神経内科学概説(神経内科学緊急症を含む)

神経内科とは?


・神経内科とは特殊な病気を扱う?

外来患者の主訴の頻度の高い20項目のうち7項目は神経内科に関係
内科入院の20%と外来の5%は神経内科が担当

・神経内科は難しくない!

1)錐体路の経路
2)感覚繊維の経路
3)脳神経とその派出部位
を知っていれば十分

神経疾患の病因別分類

1.血管障害
2.感染症
3.非感染性炎症性疾患
4.脱髄性疾患
5.変性疾患
6.代謝性疾患
7.中毒性疾患
8.内科性疾患に伴う障害
9.腫瘍
10.外傷
11.先天性疾患
12.発作性疾患(てんかん、頭痛など)

神経学的診断法総論

A.意識障害
B.運動系症状
C.感覚系症状
D.脳神経症状
E.高次機能の障害
F.自律神経症状
G.神経学的補助検査法

A.意識障害

  • 意識を維持するシステム→脳幹網様体・上行性網様体賦活系
  • 意識障害の原因となる主な疾患
  • 意識障害の程度の判定→Mayo Clinic分類、JCS
  • 植物状態と脳死

B.運動系症状

  • 運動指令ルート→錐体路
  • 運動麻痺の原因と鑑別
上位運動ニューロン障害→DTR亢進、Babinski(+)
下位運動ニューロン障害→DTR低下~消失、筋萎縮、線維束性攣縮
筋障害→近位筋障害、DTR低下、筋萎縮
  • 不随意運動
舞踏様運動=遠位筋の不規則で落ち着かないすばやい動き
バリスム=上下肢を投げ出す
アテトーゼ=遠位筋のゆっくりとした動き
ジストニア=体幹、近位筋のゆっくりとした動き
  • 運動失調
小脳失調→指鼻試験、手回内回外試験、踵膝試験
脊髄性失調→Romberg(+)
  • 筋緊張
亢進→痙縮or固縮
   痙縮・・・上位運動ニューロン障害、折りたたみナイフ様
   固縮・・・Parkinson病、歯車様、鉛管様
低下→筋、下位運動ニューロン、小脳の障害
  • 歩行障害
動揺性歩行
鶏状歩行
痙性歩行
Parkinson病様歩行
小脳性失調性歩行

C.感覚系症状

  • 感覚障害
表在感覚:触覚と温痛覚
深部感覚:振動覚と関節位置覚は意識に上る
     筋の長さを伝える感覚は意識に上らない
複合感覚:二点識別覚、触覚によってモノを認知する感覚
  • 感覚伝道路
深部感覚と識別的触覚→後索内側毛帯
温痛覚→外側脊髄視床路・前脊髄視床路
  • 脊髄障害
前方障害型:障害レベル以下に温痛覚低下
後方障害型:障害レベル以下に深部感覚と識別的触覚の低下
中心部障害型:障害レベルのみの温痛覚の低下
Brown-Séquard症候群
 同側障害レベルに・・・すべての感覚の低下、下位運動ニューロン性麻痺
 障害レベル以下に・・・同側の錐体路症状、深部感覚、識別的触覚の低下
            反対側の温痛覚の低下

D.脳神経症状

視力障害
 うっ血乳頭:Mariotte盲点の拡大
 視神経炎:中心暗点
 虚血性視神経症
視野障害
 視交叉より前:片目の視力低下
 視交叉:両耳側半盲
 視交叉より後:同名半盲
末梢性:
 Ⅲ麻痺・・・内転、外転位における上下転、内転位における上転の障害
       眼瞼下垂、散瞳、対光反射消失
 Ⅳ麻痺・・・内転位における下転の障害
 Ⅵ麻痺・・・外転の障害
中枢性:
 上丘の障害・・・両眼とも上下に動かない
 傍正中網様体症候群・・・両眼が障害側を注視できない
 内側縦束(MLF)症候群・・・障害側の眼の内転ができない、健側の眼の外転は可能
橋に由来
①顎を動かす
②顔の知覚1,2,3枝
橋に由来
①表情筋、アブミ骨筋支配
②副交感神経として涙腺、顎下腺、舌下腺の支配
③舌の前2/3の味覚

顔面神経麻痺
末梢性・・・額しわ寄せできない
中枢性・・・額しわ寄せできる
 どちらにおいても患側の眼は閉じず、鼻唇溝は浅く、口角は下がり、健側へ口は偏位

橋へ投射
 蝸牛神経
 前庭神経

E.高次機能の障害

F.自律神経症状

G.神経学的補助検査法

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最終更新:2008年09月17日 20:29
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