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トップページ/2009年10月09日/青べか物語 - (2009/10/09 (金) 17:22:59) のソース

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「青べか物語」山本周五郎著

浦安人として必ず読んでおくべき本として、長い間宿題になっていた本でした。

想像以上にエロく生々しい箇所が多かったが、そこに描かれた人々は
どんなときもサバサバと明るく強く、また登場する作者自身の立ち位置も絶妙で、
かつての浦安を知るという目的を置いても、読み物としてとても面白かった。

で、本題は最後の章。
30年後、再び沖の百万坪と呼ばれたこの地を訪れた作者が目にしたもの。

「これが広い荒地の中に、澄んだ水を湛えていたあの一つ入だろうか」

「日本人は自分の手で国土をぶち壊し、汚職させ廃滅させて
(中略)
日本人とは昔からこういう民族だったのだ。
すべてが常に殆ど無計画であり、そのときばったりで、
木を伐り、山を崩し、堀を埋め、土地を荒廃させながら
今日までやってきたのである。」

「こんなにしてしまった国土を、
あとから来る若い世代の人たちに譲ることの恥ずかしさに、
深く頭を垂れるおもいだった。」

山本周五郎がこう憂いた昭和30年代から今日まで
私たちは変われているのだろうか?

作者が愛した美しい沖の百万坪を埋めたてた、まさにその上に住み、
ツクラレタ街並みを美しいと思い、日々快適さや便利さを享受してきた私。
深く頭を垂れるおもいで読み終えました。

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