ノストラダムス大予言の秘密

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 『&bold(){ノストラダムス大予言の秘密}』は、[[高木彬光]]の著書。1974年に日本文華社から新書版で刊行され、翌年に角川書店から文庫版が刊行された。 #amazon(4041338123) 【画像】 文庫版のカバー *目次 第一章 ノストラダムスは一九九九年に人類が滅亡するとは予言していない 第二章 ノストラダムスの予言書とはどういう本なのか 第三章 占いと予言とはどう違うか? 私の占い研究歴からの判断 第四章 日本の大予言者I 高島嘉右衛門について 第五章 日本の大予言者II 出口王仁三郎について 第六章 ノストラダムスの予言の的中率は九九パーセントか三五パーセントか 第七章 日本と第二次世界大戦に対するノストラダムスの予言 第八章 ゲーテのパスツール・ショックは史実を無視したデッチアゲである 第九章 奇怪な人魚の解釈は荒唐無稽なデタラメである 第十章 この予言詩の解釈は人によってぜんぜん違っているのだ 第十一章 ノストラダムスは一九九九年以後の恐怖世界を語ってはいない 第十二章 ノストラダムスはこの予言書で三七九七年までの未来を語っていた 第十三章 たとえ地球の滅亡が明日に迫ろうと私は今日林檎の樹の種子を植える 第十四章 一九九九年七月などはもうどうでもいいじゃないか **内容  目次でだいたい分かるであろうが、1973年に刊行され、ベストセラーとなった[[五島勉]]の『[[ノストラダムスの大予言]]』に対し、その種本の一つであった[[ヘンリー・C・ロバーツ]]の[[The Complete Prophecies of Nostradamus>The Complete Prophecies of Nostradamus (Roberts, 1947)]]を取り寄せて検討し、「1999年人類滅亡説」 を否定するものとなっている。  高木の主要な批判点は、[[セザールへの手紙]]に[[3797年]]への言及があること、[[百詩篇第1巻49番]]や[[百詩篇第6巻2番]]といった過去の年代を示していると思われる詩篇が当たっているように見えないことなどにあった。 *論争  もともと高木は『ヤングレディ』『宝石』『報知新聞』で五島の見解に対して、かなり早い段階で異を唱えていた((高木 (1974)[1975] p.8))。これに対し、五島も『文藝春秋』1974年4月号に反論を寄せており、この本はそうした流れの中で刊行されたものである。  五島は後に『宇宙人謎の遺産』(祥伝社、1975年)、『[[ノストラダムスの大予言II]]』(祥伝社、1979年)で、[[3797年]]などについても反論し、『[[ノストラダムスの大予言・最終解答編]]』(祥伝社、1998年)でも改めて反論をしている。 *評価  [[山本弘]]は、肖像画を元に人相判断をしていることなどのおかしさを指摘しつつも、「後半の五島勉批判の部分は実にまとも」「今見るとツッコミが浅いところが気になるが、当時はノストラダムスに関する資料が少なかったから、しかたないだろう」とし、「ノストラダムス・ファン必読の書の一冊と言えるだろう」とも述べている((山本 (1998)[1999] pp.296-297))。 *コメント  山本の評価は妥当だろう。  肖像画を元に人相判断をすること自体のおかしさもさることながら、高木はその前提として、ノストラダムスが『予言集』を書き上げる前に[[アンリ2世]]に仕えていたという五島の創作を真に受けているため、分析内容がちぐはぐなことになっている。  また、ロバーツの版は底本とするにはあまりにも問題がありすぎる上、中期フランス語や関連する用語の調査が不十分なため (高木はベルギー滞在経験を持つ息子夫婦の力も借りつつ、十分に誠実に訳したのだろうということは伝わってくるが)、その読み方には現在の仏文学者や歴史学者の研究に照らすとまったく支持できないものも多い。  このあたりは当時[[エドガー・レオニ]]くらいしか信頼できる文献がなかったこと、しかし、それすらも1965年に第2版が出た後、1980年代に再版されるまでは入手困難になっていたであろう時代的制約を考えると、むしろ当時の情報環境において十分誠実に分析されていることの方を褒めるべきなのだろう。  また、[[3797年]]についての指摘など、当時の日本の乏しすぎるノストラダムス情報の中では貴重な指摘をしたのも事実であり、五島がくりかえし反論せざるをえなかった辺りに、そのインパクトを窺うことができる (なお、言うまでもなく、五島の反論はこじつけ解釈の域を出るものではないので、この記事では深入りしない)。 *書誌 :書名|ノストラダムス大予言の秘密 :副題|1999年7月はたして人類は滅亡するか! :著者|高木彬光 :版元|日本文華社 :出版日|1974年8月9日 :注記| **外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire) :Titre|Nosutoradamusu daiyogen no himitsu (traduction/ Le mystère des grandes Prophéties de Nostradamus) :Sous-titre|1999nen 7gatsu hatashite jinrui wa metsubou suruka ! (traduction / Est-ce que l’anéantissement de l’humanité aura vraiment lieu au mois de juillet, l’an 1999 ?) :Auteur|TAKAGI Akimitsu :Publication|Nihonbunkasha :Lieu|Tokyo, Japon :Date|le 9 août 1974 :Note| *文庫版の書誌 :書名|ノストラダムス大予言の秘密 :著者|高木彬光 :版元|角川書店 :出版日|1975年2月20日 :注記|角川文庫 **外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire) :Titre|Nosutoradamusu daiyogen no himitsu (traduction/ Le mystère des grandes Prophéties de Nostradamus) :Auteur|TAKAGI Akimitsu :Publication|Kadokawa shoten :Lieu|Tokyo, Japon :Date|le 20 février 1975 :Note|Format de poche. *外部リンク -[[ノストラダムス大予言の秘密>>http://asakura.asablo.jp/blog/2008/04/12/3078839]](Shinsenpou World Blog 2008年4月12日) ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
 『&bold(){ノストラダムス大予言の秘密}』は、[[高木彬光]]の著書。1974年に日本文華社から新書版で刊行され、翌年に角川書店から文庫版が刊行された。 #amazon(4041338123) 【画像】 文庫版のカバー *目次 第一章 ノストラダムスは一九九九年に人類が滅亡するとは予言していない 第二章 ノストラダムスの予言書とはどういう本なのか 第三章 占いと予言とはどう違うか? 私の占い研究歴からの判断 第四章 日本の大予言者I 高島嘉右衛門について 第五章 日本の大予言者II 出口王仁三郎について 第六章 ノストラダムスの予言の的中率は九九パーセントか三五パーセントか 第七章 日本と第二次世界大戦に対するノストラダムスの予言 第八章 ゲーテのパスツール・ショックは史実を無視したデッチアゲである 第九章 奇怪な人魚の解釈は荒唐無稽なデタラメである 第十章 この予言詩の解釈は人によってぜんぜん違っているのだ 第十一章 ノストラダムスは一九九九年以後の恐怖世界を語ってはいない 第十二章 ノストラダムスはこの予言書で三七九七年までの未来を語っていた 第十三章 たとえ地球の滅亡が明日に迫ろうと私は今日林檎の樹の種子を植える 第十四章 一九九九年七月などはもうどうでもいいじゃないか **内容  目次でだいたい分かるであろうが、1973年に刊行され、ベストセラーとなった[[五島勉]]の『[[ノストラダムスの大予言]]』に対し、その種本の一つであった[[ヘンリー・C・ロバーツ]]の[[The Complete Prophecies of Nostradamus>The Complete Prophecies of Nostradamus (Roberts, 1947)]]を取り寄せて検討し、「1999年人類滅亡説」 を否定するものとなっている。  高木の主要な批判点は、[[セザールへの手紙]]に「[[3797年]]」への言及があること、[[詩百篇第1巻49番]]や[[第6巻2番>百詩篇第6巻2番]]といった過去の年代を示していると思われる詩篇が当たっているように見えないことなどにあった。 *論争  もともと高木は『ヤングレディ』『宝石』『報知新聞』で五島の見解に対して、かなり早い段階で異を唱えていた((高木 (1974)[1975] p.8))。これに対し、五島も『文藝春秋』1974年4月号に反論を寄せており、この本はそうした流れの中で刊行されたものである。  五島は後に『宇宙人謎の遺産』(祥伝社、1975年)、『[[ノストラダムスの大予言II]]』(祥伝社、1979年)で、[[3797年]]などについても反論し、『[[ノストラダムスの大予言・最終解答編]]』(祥伝社、1998年)でも改めて反論をしている。 *評価  [[山本弘]]は、肖像画を元に人相判断をしていることなどのおかしさを指摘しつつも、「後半の五島勉批判の部分は実にまとも」「今見るとツッコミが浅いところが気になるが、当時はノストラダムスに関する資料が少なかったから、しかたないだろう」とし、「ノストラダムス・ファン必読の書の一冊と言えるだろう」とも述べている((山本 (1998)[1999] pp.296-297))。 *コメント  山本の評価は妥当だろう。  肖像画を元に人相判断をすること自体のおかしさもさることながら、高木はその前提として、ノストラダムスが『予言集』を書き上げる前に[[アンリ2世]]に仕えていたという五島の創作を真に受けているため、分析内容がちぐはぐなことになっている。  また、ロバーツの版は底本とするにはあまりにも問題がありすぎる上、中期フランス語や関連する用語の調査が不十分なため (高木はベルギー滞在経験を持つ息子夫婦の力も借りつつ、十分に誠実に訳したのだろうということは伝わってくるが)、その読み方には現在の仏文学者や歴史学者の研究に照らすとまったく支持できないものも多い。  このあたりは当時[[エドガー・レオニ]]くらいしか信頼できる文献がなかったこと、しかし、それすらも1965年に第2版が出た後、1980年代に再版されるまでは入手困難になっていたであろう時代的制約を考えると、むしろ当時の情報環境において十分誠実に分析されていることの方を評価すべなのだろう。  また、[[3797年]]についての指摘など、当時の日本の乏しすぎるノストラダムス情報の中では貴重な指摘をしたのも事実であり、五島がくりかえし反論せざるをえなかった辺りに、そのインパクトを窺うことができる (なお、言うまでもなく、五島の反論はこじつけ解釈の域を出るものではないので、この記事では深入りしない)。 *書誌 :書名|ノストラダムス大予言の秘密 :副題|1999年7月はたして人類は滅亡するか! :著者|高木彬光 :版元|日本文華社 :出版日|1974年8月9日 :注記| **外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire) :Titre|Nosutoradamusu daiyogen no himitsu (traduction/ Le mystère des grandes Prophéties de Nostradamus) :Sous-titre|1999nen 7gatsu hatashite jinrui wa metsubou suruka ! (traduction / Est-ce que l’anéantissement de l’humanité aura vraiment lieu au mois de juillet, l’an 1999 ?) :Auteur|TAKAGI Akimitsu :Publication|Nihonbunkasha :Lieu|Tokyo, Japon :Date|le 9 août 1974 :Note| *文庫版の書誌 :書名|ノストラダムス大予言の秘密 :著者|高木彬光 :版元|角川書店 :出版日|1975年2月20日 :注記|角川文庫 **外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire) :Titre|Nosutoradamusu daiyogen no himitsu (traduction/ Le mystère des grandes Prophéties de Nostradamus) :Auteur|TAKAGI Akimitsu :Publication|Kadokawa shoten :Lieu|Tokyo, Japon :Date|le 20 février 1975 :Note|Format de poche. *外部リンク -[[ノストラダムス大予言の秘密>>http://asakura.asablo.jp/blog/2008/04/12/3078839]](Shinsenpou World Blog 2008年4月12日) ---- ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。

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