(01)805 名無し募集中。。。(怪盗v-u-den)

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&br() 雑居ビルの4階にある一室、事務机が1つと会議用のテーブルに パイプ椅子が2客並んでいるだけの質素な部屋に女が二人いた 「ねぇ~石川さ~ん、まだちょっと寒いですよぉ~、ストーブつけましょうよ~」 バン! 石川と呼ばれた女が両手で机を叩くと椅子から立ち上がる 「ちょっと、ユイ! 本名で呼ぶのはダメだって言ってるでしょ。  あたしのコードネームはチャーミーなの。本名で呼ばれて正体がバレたらどうするんの?」 大きなジェスチャーを加えながら甲高い声が狭い部屋に響き渡る 「うちもエリカちゃんも本名のままじゃないですかぁ~」 大阪弁の混じった甘えた喋り方をするユイがほっぺを膨らませ 背中を丸めダウンジャケットに頭を埋めて寒さを凌ぐそぶりを見せる 「と、とにかく、もう4月なんだからストーブなんて非常識よ。だらだらしてるから寒いの。動きなさい!」 石川は振り向くと外の景色を眺めながら腕を回す だが天気予報では4月としては異例の寒波到来を報じており、実際石川も寒くてたまらなかった だがストーブの灯油が底をつきかけていたうえ、今は灯油を買う現金すらない そんなことをユイに話すのは石川のプライドが許さなかった 「ちぃーっす!」 勢いよくドアが開くとショートカットの女の子が入ってきた 「エリカ、挨拶がなってない!」 石川はビシッと人差し指を突きつけると 寒さを他のことで紛らわせようとするかのようにエリカを叱る 「あ、おはようございます。ボス」 エリカは慣れた感じでぺこりと頭を下げた 「で、作戦はできて?」 石川は椅子に座ると脚を組んでエリカに訊ねる エリカは持ってきた書類ケースから数枚のコピー紙を広げた 「幼稚園送迎バスのバスジャックなんてのはどうでしょう」 「パス。あたし子供苦手なの」 「女子校の更衣室に侵入」 「それはあんたの趣味」 「銀行強盗は?」 「古すぎ。いまどき覆面してボストンバックを持って『金をよこせ』なんて恥ずかしくなっちゃう」 「じゃあ養鶏場の襲撃」 「やめてよね、あたしが鳥嫌いなの知ってるでしょ。って養鶏場を襲撃してどうする気よ」 掛け合い漫才のような二人の姿をユイが眺めていた 「あとは宝石店の・・・」 「それいいわね、白昼堂々と行われる犯行、突然消え失せる大粒のピンクダイヤ、密室トリックの恐怖、なんて素敵」 目を閉じてうっとりする石川にエリカは呆れたように対応した 「いや、そんなとこまで計画してはいないんですが・・・」 「さ、行くわよ」 まったく聞く耳を持っていない石川は立ち上がると壁に掛けてあるコートを着込む 「いってらっしゃ~い」 先ほどからダウンジャケットに丸まって微動だにしないユイを見るとその手首をひっぱり引きずり起こした。 「ユイ、あなたも行くの」 「寒いの嫌やぁ~」 エリカは二人が事務所を出て行くの見送ると事務所の電気を消し施錠する 階段の下からエリカのつぶやく声がこだました 「ボス、今度引っ越すときはエレベータのあるビルがいいっす」 ちなみにターゲットとなった宝石店はリゾナントブルー御用達であり 今日もまた彼女たちがショッピングをしていたことはどうでもいい話である ---- ---- ----
&br() 雑居ビルの4階にある一室、事務机が1つと会議用のテーブルに パイプ椅子が2客並んでいるだけの質素な部屋に女が二人いた 「ねぇ~石川さ~ん、まだちょっと寒いですよぉ~、ストーブつけましょうよ~」 バン! 石川と呼ばれた女が両手で机を叩くと椅子から立ち上がる 「ちょっと、ユイ! 本名で呼ぶのはダメだって言ってるでしょ。  あたしのコードネームはチャーミーなの。本名で呼ばれて正体がバレたらどうするんの?」 大きなジェスチャーを加えながら甲高い声が狭い部屋に響き渡る 「うちもエリカちゃんも本名のままじゃないですかぁ~」 大阪弁の混じった甘えた喋り方をするユイがほっぺを膨らませ 背中を丸めダウンジャケットに頭を埋めて寒さを凌ぐそぶりを見せる 「と、とにかく、もう4月なんだからストーブなんて非常識よ。だらだらしてるから寒いの。動きなさい!」 石川は振り向くと外の景色を眺めながら腕を回す だが天気予報では4月としては異例の寒波到来を報じており、実際石川も寒くてたまらなかった だがストーブの灯油が底をつきかけていたうえ、今は灯油を買う現金すらない そんなことをユイに話すのは石川のプライドが許さなかった 「ちぃーっす!」 勢いよくドアが開くとショートカットの女の子が入ってきた 「エリカ、挨拶がなってない!」 石川はビシッと人差し指を突きつけると 寒さを他のことで紛らわせようとするかのようにエリカを叱る 「あ、おはようございます。ボス」 エリカは慣れた感じでぺこりと頭を下げた 「で、作戦はできて?」 石川は椅子に座ると脚を組んでエリカに訊ねる エリカは持ってきた書類ケースから数枚のコピー紙を広げた 「幼稚園送迎バスのバスジャックなんてのはどうでしょう」 「パス。あたし子供苦手なの」 「女子校の更衣室に侵入」 「それはあんたの趣味」 「銀行強盗は?」 「古すぎ。いまどき覆面してボストンバックを持って『金をよこせ』なんて恥ずかしくなっちゃう」 「じゃあ養鶏場の襲撃」 「やめてよね、あたしが鳥嫌いなの知ってるでしょ。って養鶏場を襲撃してどうする気よ」 掛け合い漫才のような二人の姿をユイが眺めていた 「あとは宝石店の・・・」 「それいいわね、白昼堂々と行われる犯行、突然消え失せる大粒のピンクダイヤ、密室トリックの恐怖、なんて素敵」 目を閉じてうっとりする石川にエリカは呆れたように対応した 「いや、そんなとこまで計画してはいないんですが・・・」 「さ、行くわよ」 まったく聞く耳を持っていない石川は立ち上がると壁に掛けてあるコートを着込む 「いってらっしゃ~い」 先ほどからダウンジャケットに丸まって微動だにしないユイを見るとその手首をひっぱり引きずり起こした。 「ユイ、あなたも行くの」 「寒いの嫌やぁ~」 エリカは二人が事務所を出て行くの見送ると事務所の電気を消し施錠する 階段の下からエリカのつぶやく声がこだました 「ボス、今度引っ越すときはエレベータのあるビルがいいっす」 ちなみにターゲットとなった宝石店はリゾナントブルー御用達であり 今日もまた彼女たちがショッピングをしていたことはどうでもいい話である ---- ---- ----

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