ペトリあれこれ

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ペトリあれこれ - (2013/09/23 (月) 12:07:00) の編集履歴(バックアップ)


ペトリ製カメラの見所のうち、他のコーナーで紹介し難いような話題をここに収録する。


◎柳澤式スプール

昭和41年頃以降から採用され、以後、一貫してペトリのカメラに搭載された、ペトリ自慢のスプール。柳澤明氏の
考案(実用新案公報昭43-7350参照ペトリカメラ関連特許)。柳澤氏の功績を称え、ここに「柳澤式スプール」
と命名する

フィルム装填が容易にできるように、楔形の切れ込みを入れ、フィルムの下端を差し込めばよいようになって
いる。簡単な形状ながら、見事にフィルム装填の迅速・確実化を達成しており、素晴らしいアイディアである。
なお、コシナで設計されたペトリM35には搭載されていない。

柳澤式スプール

(参考)在来型スプール



◎斜めに取り付けられたシャッターボタン

一眼レフのペトリペンタからFA-1まで受け継がれた、斜めに取り付けられたシャッターボタン。ペトリを特徴づけるアイテムの一つ。角度や取付位置が絶妙であり、押し心地はとても良い。

ペトリカメラではこれを「スラントシャッター」と銘打っていたようであるが、残念ながらこの呼び方は普及しなかった。

東ドイツのプラクチカシリーズ等も同様のシャッターボタン配置を採用しており、こちらの方が歴史は長いのだが、ご覧のとおり角度がペトリのものと大きく異なっており、ペトリの方がはるかに押し心地良く感じる。

左:FTⅡ 右:PRAKTICA MTL3



◎フィルム室の印字

ペトリ7以降(1960年代初頭以降)のペトリ製カメラには、フィルム室(巻き取り側)に数字またはアルファベットで1〜数文字程度、
スタンプで押されたと思しき印字が見られることがある。(印字のないカメラも存在する)

  • 2文字の例「79」:ペトリFTE

  • 3文字の例「310」:ペトリFTE

ペトリスレへの報告により、この数字がカメラ個体の製造時期を記していると推測できることが判明した。

数字の場合、「西暦の末尾1桁+製造月1桁/2桁」と考えられる。
例えばペトリFTEの「79」の場合、「1977年9月」、「310」の場合、「1973年10月」と考えられる。

現在のところ、当wikiの形態分類表に記されたカメラのシリアルナンバーと、推測される製造時期には大きな矛盾はない。

MF-1、FT1000では数字の前にアルファベット1文字「K」「S」のついた個体が確認されているが、
これが何を示すかは現在わかっていない。

この推測が正しければ、あなたの生まれた月にペトリで製造されたカメラを入手することも夢ではないのかもしれない。


◎裏蓋のステッカー

1950〜1960年代初頭のペトリ製カメラの裏蓋にステッカーが貼られていることがある。
故障の際の連絡先が英文で書かれている。

現在まで4種類を確認している。


オートメイトに貼られていたもの


ペトリF2.8に貼られていたもの


ペトリF1.9に貼られていたもの

#ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (half7.JPG)

ペトリハーフ7に貼られていたもの


◎フィルムインジケータを装備したペトリペンタV2、V3(情報及び画像提供:ペトリ好きさん。文:いつかはペトリ)

 ペトリペンタV2及びペトリフレックスV3の中には、画像のように、装填したフィルムの感度及びカラー・モノクロかを忘れない
ようにするためのフィルムインジケータを装備したモデルが存在する。

 複数のモデルが確認されていることから、後年の第3者による改造によるものではなく、オリジナルか又はメーカーの手による
改造の可能性が高い。もっとも、ペトリペンタV2やペトリフレックスV3の取扱説明書の画像にはフィルムインジケータはみら
ないことから、量産途中の仕様変更か、警察関係等の特殊用途用として作られた特注品ないし改造品かは不明。今後の研究に
待ちたい。 

フィルムインジケータが付いたペトリペンタV2(№350867)
圧板を外した裏蓋内側からみたところ(№381608)

フィルムインジケータを装備したモデルの中には、ペンタプリズムカバーのロゴ部分を貼り皮で覆ったモデルもある(№381608)。
所有者のペトリ好き氏によると、このモデルは警察関係から入手した者を通じて入手したとのことである。なお、ロゴ部分の貼り皮
がオリジナルかどうかは不明。