。&amp;br()スケが風邪っぴきニールを、カクが風邪っぴきマイケルを担当しています。|
|~|[[sample（スケ）&gt;オフライン/まいにるがかぜをひいたようです_スケ]]　/　[[sample（カク）&gt;オフライン/まいにるがかぜをひいたようです_カク]]|








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    <title>オフライン/salvation</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/nolimetangere/pages/33.html</link>
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      **sample


「ジェフリー……？」
　呻くような問いかけの声が零れる。それを受けて、男は酒に濁った目を訝しげに細めた。
「あ？　なんで俺の名前を知ってやがる、テメエ」
「ニール、知り合いなのか？」
　状況が掴めず、マイケルはニールの袖を引いた。だが、問いかけにニールは答えなかった。茫然自失になっているわけではないのは、すぐに固く引き結ばれた口元からも明らかだ。明確な意志の元に、ニールは返答を避けている。その事実に、不穏な予感が黒雲となって、胸中に沸き起こった。
　ニールが口を閉ざす中、マイケルの問いかけに反応したのは、眼前の男の方だった。
「ニール……？　まさかお前、ニール・ローウェルか!?」
　濁った目を見開き、ぽかんと口を開けてニールを見上げる。ニールは肯定も否定も返さず、ただ無言で男を見下ろすだけだ。だが、男が確信を抱くにはそれでも十分だったらしい。少しの間をおいて、男の口の端が悪意の形に吊り上がった。　
「へえ、見ない間に随分とでかくなったじゃねえか。そのナリは何だよ。まさかお前、牧師でもやってるのか？」
　ニールの服装をあげつらって、何が面白いのかげらげらと大声で笑う。失礼な言動に、しかしマイケルは何も言えなかった。男の非礼さに反論する言葉は五万とある。だが、それを発するための怒りの熱は、傍らから漂う冷気に飲み込まれてしまっていた。



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    <dc:date>2012-09-19T23:47:45+09:00</dc:date>
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    <title>2012お年玉</title>
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      &amp;sizex(1){元旦に上げただけで、正月とは何の関係もありません}
&amp;sizex(1){オガニルが拘束プレイでボタン外してるだけ}
----
**2012お年玉


　ニール・ローウェルは、この上もなく不快だった。全身を拘束する縄は、一分の自由すら与えないほどにきつく食い込み、衣服の上からでさえその縄目をありありと伝えてくる。転がされた床は冷たく、体温という体温を全て奪い去ってしまいそうだ。だというのに、身体は冷えるどころか、じりじりと肚の奥からこみ上げる熱に満たされて、いっそ息苦しいほどだった。
「苦しそうだねえ」
　何より、楽しげにニールを見下ろしてくる男の存在が、この上なく不快感をそそる。ニールと一回りも離れていないだろう整った顔に浮かんでいるのは、嘲りと愉悦に歪んだ笑みだ。日頃、学生たちに混じってフットボールに興じる時の飄々とした明るさは、欠片も感じられない。
「君に悪魔の囁きは効かないみたいだから、魔女の媚薬と洒落こんでみたんだけどね。効果が少し強すぎたかな？」
　衣服越しに触れてくる手は、あくまでも優しい。だというのに、氷を直接押し当てられたかのような冷たさに、肌膚が粟立つ。そのくせ、昂った身体はささやかな接触にさえ甘さを見出して、芯を熱く痺れさせた。伝播した熱がこめかみに溜まり、思考が輪郭を曖昧にぼやかしていく。本当に、どうにかなってしまいそうなほどの熱さだった。所用で久々に着たカソックが徒となっているのかは、わからない。ただ、もし拘束がなく、目の前に冷たい笑みを滲ませた男がいなければ、この無暗に多いボタンを一つ残らず毟り取っていただろう。それほどまでに、昂りはどうしようもないところまで追い詰められていた。
　それを察しているのか、男は薄ら笑いを貼り付けたまま、ニールの顔を仰々しげに覗き込んだ。
「随分と汗をかいているね。熱いのかな？　ねえ、服を緩めてあげようか」
　ニールの返答を待たずに、男の顔が下りる。喉元に生温かい息がかかり、身の毛がよだった。喰い千切られるかと身構えたが、予期した激痛は襲ってこない。その代わりに、硬いもの同士のぶつかる小さな音が響き、窮屈な襟元が不自然に引っ張られた。くぐもった声と、硬質な音と、生温かい吐息。しばらく襟を引かれた後に、ふいに首元が解放される。ボタンを口で外されたのだと理解するまでに、少しのタイムラグがあった。やめろと叫ぼうにも、刺激される度に零れそうになる間抜けな声を堪えるのに必死で、口を開く余力がない。何より、何を言ったところで相手を悦ばすだけなのだから、抗議は無意味だ。
「ふうん……さすが、ベリアルは我慢強いんだねえ」
　くつくつと笑いながら、男の頭はゆっくりと下がっていく。指で止めるのも面倒な数のボタンを、一つ一つ口で外していく様は、傍から見れば滑稽だろう。だが、今のニールには、布越しの湿った吐息さえ、淫靡な刺激としかなり得ない。拘束されたままの腕が軋み、指先が冷たい床に爪を立てる。焦れったさに喉がひくつき、酷く息苦しい。
　やがて下半身まで辿り着いて、男は顔を上げた。暗く濁った、嘲りに満ちた目が、いっそ慈しむようにニールを見下ろした。
「ここ、随分と辛そうだよ」
　笑いながら、下肢を柔らかく擦る。それだけで、ニールの背はきつく撓った。
「ァ、ぅあッ」
　そこが聖衣を押し上げるほどに硬く張りつめているのは、ニール自身にもわかっている。ずっと肚の奥でとぐろを巻いていた熱が、たった一度の刺激で、出口を求めて暴れ出した。焦らされている。身体はこれ以上なく熱を上げているというのに、明確な刺激はほとんど与えられていない。荒い呼吸が高い天井に反響して、まるで興奮した犬のようだ。口の端から零れる涎さえ、もう気にかける余裕がなかった。
　熱い。この熱を鎮めたい。もっと刺激が欲しい。何もかも忘れて、思い切り吐き出してしまいたい。
「どうしてほしい」
　内心を見透かしたかのように、歪んだ笑みが視界を占拠した。柔和なブラウンの双眸が、今は地獄の淵のように暗い。そこから吹きつけてくるのは、寒々しい風と悪魔の嘲笑だ。だというのに、耳元で囁く声は、猛毒のように甘く熱を帯びている。
「苦しいだろう？　君が望むなら、もっと与えてあげるよ。直接触って、思い切り擦り上げてあげる。君が満足するまで、何度でもね。それに、もっと気持ちいいことだってしてあげられる」
　腐臭が鼻腔を擽った。地面に落ちる一歩手前の、爛熟した果実の甘い腐臭だ。それを吸い込む度に、身体の熱が上がり、思考がばらばらに解けていく。どうにか明瞭さを保とうとしても、その縁が見つからない。頭の中に男の声が反響して、ひたすらに欲望を突き動かされる。
「言ってごらんよ、ベリアル」
　笑いながら、男が顔を近づける。鼻先が擦れ合うほどの距離にあるそれを、ニールはぼんやりと見上げた。そして、思い切り唾を吐きかけた。笑みに歪んだままの頬に、体液がべっとりと貼りつく。それを見て、ニールは無理矢理に片頬を歪めた。
「……死ねよ、クソ野郎」
　限界は近い。身体も精神も戒められて、悲鳴を上げていない個所などどこにもない。それでも、ニールはこの男の手を受け入れたくはなかった。狂おしい熱に、何度服従の言葉が喉を突き上げようとも、男の元に下るわけにはいかなかった。
　男は冷めた表情で身体を起こすと、顔を袖で拭った。そして、この上なく楽しそうに肩を揺らした。
「ああ、ベリアル。そうだ、君はそういう男だったね」
　酷薄な笑みが、極彩色の悪意に彩られている。ニールは顔を顰めながら、瞼を下ろすことで男の顔を遠ざけた。あとどれほど耐えればこの不快な時間が終わるのか、彼に知る術はなかった。




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    <title>menu</title>
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    <title>ハネムーンサラダ</title>
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      &amp;sizex(1){2011/10/23のスパークで無料配布したものの再録です}
----
**ハネムーンサラダ



　マイケルにとって、料理はそれほど得意なものではない。決して嫌いな訳ではないが、野菜を切れば不揃いになるし、味付けも大雑把だ。かつて母親が作ってくれた料理は確かに美味だったが、料理の手伝いをあまりしなかったマイケルに、その味や技術が伝わっているはずもない。全寮制の学校に進んでからは、食事は全て食堂に用意されているのだから、尚更だ。
　そんな理由から、包丁を握るマイケルの手つきは、凄まじく酷い訳ではないが、どうにもぎこちない。しかもそれがマイケルのものではない包丁で、場所も立つのがようやく二度目となる台所となれば、包丁捌きどころか些細な動作までおぼつかない。調味料はどこだ、皿はどこだと漁っている間に、フライパンから焦げ付いた臭いが立ち上り始め、マイケルは慌てて火を止めた。中を覗くと、目玉焼きとベーコンが黒く変色している。思わず零れそうになる溜め息を噛み殺しながら、マイケルは改めて皿を捜し始めた。
　客人であるマイケルが、慣れない台所で慣れない作業をしているのには、当然理由がある。この牧師館の現在の住人が、とてもではないが朝食を作れる状態にないからだ。
　昨日、マイケルはここの住人であるところの牧師に会うために、大学の休暇を使って遠路はるばるこの小さな教会にやってきた。数年前に別れた時には恋人同士になれると思っていなかった相手との再会に、二人は酷く熱を上げた。そのことをマイケルは後悔していないし、恐らくは相手も同じだろう。
　ただ一つ誤算だったのは、再会の喜びを夜通しぶつけ合った結果、受け入れる立場にあった相手が、ベッドから起き上がれなくなってしまったことだ。正確を期せば、無理をすれば動けない訳ではないらしい。だが、慣れない痛みに腰を庇いながら、酷くぎこちない仕草でベッドから立とうとする相手に、マイケルがどうにも見ていられなくなってしまった。何せ、彼をそんな状態にまで追い込んだのは、我を忘れて相手を貪った自分なのだから、罪悪感の一つも覚えるというものだ。
　ともあれそんな事情から、マイケルは起き上がろうとする相手をベッドに押し込み、こうして朝食の用意をしている。あまり大したものは作れそうにないが、あのまま腰を押さえた相手を台所に立たせるよりは、ずっとましだろう。マイケルは内心でそう嘯きながら、フライパンの中身を見て溜め息を零した。
　ともあれ、始めたからには終わらせなければならない。焦げた目玉焼きとベーコンを皿に移し、パンをオーブンにセットする。紅茶を蒸らし始めたところで、マイケルはもう一度テーブルの上を見た。トーストにベーコン、目玉焼き。品数は少なくはないが、もう一品ぐらい追加してもいいかもしれない。
　少し考えた後、マイケルは野菜入れを覗き込んだ。近くの畑から貰って来たのか、中には新鮮なレタスやトマトが転がっている。これらを皿に盛っておけば、サラダとして一品になるだろう。マイケルは一つ頷くと、レタスを手に取り、葉を何枚か毟り取った。
「こいつはまた、朝から随分と刺激的な匂いだな」
　扉の音と共に、苦笑めいた声が背後からかかる。振り返れば、ニールがナイトシャツのまま、ぎこちない動きで部屋に入ってくるところだった。
「焦げ臭いか？」
「ま、多少はな。でも、折角のお前さんの手料理だ。ありがたく頂くさ」
　焦げたベーコンを見て笑うニールの顔には、しかし嫌味がない。そのことに安堵しながら、マイケルはレタスを千切って皿に盛った。トマトも乗せるべきか少し悩むが、包丁はもう流しに置いてしまっている。もう一度洗う手間を考えて、結局そのまま出すことに決めた。
　サラダをテーブルに運ぶと、丁度ニールがオーブンからトーストを取り出そうとしているところだった。どうにも動きがぎこちないのは、明らかに腰を庇っているからだ。昨夜の情事の名残をまざまざと見せつけられて、マイケルは思わず赤面した。
「僕がやるから、ニールは座ってろって」
　ニールを無理矢理椅子に追い立て、マイケルはオーブンの前に陣取った。取り出したトーストは、こんがりと色づいて、酷く熱い。だが、今の自分の頬も、このトーストといい勝負のはずだ。些細なことにさえ反応してしまう自分の未熟さが、マイケルはどうにも居た堪れない。
　だが、いつまでもここに留まっている訳にはいかない。皿に乗せたトーストを手に、マイケルは咳払いを一つしてテーブルに向かった。そして、先程まで笑っていた筈のニールが、何とも珍妙な表情でレタスの山盛りを見ていることに気付いた。
「どうしたんだよ、ニール」
「……まさかお前さんが、今日この日にハネムーンサラダを出してくるとは思わなかった」
「はあ？　何だよ、ハネムーンサラダって」
　意味がわからず、思わず聞き返す。ニールは驚いたようにひとつ瞬くと、途端に口元をにやつかせた。
「おやあ、真面目な監督生はご存じないか」
「茶化すなよ。大体、今更監督生も何もないだろ。それより、どういう意味なんだってば」
　先程まで起き上がっているのも気だるげな様子だった相手に、明らかにからかわれているのが、何とも腹立たしい。ようやく距離を詰められたと思ったのに、また数年前のように引き離されてしまったかのようだ。
　不満を込めて思い切り睨みつけると、ニールは笑ったまま軽く肩を竦めてみせた。
「ただの言葉遊びだよ。レタスサラダは『&amp;ruby(lettuce only){レタスだけ}』だろ」
「うん」
「新婚夫婦が二人っきりでいちゃつきたい時は、何て断りを入れる？」
「そりゃ、『&amp;ruby(let us only){二人きりにして}』とか……あ」
　&quot;lettuce only&quot;と&quot;let us only&quot;、どちらも発音は同じだ。ただそれだけのことだというのに、思わず頬に血が昇るのがわかった。
「そういうこった」
　それがよく見えるのだろう、ニールはにやついたまま、したりとばかりに頷いた。その反応が、自分一人が動揺してしまっているかのようで、やはり面白くない。
「……下らないな」
　視線を外し、不機嫌に言い放つ。それでも、ｌ頬が熱いのはどうしようもない。内心で、マイケルは舌打ちした。知っていれば、マイケルは包丁を洗う手間を惜しまず、レタスの上にスライスしたトマトを並べていただろう。そうしていれば、こんな理不尽な羞恥や居た堪れなさも覚えなかったはずだ。
「俺に言うなよ、俺が言い出した訳じゃねえんだからな」
　苦笑するニールの声を意識的に遠ざけながら、マイケルはトーストの皿を置いた。数年をかけてようやく横に並ぶことができたかと思えば、このざまだ。からかってくるニールも腹立たしいが、それ以上に、こんな簡単に反応し、悔しさと羞恥の矛先を彼に向けてしまう自分に腹が立つ。今までは特別好悪を覚えていなかったレタスサラダさえ、八つ当たりで嫌ってしまいそうだ。
　視界の端からは、相変わらずくつくつと喉を鳴らす音が聞こえてくる。それがやはり気に食わず、いい加減黙らせようと、マイケルはニールを睨んだ。そして、彼の髪の隙間から覗く耳朶が、鮮やかな赤毛に負けないほど色づいていることにようやく気付いた。
「どうした？」
　急に動きの止まったマイケルに、ニールが怪訝な表情を浮かべる。その頬もよく見てみれば、薄らと紅潮していた。レタスサラダを見たニールが、実に珍妙な顔をしていたのを、マイケルは思い出した。あの時の彼の表情は、若干の狼狽が混じった実に嫌そうな顔で、そのくせ剣呑さは欠片もなかった。きっと、つい先程までの自分も、同じ顔をしていたはずだ。
　ニールもまた、自分の連想した単語に、気恥ずかしさを覚えていたのだろうか。そして自分は、そんな彼の機微に気付ける程度には、成長できているのだろうか。
　マイケルは咄嗟に口元を手で覆った。顔が勝手ににやけてしまう。頬が先程までとは違う熱を持っているのがわかった。
「……別に、何でもないよ」
「何だよ、急ににやにやしやがって。変なヤツだな」
　訝しがるニールは、不満げな子供のように顔を顰めた。だが、その中心にある空色の双眸は、どこまでも優しくマイケルを見守っている。マイケルがその境地に至るには、まだまだ時間を要するだろう。それでも、努力していればいつかは、彼と同じ目をすることができる日が来るはずだ。
　根拠のない、しかし確かな未来を思いながら、マイケルは食事の祈りのために手を組んだ。嫌いになりかけていたはずのレタスサラダが、今は酷く食欲をそそった。





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    <dc:date>2011-10-24T19:14:49+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/nolimetangere/pages/30.html">
    <title>オフライン/まいにるがかぜをひいたようです_スケ</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/nolimetangere/pages/30.html</link>
    <description>
      **sample/スケ


「着替え。ニール、そのカソック着替えた方がいい。ナイトシャツはどこ？」
　唐突な思いつきで出た問いだったのだが、ニールはさして不思議に思わなかったようだ。
「そこの、棚」
　顔の向きを僅かに変えて、視線で指し示される。マイケルは示されるままその棚に向かうと、五段に分かれている引き出し棚を片っ端から開けていった。
　引き出しごとにちゃんと衣類が分別されて仕舞ってあるけれど、所々乱雑に押し込んである衣類もあったりして生活感が窺える。彼はこの家でしっかりと生活しているのだ。
　マイケルはお目当てのナイトシャツを見つけると、離れたときと同じく大股でニールのいるベッドへ戻ろうとしてふと動きを止めた。彼がベッドから起き上がろうとしていたからだ。
「なんで起き上がってるんだよ、寝てなきゃ駄目だ」
「起きなきゃ、着替えられねえ、だろ」
　ニールの言うことは正論だった。寝たきりの老人か、歩くこともできない赤子ならいざ知らず、いくら病人といえど彼は大人だし着替えるぐらいはできるだろう。けれどマイケルは腑に落ちない。
「起きなくていいから」
　ベッド脇まで戻り、浮き上がっていたニールの肩をシーツに押し戻す。何で？　と不思議そうな顔をする彼は、熱のせいなのかマイケルの意図を測りかねているらしかった。そんな彼に構わず、カソックのボタンを外していく。
「マイケル、……」
　ニールは自立した大人だ。未だ学生のマイケルとは違い、牧師という職業につき、自立した生活基盤を築いている。器用な彼は身の回りのことだって卒なくやっているのだろうし、風邪をひいたって、余程つらくない限り自力で治してしまうのだろう。いや、社交的な彼のことだ。頼れば喜んで看病してくれる人の一人や二人いるはずだ。
「な、なあマイケル……いいって。自分でできる……」



----    </description>
    <dc:date>2011-10-06T22:27:30+09:00</dc:date>
    <utime>1317907650</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/nolimetangere/pages/29.html">
    <title>オフライン/まいにるがかぜをひいたようです_カク</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/nolimetangere/pages/29.html</link>
    <description>
      **sample/カク


　やがて考えがまとまったのか、マイケルは一つ頷き、サイドテーブルにカップを置いた。トパーズの瞳が気真面目な、しかしどこか浮かされた色をしてニールを見る。
「ニール」
「なん」
　何だ、と続けようとした言葉は、相手に飲み込まれた。不意打ちで口付けられて、ニールは思わず目を瞠った。恋人同士が、ふとした瞬間にキスを交わすのは、何もおかしいことではない。だが、さして色気のある会話をしていた訳でもない中で、このキスは随分と唐突だ。
　驚きはしたところで、無論、恋人からのキスが嬉しくないはずもない。ニールは口を開くと、忍びこんできた舌を自分のそれで絡め取った。飲んだばかりのココアが残っているのか、マイケルの舌は甘い。それを堪能するように啜り上げれば、マイケルが小さく声を漏らした。
　水音を立てて唇が離れる。ほんのりと胸の内に沸く照れを隠すように、ニールは小さく笑った。
「ココアの味がするな」
「そりゃ、たった今飲んだんだから、当然だろ」
「まあな。……どうした、急にムラムラきちまったか？」
　触れ合うほどではないが、未だマイケルの顔は近い。からかうように囁きかけると、その顔はあちこちに朱を散らして眦を吊り上げた。
「っ、ニールの所為だろ」
　不貞腐れたように顔を伏せ、ニールの胸を拳で叩いてくる。重くはないが軽くもないそれに少し息を詰まらせながら、ニールはマイケルの顔を覗き込んだ。噴き出さないように気をつけてはいるが、口元がにやけてしまうのは不可抗力だ。
「何だよ、オレサマがあまりに良い男だから参っちまったのか？」
「違うっ！　だから……」
　上気した頬が、ますます赤みを増した。再度加えられた胸への一撃は、苛立ちにか照れ隠しにか、少し重さを増している。すると、ふとその拳が解け、ニールの服を掴んだ。
「……ニール、風邪ひいた時にしかココアを飲まないんだろ。だから、うつせば飲めるんじゃないか、って……」
　言葉が進むにつれて語尾が弱くなり、顔がどんどん俯いていく。反比例するように手には力がこもり、掴まれた個所は皺だらけだ。零れる髪の隙間から覗く耳朶の見事な赤さに、ニールはとうとう堪え切れずに噴き出した。



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    <dc:date>2011-10-06T15:42:45+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/nolimetangere/pages/27.html">
    <title>レオニード誕生日SS</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/nolimetangere/pages/27.html</link>
    <description>
      &amp;sizex(1){・公式のレオニード誕生日絵に萌え殺されました}
&amp;sizex(1){・当サイトでは異色のレオマイレオです}
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　唇に、温かい何かが触れている。ぼやけた意識の彼方、幾重にも重ねられたヴェールの向こうで、何度も触れてくるそれは柔らかだ。害意は感じない。むしろ、その感触に安心すると同時に、胸の内がどうしようもなくこそばゆくなってくる。
　不快ではなく、むしろ心地よいその感覚は、かつて婚約者と共にいた頃に覚えていたものだ。その相手も、今は遥か遠い。あらゆるものを奪われ続けて、レオニードは今の場所にいる。
　しかし、それでもなお、その感覚は今もまだレオニードと共にある。長らく覚えていなかったこそばゆさを思い出させたのは、自分がファグよろしくこき使っている、年下の恋人だ。端麗な顔立ちとは裏腹に、荒っぽい言葉でレオニードの無精を糾弾してくる相手は、共にいて酷く心地が良い。レオニードのことを心から案じているのが、手に取る様にわかる。その遠慮のなさと率直さを、レオニードは愛しいと思っているのだろう。
「マイク……」
　こそばゆさに包まれながら、ぼんやりと恋人の名を呼ぶ。その瞬間、凄まじい衝撃が肩を襲った。
「……ッ」
「っ、この、馬鹿ッ！　さっさと起きろよ！」
　何事かわからないまま、無理矢理に目を開ける。視界の中で、まさに今名前を呼んだ相手が、見事に紅潮した顔で眦を吊り上げていた。
「……マイク？」
　働かない頭に、ぼんやりとした疑問符が過ぎった。ここがどこで、どうして名前を呼んだばかりの相手が目の前にいるのか。そんな些細なことは、レオニードの脳裏には浮かばない。自分が眠れる場所など様々な意味で限られているし、年下の恋人が自分の傍にいるのは、レオニードにとってごく当然のことだ。だから、レオニードが疑問に感じたのは、もっと別のことだった。
「何故、そんな赤い顔をしている」
　ぼそりと、思いついた言葉をそのまま口に出す。その瞬間、大きなクッションが顔面に投げつけられた。
「……痛い」
「うるさいっ！　今紅茶を淹れ直してくるから、そこで大人しく寝ぼけてろ！」
　マイケルは何やら怒鳴り立てると、耳まで赤くしたまま視界から走り去った。何があったのか、理解できない。相変わらずぼんやりとしたまま、レオニードは天井を見上げた。そして、夢の中で感じていた温もりは何だったのだろうかと、そっと唇に指を這わせたのだった。



&amp;sizex(1){寝てるところをひっそりちゅっちゅしてたら寝ぼけたレオに名前呼ばれて思わずぶん殴っちゃったマイケルの図}
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    <dc:date>2011-09-04T20:52:03+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/nolimetangere/pages/26.html">
    <title>とある老神父の告白</title>
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      **とある老神父の告白


　主よ、どうか貴方の罪深きしもべの告白をお聞き下さい。
　私は罪を犯しています。まだほんの子供だった頃から今に至るまで、ずっと罪を犯し続けています。

　私は、同性を愛しています。

　彼は、神学校時代の友人でした。
　その神学校に入った当時、私は自分が生きていていいのかわからず、毎日をただ虚ろに過ごしていました。あの頃の私は、何をしても、何を食べても、息をすることさえ、自分は許されているだろうのかと、自分という存在の全てに価値を見出せずにいました。
　けれども、彼は。出会ったときから太陽のように輝いていた彼は、そんんな私のことを見てくれました。それどころか、私のことを尊敬すると言って、握手をしてくれました。
　あの日のことを、彼が思い出すことはそうないでしょう。それでも、私はずっと、今この時ですら、鮮明に思い出すことができます。あれは、生きることを迷っていた私への、力強い赦しの言葉だったのです。
　私たちは親友となり、卒業して互いに聖職についた後も、変わらない親交を保ち続けました。彼が愛したのは別の人でしたが、私は彼も、彼が愛した人のことも、ずっと愛していました。
　他人から見れば、偽善に映るのかもしれません。ですが、私にとって、彼が私を愛してくれることよりも、彼が本当に幸せそうに笑ってくれることの方が、よほど大切だったのです。だから私は、親友として隣にいさせてくれる彼も、その彼を幸せにしてくれる彼の愛する人も、心から愛していました。彼ら二人が私の生をどれほど明るく照らしてくれたことか、私には最早知る術はありません。そんな事態を想像することすらできないほど、彼とその愛する人は、私の光となって全てを照らし続けてくれたのです。
　愛する人が先に主の御許に旅立った時、彼は深く悲しみました。けれども、涙を零したまま顔を上げて、愛する人を見送れたことを感謝すると、そして隣に私が経っていることを心から有難く思うと、強く宣言しました。年を経て深い皺の刻まれた手が、私のそれを握り締めるその強さに、私は魂から震えました。彼が本当に幸せな愛に包まれていたこと、私が未だ彼のよすがであり続けていることを知らされて、私もまた泣きました。彼を幸せにしてくれた人への感謝と、誰よりも大切な彼への愛しさから零れた涙でした。
　その彼も、半年前に天に旅立ちました。最後の会話で、最期を看取る相手が私であることに感謝すると、彼は笑ってくれました。

　主よ、私も今、この世から旅立ちます。
　私の行く先が地獄であるのか、煉獄であるのかはわかりません。父や母や姉のいる場所に、罪深い私が行けるとも思っていません。
　主よ、これは懺悔ではないのです。私は――私はただ、貴方に感謝したかった。
　彼と出会えたことに、心から感謝します。
　たとえこの想いが罪であろうと、彼は私の光でした。それはこの先も、永遠に変わることはありません。地獄の業火に焼かれようと、私はこの想いさえあれば立っていられる。彼と出会ったことで、私はこの上なく救われました。
　主よ、貴方に感謝し、貴方の栄光が常しえに続くことを祈ります。そして願わくば、私の家族が、彼の愛した人が、――彼が、どうか貴方の御許で安らかに眠っていますように。



　……僕も今行くよ、マイケル。




&amp;sizex(1){マイニルラバーですが、他のみんなも大好きです。}
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    <dc:date>2011-08-22T18:32:43+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/nolimetangere/pages/25.html">
    <title>小6ニールと年少組マイケル</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/nolimetangere/pages/25.html</link>
    <description>
      &amp;sizex(1){・がっつり現代日本}
&amp;sizex(1){・小6のニールと年少組のマイケルが出会ったら}
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　その日、ニールは珍しく、一人で小学校から帰っていました。いつも一緒に遊んでいる友達の全員が全員、用事が入ってしまったのです。とはいえ、この春とうとう六年生になったニールですから、一人で下校することに困りはしません。ただ、いつも傍にある賑やかさがないことに、少しの寂しさを覚えているのは確かでした。
　小学校からニールの家までは、子供の足でそれなりの距離を歩きます。ニールにとっては五年以上通い続けている道ですから、慣れたものです。小さな頃は心配されていた大通りも、今では危なげなく渡ることができます。もうしばらく歩けば、交番のある大きな交差点が見えてくることでしょう。少し近道をしようと、ニールは裏の細い路地に入りました。
　すると、ふと見慣れない光景に出くわして、ニールは足を止めました。誰もいない路地裏で、幼稚園のスモッグを着た子供が、一人ぽつねんと立っています。水色のスモッグも黄色の肩掛け鞄もニールから見れば随分小さいはずなのに、子供が身につけているとひどく大きく見えました。おそらく、まだ入園したばかりなのでしょう。
　子供はふわふわとした金髪の巻き毛で、教会にある絵の中の天使様のように愛らしい顔をしています。ただ、その目は涙に濡れて赤く腫れ上がり、そのくせ負けん気の強さを示すかのように、足下の地面をきつく睨みつけていました。
「迷子かな」
　周囲には両親らしい大人どころか、子供とニールの他には人影一つありません。何より、子供はこんな不安そうな顔をしているのですから、まず間違いないでしょう。少し前にも迷子の子供を交番に連れていったことがあるニールは、一つ頷くと、子供に歩み寄りました。
「どうした、迷子か？」
　声をかけると、子供は大きく肩を震わせて振り返りました。大粒の涙が、零れ落ちそうなほど大きなトパーズの瞳から次々に溢れています。しゃくり上げながら、子供は小さな手をきつく握り締めました。
「まいごじゃないもん、マイケルだもんっ」
　迷子という言葉が、まだよくわからなかったようです。顔を真っ赤にして必死に抗議する様子に、ニールは頭を掻き、マイケルと叫んだ子供の前にしゃがみこみました。
「そうかそうか、マイケルか。なあマイケル、お父さんとお母さんはどこだ？」
「……わかんない」
「じゃあ、家までの帰り道とか知ってるか？」
「わかんないっ」
　マイケルは癇癪を起こして叫ぶと、嗚咽を漏らしながら俯きました。口にした途端に心細さが増したのか、瞳は一層潤み、溶け落ちてしまわないのが不思議なほどです。意地を張ってはいますが、本当は大声で泣き出したくて仕方がないのでしょう。
　ニールはもう一度頭を掻くと、ランドセルを下ろしました。日頃の腕白の所為か、ランドセルはぼろぼろで、大分へしゃげています。その蓋を開け、中をごそごそと漁りました。
　目の前の出来事に気を取られたのか、いつの間にか泣き止んだ子供の前で、ニールはくしゃくしゃになった学校からのお知らせを幾つか放り出しました。そして、ようやく目当てのものを見つけて、手を引き抜きました。
「ほら、これやるよ」
　取り出したのは、ストロベリーキャンディでした。以前に叔父さんから貰ったものを、こっそり学校に持ち込んで、みんなで食べていたのです。ランドセルの中にはミント味もありましたが、まだこんな幼い子供の口には合わないだろうと思い、残しておきました。
「きゃんでぃ！」
　マイケルはキャンディを受け取ると、嬉しそうに笑いました。小さな手が包み紙を取ろう、覚束ない手つきで動いています。ニールは小さく笑い、マイケルの手からキャンディを取り上げました。そして、包み紙を剥き、もう一度マイケルに渡しました。
「ほら、飲み込むんじゃないぞ。ちゃんと舐めろよ」
「んっ」
　実に嬉しそうな顔で、マイケルはキャンディを口に入れました。特に大きな粒でもないというのに、頬張るという表現がぴったりの有様です。改めて相手の小ささを実感して、ニールは眉尻を下げました。今はキャンディに夢中になっていても、食べ終わってしまえば、また心細さが戻ってくることでしょう。マイケルの両親も、きっと心配しているに違いありません。
　ニールはハンカチを取り出すと、マイケルの赤く腫れた目元や頬をぐいぐいと拭きました。歯にキャンディが当たるのか、口の中からはくぐもった硬い音がします。首を振って嫌がるマイケルの顔をどうにか拭き終えて、ニールはハンカチをランドセルに放り込みました。そして、立ち上がって背負い直すと、マイケルに手を差し出しました。
「行くぞ。お巡りさんのところまで連れてってやるから」
　マイケルの家も、幼稚園も、ニールにはわかりません。それでも、交番の場所はわかりますし、お巡りさんがニールよりもずっと迷子の家を探すことができることも知っています。マイケルの両親だって捜しに来ているかもしれません。何より、こんな小さな子供を放っておくのは、ニールの責任感が許せませんでした。
　ところが、マイケルはニールの手を見ると、不満そうに頬を膨らませました。
「やー」
　ニールを見上げ、シャツの裾をぎゅっと掴んできます。嫌がられるとは思っておらず、ニールは瞬きました。
「なんだよ、ここにいたいのか？」
「やー！」
　今度は頭をぶんぶんと振り、裾も強く引っ張ってきます。どうすればいいのかわからず、ニールは途方に暮れてしまいました。とりあえず膝を折り、マイケルに目線を合わせます。
「一体どうしたいんだよ、マイケル。お父さんやお母さんのところに帰りたくないのか」
「あし」
「ん？」
「あし、いたい」
　言葉に釣られて、ニールは視線を下に向けました。丸みを帯びた小さな足は、何度か転んだのか、ところどころに擦り傷があります。歩くことに支障はなさそうですが、幼い子供にとっては十分に痛いのでしょう。何より、こんな状態になるまで彷徨い歩いて、疲れてしまっているのかもしれません。
「仕方ねえなあ」
　ニールは息を零すと、ランドセルを前にかけ直しました。そして、空いた背中をマイケルに向け、後ろ手に招きました。
「ほら、来いよ。おんぶしてやるから」
　ニールは年齢の割には小柄な方ですが、それでも頑張れば小さな子供ぐらいは背負えるでしょう。幸いなことに、交番のある交差点までは、そう距離もありません。大体、登下校の時にじゃんけんで荷物運びを決めるのはいつもの遊びの一環でしたから、前後にものを背負うのは慣れっこです。
　マイケルは何度か瞬きすると、やがておずおずと手を伸ばしてきました。小さな手がシャツを這い上り、よじ登ろうとした靴先が腿を蹴ります。それを我慢して後ろ手にマイケルを押し上げると、ようやく首元に細い手が回りました。
「しっかり摑まってろよ」
　声をかけると、ニールはそろそろと足に力を入れました。前に引っかけたランドセルが邪魔でしたが、なんとか転ばずに立ち上がることに成功します。圧し掛かる重みは結構なものですが、交番まで歩く程度なら問題はなさそうです。何より、背中越しに伝わってくる子供の高い体温が、ニールを奮い立たせました。
「よし、それじゃあ行くか！」
「あい！」
　活を入れるために大きな声を出すと、背中のマイケルが喜んで返事をします。耳元からふわりと漂ってくるキャンディの甘い匂いに笑いながら、ニールは歩き出しました。




&amp;sizex(1){本当はこの後交番に行ってカレンさんにマイケル引き渡したらニールいっちゃやだーとかぐずるマイケルを「そんなんじゃ冒険家になれないぞ、今度秘密基地教えてやるから泣くな！」とかニールが頭ぽんぽんする詰め込み仕様だったけどもう力尽きたよﾏﾏﾝ}
&amp;sizex(1){前に交番に連れていった迷子は年長組のレオニードくんです}




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    <dc:date>2011-08-20T22:22:52+09:00</dc:date>
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