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夢回す銀槍

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  夢回す銀槍

  それは一年程前の、摩理がまだ生きていた頃の記憶。
  話し声が聞こえる摩理の病室に入るが、彼女以外の人物はいなく、また彼女の背には季節はずれのモルフォ蝶がとまっていた。
  亜梨子はそれを不思議に思うが、摩理との時間のほうが大事と考えを断ち切る。
  摩理は目を細めて亜梨子に語りだした…。

  朝。一之黒亜梨子は通学中に友人の恵那多賀子を見つけ合流する。
  彼女らと何時ものように世間話をしていると恵那から校内に虫憑きが出たという話を聞く。恵那の友人の証言だと生徒の誰からしいが、多賀子から怪しげな中年の大男を見たと聞き、3人はその男が虫憑きではないかと不安を抱く。
  担任から同学年の男子生徒が重傷を負って入院したと聞いたのは直後の朝のSHR中だった。

  亜梨子は授業をサボり、事件の現場である美術室へと向かうと誰かの話し声が。
  室内にいた怪しげな少年を打ち伏せ質問していると、最後の質問(虫憑きか否か)に少年の態度が豹変。立ちあがった少年と睨み合ううちに、彼が多賀子の証言の人物と違うことに気付く。
  彼の発した言葉に怯みながらも続けていた言葉の応酬が終わりかけたその時、どこからか誰かの悲鳴が響く。

  現場に到着すると、そこには破壊された教室と傷つき倒れる生徒が。
  虫が出たと現場は混乱状態に。背後に現れた先程の少年に再度問い詰めようとしたが、彼の発した言葉と視線を追いかけると、そこには多賀子の幼なじみの播本潤が。
  慌てて逃げた播本と少年を追いかけるも、破壊された壁と漆黒のコートに身を包んだ少年が消え去るところを目撃するだけだった。

  タクシー内で亜梨子は多賀子から一昨日播本の家に訪れた際、長身の女性と話していた彼が虫憑きになったと目撃したと聞く。今朝の彼女の証言した中年の大男は、彼が虫憑きになったのを信じたくない気持ちから生まれた嘘だったのだ。
  タクシーは目的地のビルに到着し、多賀子の推測通り彼がここを訪れている形跡を発見。いざ乗り込もうとした瞬間声が聞こえる。背後には何度も見たあの少年が。

  少年は2人にここにいるように言い中に乗り込もうとするが、多賀子に足止めされ、その隙に亜梨子が内部に侵入。自身に纏わりついているモルフォ蝶の導きで彼の元に。
  彼の隣にいる虫に驚愕しつつも、彼の説得をするが失敗して彼の虫に襲われる。
  パイプを手に立ち向かうも全く相手にならず、死を覚悟した瞬間、モルフォ蝶が謎の変化。パイプに纏わりつき、一本の槍と化した。槍の能力は強力で、先程までの立場は一瞬で逆転。逃げた播本を追って屋上へ。

  再度説得をするも失敗し、虫を使い飛び降りた彼を追って自身も跳躍。虫を殺して彼を欠落者にし、ビル内に叩き戻すも自分の帰還には失敗。再度死を覚悟した瞬間、壁を突き破って現れた少年に助けられる。

  数日後、亜梨子の監視役として少年――薬屋大助が同じクラスに転校生としてきていた。目立たず不干渉をするはずだったのに初っ端からそれを破り、さらには小間使い扱いする亜梨子に大助は些細な反撃をするのだった。
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