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  • 作者
  • 備考 長編,旅団の女


―――どれくらい時が経っただろうか

暗い、目を開けていても、閉めていても

そこは暗黒、ただ水の中を落ち続ける感覚だけが

俺がそこに居ると感じさせる

「ねぇ、いつまでそうしてるわけ?」
また、アイツだ。
「わからない、ただ、こうしていたい」
「自分が誰かも、もうわかんないんでしょ。んなことしても無・駄」
俺、俺は、誰?
「………」
「速くこっちに来ちゃいなよ」
何んでここに来た?
「俺は、誰?」
「やだ、教えてやんない、こっち来たら教えてあげてもいいかなぁ~」
「ならいい」
アイツの言う『こっち』は嫌な予感がする。
だから、行かない
「ぐ……なんかムカつくわね、アンタ」
「なんで、そんなに俺にかまう」
「っなんででしょ~ねぇ~、こっち来たら教えてあげる」
またか、『こっち』てなんだ?
「ならいい」
「だぁぁあ!!ウザイよアンタ!?いい加減こっち来いよ!!」
「~っ!うるさい!声小さくしろ」
「あ~うるさくて結・構!!さっさと、アンタの魂手に入れないとこっちはノルマ達成できないのよ!」
「………」
「うざ、だんまりかよ」
「………」
「こっち来たらいっぱい気持ちいいことできるのになぁ~」
「考え中だ、ボケ」
「ななっ!ボケですと!!?あぁっも~しらない!っも~帰れ!仕事のじゃまじゃ!!」
「なっ―――」


「カイ…カイ……私、カイがいなきゃダメなんだよぉ
なんで、なんで帰ってこないの?じゅつはせいこうしてるはずなのにぃ」
〇月×日
四十五度目の失敗
彼が消えてから半年、彼女体は回復し始めた。
だが、彼女は心に大きな傷を負った。彼女は動かず、旅団は彼女を見捨てること決めた。
私はこのままの彼女を残すことができず、彼女の世話役として残る。
体の回復は順調だ、食事も少しなら食べる。
心の問題は深刻である、思い出したように彼の名を呟き、嘆く
床にへたりこみ、狂ったように泣き始める。
術で再度彼の蘇生を試みるが、失敗に終わる。
今回は神聖な力が集まる神殿での蘇生、結果は同じだった。
これから帰宅する。


今回は少し長く書きすぎた。
「フィア、帰りましょう」彼女に語りかけるが彼女は答えない
「カイ……」
やはり、目の前で消えたのがショックだったのか
「……先に帰宅します。フィアもあまり遅くならないようにしてくださいね」



「――…イ……ぐす、カイ……」
バリ…
「カイ…」
バリリリ
「もう、無理なのかな」
ドサ
今日はもう帰ろう
立って、出口まで歩いて
グニ
ん?
「……踏むなよ」
「は?」
「いきなり踏むなよ、ちゃんと下見ろよ」
「カ…イ……?」
「なんか帰ってきちゃった?」
「カイっ!!」
「ギャ~!」




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最終更新:2008年02月14日 00:30