(16)582 『共鳴修学旅行~リゾナンター京都湯煙共鳴事件~』

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&br() 共鳴修学旅行~リゾナンター京都湯煙共鳴事件~ 「うわーーーーい!和室和室和室ぅ!!」 「広いっちゃねー!」 今日のリゾナンター達の宿泊は京都でも有名な大型旅館 9人のために里沙が予め手配していたのは大きな和室 愛佳は鼻から息を吸い込んで、和の趣たっぷりの畳の匂いを堪能… 和の趣… 畳のにお… 「小春!田中っち!畳の上でゴロゴロして遊ばない!」 愛佳の鼻は舞い上がった埃をダイレクトに吸引してしまった 「ッ…ックシュン!」 「ちぇー…」 「畳の部屋とか最近あがっとらんかったけん、ハメ外しすぎたと」 「まぁまぁ里沙ちゃん。そんな目くじら立てんでも…ほれ、ここにおちょきんしねま」 愛はすっかりくつろぎモードで、自分の隣に置かれた座布団をポンポンと叩いた 「わー。窓からの景色がキレイですよ」 「ホントです!森ミタイです!」 「リンリ~ン、これは森じゃなくて中庭ですよ」 「ホォ~…ナカニワ…マタ賢クなりましタ!」 「道重さん道重さん!このテレビのリモコンの赤いボタンは何ですか?」 「小春ちゃん…その質問わざとでしょ?」 「へ?わざと?どーゆー意味ですか?道重さん!」 「リーダー、ココに置いテあるオカシは食べてイイのカ?」 「ええよ。」 「ジャ、イタダキマス」 「なんだかなぁ~…」 「里沙ちゃん、どないしたんや?」 「みんな、自由だよね~…」 「楽しそうで何よりやわ!アヒャヒャヒャ」 興味があるものを片っ端から見たり触ったりしていく仲間達 その様子をちゃぶ台の前に座ってお茶を啜りながら眺めるリーダーとサブリーダー そんな仲間達を呆然と見つめる愛佳 「みんなが子供で高橋さんと新垣さんがお父さんとお母さん…  そしたら愛佳はなんやろ…おばあちゃんやろか…」 「あーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」 「なんや?れいな、どうしたんや?」 さっきから館内設備案内のパンフレットを凝視していたれいなが大声を上げた 「愛ちゃん!ここの旅館、大浴場があるっちゃよ!」 「なにっ?!大浴場やて?!」 「うん!しかもここの露天風呂、ばり広そうっちゃよ!」 「露天風呂も完備かっ!!里沙ちゃん!」 「何?何なの?なんでソコでアタシが呼ばれるわけ?」 「里沙ちゃん!」 「なっ…なによ、愛ちゃん…」 「ここの大浴場及び露天風呂は…21時以降、あーしらの貸切にするがしーーーっ!!」    オオオオオオオオオオーーーーッ!! 「ちょっ…愛ちゃん…それってもしかして…」 「うむ。またもや里沙ちゃんの能力の見せ所やよ!」 里沙の両肩に手を置いて熱く語るリーダーの目には小さな迷いも見当たらない リーダー・高橋愛の目は真剣そのものだった… 昼間に寺でダークネスと対峙した時よりも真剣だった… 仕方なく里沙は自らの能力を館内全体に向けて発動した そうして迎えた20時55分 リゾナンター達はそれぞれの荷物を抱え、大浴場へと向かおうと立ち上がった 「そろそろ行くやよー」 「ワタシ、日本ノ大キイお風呂初めてデス!」 「ミチシゲ、どんクライ大キイのダ?」 「ジュンジュンの態度ぐらい大きいの」 「ソノ例え、解りニクいナ」 「むっ…」 「あれ?愛佳?お風呂に行かんと?」 「………」 れいなが不思議そうな顔を向けた先にはちゃぶ台に頬杖を付いたままむくれている愛佳の姿 「なん?なんで怒っとると?」 れいなは愛佳の隣にしゃがみこんで、その顔を覗きこんだ 「だってみんな勝手すぎるんやもん…」 「な…」 「愛佳の学校の修学旅行やのに、勝手について来て勝手にバスの座席決めて勝手にお風呂の時間も決めて…  みんな勝手すぎるんですっ!」 「………愛佳」 愛佳の訴えに他の8人は黙り込んでしまう 「愛佳、みんなと旅行出来るのは楽しいですけど…でも…なんかおかしいと思うんです!」 頬杖を解いて膝の上でギュッと拳を握る 「みんな好きな事して…愛佳ばっかり気ぃ使って…クラスの子ぉらと思い出も作られへん!」 「愛佳…」 側に居たれいなが思わず声を漏らす 他のメンバーは驚きで声を出すことすら忘れてしまう 少しの沈黙の後、リーダーである愛がそっと愛佳の横に歩み寄る 愛佳の肩に手を置いて、ゆっくりと膝まづく 「愛佳…」 うつむいたままで返事をしない愛佳の顔を覗き込んで、もう一度優しく呼び掛ける 「愛佳…なぁ、聞いてや…」 愛佳はチラリと目線だけを愛に向けた それを確認した愛はニッコリと笑って小さく頷いた後、言葉を続ける 「確かにあーしら、ちょっとやり過ぎてたかもしれん。愛佳に何の相談もせんとついて着た訳やし。  でもな、みんなの気持ちも解ってやってほしいんやわ… あーしもれいなもジュンジュンもリンリンも、修学旅行とか…言うたら旅行自体初めてやったし  しかも、一緒に旅行するんがこのメンバーやろ?めちゃめちゃ楽しみやったし  実際、めちゃめちゃ楽しくてな…その…ちょっと愛佳の気持ちとか考えんと…その…」 言いたい事が次々に溢れて来て、うまくまとめられない愛 それを察した里沙が続ける 「明日からは大人しくするからさ…愛佳…今日ぐらいはアタシ達に付き合ってやってよ…」 「ごめん、愛佳…れな、明日からはワガママ言わんし!」 「ワタシも反省しマス!」 「小春も明日はクラスメートサービスするっす!  バスん中で月島きらりの新曲歌うっす!」 「小春、それアンタが歌いたいだけでしょーが」 「光井。ワタシも明日はバナナ2本ヤルぞ」 「ジュンジュン。バナナの数は関係ないから」 こんな事態になっても里沙のツッコミは容赦なかった 「フッ…グフフ…」 うつむいたままの愛佳から小さな笑い声が漏れる 「愛佳?」 愛佳の両脇に居る愛とれいなが目を丸くしてさらに愛佳の顔を覗き込む 「グフフ…みんな…」 ひさかたぶりに上を向いた愛佳の顔は笑っていた 「みんな…ええ人ですね…なんか…愛佳、なんで拗ねてたんかわからんくなりましたわ…」 「愛佳…」 愛はその笑顔に安堵のため息を吐く 「愛佳!」 れいなが突然立ち上がって鋭く呼びつける 愛佳は笑ったままれいなを見上げる れいなも声に反して笑っていた 「愛佳!大浴場まで競走やけん!負けた方がスッ裸で風呂桶を使った一発芸ちゃよ!」 「ええぇ…愛佳、お風呂の準備してませんけどぉ!?」 「つべこべ言わん!決めたけん!」 「ウヘヘ…スッ裸で一発芸とか寒いんですけど~」 「そう言う絵里も負けたら一発芸ちゃよ!」 ビシッと絵里を指差すれいなの顔は真剣そのもの 「うぇぇ…絵里もぉ?」 「さゆみも?」 「もちろん!全員参加やけん!」 そう言い放つとれいなは部屋の隅にあった自分の荷物を拾い上げた 「よーーーーぃ…スタートォ!!」 「あぁっ!れいな!待つやよ!」 「待てん!もうスタートしたし!」 「あーん!待ってよれいな!さゆみが足、早くないの知ってるでしょ!」 「田中っち!卑怯だよ!」 「ニシシ…れいなは何と言われても待たんけんね」 いたずらっ子な笑顔いっぱいのれいなは入口に一番近い場所に 立っていたさゆみの肩を叩いて部屋を飛び出した それを見ていた小春もれいなの後を追う様に走り出した 続いて絵里が呆然としたままのさゆみの手を引いて部屋を出て行った 「あ!行ってもうたがし…」 「リーダー!光井!早ク行ク!」 「だから愛佳なんも用意してへんって!」 「ワタシ光井さんの荷物持ツ!ジュンジュンは光井さん持ツ!」 「ワカタ!」 「愛佳を持つって何するつもりよ?!」 「うわぁぁぁっ!」 愛佳のカバンを腕に抱えたリンリンの指示に ジュンジュンはヒョイッと愛佳を肩に担いだ 「よし!行くやよ!」 愛は里沙とリンリン、そしてジュンジュンと 米俵の様に担がれた愛佳の手を取って自身の能力を解放した 大浴場に最後に辿り着いたのは案の定、運動神経×グンのさゆみだった… 「瞬間移動とか卑怯なの…」 「愛佳もそう思いますけど…これは頭脳戦の勝利ですかね…」 ---- ---- ----

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