*魔女と機械仕掛けの少女 ***あらすじ ある日、シャムロックの町に住む考古学者が無人島とされていた島で古代人の痕跡を発見した。 後日、シャムロック騎士団のクルタナ調査隊が本格的な調査を行ったところ、大きな遺跡が確認することができた。 さらに調査隊の一員であるオスカが一人の少女を発見する。 島の環境が人の生活には不適と判断した調査隊は、少女を保護してシャムロックへと帰還した。 保護された少女は、持ち物に刻まれていた文字から“ルーシー”と名付けられ、騎士団の従士となった。 それから数週間後、町では森が迷路になったという奇妙な噂が流れていた。 実状を確認した騎士団は、犯人をかつて騎士団が討伐に失敗した魔女であると公表し、騎士団が再び魔女討伐に踏み出す。 討伐の途中、ルーシーの正体が明らかになり、彼女は騎士団の上層部と魔女から狙われることとなる。 オスカとクルタナは、そんなルーシーを巡る争いに巻き込まれてゆく。 ***世界設定 かつて人と古代人との間で、文明が崩壊するほどの大規模な戦争が起きた。 古代人に勝利した人々は、前時代的ではあるものの、文明を取り戻した。世界各地に古代人の遺跡が残っている。 ***登場人物 &bold(){オスカ} シャムロック騎士団の騎士。 不言実行を地で行き、情に厚く、友人の危機には自分を犠牲にするほどだが、その一方で赤の他人には関心が薄い。 発言は常に客観的で、ジョークを交えることがあるが、彼の周りは生真面目な人間が多いため受けは悪い。 また、古いものに関心がなく、その手の話になると閉口しがちである。 同じ騎士のクルタナは友人であると同時に先輩であり上司でもあるが、詰めの甘い彼女をたしなめることがしばしばある。 ルーシーとは意思の疎通が上手くいかないものの、妹のように可愛がっている。 &bold(){クルタナ} オスカより年下だが先輩であり上司に当たる人物。 彼女の両親は魔女狩りの犠牲となっており、身寄りのないクルタナは騎士団に保護されたという経歴を持つ。 親の仇であると同時に親代わりである騎士団には複雑な感情を抱いている。 丁稚奉公上がりであるため、若いが豊かな経験を持ち、自分の調査隊を持っている。 無愛想ではあるが、実直で面倒見の良さに加えて男顔負けの実力を持つことから、上層部からの信頼を獲得している。 オスカ同様ルーシーを妹のように接しているが、彼女の力の矛先が自分たちに向かないかと危惧している。 古代人の伝説を聞かされて育ったためか、彼らに強い興味を持っている。 &bold(){ルーシー} 孤島で発見された機械仕掛けの少女。 機械仕掛けであることはオスカとクルタナしか知らない。 本名や過去の経歴、また島でどうやって生活してきたのかも不明。オスカの勧めで、騎士団の従士となる。 また、クルタナから“ルーシー”という名前をもらい、彼女とオスカの協力の下、普通の少女として生活を始める。 一見大人しい少女だが、小柄な見た目に反して驚異的な戦闘能力を持っている。また感情が乏しく、恐れることを知らない。 後に、その力を見込んだ騎士団の上層部に抱き込まれ、アイゼルネ・ユングフラウの名で魔女狩りの要として暗躍する。 &bold(){魔女} シャムロックの近辺にある森に棲む人物。森を迷宮にした張本人。 過去の魔女狩りによりシャムロックの人々に広く知られるようになったが、実際に姿を見た者は騎士団のごく僅かである。 彼らによると、魔女は黒装束で全身を包んでおり、白い顔をしていたという。 ルーシーの過去を知る人物で、彼女を騎士団から救うために行動している。 ***その他設定 &bold(){古代人} かつて人と共存していたとされる種族。 彼らに関する記録は少なく、街の人々の間ではおとぎ話程度にしか知られていない。先の大戦で絶滅したとされる。 &bold(){シャムロック} 物語の拠点となる街。街には同名の組織・シャムロック騎士団が存在する。 過去に騎士団が魔女狩りを決行し、甚大な被害を出したため、騎士団の存在すら危険視する者がいるが、 森に異変が起きてからは騎士団を頼りにする声が多くなっている。 &bold(){忘れられた島} ルーシーが発見された島。ルーシーの他に、古代人の痕跡とされるものがいくつも発見された。 古代人の集落らしき跡地があり、人の歴史から忘れられたとして、この名前が付いた。 &bold(){シャムロック} 物語の舞台となる町。町には同名の組織・シャムロック騎士団が存在する。 &bold(){シャムロック騎士団} シャムロックの治安維持組織。戦闘訓練を受け、主にシャムロックの外に赴いて治安維持調査を行う騎士と、 その補助をする従士、そして全体を指揮する上層部で構成されている。 騎士・従士という名があるが、これは昔の名残で、現在の戦闘員はごくわずかである。 成熟した騎士は、その経験と知識を生かすために巡警騎士として街の治安維持に努める。 過去に魔女狩りを強行して多くの犠牲者を出した歴史があり、改新されたものの未だに存在を疑問視されている。 治安維持と銘打っているが、実態は世界征服を企む秘密結社。成熟した騎士を一線から退かせるのも、反乱分子を増やさないようにするため。 この事実を知っている者は上層部の一部のみである。さらにその中の数人は世界征服とは違う目的を持つ。 &bold(){魔女狩り} 改新される前のシャムロック騎士団が決行した魔女討伐作戦の名称。 しかし、目的は達成されず、成果は魔女の存在を確認したことのみ。罪もない犠牲者を数多く出し、事実上作戦は失敗に終わった。 #comment()