• スレッド_レス番号 02_166-167,02_169-172,02_187
  • 作者 319 ◆lHiWUhvoBo
  • 備考 長編,小隊長シリーズその7 尾行編
<注意>
  • 縛りにスカ描写あり


 「あ~! 小隊長どこ行くんです? 一緒の部屋で寝てくれるんじゃ無いんですかっ?! 」
 「…ベッドならわたしの横に空きがあるのに…わたしなら…何されても貴方なら構わないのに…」
 「ちょっとぉ、何言ってるの? 本当なら小隊長と私がそこで寝るんだからぁ! この泥棒猫! 」

 帰って来て必死の仲裁、キッチンで孤軍奮闘の夕食作りに配膳、食卓では音無3曹と少女の左右同時「あ~ん」攻撃。
さらに食器洗いをこなし、ベッドの隣に部隊時代に使っていた簡易ベッド及びクリーニング済みのスリーピングバッグを
展開して現在、午前0時。男の体力的には全く支障は無いのだが、精神的疲労が蓄積し続けて爆発寸前になっていた。

 「注目、命令を下達する! 音無3曹は簡易ベッドで速やかに就寝! お嬢ちゃんはベッドで即時就寝の事! 交戦
 状態に二人が再度至った場合、首根っこ掴んで部屋から放り出して両名の事は以後小官の記憶から完全に抹消する! 
 以上! 何か質問はあるか! 」
 「…もう一度お願いしますぅ…ああんもぉ…小隊長ったら…凛々しいんだからぁ…」
 「か、恰好いいですっ! こっ、こんなの貴女は毎日聞いてたんですかっ?! 」
 「ふぅ~んだっ、泥棒猫には教えてあげな~い。…でも聞きたい? う~ん、どっしよっかなぁ~? …聞きたい? 」
 「…質問は無し。俺は外で寝る。…仲良くな。…別れ」

 部屋の灯を消し、ドアを閉めてから室内の様子に男は耳を澄ます。音無3曹が少女に部隊時代の自分の事を自慢げに
話すのを聞き、男は苦笑いを漏らす。音無3曹の『小隊長は部隊のみんなに厳しくて、そして優しかったのだ』と嬉々として
話すのが気恥ずかしい。そっと離れ、廊下を歩きドアを開け外に出る。足音を殺す術、音を極力立てずにドアを閉める術は
自主的に部隊時代に身に付けた技術だ。男は蛍光灯が照らす共用通路に座り、目を閉じる。スーツの上にコートを羽織った
だけの姿だが、全く寒さは感じなかった。むしろ、野外の何処でも平気で寝られなければ陸上自衛官として失格だった。

 (屋根があるだけ豪華だ。風もあまり入って来ないしな…)

 風切り音を聞きながら、男は意識だけを眠らせて行く。一般の人間には半覚醒状態の、まどろみの中、と言えば解り易い。
聴覚と皮膚感覚が生きている状態で、目を開けていれば視覚もONの状態だ。歩哨や監視が居ない場合はこうして休憩を
取る事を自然と学ばされるのだ。男が完全に健康な状態ならば、その状態を維持出来たろう。しかし、男の精神的疲労は
転職以来から澱(おり)のように心の奥底に溜まり、身体を蝕んでいた。女性を避け、己を律し続けたツケが、男を徐々に
深い眠りへと誘(いざな)って行く。

 (だめ…だ…。ここは…ニッポンで…ここは…屋外で…不審者…と…して…つうほう…)

 此処は平和な日本だ。あの「戦場」ではないのだ。男の心の弱い部分が子守唄を優しく唄い出し…そして男は眠りに就いた。
最後に男の聴覚と嗅覚が捉えたのは、幽かに鳴るパンプスの靴音と、オードトワレに程よくブレンドされた女性の体臭だった。


 「動くかと思ったから急いで来てみたら…馬鹿一人発見、か」

 だが、通路に座り込んで鼾(いびき)を高らかに奏(かな)で始めた監視対象を、すぐ傍で見下ろしているこの私も充分に
馬鹿の資格がある。通常、監視員は己の監視対象に接触など絶対にしないし、直接接触の許可など上から下りる筈も無い。
セオリー以前の問題だ。しかし、馬鹿の相手には馬鹿になるしかない、と私はこの男の真っ直ぐな行動に教えられた気がする。

 「…何にでも為れて、何でも出来る。そして溶け込む。…貴様にこそ向いているのだろうな、この私の今の仕事は」

 私は溜息を吐いた。自然と微笑んでいるのが自分でも解る。…悪い感覚では無い。私はこの男を尾行するように命令され、
反自衛隊活動があれば報告せよと下達されている。だがそんな行動はカケラすら発見出来なかった。上から何かあるはず
と強く報告を迫られた私は、ついに男の部屋に侵入する愚を冒してしまったのだ。当然、男の部屋からは何も見つからない。
部屋を出ようとする私が男に拘束されてしまったのは、正に愚の骨頂とも言えよう。…思い出すだけで、身体の奥が疼く。

 『…何も話す事が無い? だったら俺が嫌でも話させてやるさ』

 私は武装解除の必要から裸にされた後、両手両足の親指を電工用の結束バンドで固定され、その後浴室に連れて行かれ、
天井に縄で吊るされ拘束された。それだけなら私は耐えられたのだ。…しかし男の方が上手だった。洗面器に、炭酸飲料の
1.5リッターのペットボトル。男の酷薄な笑みは演技だったとしても、その時の私を絶望の縁に叩き込むのには充分だった。

 『な、何をする気だ、こんな事をしてただで済むと…』
 『このまま警察を呼んでも俺は一向に構わんのだがね? 調査隊に身辺を嗅ぎ回られるのはもうコリゴリなんだ』
 『!? 』
 『…尾行はもっと巧くやれ。あと、呼び出されても昼間に堂々と駐屯地に帰還するな。何処で誰が見ているか解らんぞ? 』  

 体を捩(よじ)るたびに縄が身体に食い込む捕縛術の見事さを、男が中学・高校生時に古武術道場に出入りしていた事実を
調査した私自身が知る羽目になるとは想像もしなかった。男がペットボトルの栓を開け、炭酸飲料を激しく上下に振り始めた。
何故そんな事をするのか? 当時全く【知識】の無かった私は、ただ見やるしか無かった。…間抜けにも、ペットボトルの飲み口を
排泄器官、肛門に挿入されるまで。

 『ひ、ひギャやァァッァァァァあぁぁっぁあっぁぁぁぁぁぁっ! 』
 『そぉら、冷たいだろう? 腹が張ってる所を見たら、お通じもここ数日、余り来てないようだしなぁ? 』

 私が肛門の痛みと直腸を駆け登る液体の冷たさに泣き喚き、身悶える様を、なんと男はデジタルビデオカメラで撮影していた。
全身が総毛立つ思いをしながら、私は涙が滲む視界の中、男の顔を見た。…男が演技派なのを知らない当時、私は本当に男が
『その趣味』を持っている人間に見えた程のいやらしい、酷薄な笑みだった。炭酸飲料による刺激が、私の排便を無慈悲に促す。
男がせせら笑いながら、ペットボトルを私の肛門から引き抜いた。…深刻な状況には場違い過ぎる、軽妙な音がした。

 『ざまぁないな、調査隊の敏腕女性隊員が形無しだ』
 『トイレに…トイレに行かせて…。お願い』
 『ここまで準備した俺が【よちよち、よく我慢できまちたね~】と素直に行かせると思うのか? ほらほらぁ! 』
 『う、ウわああああああああ! 出ちゃう、出ちゃうううううううっ! おトイレに、おトイレに行かせてェッ! 』 
 『い・や・だ・ね』

 男が私の下腹部を揉み、肛門周辺を愛撫するのを絶望的な気分で耐えようとした。普段男性的でキリリとしている、と褒められたり、
女の為りをしているが言動や態度や行動は男だと言われたり、おねえさま、と女性隊員宿舎で慕われたりする私が、よもや童女の
如き可愛い叫び声を上げるとは自分でも思っても見なかった事実だった。…そして私の儚き抵抗は…突然終わりを告げた。

 『も、もうだめぇええぇぇえぇぇぇぇぇぇぇっ! でちゃう、でちゃうぅぅぅぅぅう! 』
 『おお、スゲぇ、ブッといのが出てる出てる…アンタみたいな奇麗な女でも、糞はするんだな? 』
 『と、撮らないで…こんな、こんな姿、撮らないでぇ! 嫌ぁぁぁ! こんなの嫌ぁぁぁぁ! 』

 ついに堰(せき)を破り決壊した私の粗相を、洗面器が全て受け止めていた。男はその惨めな有様を余す所なく記録に収めた後、
洗面器の中身を私に見せた。顔を背ける私に、それならと克明にその内容を聞かせ続ける男をすぐにでも殺してやりたいと思った。
拘束されている自分を忘れてしまうほどに。

 『殺してやる…絶対に…殺してや…ひぁあああああ! 』
 『ほーら、キレイキレイちまちょうねぇ…水じゃ落ちんか…おいおいまたかよ…臭ェなあ』

 敏感な会陰部にいきなり冷水の刺激を浴び、私はまた粗相をしてしまう。…小水が二股に分かれる様まで映像には残っているだろう。
すぐにシャワーのぬるま湯で洗い流され、臭気も換気扇で飛ばされ、その後に洗面器の中身もトイレに流される。これで終わったのだ。
そんな風に期待した、私の認識はまだまだ甘かった。…現実は、何処までも非情で、そして残酷だった。

 『い?! ギャああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
 『…おお、キツいねぇ。…切れて血が出てやがる。云え。何のために俺の部屋に侵入した? 目的は何だ? 云え! 』

 私はこれまでに男性経験など無かった。無いなりに、処女喪失の甘い想像はしていた。そんな私が…後ろの処女を先に喪失してしまう
事など…男の太いもので肛門を引き裂かれて居る事など…! 絶対に認めたくなかった。荒々しく責める男にあられもない痴態と醜態を
晒し続けプライドをズタズタに引き裂かれた私はもう全てを男にぶちまけてしまった。男が命令で秘密裏に『実戦経験』を積んでいた事実を
マスコミにリークする恐れを上が抱き、警戒している事も全て、だ。さんざん精を私の中に放った男に、私は哀願した。

 『全部話したから、話したからぁ! もうやめてよぉ…』
 『よ~し良い子だ。じゃあ、ご褒美を…やるよっ! ケツの中に小便だ! 有難く光栄に思えよ? 』
 『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! ン…』

 炭酸飲料とは違う、熱い液体の感触が私の直腸の壁に染み渡り、つたって行くのが解った。私の心は…男の虜へと堕ちてしまったのだ。
一部始終を再度映像として見せられた私は、もう男に逆らう事など出来るはずも無かった。ワールドワイドウェブで全世界にこの痴態を
流される事を思うと…実は誇らしかったりする。私がこの男のものになる様を誰とも知らぬ全世界の者が閲覧するのだ。これ以上の証明は
あるまい。私はこの男に歪んではいるが『愛された』のだと。コレ以来…私は毎回大の時の排便時に、甘い喘ぎを漏らしてしまうようになった。
この時の事を思い、同時に自慰までしてしまう程に。


 「気付かない…な…? 風邪を引くぞ…? 」

 私は男の蹲(うずくま)る股の間に入り、男のコートを引き寄せて、その噎(む)せかえる程の男臭さに酔い痴れた。
きっと風呂にも入らなかったのだろう。日の出ている間に見たウェィトレスへの羨望が、私の胸の奥を劫火の如く焼く。
私はこの男が目覚めている間は、決して傍には近寄れないのだ。こんな温もりも感じる事も無く、暖かい言葉も無く。
ただ、見ているだけ。もう我慢出来ずに男と同じ体勢になり、座る。丁度、男に抱えられた恰好になる。

 「せめて…この時だけでも私を…傍に…居させてくれ」

 寝息をうなじに感じながら、徐々に私は男に身体を預けて行く。…目を覚ます気配は無い。コンクリートに触れている
尻は冷たいが、それ以外は男の体温とコートで暖かい。…私の顔も火照っているのがわかる。…まるで小娘のようだ。
甘い疼きが止まらず、思わず太腿をすり合わせてしまう。…いかん…濡れてる…。

 「もし残り二つの【はじめて】を奪われるのなら…私は貴様を相手にしたい」

 それが叶えられる日は永遠に来ないかもしれない。調査した男の過去や医療データでも明白だ。しかし、信じていれば
いつかは願いは叶うのだ。…こうして、共に眠る事が出来たのだから。



 (ん…女臭い…!? )

 男はふと身体の前面にかかる重みに覚醒した。…いつか【お仕置き】した調査隊の女性隊員だった。以後毎回、
男が女性隊員にした行為を忘れないよう中(あ)てつけているようにあからさまに尾行している事を強調するように
なったのだ。『見ているぞ鬼畜野郎! 』と言う熱い視線付きで。しかし今は…険の取れた可愛い寝顔を晒している。

 (まったく…責任取れってか? )

 まだ近づくようならネットに映像を流す、と脅迫して置いたが、実は映像記録はメモリーカードごと破棄してある。
脅迫する時は実物が存在しない方が便利なのだ。大事で肝心なのは相手にその存在を『信じさせること』なのだ。
それに誰かを脅すなど、男の信条では絶対にあってはならない事だ。

 (ま、湯たんぽよりは暖かい、な)

 ムクムクと己の息子が節操なしに元気になるのを感じつつ、男はまた、まどろむ事にした。…朝が来る頃には、
彼女はきっと居なくなっているだろうと思いながら、女性隊員を見遣る。…夢の中にいるのだろう。彼女は嬉しげに
微笑んでいた。月の無い星空と、常夜灯だけが、二人を照らしていた。

 「おい、風邪引いてないか? 寒くないか? 」
 (夢の中くらい、もっとムードのある事を言ってくれないものか…? )

 尻に何か棒のような熱くて堅いものの感触はあるが、それ以外は暖かくて気持ちいい。まだ、私は夢の中にいるのだ。
この馬鹿がとっくに目覚めていて、しかも骨の髄まで嫌っているだろう私などに暖かい言葉など向ける筈もないのだから。
だから――これは私の夢だ。ならば何をしたって構わないはずだ。だから……

 「お、おい、何考えて――!! 」

 唇にキスぐらいいいだろう…? と…待て。何故…夢の中で感触など有る? 何で匂いがある? そして他の何よりも
何だってこの馬鹿の胸の動悸など感じて…!! もしかして、もしかしてこれは…この事態は…私にとってとんでもなく…!

 「ぷはぁっ! 今更そんな顔してるって事は、寝惚けてたな? おはよう」
 「…うるさい、黙れ、訊くな、離せ、降ろせぇッ!」

 頬の火照りが納まらない。…尻に今も当たっているのは…この馬鹿の…ううう…あああああああああああああああああ!
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい! 起きる前にそっと退却する気だったのにぃ! やめろ、こっち覗き込むなぁぁぁぁっ! 

 「そんなにまでして顔を全力で背けるな。寝込んだ俺も恥ずかしいんだからな。解った、ならそのまま聞いてろ。現在
 0610(マルロクヒトマル)、もうじき払暁(フツギョウ)、夜が明ける。良ければしばらくこのまま、一緒に居てくれるか? 」
 「何のためにだ? 」
 「頭(かしら)ぁ~中(ナカ)! 」

 号令を掛けられてしまい、正面を見た私は目を見張った。見事な朝日が丁度、燦然(サンゼン)と輝き出す瞬間だった。

 「な? 奇麗だろう? 今日も見事に日本晴れ、一日が始まるってな? 夜中はなかなか暖かかった。ありがとう」
 「…風呂ぐらい入れ、匂うぞ」
 「悪いな、臭くて」
 「いや…悪い意味じゃなくてだな…。――寒いぞ」

 私は内側からコートを掴んで引き寄せた。…車の中にはブラウスとスーツの代えがある。今着ているこれは男の匂いが
タップリ染み付いているだろう。…解放されたら、着替えて洗わず大事に取って置くとしよう。身体が暖かい。そして私の、心も。

 「…尻…大丈夫か? 」
 「責任を感じているならば、今は黙って人間椅子になっていろ。――本当に奇麗な朝日だな。起こしてくれて助かった」
 「どういたしまして」
 「喋るな、と言った。…排便の際、艶(なまめ)かしい声を上げてしまう。トイレの隣のブースの人間から何故か気遣われて
  ノックをされるようになった。それも毎回だ。――その主たる原因は――当然、解っているな? 貴様にだけは? 」

 男が動揺からか身じろぎして、尻に当たる堅いものがちょうど私の…以前それで裂かれた部分に当たる。もう、夜は明けた。
いつもの追いつ追われつの関係に戻る前に……もう少しだけ、あともう少しだけ、この匂いと温もりを堪能するとしよう。




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最終更新:2008年02月14日 00:50