"フィレンツェの悲劇"

対訳







登場人物

  • グイード・バルディ(テノール):フィレンツェ大公の息子       
  • シモーネ(バリトン):フィレンツェの裕福な織物商人
  • ビアンカ(ソプラノまたはメゾソプラノ):シモーネの妻

あらすじ

  • 場所と時:フィレンツェ、16世紀初め
  • フィレンツェの商人、シモーネがある晩、商売の旅から家に戻ると、妻のビアンカが見知らぬ男と一緒にいる。それはフィレンツェ大公の息子のグイード・バルディである。状況をすぐに察したシモーネは鈍感なふりをして、次第に二人の関係を暴き出していく。シモーネが徐々に脅しながら、危険な駆け引きをすると、グイードのビアンカへの思いがだんだんあからさまになっていく。
  • シモーネはこの招かれざる客に高価な織物を売りつけ、一緒に酒を飲み、最後に決闘をしようと言い、グイード・バルディは殺される。
  • ビアンカは、初めはグイードにシモーネを殺してとせかしていたが、事件が進展するうちに興奮し、自分の夫への称賛が高まっていく。「あなたがこんなに強いって、どうして言ってくれなかったの?」そしてシモーネは、彼女の美しさに驚いて、答える。「お前がそんなに美しいって、どうして言ってくれなかった!」二人が抱き合う中、幕が下りる。

訳者より

  • 「フィレンツェの悲劇」の原作はオスカー・ワイルドで、いかにもワイルドらしく、耽美的な言葉が連なっている。しかしワイルドがこの作品を発表する前に、1895年にこの原稿が盗まれてしまった。ワイルドは1900年に亡くなるが、遺品の中に、この作品の写しがあった。が、グイードとビアンカが会っている最初の場面が欠けていた。その場面が欠けたまま、ドイツ語に翻訳されて、1906年1月にまずベルリンで初演された。イギリスでは、最初の部分がトマス・スタージ・ムアによって補足されて、同じ年に上演されている。
  • ツェムリンスキーはウィーンでの上演を見て、オペラにしたいと思った。(プッチーニもオペラにしたいと思ったとか。)そこで、翻訳者のマックス・マイヤーフェルトに、欠けている最初の部分を書いてもらおうと思ったが、マイヤーフェルトに断られ、その部分を音楽で表現することにした。音楽全体の長さに比して、序曲が長いのはこのためだ。リヒャルト・シュトラウスを思わせる冒頭の音楽は、二人の愛の高まりととっていいだろう。
  • ダマスク織、宝石、バラの花、ワインの染み、松明、月明かりといった言葉に彩られたワイルドの世界で、三角関係が展開する。プリンス・グイードは、最初は優位にあるように思われるが、次第に、年長者の商人、シモーネの巧みな言葉の罠にはまっていく。
  • ツェムリンスキーはワイルド原作の「こびと(王女様の誕生日)」もオペラ化している。

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@ Aiko Oshio

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フィレンツェの悲劇とは

  • フィレンツェの悲劇の54%は保存料で出来ています。
  • フィレンツェの悲劇の15%はやらしさで出来ています。
  • フィレンツェの悲劇の11%は下心で出来ています。
  • フィレンツェの悲劇の11%は勇気で出来ています。
  • フィレンツェの悲劇の5%は華麗さで出来ています。
  • フィレンツェの悲劇の3%は電力で出来ています。
  • フィレンツェの悲劇の1%はお菓子で出来ています。
最終更新:2018年04月01日 21:13