(24)851 『絶対解ける問題 X=A+KSa(2)』

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&br()  >目標、確認  >目標の他にリゾナンター構成員、道重さゆみを確認  マズい  病人を搬送するだけの容易いミッションのはずだったが、厄介な障害が生じた  迅速に『処理』しなければならない  >道重さゆみ(警戒度D)  >攻撃を加えると道重さえみ(警戒度S)に人格転換の危険性あり  >上記の危険性を考慮、並びに道重さゆみの警戒度が低いことから攻撃対象外としミッションの遂行を優先  そう、厄介な障害とはこの道重さゆみのことではない  >目標の生命力、著しく低下  >ミッション内容:「リゾナンター構成員、亀井絵里の捕獲、拘束」  >ミッション遂行に支障あり  厄介だ・・・予想外に症状が重い  本ミッションの目標、亀井絵里が『死』に直面している  最適な解決手段を模索せねば・・・  「あのっ・・・」  道重さゆみが私に話しかける  ええい、邪魔だ。今はお前の相手をしている時間はない  「すみません、もしかして心臓外科の先生では・・・?」  ああ、『今は』そうだ  前回のジェットストライカーを使用した襲撃の揉み消しに、組織は多額の資金と工作力を浪費した  これに怒った上層部から「ミッションは効率的に遂行すること」との訓戒があり  私の思考パターンにパッチが当てられたのだ  「可能な限り、秘密裏にミッションを遂行する」パッチが  秘密裏のミッション遂行の為、光学迷彩で白衣の女医の姿になり病院に潜入、障害となる関係者を  (必要ならば力技で)丸めこんだのち、回収班と共に自然な形で亀井絵里をS区ラボに搬送する。  これがこのミッションのプランだった  道重さゆみは光学迷彩で形作った名札の『心臓外科 松浦』を見て疑いもせず私を医師と言っているのだ  ん?・・・松浦?なぜ私は『松浦』と偽装した?どこかで聞いたような・・・  「先生!絵里を、絵里を助けて下さい!お願いします!お願いします!」  ええい、うるさい!今その助ける方法を考えてるんだろうが!  助ける、助ける、たすける、タスケル・・・  >システムに異常発生  「お母さん・・・うん、わかった!アヤが愛ちゃん達を助けてあげるよ!」  「いい子ねぇ、アヤは・・・」  「泣くな、他に方法は無いんだ・・・」  「松浦博士、準備完了です!」  「判った・・・。マシンセル、活  >システム回復  まただ・・・最近の私はおかしい・・・松浦?  今の男が松浦か?  >システムに問題発生、思考修正  >ミッションの遂行を最優先  そうだ、今はミッションに集中する  >リミッター解除  >A-MAX発動  >System「A」、最大パワー  根本的な解決策を見出すべく、私はCPUをフル回転させる  A-MAXの限界時間、10秒の間はスーパーコンピューター級の処理能力だ  >ミネソタ州立大学病院、心臓外科手術記録全閲覧  >ライプツィヒ医療センター、循環器治療記録全閲覧  >T医大データベース、心疾患に関する学術論文全閲覧  >・・・  >・・・  あらゆる情報を集め、あらゆる可能性を探る  勿論、組織のデータベース内の研究記録も調査の対象になる  >本部DB、全研究記録閲覧  >S区地下ラボ、全研究記録閲覧  「ん?DBにアクセス?なんでミッション中の粛清人が研究記録なんか読むんですかねぇ???」  紅茶をすすりながら、先程までの研究成果をまとめていたDr.マルシェ  「じゃあついでにこれも見てけ泥棒!パンダちゃんの細胞のおかげで完成した成果でぃ!」  >Upload  >A-MAX、ダウン  >CPU、急速冷却  頭が、熱い  だが見つかった・・・根本的な解決策は3つある  >解決策1、亀井絵里から採取した細胞から組織のラボにてIPS細胞を培養、遺伝子を修正の後   クローニングした正常な心臓を亀井絵里に移植する。  この解決策は現実的ではない。細胞の培養に加えて遺伝子の修正、心臓のクローニング、移植手術  とかなりの時間がかかってしまう。第一、ラボに運ぶまでに亀井絵里が死亡してしまう可能性が高い。  >解決策2、獣化レトロウィルスの応用。S区ラボ、Dr.マルシェが実用化に成功した獣化ウィルス   の応用で亀井絵里の心臓を正常な機能を持つものに形態変化させる。  解決策1よりは現実的だが、これはマルシェの手腕に依存している方法になる。  マルシェが獣化能力者の遺伝子から作りだした獣化レトロウィルスは感染者の体構造を変質させ  半獣人にする生物兵器だ  これを応用し、異常な構造の心臓を正常な構造の心臓に変質させるウィルスを作成、亀井絵里に  投与する  ・・・こんなことが果たしてできるのか?  >S区ラボ、Dr.マルシェに通信  >直接通話  「やっほー、なんかさっきウチの研究記録あさってたみたいだけど何してんの?」  「獣化レトロウィルスを応用して異常な形態の臓器を正常な臓器に変質させるウィルスを作成させることは   可能か?」  「あら~『A』ちゃんがこんなに喋るなんて珍しい。よっぽど切羽詰ってると見た!えぇと、答えはYESだよ」  「改良にはどの程度時間がかかる?」  「ん~、獣化レトロウィルス自体さっき完成したばっかりだから改良には結構時間かかるかも」  「了解」  「でもなんでそんなこと聞  >通話終了  やはりそう容易な話ではないか・・・この方法もプランから外れる  >解決策3、System「A」体内の損傷修復用ナノマシンを亀井絵里の心臓に注入。   System「A」から遠隔コントロールし、異常な形態の患部を徐々に正常な形態に再構成する。  これが一番成功の可能性が高い、限りなく正解に近い方法だろう  私が直接ナノマシンのプログラムを書き替え、コントロールできる  損傷修復用のナノマシンは、私の身体を構成している他のマシンセルと違い組織のメンバーの  負傷、損傷の治療にも使われてる実績がある。ここは問題ない  問題は、再構成のスピードだ  単純な損傷修復にしても私のマシンセルを修復するのとは違い、『人間』の損傷の修復には本人の  回復力に依存する部分も大きい  更に、今回ナノマシンは異常な部位を破壊しつつ正常な形に再構成する道しるべを作りながら修復  しなければならない  間に合うのか・・・何度演算しても、今の亀井絵里の生命力では絶望的という計算しか出ない  「お願いします!お願いします!さゆみ何でもしますから。先生、絵里を助けて!」  半べそをかいた道重さゆみが私にすがりついてくる  >道重さゆみ(警戒度D)治癒能力者  >治癒能力:生物の持つ成長力を異常促進することで負傷、損傷を回復しているものと思われる  ・・・結論は、出た。  「今何でもすると言ったな?」  「えっ!?」  目標の確認から結論を出すまで35.23秒・・・結構時間がかかってしまった  私はICUの中に足を踏み入れ亀井絵里の傍に立ち、もっともらしく側に置いてあったカルテを  眺める    「貴方は、ええと・・・?」  「どちらの科の先生でしたっけ?」  看護士たちが見慣れない顔を私を見て怪訝な顔をする  「本日からこちらに赴任しました、心臓外科の松浦です」  「新任の先生?」  「ほら、使い込みがバレて飛ばされた大野先生の後任が来るって噂だった・・・」  「あぁ~もう来たんだ。早っ!」  「結構若くない?美人だし」  ひそひそと話を始める看護士たち  どうやら、偶然怪しまれずに済んでいるようだが  「キミ達、こんな状況で私語は慎みたまえ!」  「はっ、はい!失礼しました」  看護士達をもっともらしく一喝すると、私は亀井絵里の母親に歩み寄った ---- ---- ----

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