#blognavi 「青べか物語」山本周五郎著 浦安人として必ず読んでおくべき本として、長い間宿題になっていた本でした。 想像以上にエロく生々しい箇所が多かったが、そこに描かれた人々は どんなときもサバサバと明るく強く、また登場する作者自身の立ち位置も絶妙で、 かつての浦安を知るという目的を置いても、読み物としてとても面白かった。 で、本題は最後の章。 30年後、再び沖の百万坪と呼ばれたこの地を訪れた作者が目にしたもの。 「これが広い荒地の中に、澄んだ水を湛えていたあの一つ入だろうか」 「日本人は自分の手で国土をぶち壊し、汚職させ廃滅させて (中略) 日本人とは昔からこういう民族だったのだ。 すべてが常に殆ど無計画であり、そのときばったりで、 木を伐り、山を崩し、堀を埋め、土地を荒廃させながら 今日までやってきたのである。」 「こんなにしてしまった国土を、 あとから来る若い世代の人たちに譲ることの恥ずかしさに、 深く頭を垂れるおもいだった。」 山本周五郎がこう憂いた昭和30年代から今日まで 私たちは変われているのだろうか? 作者が愛した美しい沖の百万坪を埋めたてた、まさにその上に住み、 ツクラレタ街並みを美しいと思い、日々快適さや便利さを享受してきた私。 深く頭を垂れるおもいで読み終えました。 #right{ カテゴリ: [[[book>トップページ/カテゴリ/book]]] - &trackback() - 2009年10月09日 17:16:43 } #comment(nostyle,nsize8,size30) #blognavi