- スレッド_レス番号 02_058
- 作者
- 備考 短編,01_748のキャラで甘々トーク4
恭介が扉を開けると、そこには満面の笑みで美里が待ち構えていた。
「じゃーん!」
右手は天に、左手は腰に。ポーズを作ってひらりと一回転。
「ふ、決まった」
得意げな顔が可愛いぞこん畜生。
恭介はとりあえず右手に下げたコンビニ袋を差し出した。
「はいアイス」
「きゃーありがとーv」
喜ぶ美里の横でやっと靴を脱ぎながら、恭介はちらりと視線を動かす。……目の高さがばっちり太腿ラインだったのは、狙ったわけではない。たぶん。
「新しい水着?」
「うん、買っちゃった」
冷凍庫にアイスをしまいながら美里が言う。
ホルターネックの上は白地に紺の横ストライプ、下は紺一色の一分丈パンツ。最近よく見る、街中でも着れないことはないデザインだ。着てほしくはないが。
「試しに着てみたから、恭介に見せようと思って。このカッコ涼しいし」
にこにこ言う女性に、男が返せる言葉など決まっている。
「似合ってる」
「ありがと」
「せっかくだから髪まとめようか?」
「ううん、それはいいの。それより……」
来た。
美里は甘えるような上目遣いをつくる。胸の谷間とくびれた腰と白い太腿が眩しいであります隊長。
「……しよ?」
恭介はしばし胸中で激しく戦った。
「ものすごく魅惑的なお誘いだけど……暑いよ?」
む、と美里が唇を尖らせる。
「世の中にはエアコンという文明の利器が……」
「京都議定書と美里の体のために却下」
実験室で生物と精密機械を扱う都合上、昼間過酷な温度差に晒される彼女の自律神経は毎年少なからずダメージを受ける。自宅では極力冷房を使うな、と言い渡してあった。
「……運動して汗かくのはいいんだもん」
「まあね。でも今日は寝といてもらわないと肝心の海で俺が襲えませんよ美里さん」
「……なんで?」
「良心の呵責、かな」
彼女はちょっと動きを止める。
「……もしかして恭介、けっこ溜まってる?」
「誰かさんが夏に弱いからね」
「……ごめん」
「海で取り返すからいい。てことで服着て。内臓が冷える。ちゃんと夕飯に味噌汁飲んだ?」
「うん」
「じゃアイス食べてよし」
わぁい、とうきうき奥へ向かう彼女を後目に、恭介はとりあえずトイレのドアを開けるのだった。
バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は?
お手数ですが、メールでお問い合わせください。
最終更新:2008年02月14日 00:47