オカシイ世の中覚え書き

Ⅱ-7.「社会総がかり」で子供の教育にあたるに戻す

「Ⅱ-7.「社会総がかり」で子供の教育にあたる」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
Ⅱ-7.「社会総がかり」で子供の教育にあたる」を以下のとおり復元します。
子供たちは、地域の人と触れ合い、家族とともに生活する中で、社会性が育まれ、学校では学べないことも身に付けていきます。また、子供が学校以外の世界でも人とのつながりを持つことは、様々な悩みや挫折に直面した時に大きな救いともなるものです。教育再生を実現するためには、学校だけの問題ではなく、住民や家族、企業といった地域の関係者全てが当事者意識を持って社会総がかりで、「国の宝」である子供を育てていかなくてはなりません。

(1)家庭の対応 -家庭は教育の原点。保護者が率先し、子供にしっかりしつけをす
る-
【「家庭の日」を利用しての多世代交流、食育の推進、子育て支援窓口の整備】
家庭は教育の原点であり、基本的な生活習慣や感性などの基礎は家庭で培われるものです。家庭の教育力は、子供に対する愛情の上に、保護者がその責任を自覚することから始まります。保護者は教育を学校任せにせず、厳しさと愛情を持って子供としっかり向き合わなければなりません。
○ 国・教育委員会・企業等をはじめとする全ての関係者が、保護者が家庭教育に責任を持つこと、及び保護者としての責任を果たせる環境づくりが何より重要であるという価値観を社会全体で共有し行動するよう努める。
○ 家族が集う正月、盆、彼岸などにおいて、家族、ふるさとの価値・すばらしさ、生命継承の大切さを考える気運を高める。44都道府県で行われている「家庭の日」なども活用し、多世代交流をすすめる。知恵や人生経験の豊かな高齢者は、特に主役である。
○ 早寝早起き朝ごはん運動の推進、挨拶の励行、食育、睡眠の大切さの普及などを通じて、子供たちの生活習慣の改善に努める。また、家庭学習の習慣をつけるよう各家庭でも努力する。
○ 核家族化により祖父母の子育て経験が世代間で受け継がれにくくなっている状況を踏まえ、教育委員会、自治体、関係機関は、子育て・家庭教育に関する相談・支援窓口の整備など子育て支援を充実する。また、一人親家庭や経済的・時間的に子育てに困難を伴う家庭への支援策を講じる。
○ 乳幼児期の子供の親やこれから親になる人たちが、子育てについて学べる機会を拡充する。
○ 子供の発達と成長、育児環境の在り方などを考えるため、脳科学者、児童精神科医、小児神経科医、小児科医や療育の専門家を含めた、科学的知見を発信する国レベルの学際的な会議を開催し、親が子供の発達と成長などについて理解を得られる機会を提供する。

(2)地域社会の対応 -学校を開放し、地域全体で子供を育てる-
【放課後子どもプランの全国展開、地域リーダー(教育コーディネーター)の活用】
子供たちは、健全な生活習慣の中で、よく学び、よく遊んでこそ育つものです。子供のいる人もいない人も地域社会の全ての人たちは、子供たちと積極的にかかわり、学校との連携を深め、地域住民が教育に参画することが必要です。
○ 「放課後子どもプラン」(注)は、異年齢交流や集団活動により、子供を心豊かにたくましく育てるための「根っこ」となるものであり、学習意欲と学力・体力・創造力の向上に資するところも大である。さらに、地域の生活環境の改善、地域活性化の起爆剤ともなるものである。
本事業においては、学校のほか自治体、スポーツ団体、ボランティア、地元企業等が連携して、多様なプロジェクト(地域の祭りなどの伝統・文化活動、スポーツ活動、演劇などの芸術活動、自然体験活動など)に取り組む。そうすることで、家庭や学校とは異なる子供たちの「居場所」を確保し、様々な体験を通して、地域社会と交流を深め、対人関係能力の向上を図る。省庁の縦割りを排して現場中心の取組とするため、地域リーダーの協力を得て、実効ある実施体制を設けるなど、各自治体が責任をもって取り組む。

※「放課後子どもプラン」については、7頁参照。

○ このような活動を推進し、新たな地域コミュニティーづくりに成功している自治体等の好事例を紹介し、全国的な国民運動として拡大する契機とする。
○ 地域の教育資源を効果的に活用し、体系的で充実した子供の学習・体験活動につなげていくため、地域の教育活動で活躍しているNPOや企業などの民間主体をコーディネーターとして活用する。

(3)企業の対応 -企業も「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」を実現
し、教育に参画する-
【学校への課外授業講師の派遣、子供の就業体験等の積極受入れ、休暇制度の改善・充実】
子供たちに職業観をもってもらい、世の中に対する興味・関心を広げ、さらに未来の健全な消費者として成長してもらうには、企業も教育に対して重要な役割を担っています。また、子供は無意識のうちに、メディアや玩具をはじめとする商品など、様々なものから影響を受け、感化されています。
企業は、自らの社会的責任を果たすためにも、その活動に非教育的側面がないか点検し、行動すること、企業の持つ人材やノウハウを、組織的に系統立てて学校や地域の教育に積極的に活かすこと、さらに従業員が「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」が図れるよう諸制度を見直し、多様な働き方を推進しながら、従業員が育児や学校教育に積極的に参画できる機会を設けることが必要です。
○ 企業は、多様かつ柔軟な働き方による「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)」の実現を目指す。
○ 企業の経営トップは、子育て世代の育児を支援するために、「ワークライフバランス」を経営上の基本方針の一つとして位置づけ、育児・教育に活用できる有給休暇制度等の諸制度の改善・充実を図る。また、管理職層は、育児や地域の教育イベント参加のための休暇取得などについて許容し合える職場風土をつくる。
○ 企業の経営トップは、教育委員会や学校と連携を図り、率先して教育現場に出向き、その事業や自らの経験を子供たちに語りかけたりすることで、子供たちに社会について教える。
○ 企業は、次世代を担う人材の育成に協力する観点から、以下のような取組を一層推進する。
・教育界との組織的人材交流の推進(企業からの課外授業講師や非常勤教員の派遣、教員の社会体験研修の受入れ)
・工場・研究所等の見学への協力や、企業の保有する施設(グラウンドや体育館など)の開放
・職場体験、就業体験(インターンシップ)の積極的な受入れ
・大学教育への協力(カリキュラムの開発や研究施設など実践的な場の提供など)
・ものづくりや科学技術の現場の活動について関心を深める機会の提供(技能五輪大会への協力など)
・社会の動きに対応した教員研修への協力(IT リテラシー、インターネット交信のマナー教育)ならびに校長、教頭など管理職を対象としたマネジメント研修への協力
○ 行政、経済団体、マスコミ等が、「ワークライフバランス」や「企業の育児・教育への取組」の成功例を発信することにより、市民の教育への参加を促す。
○ 企業は、採用に当たって、企業が求める人材像を明らかにし、社会の多様な価値観を教育界に伝える。

(4)社会全体の対応 -有害情報から子供を守る-
【家庭自身がチェック、フィルタリングの活用、企業等の自主規制の一層の強化】
テレビ、インターネット、ゲーム、出版物から送り出される不用意な有害情報が子供の心を傷つけて、犯罪を助長させる要因の一つにもなっています。その大きな悪影響を見過ごすことは断じてできません。家庭、メディア、企業、販売業者は、子供を有害情報から守る責任があります。
○ 子供が俗悪番組や、性・暴力などの有害情報に接しないよう、各家庭ではテレビの視聴、携帯電話の持たせ方、テレビゲームの遊び方、インターネット利用などについての家庭内のルール作りやフィルタリングの活用などにより、家庭自身で子供が何をしているかチェックする。特に、携帯電話については、フィルタリングを利用することと、親が直接契約の場に立ち会うことを基本とする。
○ 俗悪番組、コミックや成人雑誌などの出版物、ゲームやインターネット上の有害情報が子供に悪影響を与えないよう、特に、メディアやスポンサー企業には、自覚を促す。有害情報や俗悪な番組に関して意見を通報する窓口(放送倫理・番組向上機構(注)など)やフィルタリングの活用を広く周知して積極的活用を図るとともに、有害情報から子供を守るために国民全体としての運動に早急に取り組む。
※「放送倫理・番組向上機構(略称 BPO)」の視聴者応対専用連絡先は、次のとおり。
TEL 03-5212-7333(平日10:00~12:00、13:00~17:00)
○ 上記に関係する企業や販売業者等は、子供が接することのできる有害情報を社会に氾濫させている当事者の一人であるとの自覚を持ち、子供の教育に悪影響を及ぼすような企業活動の自粛等、自主規制の一層の強化を行うべきである。

復元してよろしいですか?