バルナ魔石戦争

ロクシア歴1790年の出来事。

バルナ国領内にあるカルト鉱山に隣国アッシュラの軍が突如侵攻、鉱山を占領した。
そして占領軍を率いていたシン大佐と名乗る男は『三百年前の戦争で奪われた鉱山を取り戻した。魔石の売買はこれより我々が仕切る』と宣言。

これは実質宣戦布告であり、バルナはシンが所属しているとされるアッシュラ・ロックビット王朝へとその旨の書状を届けるも…。
『此度の出来事は我が王朝とは関係のない、シン大佐と名乗る者の独断である』として、王朝は関与そのものを否定したのである。

バルナは鉱山を奪還する為の兵力としてエレメニウム軍を傭兵として雇えないか打診。
エレメニウムは魔石の継続的供給を条件にこれを承諾した。

だがこれに、魔石の流通独占を目論んでいた商人ギルド『クロネコ魔石商会』が反発。
当時クロネコが一部請け負っていたエレメニウムへの食糧輸送を盾に派遣中止を要求し、そしてあろう事かその要求が通ってしまった。

こうして孤立無援状態となったバルナであるが、ここに追い打ちをかけるかのような出来事が発生する。

少なからずの国交はあったものの、同じくカルト鉱山の領有を主張していたロゼルス国が介入してきたのだ。
ロゼルスは対亜人戦闘訓練という名目でバルナ領内に侵入すると、そのまま鉱山麓に軍を展開。
更におまけとばかりに、魔石を狙う魔族の一団までもが襲来。
一つの鉱山を巡ってアッシュラ・ロゼルス・魔族と言う、激しい三つ巴の戦闘が繰り広げられる事となったのである。

そして結果であるが…。

皮肉にもこの戦場にて最後まで残っていたのは、兵力も少なかったが為に各軍から無視されていたバルナのみ。
侵攻してきた集団同士が三つ巴で削り合った結果、全ての勢力が瓦解。
事件の発端となったシン大佐を始めとする大勢の者が落命し、残った残党もバルナによって駆逐される事となったのだ。

こうしてバルナは無事に鉱山を取り戻す事に成功したのであった。


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最終更新:2023年03月17日 02:56