- スレッド_レス番号 01_214
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- 備考 01_205のアフター
「先日、隣国の女王が前代未聞の法を出したそうだな」
「そのようですわね~。なんでも身分の違う者同士でも結婚することができるとか」
「馬鹿な法を出したものだ。何を考えているのかわからん」
「それで国中の貴賤を問わない殿方が、自分も女王サマと結婚してこの国の王になれる!って思って城にた~っくさん押しかけてきたらしいですわよ」
「自業自得といったところか。その程度の騒ぎをあの女王が予測してなかったというのも考え辛いが」
「ま、当の本人はその方々を適当に追っ払わせて、一人の自分の家臣と婚約することを宣言なさいましたけどね。とはいえ、その家臣の方が未だに抵抗しているようですが。まあこれは時間の問題でしょう」
「……貴様が妙に嬉しそうに見えるのは気のせいか?」
「あら、気のせいではありませんことよ陛下?私といたしましては、本音を言えば隣の女王サマが羨ましいんですもの」
「羨ましいだと?」
「ええ、家臣と婚約なさるなんて。それは例えば陛下と私が婚約できるということですもの」
「それが羨ましいのか?」
「ええ、とっても」
「……残念だったな。我が国ではそのような法は出さぬぞ。由緒ある数百年続く王室の血を汚させるわけにはゆかぬ」
「はいはい。わかってますわよ陛下」
「私本人としては……その……決して貴様が嫌いというわけではないがな」
「そのお言葉だけで十分、私は幸せですわ」
「……貴様が妙に寂しそうに見えるのは気のせいか?」
「気のせいですわ」
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最終更新:2008年02月14日 00:24