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    <title>◆pinksk5pfw の舞台裏</title>
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    <description>◆pinksk5pfw の舞台裏</description>

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    <title>竹掘物語</title>
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    <description>
      <![CDATA[
<p>昔々、ある所に竹取の翁とその妻が竹林の中でひっそりと暮らしていた。<br />
　若い頃から頑張ったものの、二人子宝に恵まれず　寂しい二人暮しだった。<br /><br />
　いつもの様に翁が細工の為の竹を切り出しに行くと太い竹の一部が、<br />
　内側から輝いているのを発見した。<br />
　不思議に思った翁が　その竹の光る根元を切り出してみると、中から<br />
　光り輝く女の赤子と小判が飛び出してきた。<br /><br />
「おお、これは我等を哀れに思った神が下された赤子に違いない！　」<br />
　匂い立つような光り輝く赤子を連れ帰った翁は、早速妻にその事を話した。<br />
　幾枚もの小判と美しい赤子を同時に授かり、妻もまた喜んでその赤子を我が子と<br />
　愛しんだ。<br />
　匂い立つような赤子には「薫夜姫」と名付け、大事に育てる事にした。<br /><br />
　不思議な事に薫夜姫はどんどん成長し、三月もすると16くらいの娘になってしまった。<br />
　光り輝くような清楚な美しさと、甘く匂い立つ姿はそのままに成長した薫夜姫は、<br />
　たちまち都で噂となり、姫を一目見ようと　翁の館を訪れる殿方は増えていった。<br /><br />
　姫と一緒に出てきた小判で　裕福となった翁と妻は、姫野成長の早さに驚いたが、<br />
　このような美しい姫ならば、どこの貴族の妻となっても申し分ないと喜んだ。<br /><br />
　この時代は男が女の元に通う風習だったので、翁と妻は下卑た若者に姫を襲われない様に、<br />
　竹林の周りに堀をめぐらせ、勝手に近づけない様配慮をした。<br />
　こうして手中の珠の様に厳重に守られる姫の噂は　都で益々高まっていった。<br /><br />
　姫の元には身分の高そうな貴族が文や贈り物が届くようになる。<br />
　しかし、薫夜姫はそれらに全く興味を示さず　夕刻になると竹林に消えては、帰りに<br />
　小判を携えて帰ってくると、縁側に座って月を見上げて過ごしていた。<br /><br />
「姿はもう娘とはいえ、姫はまだ生後三ヶ月の赤子と同じなのだ。焦る事もあるまい。<br />
　それに、姫ならばもっと良い殿方もまだまだ現れるだろうて」<br />
　翁も妻も竹林とつきにしか興味を示さない姫を　まだ気楽に見守っていた。<br /><br />
　都では、誰の手にも落ちないという薫夜姫の噂が益々興味深く語られ始めた。<br /><br />
　そんな中、5人の立派な貴族が薫夜姫に会いたいと訪れてきた。<br />
　どの5人もいずれ劣らず裕福で、身分の高い貴族達だった。<br />
　翁と妻は、この5人の何れかなら　姫にも相応しいと考えて、彼等を姫に会わせてみた。<br />
　噂以上に美しい姫の虜となった貴族達は、なんとか姫に申し込もうと夢中になる。<br />
　様々な贈り物をしてみたが、彼等を一目見ただけで　薫夜姫はあまり興味を示さず、<br />
　相変わらず竹林へと通い続けた。<br />
　つれない仕草の姫の気を引きたい5人の貴族は、翁を通してなんとか姫を我が手にと望んだ。<br /><br />
　いつもの様に小判を携えて帰宅した姫に　その事を告げると、姫は素っ気無さそうに答えた。<br />
「まぁ。皆様、ご自分では直接私に、何も仰れ無い方々ばかりですのね……。<br />
　わかりました。この紙に書かれた物を私に送ってくださる方になら考えますわ」<br />
　5枚の紙に書かれた品は、どれも入手不可能と思えるものばかりだった。<br /><br />
　5人の貴族は渡された紙の品書きを読んで驚いたが、それでも姫が欲しくて奔走した。<br />
　しかし5人の誰もが姫の求める品を入手する事は出来ず、危うく命に関わる者まで現れた。<br />
　5人の貴族達は泣く泣く姫を諦め、許婚の申し出を取り下げてしまった。<br />
「なんと勿体無い……。あの方々以上に身分のある方は、もう帝しかおるまいよ」<br />
　翁も妻もがっかりした。<br /><br /><br />
　そんな噂はとうとう帝の耳まで入ってきた。好色を誇る帝は　姫の噂に興味を持つ。<br />
「その様に難しい姫ならば、これもまた一興である。一度宮廷に招いてみよ」<br />
　興味を引かれた帝は、臣下の者に申し付けた。<br />
　翁と妻は、帝の書状に驚き喜んだが、薫夜姫は相変わらず素っ気無い返事をした。<br />
「私、この竹林から離れたくありませんの。　そうお上にはお返事してください。　」<br /><br />
　翁と妻は恐れ多くも帝のお召しを断る姫に驚き　なんとか説得を試みたが、<br />
　姫の気持ちは変わらなかった。<br />
　翁は恐る恐る　帝に姫の意志を認めた書状を献上したが、それしきで諦める帝ではなかった。<br />
「姫が招きに応じないなら、こちらから出向けばよいのだな？　」<br />
　帝は不敵に笑うと、従者を伴って牛車で竹林の中にある翁の屋敷を訪れた。<br />
　<br />
　国で一番の権力者である帝の突然の訪問に　翁と妻は驚いたが、相手が帝では予約無しでも　<br />
　断る事は出来ない。<br />
　恭しくもてなすと、薫夜姫のいる居室へと案内した。<br />
　<br />
　時刻は夕暮れにさしかかっており、帝は御簾越しに薫夜姫に声をかけてみた。<br />
「今晩は。　薫夜姫。　招待に応じていただけないので、こうして参上してしまいました」<br />
　しかし、御簾越しからは何の返事も返ってこない。<br />
「姫？　ご機嫌を損ねておられるのですか？　お声くらい聞かせていただきたいですな」<br />
　今まで女妾に拒まれた経験の無い帝は、少し焦れて　再度声をかけたが、やはり返事は<br />
　聞こえてこない。<br />
　少し不機嫌になった帝は立ち上がると、二人を隔てる御簾を開けてみた。<br />
　<br />
　御簾の向こうは無人であり、裏口の竹林に通じる簾が風でゆらゆら揺れるだけだった。<br />
　どうやら薫夜姫は外に逃げてしまったらしい。<br />
「難しい姫とは聞いていたが、これは少し無作法ではないか」<br />
　やや腹を立てた帝は、揺れる簾から外の竹林へと足を運んだ。<br />
　<br />
　竹林の中を彷徨っていると、奥の方からうっすらと光っているのが見える。<br />
「薫夜姫、そこにおられるのですか？　」<br />
　帝は光を頼りに竹林をかき分けて歩を進めると、思わず目を見張ってしまった。<br /><br /><br />
　長く豊かな黒髪を靡かせた美しい少女が、青青とした竹に腕を絡め　頬を紅潮させながら<br />
　小さな声を放っていたのだ。<br />
　しどけなく緩んだ着物の胸元から、白く豊かな乳房が毀れ　自らの細い指が弄っている。<br />
　ぴんとそそり立った薄紅色の乳首を自分で慰めながら、愉悦の表情をしている姫を、<br />
　帝は思わず無言で見つめていた。<br />
　<br />
　青竹に股間を擦り付けながら、重ねた着物の裾から眩しいほど白い二の足が蠢いている。<br />
　擦り付けられた青だけの部分は、透明な液体で濡れて光を放っていた。<br />
　<br />
　姫が股間を青竹に押し付けるたびに、青竹はしなるように揺れ　姫の髪飾りが<br />
　サラサラと、音楽のような音をかもし出す。<br />
「……ん……はぁ…っ……はぁぁ……んっ……！　」<br />
　薫夜姫は青竹に自らを擦り付ける快感で、官能的に喘いでいた。<br />
　青竹の濡れた部分が広がり、根元へと伝い落ちている。<br />
　動きが激しくなるごとに、着物の裾から覗く生足が露わになり　淫らな動きを続けた。<br />
　<br />
　姫が歓喜の声を放つたびに周囲の竹がうっすらと光を放ち、姫の周囲は明るくなる。<br />
　帝は思いがけず遭遇した、薫夜姫の秘め事と光を強める竹の不思議な光景を　息を呑んで<br />
　見守り続けていた。　<br />
　<br />
　薫夜姫の露で濡れた青竹は姫の重みで倒れるほどに撓り、それに跨ったような格好になった<br />
　姫は、自らの露で滑らせながら　尚も青竹に股間を押し擦り続ける。<br />
　小さく吐息を荒めながら、やがて青竹に跨ったまま　歓喜の声を放った姫は　仰け反るように達してしまった。<br />
　姫が達する声と同時に、朝にしか顔を出さない筈の竹の子が地面から浮き上がる。<br />
　<br />
　姫はしばらく息を整えると、跨った青竹から足を下ろし　芽生えた竹の子を愛しそうに見つめた。<br />
　瑞々しい竹の子を摩って泥を落とすと、紅く濡れた唇で竹の子をしゃぶり始める。<br />
　ぴちゃぴちゃと淫らな水音を響かせると、薫夜姫は衣装の裾をかき分けまたも白い生足を<br />
　露わにした。<br />
　<br />
　薫夜姫の唾液で妖しく光る竹の子に跨ると、自らの指で秘肉を開き　濡れそぼった源で<br />
　竹の子を飲み込み始める。<br />
「……んぁ……っ！　……んんっ……うんっ……うぅっ……！　」<br />
　薫夜姫は竹の子を内部に挿入すると、ゆっくり腰を動かし始めた。<br />
　はだけた胸からこぼれる乳房がリズミカルに上下に動き出す。<br />
　薫夜姫の内部に飲み込まれた竹の子が、姫の溢れる液で淫らな音を放ち　溢れる液は<br />
　地面に吸収されてゆく。<br />
「あぁ……。　そうよ……！　もっと大きく育ちなさい……！　はぅっ！　」<br />
　どうやら外からは見えないが、竹の子は姫の内部で成長しているらしい。<br /><br /><br />
　激しく腰を上下させる薫夜姫の身体から、光る汗が迸る。<br />
　気持ち良さそうな艶かしい表情に、帝の息は荒くなり　下半身が熱くなるのを堪えていた。<br />
「……あぁ……いいわ……！　私、またいきそうよ……」<br />
　更に激しく竹の子を飲み込む動きが早まると、薫夜姫はまたも恍惚として達した。<br />
　<br />
　達すると共に、周囲の青竹が発光し　金属音を立てて小判を生み出した。<br />
　薫夜姫はゆっくり竹の子から自分を引き抜くと、やはり竹の子は成長していた。<br />
　<br />
　乱れた衣とほつれた髪を整えながら、落ちた小判を拾い始めた薫夜姫は、<br />
　やっと竹やぶの影に立ち尽くしている帝の存在に気が付いた。<br />
　驚きと淫らに乱れていた薫夜姫に見入っていた帝は、薫夜姫と目が会うと狼狽した。<br />
　しかし薫夜姫は艶然と笑うと、帝の元に歩み寄った。<br />
「……ご覧になっておられたのですね？　帝様」<br /><br />
　薫夜姫の秘め事を一部始終見ていた帝は、衣の上からわかるほど股間を固く滾らせていた。<br /><br />
「な、何故こんな所であんな事をなさっていたのですか？<br />
貴女には沢山の求婚者がいたはずですが……　」<br />
　これほどに美しい姫君なら、竹を相手に自慰をする必要などないだろうに　と帝は思った。<br /><br />
「……私と竹は共生関係にあるのです。　<br />
　竹は私に霊気を与えてくれ、私は竹に滋養を与えているのです。<br />
　私の故郷は、あの上空にある月なのですが　故郷には竹がなく、仲間を増やす事が出来ません。　」<br />
　薫夜姫は半月を見上げるとそう言った。<br />
　<br />
「そ、それでは貴女はお一人で種族を増やす事がお出来になるのですか？　」<br />
　帝は薫夜姫の頭は　少しおかしいのかもしれないと疑いつつ聞いてみた。<br />
　薫夜姫は　ちょっと悲しそうな顔をして答える。<br />
　<br />
「いいえ。私一人の力では、竹に滋養を与えるのが精一杯です。<br />
　本来なら殿方の種を満月に頂いて　自分の種族を増やすのですが、意志の弱い方の精では<br />
　うまく受精できないのです。<br />
　今までいらした方々は、皆翁を通じてしか私に接しようとはなさりませんでした。<br />
　それでは　種族は増やせないのです。<br />
　……こうして直接私に接してくださったのはお上が初めてでございますわ」<br />
　帝の鼓動は高鳴った。<br />
　<br />
「そ、それでは。　私は貴女のお眼鏡に敵ったと言うことでしょうか？　」<br />
　薫夜姫は少し頬を紅らめると、恥ずかしそうに頷いた。<br />
「はい。恐れ多いとは存じ上げますが、協力していただけますか？　」<br />
「喜んで！　」<br />
　帝は既に猛り立った一物を、薫夜姫に埋めたくて　居ても立ってもいられなかったのだ。<br />
　思わず薫夜姫に抱きつくと、整えたばかりの衣の紐をはずそうとし始めた。<br />
「あ……！　お待ちください。まだ満月ではありません。<br />
　満月の夜の精でないと、私自身が身篭ってしまい　帰れなくなってしまうのです！　」<br />
　帝は構わず薫夜姫の十二単を纏める紐を解き去ると、姫をその場に押し倒した。<br />
「いいではありませんか、姫。　是非　私の和子を生んで、この地に留まっていて下さい」<br />
「こ、困ります！　お上……。　<br />
　私の母も満月に契って私をこの地に産んでから、故郷へと戻ったのですよ」<br />
「では、貴女の母君には感謝しなくてはなりませんね」　　　　　　　　　<br />
　先程の自慰で汗ばんでいる薫夜姫の身体からは、やはり馨しい香りがした。<br />
　まだ敏感な薫夜姫の身体は、帝の愛撫に反応してしまう。<br />
「い、いけません……。　<br />
　このような事は前例がありませんから、どうなるか私にもわからないのです……あっ……」<br />
　はだけられた衣から、さっきまでは見ているだけだった姫の乳房が毀れ出した。<br /><br />
　ふくよかな乳房を揉み解しながら、帝は早くも尖り始めた薫夜姫の乳首に吸い付いた。<br />
　馨しい体臭の薫夜姫の乳首をそっと歯で挟むと、姫の身体は驚いたように仰け反った。<br /><br />
「わ、わたくし……。　生身の殿方とは、まだした事が無いのです……。　お上……」<br />
　戸惑うように言う薫夜姫に、帝は思わずにやりとした。<br />
「それは重畳。竹や竹の子などよりも、ずっと感じさせて差し上げますよ」<br />
　帝は薫夜姫の乳房を　舌と掌で愛撫しながら、先程竹の子を埋め込んでいた姫の秘肉に<br />
　指を滑らせた。<br />
「……ひっ……！　」<br />
「ほら、姫。　まだこんなに潤っていますよ？　」<br />
　帝はわざと音を立てながら、薫夜姫の秘肉を蹂躙した。<br />
　あんな淫らな仕草をしながら、まだ処女であったとは……。帝はほくそ笑んでいた。<br />
　<br />
　溢れ出る姫の液体を舐め取りながら、姫の秘肉の上部にある小さな豆に吸い付いた。<br />
　薫夜姫は青竹とは違う、柔らかくねっとりした感覚に　仰け反りながら喘いでしまう。<br />
　しばらく姫の秘肉を舌でもて遊ぶと、姫の十二単をすっかり脱がし、自分も下腹部を<br />
　解放した。<br />
「姫……。　私の竹の子も味わってください」<br />
　薫夜姫の身体を逆さにして上に乗せると、帝は猛り立つ自分の竹の子を姫の口元に<br />
　近寄せた。<br />
「お上のこれは、もう充分成長なさってますわ……」<br />
　薫夜姫は囁くと、帝の怒張した竹の子を口に含んでしゃぶり始めた。<br />
　姫の口技を感じながら、帝は薫夜姫の股を開き　再び秘肉をしゃぶり始めた。<br />
　<br />
　帝の舌に秘肉と子豆を刺激されながら、薫夜姫は帝を口に含んだまま喘ぎ声を放った。<br />
　充分薫夜姫を味わい尽くすと、帝は姫の口から猛る竹の子を引き抜き体勢を変えた。<br />
　<br />
　薫夜姫を組み敷くと膝を抱え　腰を浮かせて一気に猛る竹の子を姫の中に刺し貫く。<br />
「……んぁっ！！　」<br />
　薫夜姫は悲鳴のような喘ぎ声を発した。<br />
「自然の竹の子よりは奥まで届くようですね、薫夜姫」<br />
「は、はい。……奥まで痛いほどに当たっています……」<br />
　帝は柔らかく絡みつく姫の内側の襞を擦るように抽送を始めた。<br />
　貫く度に、姫から溢れる液体が飛沫の様に姫の内股と帝の腹部に飛び散る。<br />
　薫夜姫はあまりの快楽に歓喜の喘ぎを放ち続けた。<br />
　<br />
　幾度か体位を変え、帝は薫夜姫を貫き続ける。<br />
　姫は捕食された生き物のように身体を弾ませ、切なそうに声を放つ。<br />
　<br />
　再び周囲の青竹が発光し始め、まるで昼間のように明るくなった。<br />
　帝はそろそろ限界を感じると、薫夜姫を正常位に戻し　熱く白濁した液体を姫の内部に放った。<br />
　そのまま姫の足を抱えて持ち上げ、薫夜姫の腰を浮かび上がらせる。<br />
「お、お上……？　」<br />
　薫夜姫は前屈させられた姿勢で、少し苦しそうな表情をした。<br />
「一滴でもこぼさない様にしなくてはなりませんからね。　薫夜姫」<br />
　帝は姫の腰を持ち上げたまま、最後の一滴迄　姫の内部に打ち放った。<br />
　<br />
　周囲の竹は明るく発光し続けていたが、小判は生まれてこなかった。<br /><br /><br />
　それからは、満月までの間　毎晩帝は薫夜姫の元に通い、丹精込めて精を放ち続けた。<br />
　竹林は発光しながら、なんだか太くなっていた。<br />
　<br />
　そして　いよいよ満月の夜、帝はすっかり身体の馴染んだ薫夜姫を貫いていた。<br />
　薫夜姫は何度も達しながら、帝を受け入れ喘ぎ続ける。　<br />
　後背位で姫を貫いていた帝は、勢いよく薫夜姫の内部に精を放った。<br />
　<br />
　すると、発光していた青竹が　かつて無いほど光り輝き、あまりの眩しさに帝は目を閉じて<br />
　しまった。<br />
　<br />
　しばらくしてやっと目を開けると、繋がった帝と薫夜姫の周りには　光り輝く童女が沢山取り巻き、座っていた。<br />
「ひ、姫……！？　こ、これは一体……？　」<br />
　帝は驚き、貫いている薫夜姫から離れると　光る子どもたちを見下ろしていた。<br />
「まぁ……。　<br />
　前例が無かったので私も驚きましたが、満月までに仕込んだ精が全部実ってしまったのだわ」　<br />
　薫夜姫も驚いていたが、にっこり笑うとこう言った。<br />
「でも、この子達も3ヶ月もすれば　私と同じように成長しますわ。<br />
　外部から生まれたこの子達は、お上とは血は繋がっておりません。<br />
　同じように　可愛がってあげてくださいませ」<br />
　<br />
　一体何人居るのかわからない子供達に、帝は思わず狼狽した。<br />
「……それに、私のおなかにも帝の和子が宿っております。<br />
　この子も3ヶ月以内には生まれますが、私はもう帰れないので　この子を月に戻らせますわ」<br />
　<br />
　ついさっきまで目立たなかった、薫夜姫の下腹部はわずかに膨らみ始めていた。<br />
　麗しい香りの童女たちに囲まれて、帝は困ったような嬉しいような複雑な気持ちだった。</p>
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    <title>皇女裏伝説03</title>
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    <description>
      <![CDATA[
<p><br />
　――何故、あのときの浮浪児が今ここにいるの？<br />
　お兄様の寝屋に自由に入れるのは宮だけだった筈……。この様な下賎な者が何故……？<br /><br />
　和宮は体を強張らせながら、多岐に奉仕させている熾仁を凝視していた。<br />
　多岐は見せ付けるように熾仁の一物を舐めしゃぶり続けている。<br />
　淫猥な水音が熾仁の股間から聞こえてくる。まざまざと見せ付けられた和宮の胸内に怒<br />
りが込み上げて来た。<br />
　嫌！　お兄様に愛でられるのは宮だけよ！　身分もない卑しい身でお兄様を穢さないで！<br />
　声にはならない多岐への罵倒が、和宮の胸中を駆け巡っていた。<br />
　股間の獣を宥めるように顔を埋めている多岐を見下ろし、熾仁は言う。<br />
「……これ、多岐。もうよいぞ。さて和宮、おいで。そろそろ待ちくたびれたであろう？」<br />
　多岐は頬に張り付いた髪を払いながら、熾仁の股間から顔を上げる。<br />
　その唇から光る細い糸が伸び、ぷつりと切れた。<br />
　多岐に奉仕させていた熾仁の一物は、多岐の唾液で濡れ光りつつ、再び猛り勃っている。<br /><br />
　ゆっくりと和宮に手を差し伸べる。和宮はその一物に魅入られていた自分に気付き、困<br />
惑しつつも己を精一杯奮い立たせて叫んだ。<br />
「い、嫌です！　お兄様！　そ、その様な女の後に、この宮に触れるおつもり！？<br />
　どうか、穢れを落とし、場所も清めてその下賎な女を下がらせてくださいませ！」<br /><br />
　熾仁はやや肩を竦めると、静かな笑いを浮かべた。<br />
「やれやれ。待てと申したのを聞かずに押しかけたのは其方の方であろう？　和宮よ。<br />
　待ちきれずに参ったのではないのか？　相変わらず我が侭な事ばかり申すものよ」<br />
　図星を衝かれ、頬を高潮させた和宮は、切り札とばかりに言い放った。<br />
「あ、兄上様……いえ。今上帝は、お兄様が他の女とも懇ろであると宮に仰せられました。<br />
　で、でも宮は、ずっとお兄様を信じてまいりました！　そんな宮にこの様な仕打ちをな<br />
さろうなんて……！　あ、兄上様とて、きっと知ればお怒りになられますわっ！」<br /><br />
　熾仁の笑顔が静けさから酷薄なものへと変貌し、抑揚もなく和宮に話しかけてくる。<br />
「その帝に黙ってここを訪れたのは、何方であるかな？　すぐに引き返して帝に訴え出れ<br />
る立場におありなのか、考えてもみるがよい。まだ其方には腹芸という物ができぬ。<br />
　……其方、宮中に戻ってから、帝に抱かれたのであろう？　帝の睦言を聞いたのだな。<br />
　和宮よ。この多岐等は其方と年の端も変わらぬが、よほど世間を知っておるぞ？」<br />
　熾仁の傍らに座し、手の甲で口を拭っていた多岐が、無言で和宮に微笑む。<br /><br />
　熾仁は再び、言葉に窮している和宮に手を差し伸べた。<br />
「さぁ、もう駄々をこねるのはおやめ。和宮。これが欲しくて参ったのであろう？<br />
　帝ももう御年だ。満足できぬ体を持て余して、我が元に参ったのではないのか？<br />
　――ここ迄ご自分でおいで。存分に満たして差しあげよう程に……」<br /><br />
　……い、嫌……。……お兄様は穢れていらっしゃる……宮はそんなお兄様は嫌よ……。<br />
　和宮の理性はそう警鐘を鳴らし続けるが、体は操られる様に立ち上がり、ふらふらと頼<br />
りない足取りで、熾仁の座る寝具の元へと吸い寄せられていった。<br /><br />
　差し伸べられた熾仁の手の平に、そっと指先を落とす。それだけでぞくりと、言い様も<br />
ない感覚が和宮を襲った。<br />
「ふふ……。和宮よ。其方、先程の光景と今の怒りで既にもう濡れておるのではないか？<br />
　其方の口は情がないが、躯は実に正直に反応するからな。どれ、脱いでご覧。見て差し<br />
あげよう」<br />
　熾仁の発する言葉が呪縛の様に、和宮を意のままに操る。<br />
　和宮は放心した表情で、自らの腰紐を解き解した。<br />
　乾いた衣擦れの音と共に、和宮の体から衣装が滑り落ちる。<br /><br />
　やや浅黒く、肉感的な肢体の多岐とは対照的な、白く華奢な裸体が顕わとなった。<br />
「……やはりな。悪態をつきつつも、躯はしっかり欲情しておるではないか。和宮よ」<br />
　熾仁が悦にいった様に微笑みながら、和宮の乳房の先端で既に屹立している蕾に触れる。<br />
　びくりと反応し、和宮の意思がかろうじて我に返った。<br />
「そ、その様な事っ……！　い、嫌っ！　穢れた手で、宮に触れないでくださいませ！」<br />
　熾仁の手を振り払い、和宮は刹那的に自らの腕で胸を覆い隠そうとして後退った。<br />
　後退る足袋の踵が先程脱ぎ落とした衣にかかり、蹌踉《よろ》めいてしまう。<br /><br />
「……あっ……！」<br />
　熾仁の為に念入りに梳ってきた髪が蹌踉めく反動で乱れつつ、宙を舞う様に流れた。<br />
　その髪の一筋と共に、熾仁の手が和宮の肘を掴み支える。<br />
「やれやれ。せっかちな皇女だ。まだ床に伏すのは早かろう？　我が手のどこが穢れと申<br />
すのか、其方の口で答えてみよ」<br />
　熾仁は和宮の腕を掴んだまま、己の座している正面に引き戻した。<br />
　両腕を抑えられ、身を翻す事も叶わずに和宮の肢体は熾仁の目に犯される。<br />
　こうして視姦される事は過去多くあった。だが今の和宮は、自尊心と欲望の狭間で葛藤<br />
し、抵抗していた。抗う程に掴まれた腕に力が籠もり、和宮は小さく悲鳴をあげる。<br />
「い、痛っ……！　お放しになって！　お兄様！」<br />
「まだ質問に答えてなかろう？　我が手のどこが穢れと申すのだ。答えてみよ、和宮」<br />
　今迄と違い、甘えを許さぬ言葉に、和宮は思わず癇気をもって熾仁を罵る。<br />
「あ、兄上様は仰りました！　お兄様はそうして、宮を穢されたのだと！<br />
　下賎な女と宮を……宮を同じく扱い、穢したのだと！　兄上様の仰る通りだわ！<br />
　だから……だから宮は兄上様に『清め』を受けねばならなかったのです！<br />
　お、お兄様のせいよっ！　なのに、なのにどうしてこんな仕打ちをなさるの！？」<br />
　泣きながら抗議をする和宮に、熾仁は含みのある表情で笑った。<br /><br />
「ほう……。では今の其方は穢れが落ちているわけだな。さぞかし帝は念入りに其方を払<br />
い清めたであろうよ。……なのに再びこうして来たのは何故だ？　自ら衣を脱いだのは？」<br />
「……そっ……！」<br />
　反論しようとする和宮の体が仰け反った。熾仁の舌が、和宮の秘肉を分け入り、奥へと<br />
分け入ってきたのだ。<br />
「……こうして帝に清めてもらったか？　しかし清められたここが、濡れているのは解せ<br />
ぬ。我が穢れた舌に蜜を滴らせ、柔肉をひくつかせておるのは何故だろうな？」<br />
　荒々しく秘肉を貪る熾仁の舌が、和宮の唇から途切れがちな呻き声を導き出してゆく。<br />
「……い、嫌……っ……！　……い、いやぁ……ぁあっ……！」<br /><br />
　淫猥な水音が、絶え間なく和宮の中心を襲う。熾仁に貪られる部位が疼く様に火照り、<br />
立っている事もままならぬ程、和宮の膝はがくがくと震え、崩れ落ち始める。<br />
　掴まれていた腕が開放されると、そのまま寝具に膝を落とし、床に手をついてしまう。<br />
　熾仁の腕は和宮の腰へと移動し、床についた腰を軽々と持ち上げた。<br />
「まだ床に伏すのは早いと申したであろう、和宮。帝御自らに清めて頂いたという『ここ』<br />
を、もっとよく、穢れた我に見せるのだ」<br />
　皮肉混じりに言い放ち、腰を持ち上げると、和宮の体を背後に向けさせる。<br />
　ゆっくり仰向けに横たわる熾仁は、背後に向けさせた和宮の足を抱え上げると、自身の<br />
目前に和宮の秘部が見える様、跨らせた。<br /><br />
　和宮の脳裏に、先程迄背部から馬鍬《まぐわ》っていた熾仁と多岐の姿が疎ましくも浮<br />
かび上がる。<br />
「……い、嫌……！　こ、この様な格好、宮は嫌です……っ！　……んぁっ……！」<br />
　陶磁器の如く白く滑らかな曲線を描く和宮の尻に、熾仁の無骨な指が鍵爪の様に埋まり、<br />
眼前から離れようとしている体を制した。<br />
　尻の肉を掻き分け顕わにした和宮の秘肉に、再び熾仁の顔が近づき、火照る部分を責め<br />
始める。<br />
「おかしな奴よ。普段、仰向けならば人前でも抗わぬに、向きを変えただけで何を慌てる<br />
のだ？　よく見えるぞ、和宮……。淫らに濡れ滴っている、其方自身がな……」<br />
「……！　……くぅ……っ！　……はぁっ……！」<br />
　熾仁の口が和宮の秘部に吸い付き、舌が蠢く。秘部の突起は痛い程に固く、鋭敏になっ<br />
ていた。<br />
　堪えようとしても、忍び声が漏れ出でてしまう。<br />
「どうした。先程我らを『獣の様』と蔑んだ其方が、今同じ姿で獣のように吠えるのか？<br />
　高貴な皇女殿であろうとも、其方は淫楽には抗えぬ。その様に育ってきたのだからな」<br />
　熾仁の無骨な指が、和宮の秘部をかき分け、ぐっと和宮の内部に侵入する。<br />
　指に絡みつく内部の襞を弄りつつ、溢れる和宮の秘液を押し出す様に蠢《うごめ》く。<br />
　悲鳴とも、快楽の叫びともわからぬまま、和宮の喘ぎ声は高まってゆく。<br /><br />
　容赦ない局所の責めに、自尊心と理性は崩され、屈辱的な体位で与えられる悦淫に支配<br />
されてゆく己を自覚しつつ、和宮には抗う術はなかった。<br />
　崩れ落ちそうになる体を熾仁の腕で再び掴まれ、倒れ伏す事もままならず翻弄される。<br />
　全裸で熾仁に騎乗位のまま局所を攻められ、反り返る体と共に豊かな髪が波打っていた。<br /><br />
「へぇ……。いい『顔』と『声』を持ってたんだね、ミヤサマ。それに染み一つない綺麗<br />
な体だ。女のあたいでも、妙な気分になりそうだよ」<br />
　傍らで、衣も纏わず膝を抱えていた多岐は、好奇心に駆られて立ち上がると、和宮と熾<br />
仁に近づいて来ていた。<br />
「……すごいな。さっきあたいの中にいっぱい出した若様のここも、まるで腹に食込みそ<br />
うな程に猛り立ってるよ」<br />
　多岐の手が和宮の視界に入る。その手が熾仁の一物に触れようとした時、和宮は咄嗟に<br />
叫んでいた。<br />
「無礼者っ！　……お、お兄様に触れる事は許しません！　……く……っ！　お下がり！」<br /><br />
　多岐の瞳が挑む様に光ると、可笑しそうに笑い声を発した。<br />
「股ぐらをしゃぶられながら言っても威厳がないよ、ミヤサマ。邪魔をするなってかい？<br />
　そんな野暮はしないさ。あたいが今興味があるのはあんただよ。ミヤサマ」<br />
　多岐が発音する『ミヤサマ』には、明らかに侮蔑が含まれている、と和宮は感じていた。<br /><br />
　その多岐の手が、熾仁の猛る物から離れる。そのまま手は素通りして和宮へと向かった。<br />
　首筋から汗で肌に纏わりつく和宮の髪を、ゆっくりその手で払いのける。<br />
「……お、お止め！　無礼者！　み、宮に触れる事も許しませぬ……っ！　出てお行き！」<br />
　熾仁は和宮に触れる多岐を見上げながらも和宮の腕を戒め、秘肉を嬲《むさぼ》る行為<br />
を続けている。<br />
　和宮は体を捩《よじ》りながらも、精一杯の虚勢を張って多岐を威嚇しようとしていた。<br /><br />
　思わぬ刺激に体が弾ける様に反り返る。<br />
　多岐の手が和宮の両乳房を掴み上げ、そそり立つ乳首を人差し指でなぞっていた。<br />
「……へえ……。すべすべしてるのに、吸い付くような肌だね。こんな肌はあたいの知っ<br />
てる誰も持ってないよ、ミヤサマ。若様の抱いてた他の女達にもいなかったなあ……」<br />
「な……っ！？　……はぅ……っ！　い、今何と……？」<br />
　和宮の問いかけに多岐は答えない。代わりに鷲掴みして突起している、和宮の乳房の先<br />
端に唇を近寄せた。<br />
「……んぁっ……！　お、おやめなさ……あぁっ……！」<br />
　熾仁とも異母兄の帝とも違う、細く紅い舌先が、和宮の乳房の先端をちろちろと、まる<br />
で蛇の舌の様な敏捷さで甚振《いたぶ》り始める。<br />
　秘部二箇所を同時に二人の人間に攻められ、和宮は否応も無く官能の渦に巻き込まれた。<br />
「い、いやぁぁぁぁ……っ！　……」<br />
　びくり！　と体が一瞬痙攣を起し、全身の力が抜けてゆく。<br />
　熾仁が手を離すと、和宮は力無く多岐の胸に覆いかぶさるように倒れこんだ。<br />
「下賎な人間に触られても気をいかせちゃうんだ？　ミヤサマ。随分感度がいいんだね」<br />
　多岐が皮肉混じりに言うのを、和宮はかすれた意識でぼんやりと聞いていた。<br />
　平素であれば、決してその様な暴言は許さない。しかし今の和宮に叱責する余力は無か<br />
った。<br /><br />
「まだこれからであろう？　和宮よ。まだ其方が求めたものは与えてはおらぬぞ？」<br /><br />
　上体を起した熾仁が、力無く持たれかかっている和宮の腰を背後から持ち上げる。<br />
　多岐にすがり付いていた和宮の上体が床へとずり落ち、うつ伏せのまま腰だけが抱え上<br />
げられた。<br />
　糸の切れた操り人形の様になっている和宮を見下ろしながら、多岐が呆れた様に言う。<br />
「若様もせっかちだねえ……。せっかく天国にいるミヤサマを、少し休ませてやれば？」<br />
「其方には解らぬだろう、多岐よ。躯は華奢でも、快楽には貪欲な皇女殿なのだからな」<br />
　熾仁は事もなく言い放つと、ぼんやりしたまま腰を上げられた和宮に一物をあてがう。<br />
　唾液と自らの秘液で濡れ光る和宮の蜜壷を、猛る熾仁が躊躇なく刺し貫いた。<br />
「……ひぁ……っ！　……ぁ、ぁあ……っ……！」<br />
　朦朧としていた和宮が、熱でうかされた様に力無く声を発する。<br />
　未だ視点も定まらぬ瞳が見開かれ、熾仁の抽送によって唇端から透明な液が伝い落ちた。<br /><br />
　鈍い水音と、肌と肌とが頻繁に接触する度に生じる音が、寝屋で淫猥に鳴り響いていた。<br />
　次第にその音を掻き消すかのごとく、か細い喘ぎが悦楽の喘ぎ声へと変わってゆく。<br />
「……帝にたっぷりと穢れを祓うてもろうたのであろう？　……和宮よ。<br />
　ならば清められた其方の『ここ』で、其方が我が穢れも清め与えてくれるであろうな？<br />
　元許婚であった我らだ。慈悲深い帝がまた其方を念入りに清めて下さる事であろうよ！」<br />
　若く猛々しい熾仁自身が、蜜を迸らせつつも脱力していた和宮の、奥深くまで刺し貫く。<br />
　宙から引き戻され、またも快楽のうねりに巻き込まれた和宮の掠れた喘ぎが、激しい抽<br />
送に悦楽で応えるかのごとく、寝屋に響き渡った。<br /><br />
「どっちもどっちだね……。あたいら平民より、よっぽど好き者じゃないか。やれやれだ」<br />
　部屋の隅で衣を肩に羽織りながら、多岐は溜め息をつきつつ、密かに独りごちた。<br />
　和宮は再び達しようとしている。その和宮を貫きながら、熾仁が急に叫んだ。<br />
「多岐！　何をしている！？　まだ其方の勤めは残っておるぞ！　……近こう参れ……！」<br />
「あ……あい！　若様！」<br />
　不意に呼ばれた多岐は、驚きながらも四つ這いのまま、絡み合う二人の元へ戻る。<br /><br />
　同じく四つ這いで熾仁に貫かれている和宮は、歓喜の喘ぎで満ち、多岐には気付かない。<br />
　激しく和宮を打ち付けていた熾仁は、多岐が足元迄来たのを確認すると、愛液に塗れた<br />
一物を、和宮の中から引き抜いた。<br />
　二人の局部から、繋った光る透明な糸が伸び、自らの重みでぷつりと切れて床に落ちる。<br />
　それを見定めると同時に、多岐の尻を押さえた熾仁がいきなり多岐を背後から貫いた。<br />
「……んぁっ！　……な、なんで……！？　……若様……あぅっ！」<br />
　既に乾き始めていた多岐の肉壷を熾仁の一物が貫き、激しく内部に打ちつけ始める。<br />
　今まさに達しようとして、急に振り払われた和宮はしばし放心していた。<br />
　そして事態の急変に気がつくと、怒りと驚きで悲鳴をあげる。<br />
「お、お兄様っ！？　な、何故ですっ！？　……い、嫌！　お止めください！」<br />
「……っ！」<br />
　熾仁はものも言わずに多岐を激しく貫き続け、多岐の中に精を打ち放った。<br /><br />
　それを見せ付けられた和宮は悲痛に泣き叫び、素肌のまま床に泣き伏せった。<br />
「い……嫌ぁぁっ！　酷い！　お兄様、あんまりです！」<br />
　精を多岐に放ち終えた熾仁は、先程と同じく寝具の上に胡坐をかく。<br />
　そして、表情も変えずに和宮に言った。<br />
「何ゆえ嘆くのだ、和宮。其方は最早我との婚約を解消し、降嫁なさると決まったであろ？<br />
　大事前の其方を万が一にも孕ます訳にもいくまいよ。それ位は我もわきまえておる」<br /><br /><br />
　精を放つと同時にやはり捨て放たれた多岐は、そんな熾仁の横顔を無言で見つめていた。<br />
　ふっ、と一瞬諦めの表情を見せたが、何時もの様に奉仕すべく、のろのろと身を起した。<br />
　しかし熾仁はそれを制した。そして泣き伏せる和宮に向かって声をかけた。<br />
「和宮よ。我が憎いか？」<br />
　――泣き伏していた和宮がぴくりと反応する。<br />
「我が其方を苦しめているのはわかっておる。其方を哀れとは、我とて思ってはおるのだ」<br />
　熾仁の甘い言葉に、和宮は泣き伏していた顔を上げた。涙を溜めたまま熾仁を見つめる。<br />
「お兄様……」<br /><br />
　しかし、次の熾仁の言葉で和宮の瞳からは涙さえも消え失せた。<br /><br />
「……せっかく其方に清めて頂いたが、またも欲望に負けてしまった。我は我が身が辛い。<br />
　そこで頼みだ、和宮……。今一度、我を清めてはくれぬか？　今度は其方の、その清ら<br />
かなる口と舌を用いてな」<br /><br />
　熾仁の思いもかけぬ提案に和宮は驚き、罵倒さえも口に出せずに強張っていた。<br />
　――この方は誰……？　この方は、宮の知っている、あの優しかったお兄様なの……！？<br />
　和宮は宮中に参内した日、異母兄が睦み事の最中に急に態度が変わった事を思い出した。<br /><br />
　……兄上様も、宮が『純潔』を失ったとお知りになられてから急にお変わりになられた。<br />
　宮をお人形の様に愛でてくれた兄上様が、穢れ物を清めると仰っては、乱暴に宮を引き<br />
裂き、御心のままに宮の体中を蹂躙なされた。<br /><br />
　それから『清め』と室にお出でになる兄上様は、もう宮の知る昔の兄上様ではなかった。<br />
　慈しむ瞳は失われ、好色な瞳で御自分の興味の赴くままに宮を貪り、お一人でお果てに<br />
なられると、素っ気無く退室なさっておしまいになる。<br />
　その都度、どんなに宮が寂しく惨めであるかを思い知らされてきた事か。<br />
　兄上様にはもう宮の気持ちを御分かり頂けないのだという事は、理解できていた。<br />
　だからこそ、お兄様が恋しくて。宮を抱きしめてくれるお兄様に逢いたくて、宮は今日<br />
という日を待ち侘びてきたのだ。それなのに……！<br /><br />
　――そうだ。今のお兄様の瞳は兄上様と同じなのだわ……。<br />
　兄上様は、宮がお兄様に純潔を捧げたとお怒りになられた。では、お兄様は何故？<br />
　何故宮にこの様な仕打ちをなさるというの……？　……わからない！<br /><br /><br />
「……若様。それはさすがに酷いんじゃない？　ミヤサマはさっき迄、何も知らなかった<br />
んだろ？　あたいの事も、他の女の事さえもさ……」<br />
　――つい口を出してしまった、と多岐は後悔した。この女に好感など持ってないのに。<br />
　自分に戸惑っている多岐を冷ややかに横目で見ると、聞こえなかった様に熾仁は続ける。<br />
「其方もまだ達せずにおるのであろう？　其方次第では、欲求も叶うやも知れぬぞ？」<br /><br />
　和宮は無言で熾仁を凝視していた。熾仁の気持ちが、考えが、和宮にはわからなかった。<br />
　無言でいる和宮に、熾仁は　ふう、と溜め息をつくと独り言のように呟いた。<br />
「……いや、勝手な申し出であった。それは余りにも身勝手な、我の願望でしかなかった<br />
な。忘れてくれ。そして其方はもう、帰り支度をするがよい。我が愛しい和宮よ」<br />
　声色は寂しそうであったが、まるで賭博を楽しむ様な瞳の色が見えたのは、多岐にだけ<br />
であっただろう。<br /><br />
　世間知らずの和宮には、到底見抜ける筈もない。和宮の表情が哀れみと慈愛に変わる。<br />
　その慈愛が誰に向けられるものなのか、己自身であるものなのか、其処迄は和宮には理<br />
解できずにいた。<br />
　――お兄様は、まだ宮を愛しむお気持ちを持ってくださっている……？<br />
　淡い希望が和宮を動かす糧となった。<br />
　よろよろと立ち上がり、熾仁の前に正座すると、消え入るような声で囁く。<br />
「お兄様も、宮の降嫁を悲しんでくださってるの？　今でも宮を手放したくないと思って<br />
いらっしゃる？」<br />
「勿論だとも、和宮よ。我が伴侶として暮らした九年は、永久に続く筈であったのだ……」<br />
　――その言葉で、和宮の表情は再び輝きを取り戻した。<br />
　どうやら熾仁は賭けに勝ったらしい。和宮はおずおずと、濡れ光る熾仁の一物を手に取<br />
り、躊躇いがちに唇を近づけた。<br /><br />
　いざ熾仁自身が目前に迫ると、和宮は濡れ光る一物から発する匂いに困惑してしまう。<br />
　……これは宮のお兄様。だけどあの下賎な女の臭いも混じっている。<br />
　厭わしさは湧き上るが、視線は外すまいと決めていた。<br />
　――お兄様は宮の口で、穢れを清めて欲しいと仰ったわ。下賎な香りがしようとも、宮<br />
はお兄様の願いに応えなくては……！<br /><br />
「……先程、初めて見ただけですから……。お兄様をお楽に出来るかわかりませんが……」<br />
　意を決した様に、和宮は熾仁に前もって断りを入れ、濡れる一物を口にした。<br />
　拙い舌が熾仁の一物を舐め始める。熾仁のそれはやや猛りが収まっていたが、華奢な和<br />
宮の口にはやはり大きく見受けられた。事実、熾仁の全てを口に含む事はできないでいた。<br />
　それでも熾仁は満足そうに顔にかかる髪を掻き上げ、己に奉仕する和宮を見下ろした。<br /><br />
「お、お兄様……。こ、こんな大きなものが宮の中に入っていたのですね……」<br />
　小さな水音を立てながら、一心に奉仕する和宮をしばらく見つめた後、熾仁は多岐に目<br />
配せをして見せた。<br />
　多岐はすぐにそれが何を指示するものかわかったが、今や無知でしかないと思える和宮<br />
に”それ”をする事は何やら躊躇われていた。<br />
　しかし、熾仁は『早くせぬか』と言いたげに顎を動かし、無言で多岐に命令する。<br />
　多岐はまた諦めの表情をすると、和宮の背後に移動した。<br /><br />
　和宮は一心に、熾仁自身を自らの舌で舐め清めていた。忌々しいが、あの下賎の女がし<br />
ていた行為を思い起こしつつ、それに習って舌と唇を動かしていた。<br />
　徐々に熾仁の一物が猛り肥大し、上向きになってくる。<br />
　それを咥え奉仕するには、自らの膝を立てねばならなくなった。まるで家畜が水を飲む<br />
様な姿勢を取らざるを得ない。<br />
　皇女としては屈辱的な体位であるし、己の髪が口元に垂れ絡んで奉仕に邪魔でもあった。<br /><br />
　ふと、熾仁の掌が和宮の頬に触れ、邪魔な髪を掻き揚げてくれた。<br />
　掌はそのまま両耳朶の上で固定され、髪を押さえてくれている。和宮は熾仁を口に含ん<br />
だまま、微笑む様に目線を上にあげた。<br />
　――熾仁は穏やかに微笑んで自分を見つめている。和宮は己が猛らせた熾仁の一物が誇<br />
らしくもあり、甘い疼きさえ感じさせた。<br />
「……上手いぞ、和宮……。其方の口で、我は拭い清められ、この様になっておる。<br />
　……くれぐれも、歯だけは立てずに頼むぞ……」<br />
　熾仁の囁きに、和宮が頷こうとした時だった。<br /><br />
　火照る局部に、暖かくぬめるような感触が与えられ、和宮はびくり、と仰け反る。<br />
　思わず含んでいた一物を濡れた口唇から離し、振り向こうとする。<br />
　だが、熾仁が耳朶の上に当てた掌がそれを阻んだ。<br />
「お、お兄様……！？　な……何者かが宮の……背部に……んぁ……っ！？」<br />
　和宮は自らの秘部を、多岐に舐められているとわかり、驚愕する。<br />
「ごめんよ、ミヤサマ。……これもあたいのお努めなんだ……」<br />
「……ま……また、お……前なの……！？　た……たき……！　……ぁああっ！」<br />
　多岐が和宮の秘肉をかき分け、指と舌を蠢かしていた。<br />
　敏感な小粒が甘噛みされ、和宮はまたも仰け反り反応してしまう。<br />
「お……お兄様っ！　……や……やめさせて……ください……ませっ！　はぅ……っ！」<br />
　頭を抑えられている和宮は、今度も多岐に抵抗できないでいた。<br /><br />
　熾仁が優しい声音で和宮に囁く。<br />
「気を散らすでない、和宮。我は先程、多岐の方に放出したが、かなり際どかったのだ。<br />
気付かず其方の中にも精を放ったやも知れぬ。万が一があってはならぬ故、多岐に其方の<br />
内部を清めさせておかねばの。……さあ、其方は我を清めておくれ……」<br />
　熾仁の手が、和宮の顔を猛る一物に押し付ける。<br />
　だが女同士、敏感な部分を探り当てられ攻めたてられる和宮に奉仕の余裕はない。<br />
「……で……できませぬ……！　お兄様……っ！　やめさせてくださらないと……！<br />
　宮は……宮は……集中が……ひぁ……っ！」<br />
　心ならずも多岐によって翻弄され、火照った蜜壺が湛えていた愛液がとろりと太股を伝<br />
い、床に糸を引いて滴り落ちていく。<br />
　熾仁は笑顔を崩さぬまま、和宮の頭部を押さえていた。<br />
「やれやれ……。困ったものだ。其方が達した後でないと『清め』はしてもらえぬ様だな。<br />
　――多岐。”あれ”を使っておやり」<br />
「……あい。若様。……ミヤサマ、今いかせてあげるよ」<br />
　背部で多岐が何かを持ち出そうとしている気配がした。<br />
「……な、なに……？　何をするつもりなのです！？」<br />
　見えないという恐怖心が、和宮を竦ませた。背後で多岐が何かに舌を絡ませ、微かに淫<br />
らな音を響かせている。<br />
「ミヤサマは、こんな物には縁が無かっただろ？　これはね、『張子』っていうのさ。<br />
　女同士でも『あれ』が出来る張り型なのさ。……んん……っ！」<br />
　多岐が悩ましい声を発する。<br />
「……な……何をしているの……？　お、お兄様っ！　こ、怖い……！」<br />
「案ずるな。張子とは我が一物に似せて作った紛い物だ。あれは二人の女が繋がれる仕組<br />
みになっておる。多岐が今、それを自らに入れたのだ。其方と繋がる為にな」<br /><br />
　――な、なに……？　どういう事！？　張子？　紛い物？　それをどうするというの！？<br />
　和宮は青ざめ、必死に抵抗しようとした。<br />
　熾仁は和宮の頭だけでは抑え切れなくなり、華奢な肩を床に抑え付けて自由を奪った。<br />
「……もう充分濡れてるから怖くないさ。ミヤサマ……いくよ」<br />
「い、嫌……！　お止め！　……お願い！　やめてぇぇ！　……ぁうっ！」<br />
　和宮の蜜壷に、固く太い異物が侵入を開始する。和宮の陰裂は熱い蜜を湛え、<br />
異物である筈の張子の進入を易々と許してしまった。<br /><br />
　『それ』はまるで生き物のように和宮の蜜壺の壁をかき分け、奥底を目指してゆっくり<br />
と捻り進んで行く。<br />
「…っ！！　んっ…あっ！」<br />
　奥まで当たると和宮と同じくして、多岐が喘ぎ声を発した。ゆっくりと引き抜かれたか<br />
と思うと、再び貫いてくる。<br />
「……くぅ……っ！　ミヤサマ……。……あんたの中の襞がすごく絡みつくよ……！<br />
　あたいの方が抜けちまいそうだ……。……んっ！　あんた、『名器』って奴なんだ」<br />
　多岐は刹那そうに喘ぎながらも、和宮の蜜壷を貫いてくる。<br /><br />
　和宮は抗い続けたが、中央内部を熾仁のものの様に貫く、固く太い『それ』に反応し始<br />
めてしまう。<br />
　下半身から未体験の感覚が和宮の後頭部を幾度も貫く度、彼女の喘ぎ声が多岐の秘部を<br />
滾らせる。<br />
　いつしか抗う事も忘れ、より深い快楽を欲するようになっていた。<br />
「んぁっ……ミヤサ……マ……ま、まだ奥まで……」<br />
　最後の一突き、多岐が力を込めた瞬間……二人の蜜壺の奥底に張子が辿り着いた。<br />
「ああっ！！」<br />
　二人の女の喘ぎが、寝屋に響き渡る。二人の少女が繋がり喘ぐ様を見ていた熾仁の一物<br />
は、もうはちきれそうな程猛り立っていた。<br /><br />
　官能に喘ぐ和宮の頭を抑えつけ、自らの股間にあてがう。<br />
「和宮。『清め』を再開しておくれ。我ももう耐え切れなくなりそうだ……！」<br />
　熾仁の手で、和宮は猛り立つ一物を咥えさせられる。<br />
　全身を駆け巡る快楽に喘ぐ和宮は、熾仁の茎に舌を何度も巻き付けようとする。<br />
　しかし、茎へ舌を沿わせた瞬間、彼女の技を殺ぐように更なる快楽が身体の芯を貫く。<br />
　多岐に翻弄される和宮は、うまく熾仁をしゃぶる事ができなかった。<br />
　熾仁は自身の腕で、一物を咥えた和宮を上下に動かした。<br />
「……んっ……んぐっ……！　お、お兄様……く、苦しい……！　……も、もう……！」<br />
「……わ、若様……っ！　……あ、あたいも……もう……！　……ぁあっ……！」<br />
「……うむ……！　我も……もう、そろそろだ……。　和宮よ、我を受け止めよ！」<br />
　和宮と多岐が達した直後、熾仁も自らを解放した。<br />
　抑えつけられていた和宮の口内に、濃度の濃いねばねばした液体が放たれる。<br />
　その液体は咽頭の奥深くに当たったが、飲み下すには量も多く、喉に絡みついた。<br />
　飲み切れなかった白濁した液体が和宮の口端から溢れ出し、和宮はそれを指で拭った。<br />
「……あ、ああ……。……これがお兄様の……？」<br />
　気だるげに精のついた指を見つめる和宮に、熾仁は息を弾ませながら頷いた。<br />
「美味とは言えぬだろうが……。やはり其方の中に出したかったのだ。……許せ、和宮」<br /><br />
　……これがいつも宮の中に放たれていたお兄様なの……？<br />
　もう兄上様以外からは、宮の中には頂けないものと思っていたのに、この様にお口から<br />
頂ける方法も可能だったなんて知らなかったわ……。<br />
「……お兄様。宮は今日驚くことばかりでしたが、お兄様のお気持ちは嬉しく頂きました」<br />
　和宮は、さすがに疲れて休息を取っている熾仁に抱きつくと、甘える様に頬を当てた。<br /><br />
　多岐は気だるい体を起して張子を始末していたが、和宮の世間知らずな反応に肩をすく<br />
め、溜め息をついた。<br />
　――貴族ってのは、おつむの中はからっぽなんだな……。まあ、あたいには関係ないさ。<br /><br />
「お兄様は宮がいなくなると思って、たき達を身代わりになさってらしたのでしょう？」<br />
　熾仁に絡みつきながら、和宮は甘えるような声で尋ねた。<br />
　熾仁は和宮の出した都合のよい結論に苦笑したが、あえて否定はしなかった。<br /><br />
　和宮は多岐に向かって、初めて自分から優しげに笑って見せた。<br />
「下賎の身とはいえ、宮の代わりを勤めてくれた事には礼を言います。たき」<br />
　二人の会話を空々しく聞いていた多岐は、驚いて振り返った。<br />
　何か言い返してやろうかとも思ったが、和宮の世間への無知さにその気力もなくした。<br />
「……あ、あたいは、別に……。ここは雨風も凌げるし、お飯も『おアシ』も貰えるしね」<br />
「……？　『おアシ』って？」<br />
　不思議そうに聞いてくる和宮に、多岐はやや面倒臭そうに答える。<br />
「お給金の事さ。あたいはここで、三食昼寝付きで雇ってもらってるんだ。全部お勤めさ」<br />
　和宮は『そうなの？』と無邪気そうに微笑むと、熾仁に振り返った。<br /><br />
「お兄様。宮は皆が幸福になれる方法を思いつきましたわ。たき、お前もよ！」<br /><br />
　熾仁も多岐も和宮の話を半分程に、いや、それよりまともに聞いていなかったのだが、<br />
突飛な提案には視線を傾けた。<br />
「たき、お前は生活が保障されればいいのでしょう？」<br />
「……あ、ああ。まあ、そーだね……」<br />
「そして宮はお兄様の元から離れたくないのです。こうして考えてみたら簡単でしたわ！<br />
　降嫁の行列の祭、たきが宮に代わればよいのです。徳川家の正室ですよ、其方には望む<br />
べくもない光栄ではありませぬか？」<br /><br />
　――多岐は開いた口が塞がらなかった。<br />
　よりによって、あたいが将軍様の正室だって！？　このミヤサマって、やはりおつむが<br />
足りないんじゃないか！？<br /><br />
「あのね……、ミヤサマ。公家どころか貴族でもない、教養もないあたいがだよ！？<br />
　どうやって天下の将軍様の正室になれるっていうのさ！？　無理に決まってるだろ！」<br />
「まだ降嫁迄には半年以上あるわ！　皇女としての嗜みならば、この宮が、なんとか其方<br />
に体裁を整えさせてあげます。<br />
　お前は徳川に、宮はお兄様の元に戻って元通りお兄様に輿入れするのです。<br />
　賢明な考えだとは思いませんか？」<br /><br />
　熾仁はしばらく黙って聞いていたが、悪戯そうな笑いを浮かべ始めた。<br />
「……面白いかも知れぬな。我々が作り上げた皇女が徳川家に嫁ぐわけか。<br />
　期限はまだある事であるし、うまく行けば奴らの鼻もあかしてやれる。<br />
　どうだ？　多岐。試しては見ぬか？　なに、駄目で元々だ。生活の苦労は一切無いぞ？」<br />
　和宮はすっかりと上機嫌になって、はしゃいでいた。<br />
「お兄様もそう思われるでしょう？　大体、武家風情が皇女を娶るなんて不遜ですもの！<br />
　今までの無礼は忘れてあげます。たき、いいえ、多岐。お前は宮になれるのですよ。<br />
　今日から宮の元で暮らしながら作法を覚えるのです。わかりましたね？」<br /><br />
　和宮の最後の言葉に、熾仁は急に冴えない表情となる。熾仁にとって多岐は色々と便利<br />
な玩具であるのだ。<br />
「……教育は我が有栖川宮家でも出来るのではないか？　連れて行く程ではあるまい？」<br /><br />
　二人の馬鹿げた話を聞いていた多岐は、ふっと溜め息をついて答えた。<br />
「いいよ。ミヤサマの所に行くよ。その代り、お給金は前よりはずんでおくれよ！<br />
　それと、どうなったって命の補償だけはしてくれるんだろうね！？」<br /><br />
「お金なら、お前が欲しいだけあげるわ。警備もしっかりしてるから危険もないわ。<br />
　それではお話は成立ですね。お前は今日から多岐という、宮付きの女御とします。<br />
　お兄様、兄上様が物忌みの時にまた参ります。多岐は宮に頂けますわね？」<br />
　熾仁は不満そうであるが、宮中に行けば多岐では遊べるのだと思い至った。<br />
　代わりの玩具は多岐に連れてきてもらえばいいのだ。<br />
「……多岐。それでよいか？」<br /><br />
　人間一人をまるで物のように扱う奴等に、多岐は改めて嫌悪を抱いた。<br />
　――最初からわかってた筈だろ、たき。金さえ貰えば別にもう、どうだっていいのさ。<br />
　自嘲気味に笑うと、多岐は衣を纏い始めた。<br /><br />
「ああ。いいよ。あたいがミヤサマなんかになれるとは思えないけどね」<br />
　和宮はやや不愉快そうな表情をしたが、すぐに気持ちを切り替えた。<br />
「何を当たり前の事を。お前がこの宮そのものになどなれるわけはないでしょう。<br />
　ただ、その余計なおしゃべりは今後お止めなさい。いっそ話さない方がいいわ。<br />
　――では、お兄様。そろそろ支度をして宮中に戻ります。<br />
　前程にはお会いできないけれど、出来る限り参りますわ。<br />
　さあ、多岐。お前も来るのですよ。では、湯浴みをさせて頂いて失礼します。<br />
　また次の日まで、御機嫌よくお過ごしくださいませ。お兄様」<br /><br />
　こうして和宮は多岐という少女を共なって宮中へと戻っていった。<br /><br />
　歴史の一つの歯車が、軋みながらゆっくりと動き出す。<br /><br />
　　　　　　～承　了――転――</p>
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    <dc:date>2010-12-01T08:38:02+09:00</dc:date>
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    <title>皇女裏伝説02</title>
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      <![CDATA[
<p>　初めは何を言われているのか、全く理解できないでいた。<br />
　――宮を徳川幕府に降嫁……？　この者は、一体何の話をしているの？<br />
　読み上げられている書状は、和宮にとってまるで舞台芝居の口上を聞いている様な、現<br />
実味から程遠い内容であった。<br />
　「お兄様。この者達は何を言っているの？　書状のあて先を間違えているのではなくて？<br />
　宮には意味がわかりませんわ」<br />
　和宮は黙って聞いている熾仁の傍に擦り寄ると、袖を掴んで不思議そうに聞き返した。<br /><br />
「……つまりは、この婚約を解消し、和宮内親王を徳川に下げ渡すから返せ、という事で<br />
あるようだな」<br />
　熾仁はあまり驚いた様子もなく、和宮だけではなく書状を携えた使者にも聞こえる様に、<br />
抑揚の無い声で言い放った。<br />
　御簾の向こう側では、書状を漆塗りの箱にしまった使者が正座し直し、無言で頭を下げ<br />
る事で『御意』という肯定の意を示す。<br />
　和宮は混乱し、熾仁の袖を掴んだまま誰にともなく叫んだ。<br />
「嘘よ！　宮はもうこの有栖川宮家に嫁ぐものと、九年も前から決まっているのです！<br />
　お決めになったのは現帝である兄上様だわ！　兄上様が今更そのような事を仰る筈はあ<br />
りません！」<br /><br />
　しん、と静まり返る室内では　誰もが俯いたまま口を開こうともしない。<br />
　重苦しい沈黙の刻を、和宮の悲壮な声が打ち破った。<br />
「嘘よ……。そんなお話、兄上様とてお許しになられる筈が無いわ……。お兄様だって、<br />
承諾などなさらないでしょう？　ねっ！？　そうだと仰って！？　お兄様！」<br />
　縋り付く和宮に居住まいを正させると、熾仁は漆塗りの文櫃を御簾越しから受け取った。<br />
　文櫃の御紋も、書状に記された印も、確かに帝のものである。<br /><br />
　しばらく書状に目を通した後、黙ってそれを和宮に渡した。<br />
「嫌っ！　宮は信じませぬ！　書状も見ませぬ！　兄上様に……今上帝に直接お会いして<br />
確かめます！」<br />
「和宮よ、それは余りに無礼であろう。落ち着きなさい。この書状も使者も正式なものだ」<br />
　和宮は頭を振って文櫃を床に投げ捨てると、御簾の向こうで平伏する使者を見据えて立<br />
ち上がり、声高に告げた。<br />
「御上に和宮がお会いしたいとお伝えなさい！　急いで戻って伝えるのです！　宮はこの<br />
書状等だけでは、御上のお言葉とは信じかねますと！」<br />
　使者はしばらく平伏したまま無言で佇んでいたが、一呼吸おくと静かに答えた。<br />
「では、そのお言葉を御書面にお書き添えください。某では陛下に口伝などできる身分で<br />
はありませぬ故」<br />
「な、なんと愚鈍なのっ！　……わかりました。書いてあげましょう。その代わり、必ず<br />
きちんとお返事を頂いて来る事を、任として命じますよ！？」<br />
「――御意に」<br />
　半ば癇癪を起していた和宮は女官に筆を用意させると、震える手で意を書き連ねた。<br />
　香を焚き染めた和紙を数枚失敗し、やっと書き上げた書状を女官から使者に手渡させる。<br />
「確かに承りまして御座います。それでは、本日はこれにて失礼仕ります、後無礼をば」<br /><br /><br />
　使者が立ち去ると、和宮は熾仁に縋って泣き始めた。<br />
「お兄様っ！　宮を、宮を離さないで下さりませ！　宮はお兄様以外に嫁ぐ気はございま<br />
せぬ！　宮は『皇女』です！　粗雑な武将への降嫁など、恐ろしくて考えたくもございま<br />
せんわ！」<br />
「和宮。落ち着け。これは『政』なのだ。我らが一存のみでどうにかできるものではない」<br />
「嫌っ！　そんな風に仰らないで！　お兄様は宮を手放してもいいと仰るの？　宮は……、<br />
宮は……っ！」<br />
　泣きじゃくりながら縋りつく和宮の長く豊かな髪を、熾仁はあやす様に撫で付けた。<br />
　いつもの様に抱きしめてはくれない熾仁に、和宮は自ら衣装を紐解き肌を重ね始める。<br />
「やめなさい、和宮。出礼が下された今、其方はもう慎まなくてはならぬ」<br />
　その瞳に情欲を映す和宮を、熾仁は言葉では制するが強固に振り払おうとはしなかった。<br />
　自分の物ではなくなろうとしているこの少女に、熾仁は名残惜しさと情欲が湧き上がっ<br />
ていた。<br /><br />
　人目も構わず肌も顕わにして絡みつく誘惑に熾仁は程なく陥落し、誘導されるまま慣れ<br />
親しんだ肌を弄り、組み敷き始める。<br />
　和宮の泣き声は悦楽の喘ぎと変わり、か弱く保護者に保護を求める少女から色欲を求め<br />
る『女』へと表情を変化させていった。<br />
　室に侍っていた者達は、毎度ながら憚りもせずに睦み始める二人の視界から姿を隠そう<br />
と、足音を忍ばせつつ退室して行く。<br />
　溢れる蜜壷を刺し貫かれると、和宮は歓喜の声を放ちつつ、熾仁に四肢を絡ませ、抱き<br />
縋った。<br /><br />
　――こんなにも激しく求めてくるお兄様が、宮を手離すものですか！<br />
　淫らに腰を動かし自らの秘部で貪欲に熾仁を欲する和宮は、そう自分に言い聞かせつつ、<br />
より激しい快楽を求める事で、先程の不快な出来事を忘れ去ろうとしていた。<br /><br />
「……其方は”喜怒哀楽”の感情が全て淫欲に結びついておるようだな……」<br />
　熾仁は愉悦の笑みを浮かべると、一瞬苦痛そうな表情で濡れ光る一物を蜜壷から引き抜<br />
き、和宮の華奢なうなじから胸にと、白濁した精を飛散させた。<br />
「お兄様……？」<br />
　平素とは違う熾仁の行為に、和宮は達しながらも霞のかかった瞳で見つめ返す。<br />
　和宮の内部ではなく体外に精を放った熾仁は、それを掌で和宮の肌に塗り広げていった。<br />
「美しいぞ……。和宮。其方には淫美な姿がよく似合う」<br />
　塗り広げられた己の精が、乱れた呼吸でうっとりした様に胸を上下させる和宮の体を、<br />
艶やかに濡れ光らせている。<br />
　熾仁は自らの作品に、微笑みを浮かべて見入っていた。<br /><br />
　その後和宮の元へ今上帝から『三日後に会う』との返事が届く間、和宮は事あるごとに<br />
熾仁を求め、熾仁も口先では拒みながら、激しい淫行を溺れるように楽しんだ。<br /><br />
　指定期日に御所に向かうと、幕府側からは老中 久世広周、 安藤信正らが参内していた。<br />
　共に今上帝に和宮降嫁を願い出ていた者達の筆頭重臣達である。<br /><br />
　和宮は御簾越しに幕府の者らを見据えると、その無骨そうな外見に眉をしかめた。<br />
　談義が始まると、しかめた眉間が頭痛がする程強く歪んでくる事に気を滅入らせる。<br />
　「尊王攘夷」だの「倒幕」だの「暗殺」だのと、今迄の生活とは馴染み無い言葉が行き<br />
交い、和宮を困惑させ、憤怒させていた。<br />
　――それが宮と、どんな関わりがあるというの？　そんな血生臭いお話はもう沢山。<br />
　挙句が「公武合体」の為の降嫁願い。皇女である和宮に「和平交渉の為、幕府の人質と<br />
なれ」等と不遜な願い出をしてくる、この者達は一体自分を何様だと思っているの！？<br />
　和宮には老中らの言葉が、神聖なる皇家の血を世俗の毒に交わらせようとする陰謀にし<br />
か聞こえなかった。<br /><br />
　喩え異義叱咤と言えど、このように下賎な者達に等、語る言葉は持ち合わせてはおらぬ！<br />
　彼らの口上に閉口している帝の背後に無理を言って参列していた和宮だったが、自らの<br />
自尊心が口を開く事を拒否し、抑えきれぬ怒りに体を震わせていた。<br /><br />
　手にしていた扇をはらりと落とし、癇気で失いそうになる意識を辛うじて保とうとして<br />
いる和宮の様子に、女官が無言で駆け寄り上申する。<br />
「皇女様は御気分が優れぬ御様子にございます」<br />
「うむ。やはり女姓に聞かせるべき話ではなかったの。委細は相わかった故、此度はこれ<br />
にて半刻程閉会と致す。皇女は奥の間に下がらせ休ませるが、一同の者、よろしいかな？」<br />
「……御意」<br />
　帝は和宮を下がらせると、老中や公達らに一旦解散を命じた。<br /><br />
　奥の宮に運ばれた和宮は女官に豪奢な衣装を緩めてもらうと、徐々に顔色に血の気が戻<br />
った。そして、今迄抑えていた癇気を身近の者達の前で爆発させた。<br />
「誰も来ないで！　皇女の涙を見る事は何人たりとも許しませぬ！　皆、出てお行き！」<br />
　乱れた髪を整えようとする女房の手を振り払い、部屋の化粧箱に収められた小道具を室<br />
内に投げ散らかして狼狽する女官達を下がらせると、溢れる涙を寝具に押し付け嗚咽する。<br /><br /><br />
　しばらく感情の赴くままに泣き続けていると、戸板の外から足音と話し声が響いてくる。<br />
　今上帝らと幕府方の談義が終わり、帝が臥せっている異母妹の様子を見に来たのだ。<br />
「和宮。まだ泣いておるのか。余だ、入るぞ？」<br />
　入り口で伴を下がらせると、今上帝が泣き濡れる和宮の元に歩み寄ってきた。<br />
　和宮は幼き頃より兄であり、父親代わりであった今上帝を見上げると、瞳から大粒の涙<br />
をはらはらと落とし、帝にしがみ付く。<br />
「御上！　……いいえ、兄上様！　宮は嫌ですわ！　あのような恐ろしいお話はお断りく<br />
ださるのでしょう？　兄上様は宮に降嫁等という惨い真似は、おさせになりませんよね？」<br />
　先程の談義の場で抑え付けていた感情が、堰を切ったように溢れだした。<br /><br />
　腕の中で女の童の様に泣きじゃくる和宮を、帝は困った表情で抱きしめる。<br />
「和宮……。哀れな異母妹よ、私とて真実、其方を政の道具になど使いとうは無いのだ。<br />
　しかし、今の情勢ではもう断る事も引き伸ばす事もあい成らぬ。……察してはくれぬか」<br />
「そんな！　兄上様はこの世で一番尊いお方ではありませんか！　お兄様のお言葉は絶対<br />
の筈です！　どうかきっぱりとお断りしてくださいませ！」<br />
「……許せ。和宮。余とて辛いのだ……」<br />
　幼い頃から自分を愛しんできた兄の帝が、自分を皇室から捨て去ろうと決め惑っている。<br />
　何としてでも帝の気持ちを変えさせなければ！　和宮は内心の動揺を隠しつつ懇願した。<br />
「……兄上様は宮をあんなにも可愛がって下さったではございませんか。宮は今もよく<br />
覚えております。ほら、兄上様はこうして宮をいつもお膝にお寄せくださって……」<br />
　和宮は幼少時の頃の様に今上帝の膝に座ると、ほっそりした腕を帝の首に絡み付けた。<br />
　本来なら皇女と言えど無礼な振る舞いであったのだが、和宮は自分がこうして甘える事<br />
が、帝を喜ばせる術と昔から心得ていた。<br /><br />
　もうすぐ15になる和宮の体は未だ身の丈は華奢であり、帝の膝の間にすっぽりと納まる。<br />
「愛しい異母妹よ。こうして抱くと、其方を初めて膝に抱き上げた頃を思い出す。初々し<br />
かった童が、かくも美しく成長するとは。儚くなられた我らが父君もさぞお喜びであろう」<br />
　和宮を見つめる帝の瞳が妖しく光り、膝に抱えたまま和宮の両肩を握り締める。<br />
「――其方は余の気持ちを知っておったか？　本来ならば、有栖川宮家にも預けたくなど<br />
は無かった。こうしていつまでも我が腕の中で愛でていたい大事な花であったのだ」<br /><br />
　衣装の襟元から先程緩められた鎖骨や胸元がはだけており、和宮は今上帝の視線がそこ<br />
に釘付けになっていることに気づいた。<br />
　肩から廻した腕で和宮の襟元を開くと、帝は異母妹の首筋に口を近づけてくる。<br />
「あ、兄上様……！」<br />
「こうしてやると、其方はあどけなく笑って喜んだものだ……。覚えておるか？」<br />
　帝は和宮の襟元を開き肩まで顕わにすると、首筋から鎖骨へと舌を這わせ始める。<br />
　熾仁が与えてくれる激しい情感とは違う、懐かしくも甘美な快感に和宮の体は震えた。<br />
「……ああ……！　あ、兄上様……い、いけませぬ……っ……」<br />
　和宮の肌を異母兄の舌がねっとりと吸い付き這い回ると、懐かしい疼きが蘇ってくる。<br />
　思わず帝の愛撫に切ない吐息を漏らしたが、その時ふと熾仁の端正な顔が和宮の脳裏を横切ってゆく。<br />
　――お兄様……！<br /><br />
　今更ながら帝に抗おうと試みるが、力が湧き上がってこない自分に和宮は困惑した。<br />
　幼い頃から帝に施されてきた快楽の記憶は、それ程強固に和宮の体に染み込んでいた。<br />
　和宮は快楽と熾仁への貞節に葛藤したが、抗いきれない欲情を『帝に降嫁を思い留ませ<br />
る為』という大義名分に摩り替えてしまう事で、遂にはその葛藤さえも放棄した。<br />
　元々熾仁とて、和宮と帝のこうした関係を知っているのだ。今またこうなったとて、責<br />
められる事もあるまい。<br />
　全てはお兄様の元に帰る為なのだ……と、和宮は自分に言い聞かせた。<br /><br />
　いつの間にか帯紐は解き放たれ、両の乳房から腹部まで顕わにされた和宮の肌を　帝は<br />
確かめるように見入り、細く長い指先と掌で愛で始める。<br />
　既に和宮は抗う事もせず、帝のなすがままに体を預けていた。<br />
「おお……。背丈は童の様に小さくとも、中身は立派に成長し始めておる。この、吸い付<br />
くような肌の感触、前にも増して鋭敏な反応！　余の可愛い和宮よ！」<br />
　帝は小さく吐息を漏らす和宮の口に吸い付き、その口内を味わいながら和宮の体を覆い<br />
隠す残りの布を取り除く作業にとりかかった。<br />
　開いた衣の袖から腕を抜き去り、寝具の上に重ねると　そこに和宮を横たえる。<br /><br />
　和宮の裸体を隠すものは、その豊かな黒髪と足袋だけになっていた。<br />
　帝は和宮の首筋に両の掌をあてると、首筋から顎に向かってなぞる様に撫で上げる。<br />
「……はぁ……っ……！」<br />
　うなじを撫で上げられ、和宮の体は思わず反り返った。<br />
　帝が手の甲で和宮の首筋にかかる髪を掻き分けるように左右に広げると、和宮の素肌に<br />
纏わりつく髪の一筋もが振り払われ、さらりと伝い落ちた。<br />
　反射的に胸を隠そうとする和宮の腕を掴むと、帝はその腕を広げて床に置かせる。<br />
「隠してはならぬ。和宮よ、余に全てを見せておくれ」<br />
　帝が言葉を発すると、仰向けに横たわる和宮は力を吸い取とられ、言霊によって封じら<br />
れた人形の様に動きが止まり、なすがままの姿勢とされてしまう。<br />
「あ、兄上様……っ！」<br />
　目には見えぬ縛めに囚われた和宮は、切なそうに体をよじろうとするが自由になれない。<br />
　視界を遮る様に帝の体躯がのしかかり、指が、唇が、舌が、和宮の体を這い回り始める。<br /><br /><br />
　帝によって開花され、熾仁によって開設されてきた和宮の性感は、触れられる部位全て<br />
に悦楽の反応し、甘い声を解き放つ。<br />
「其方の体はまるで良くできた楽器の様だの、和宮。――奏でる程にいい音を発する」<br />
　まだ熟しきっていない乳房に吸い付きながら、帝は楽しむように指先で和宮の背中を下<br />
方から上部へと奏でるようになぞり上げる。呼応するように、和宮も官能の声を発した。<br /><br /><br />
　またも和宮の脳裏に熾仁の顔が浮かんでくる。その顔は、寝屋で見た愉悦の笑顔だ。<br />
　『……其方は”喜怒哀楽”の感情が全て淫欲に結びついておるようだな……』<br />
　あの時熾仁が囁いた言葉が今の帝の言葉と重なる事を、和宮は頭の隅で遠く感じ取った。<br /><br /><br />
　華奢な体の曲線を指で奏でながら、帝の舌は別の生物の様に和宮の腹部へと降りてゆく。<br />
　時間をかけた丹念な帝の愛撫は、和宮の知る粗暴ともいえる激しい熾仁の愛撫とは異な<br />
る淫楽を和宮に与えていた。<br />
　一糸纏わぬ和宮の蜜壷から愛液が濡れそぼりつつ、伝い落ちてくる。<br />
「もうここが蕩けておるのか、和宮。可愛い奴よ……」<br />
　和宮の愛液滴る股間に帝の舌が到達すると、帝は笑いながら光る蜜を指ですくい上げた。<br />
「あ、兄上様……！　……あぁ……っ……！」<br />
　拘束が解けたように、和宮の足が帝の指一筋の刺激でびくりと持ち上がった。<br />
　和宮の期待を焦らすかの様に、帝の舌はその中心部から離れ、持ち上がった脚の内股へ<br />
と移動してゆく。<br />
　和宮は切なさに自分の指を咥えて首を振り、中心部への愛撫を待ち焦がれた。<br /><br />
　濡れそぼる和宮の中心部を見つめながら、帝の舌は和宮の内股から膝裏へと伝い上がり、<br />
足先へと向かった。やがて足首の先にある淡雪のように白い足袋に到達する。<br />
　帝はその足袋の淵を噛み、獲物に喰らい付く獣のように、和宮から足袋をも剥ぎ取った。<br />
　剥ぎ取られた足袋の内側より、白く小さな踵から足先までもが顕わになる。<br />
　帝は瞼を閉じている和宮の踵を甘噛みすると、土踏まずから足指へと舌を絡め始めた。<br /><br />
　股間への刺激を待ち侘びていた和宮は、びくりと激しく反応し、帝が未知の感覚を与え<br />
始めたその部位に眼差しを向けて驚愕した。<br />
「あ、兄上様っ！　……み、帝で在らせられる兄上様が……その様なご行為を……はぅ！」<br />
　帝ともあろう御方が、皇女とはいえ自分の足袋内部の足指迄を口に含んでいる事に、さ<br />
すがの和宮も抵抗感に慄き逃れようとする。<br />
「其方の体に厭わしい場所などあるものか。余は其方の全てが愛おしく、味わいたいのだ」<br />
　そう言い放つと帝は和宮の足指を一本づつ咥え、足指の間にも舌を這わせ続けた。<br />
　幼子が乳を含む様に足指にしゃぶりつき、ぴちゃぴちゃと音を立てて指股を舐め上げる。<br />
　それは熾仁でさえしてくれた事の無い行為であり、予想外に強烈な快楽を和宮に与えた。<br />
　帝は目を細めて和宮の濡れた秘部を見つめつつ、執拗に足指を舐り続ける。<br />
「……ぁはぁっ……！　あ、兄上様っ……！　……あ……あぁっ……！」<br />
　新たなる淫戯に戸惑いつつも、和宮はその絶え間ない刺激に翻弄され、達してしまった。<br />
　帝の口内で足指がつっと張り詰めると、突如糸の切れた様に脱力してゆく。<br /><br />
「ふふ……可愛いやつめ。達してしもうたのか。まだ余は肝心な部分を愛でておらぬぞ？<br />
　おお、こんなにも濡らしおって……。困った皇女だ。余が綺麗にしてやらねばならぬの」<br />
　放心した和宮の足指から口を離すと、帝はゆっくりと和宮の股間に顔を埋めていった。<br />
　途切れかかった意識から、和宮は淫らな水音と共に、再び現実へと引き戻される。<br />
「はぅっ……！　……あ、あぁ……！　あ、兄上様……！　……ひぅっ！」<br />
　濡れ光る花弁を押し広げ、帝の舌が達して弛緩しかかっていた和宮の秘肉を貪り侵す。<br />
　呼応し、和宮の秘部の突起は再び痛い程に肥大し、硬直してくる。<br /><br />
　和宮の蜜壷からは尽きる事のない泉のように、愛液が滲み出していた。<br />
「やれやれ。いくら拭い清めてもきりがないではないか。源を封じてみてはどうかな。<br />
　ほれ、この様に掻き出してしまえばどうか」<br />
　帝は指を二本、和宮の蜜壷に差し込んだ。和宮は小さく悲鳴をあげ背中を反り返らせる。<br />
　指の根元まで蜜壷に埋め込むと、和宮の内部で二本の指を蠢かし始める。<br />
「……ひゃうっ！　……ふぁ……っ！　……そ、そんな風になさったら……ぁんっ……！」<br />
　最も鋭敏な内部の一部分を探られると、和宮は無意識に腰を浮かして反応してしまう。<br />
「おお、痛かったのか？　和宮。どれ、どこが辛いのだ？　ここか？　申してみよ」<br />
　痛みや辛さで和宮が反応したのではないことは、帝は元より承知している。<br />
　帝は言戯れでも和宮の反応を愉しみながら、蜜壷へと指を出し入れしつつ、鋭敏な突起<br />
を舐めしゃぶった。<br />
　和宮の浮き上がった腰が、がくがくと揺れ動き『もっと』というように股間を帝の顔に<br />
押し付ける。さすがに熾仁との時のように、帝に対しては頭に足を絡める事は憚られた。<br />
　素足にされた足指が絹を掴みながら、もどかしそうに腰を動かし仰け反らせる。<br /><br />
　帝は執拗に和宮の秘部を舐り続けるが、熾仁の様に、猛る一物を挿入しては来ない。<br />
　何度達しても飽く事も無く、帝の舌は容赦なく攻め立てて、和宮の意識を引き戻した。<br />
　翻弄され、開花された『女』の芯が火照りを御し切れず、和宮は狂おしくも喘ぎ放った。<br />
　――その一言が、これから自分に何をもたらすかも知らずに。<br />
「あ、兄上様……！　宮は……宮は……あぁっ！　……お願いです……っ！ 宮の……。<br />
　宮のここに……あ、兄上様をくださりませっ……！　……も、もう……どうか……っ」<br /><br /><br />
　――和宮の放った言葉で、蜜壷を蠢いていた帝の指と舌の動きが止まった。<br />
「……今、何と申した？　和宮よ。其方は何を欲したのか、今一度余に申してみよ！」<br />
　好色そうに笑んでいた帝の表情が、すっと能面のように変化していた。<br />
　和宮は帝の急激な態度の硬化に驚き、表情を読もうと汗で張り付いた乱れ髪を頬から払<br />
いつつ、脅えながら帝の顔色を伺った。<br />
「……あ、兄上様……？　み、宮が今何か御気に触る事を申しましたでしょうか……？」<br />
　いつも和宮を愛で甘やかした異母兄の表情ではない、冷めた瞳が見下ろしていた。<br /><br />
　ゆらりと行灯の薄明かりに、和宮の体の上から起き上がる帝の影が映し出される。<br />
　和宮は直感的に、その帝の変化した容貌に恐怖を覚え、身を竦ませた。<br />
「……其方のここに、余の何を欲したか聞いておる。和宮。……何故、欲しがる？　まだ<br />
其方は裳着の儀も済ませてはおらぬのに、もはやここは、男を欲しておるというのか？」<br />
　蜜壷に埋められた帝の指が、和宮の愛液に塗れながら　ぬるり、と引き抜かれる。<br /><br />
「……んぁっ！　あ、兄上様……！？」<br />
　幼き頃から異母兄に体中を愛でられ、快楽の芽を育まれてきた和宮には、何が兄を不快<br />
にさせているのか理解できないでいた。<br />
「余が愛でつつ熟すのを待ち望んできた花を、勝手に手折ったのは有栖川の熾仁であるな？<br />
　……あ奴め、基より夜渡りの名手であった故、よもやまだ幼き皇女には手を付けまいと<br />
油断しておったに……。余を差し置いて高貴なる花に食指を伸ばすとは！　何たる不遜！」<br />
　帝はまだ愛液の滴る指を拳に握り締め、怒りにわなわなと震えつつ呟いた。<br />
「お、恐れながら申し上げます……。<br />
　み、宮と有栖川宮家の熾仁殿下との婚約をお決めになられたのは、兄上様でございま<br />
す。宮は、宮は兄上様の命に従いましたのに、なぜその様にお怒りになられますの……？」<br />
　帝は脅えながらも聞き返す和宮を見下ろし、その表情が偽り無く不思議がっている事を<br />
知ると、再び和宮を組み伏せた。<br /><br />
　帝の瞳に宿るのは欲望なのか怒りなのか、まだ俗世を知らぬ和宮には計り知れなかった。<br />
　先程までの甘やかな声音と違った帝の声が、組み敷かれている和宮に発せられる。<br />
「其方には余と熾仁の想いの違いがわからぬのか、和宮！　其方はここに熾仁を受け入れ<br />
る事で、純潔を失ったのだ！　其方との婚儀も済ませぬうちから、あ奴はそこいらの女房<br />
らと其方を同等に扱っておったのだぞ！？　余が大事に愛で慈しんできた其方をだ！」<br /><br />
　和宮はその言葉に当惑し、相手が異母兄の帝である事も忘れて抗い、叫んだ。<br />
「――お兄様が他の女と宮を……！？　嘘、嘘です！　だ、だってお兄様は宮を……っ！」<br />
　つい先程まで大事な花を愛でる様に優しかった帝の腕が、和宮の言葉を遮る様に粗雑に<br />
両足を抱え上げ、押し開げた。急に変貌した帝は、どこか熾仁にも似た力強さと淫放さを<br />
発しており、和宮は当惑しつつ芽生えた恐怖感から、小さく悲鳴をあげて逃れようとする。<br />
「真に愛しむ心算ならば、内儀も婚儀も済ませておらぬ幼い其方の純潔を散らす真似を致<br />
す筈もないであろう！　熾仁とて既に元服を済ませた２５の成人ぞ。普通の公達どもより<br />
他の女子は味わいつくしておるわ！　ほれ、其方が先程余にねだった物と同じ物を用い<br />
てな！」<br />
　帝は感情が激するままに自ら腰紐を落とすと、猛る一物をまだ愛液の乾かぬ蜜壷にあて<br />
がい、抗おうとする和宮を躊躇うことなく刺し貫いた。<br />
　火照りから急速に冷めつつあった和宮の体が、貫かれた衝撃で弾ける様に反り返る。<br />
「はぅ……っ！　お、お待ちを！　兄上様……っ！　やっ……ぁ……っい、嫌ぁっ！」<br />
　和宮の搾り出すような懇願は、もはや帝には届かなかった。<br />
　体が軋む程開かれた脚が、床につくまで折り曲げられ、抽送に合わせて揺さぶられる。<br />
　乱暴に腰を引かれると、和宮の豊かな黒髪が背部の絹の上に波打つように乱れ解けた。<br />
　散り広がりゆく髪は、そのまま和宮の心情を表現するが如く、波紋を描いてゆく。<br />
「う、嘘です……っ！　お兄様が他の女達ともなんて……っ！　……ああっ……！」<br /><br />
　熾仁への疑惑と思慕と、帝に与えられる刺激が、和宮の芯に引火し、悩み悶えせた。<br />
　交差する戸惑いが、更に和宮の愛液を溢れさせ、白い肌を桜色に染め上げてゆく。<br />
　いつも物静かで穏やかであった帝も、今は呼吸も荒ぶらせ、額に汗を浮かばせている。<br />
「嘘なものか。婚約の折よりあ奴は様々な女官達との浮名を馳せておった。今もこれ幸い<br />
と新たな姫をこうして侍らせておるかも知れぬぞ？　和宮よ。何も知らぬは其方だけだ。<br />
……口惜しい事よ！　こうも淫らに体を慣れさせおって！　其方は余のものであったに！」<br />
　和宮の淫靡な反応に怒りを覚えながらも、帝は久しくなかった程に怒張した一物で和宮<br />
の蜜壷を攻め立て続ける。<br />
　恐れ戦きながらも途中で止められていた欲情が満たされ、和宮は再び淫楽の波に抗う術<br />
も無く飲み込まれていった。<br /><br />
　咽び泣く様な喘ぎ声が、悦楽の喘ぎへと変わってゆく。<br />
　和宮の喘ぎに応えるが如く、帝の呼吸が早まり、脚を押さえる腕に力が込もった。<br />
「図らずも世を裏切り、純潔を捨てた和宮よ！　これが余から其方への降嫁の手向けだ！<br />
　先程其方が余にねだった物を、とくと心して受け止めるがよい！」<br />
　言葉と共に、帝は『くっ……』と硬直し、白濁した欲望を和宮の中に吐き出した。<br /><br />
「……あ、兄上様っ……。こ、降嫁の手向けとは……！？　み、宮を手放されると……？」<br />
　霞のかかった意識の中で、和宮は熱を帯びた様に喘ぎつつ、帝の言葉を反芻する。<br />
「抗うではない！　和宮。熾仁めに汚された其方を、今、余が清めてやっておるのだ！」<br />
　『清め』と称した帝の精が、和宮の内部に深く注ぎ込まれてゆく。<br />
　思いの外、多量に放たれた精は和宮の蜜壷の中を満たし尽くし、結合部の結界の僅かな<br />
隙間から股間を伝い落ちていた。<br /><br />
　灯篭の灯火が再び揺れ、重なっていたひとつの影が上部からゆっくりと浮き離れてゆく。<br />
　抱えた和宮の脚を手放すと、帝は絹を拾い上げ、濡れ滴っている己の一物を拭き清めた。<br />
　己の裃を調えると、傍らに放心したまま横たわる和宮の髪を指に絡め捕り、口寄せる。<br />
　自ら放ち終えた精が、全裸のまま横たわっている和宮の内股で濡れ滴っているのを満足<br />
げに眺めると、そっと和宮に囁いた。それは、嘗て和宮の聞き馴染んだ穏やかな声だった。<br />
「哀れな可愛い異母妹よ。乱雑な扱いに驚きつつも感じておったであろう？　次からはも<br />
っと優しく愛でてやろう。其方の穢れは余がしっかりと降嫁迄に清めてやる故、安心致せ。<br />
　純潔を失のうておった其方は、今後余に償う為にも降嫁し、国家安泰に尽力するのだ」<br />
　朦朧とした意識で、和宮は異母兄である帝の言葉を遠く聞いていた。<br /><br />
　――宮とお兄様は、いけない事をしていたの……？　純潔……償いのための降嫁……？<br />
　何故……？　宮には……宮にはわかりませぬ。<br />
　帝が室を遠のく足音を聞きながら、和宮は虚ろに見開いた瞳から、一筋の涙を流した。<br /><br /><br />
　その後、帝は日中和宮の室に訪れては、『清め』と称して和宮の体を貪った。<br />
　夜間は正室や側室の室を訪れる為、帝の和宮への訪室は日を重ねる度に減ってきていた。<br />
　帝の行為は前戯が長く和宮を疼かせたが、熾仁が和宮に施してきた行為と一体どこがど<br />
う違い、『清め』であるのか、和宮にはわからなかった。<br />
　ひとつ違うのは、帝の男性自身は若々しい熾仁に比べ、既に衰え始めており、和宮<br />
は切ない火照りで満たされない日々を送るようになったという事だけだ。<br />
　――帝が去った後、和宮は疼く体を持て余しては悶え苦しみ、『お兄様に会いたい』と<br />
いう思慕を日に日に強く募らせていた。<br /><br />
　物心つく頃には帝によって性的愛撫を受け続け、10歳では熾仁によって女にされた和宮<br />
は自慰を覚える必要も無かったし、性については何一つ教えられる事も無く無知であった。<br />
　心身への快楽は己の庇護者が与えてくれるものであり、求めれば与えられてきた。<br />
　少女として花開き始める15歳になった和宮は性的知識には無垢のまま、男二人に快楽を<br />
教え込まれ、高貴な殿方に愛でられている事が幸福なのだと認識してきた。<br />
　そして今は満たされぬ空虚な気持ちと、降嫁への絶望で日々を過ごしている。<br />
　渇望し、疼く体に苛まれる和宮は、この枯渇した気持ちを埋めてくれるのは熾仁をおい<br />
て他にいないと思い込んでいった。<br /><br />
　宮中に帰して一ヶ月も過ぎた頃、お抱えの神官が帝に『物忌みの日』を告げた。<br />
　『物忌みの日』は、定められるとその日1日、宮廷の一室に奥深く籠もる事になる。<br />
　和宮は、その日を置いて熾仁に会える機会は無いと決断し、お偲びで外出の手筈を整え<br />
ると、熾仁に親書を送って期日を待った。<br /><br /><br />
　そして待ちに待った当日、和宮は懐かしい有栖川宮家へと戻ってきた。<br />
　和宮の降嫁が具体的に決まり、有栖川宮家との婚約は正式に解消されていた為、和宮の<br />
突然の来訪に家人は驚いた。しかし婚約は解消しても、皇女には変わりない。<br />
　平素の如く振舞う和宮は、一ヶ月前と同じく丁重に扱われた。<br />
　接客の間に案内されると、落ち着かぬ様子で御簾越しに声をかける。<br />
「ねぇ、お兄様は？　お兄様はどこ！？　文で本日伺う事は伝えてあります。お出かけに<br />
はなられていないわよね。定刻には早いけれど和宮が参りました、と早くお伝えして頂戴」<br />
　程なく有栖川宮家で顔馴染みであった女房が茶具を掲げて和宮の前に跪いた。<br />
　女房はつつ、と後ろに下がると、三つ指をつき和宮に平頭する。<br />
「恐れながら、熾仁の君様は、和宮親子内親王様に、しばしこの間にてお待ち頂く様にと<br />
の仰せに御座います。宮様のお好きなお菓子も御用意して御座いますので、しばし御辛抱<br />
願えますでしょうか」<br /><br />
　和宮はすっと立ち上がると、笑いながら女房に声をかけてやった。<br />
「なぁに？　随分と大仰です事。少しお館から遠ざかっておりましたが、宮はここで育っ<br />
たも同然なのですよ？　お兄様がいらっしゃるのなら案内は不要です。お兄様は室で身支<br />
度をなさっておられるのね？　そっと伺って驚かせて差し上げたいわ」<br />
　久しぶりの自由に、和宮は上機嫌だった。<br />
　女房が困惑した表情で和宮を制しようとするが、和宮は気にも留めず慣れた足取りで、<br />
熾仁の居室へと向かう。<br /><br />
　室の前では庭師が二人、廊下の外の庭に控えているのが見える。彼らも和宮に気づくと、<br />
御簾越しに控えながら駆け寄ってくる。<br />
「……和宮様、その先へ進む事はお待ちください！　熾仁様は程なくお見えになります故」<br />
「……？　何を言うの？　この先はお兄様の私室でしょう。あなた達がいるという事は、<br />
お兄様がいらっしゃるという証。宮に指図は許しませんよ！」<br />
　和宮はやや不興を抱きつつ、庭師をも制して熾仁の居室へと歩を進めた。<br /><br />
「お兄様！　和宮です。……入りますわよ？」<br />
　室に入ると書物の置かれた間には熾仁はいなかった。その奥の寝間から、かすかな物音<br />
とくぐもった声が聞こえてくる。<br />
「まぁ、お兄様ったら。まだお休みでしたの？　お寝坊さんね。お兄様！　もう、お目覚<br />
めになって！　ああ、お兄様の香りに包まれるとほっとするわ……」<br />
　和宮は微笑みながら寝屋へと向かい、書室と区切る帳から寝間へと顔を覗かせた。<br /><br />
　会いたかった熾仁を見出すと、和宮は満面の笑顔を浮かばせたまま、凍りついた。<br />
　初めて見る光景に驚き、絶句したまま膝の力が抜け、腰を落としてしまう。<br />
　ようやく気配に気づいた熾仁が、さして驚く様子もなく、和宮を振り返った。<br />
　汗を浮かばせながら行為に耽る熾仁は、和宮に言い捨てるように言葉をかける。<br />
「……和宮か。しばし待てと女房に申し付けておいた筈だが、相変わらずだな……。<br />
　見ての通り……今手が離せぬのだ。しばしそこで待つが良い。……くっ……！」<br /><br />
　和宮は目の前で繰り広げられている狂態に、声も出ず唖然と見入ってしまった。<br /><br />
　――若い女生が家畜の様に四つ這いになり、高々と熾仁に向けて腰を上げている。<br />
　そして熾仁はその女の腰を掴み、背後から激しく貫いていた。<br />
　貫く度に女の唇から嬌声が漏れ、乱れ絡む黒髪から覗く乳房が上下に揺れ動く。<br />
　快楽の喘ぎを放っていた女が、熾仁が和宮にかけた声に反応を示した。<br />
「か……ずの……みや……？　はぁんっ！　……あ、ああ……『ミヤサマ』か。<br />
　んぁっ……！　……ぁん！　ぁん！　……も、戻って……来たの……んっ！」<br />
　和宮は熾仁に貫かれている見知らぬ女が、自分の名を口にした事にまたも驚く。<br />
　自分にこの様な口をきく女房は、かつて出会った覚えも無い。<br />
　驚愕で凍り付いていた和宮は、この無礼な女への怒りで我に返った。<br /><br />
「お、お兄様っ！　何をなさっていますの！　そ、そのような下賎な格好をなさるなんて！<br />
　まるで獣のようですわ！　ど、どうか、はしたない真似はおやめくださりませっ！<br />
　そ、それに、その無礼な女は一体何者なのですっ！？」<br />
　怒りで混乱し、搾り出すように叫びながら立ち上がろうとしている和宮に、熾仁は嘲る<br />
様な笑いを返す。<br />
　そして、和宮に女の顔が見える様、腰を掴み貫いたまま向きを変えた。<br />
「見せる事に躊躇いは無くとも、見るのは初めての様だな。和宮。……ほれ、この顔に見<br />
覚えはないか？」<br />
　刺し貫く女の背後から、熾仁が笑う。<br />
　貫かれている女は喘ぎながらも和宮に視線を交わし、にやりと勝ち誇るように笑った。<br /><br />
「だ、誰……！？　お前は誰なのっ！？」<br />
　和宮は女の視線に射すくめられ、気圧された様に強張る。<br />
　熾仁は和宮に見られている事に興奮し、達しようとしていた。激しく腰を揺さぶり出す。<br />
「……まぁ、待て。これではこの者も話し難かろう。……出すぞ！　多岐！」<br />
「んぁぁぁっ！」<br />
　熾仁は女の中に精を放つと、掴んでいた腰を離しその場に座り込む。<br />
　離された女はそのまま崩れ落ち、しばし痙攣したように震えるとゆっくり起き上がった。<br />
　そのまま慣れた仕草で和宮に尻を向けると、自らに放ち終えた熾仁の一物を口に含み、<br />
ぴちゃぴちゃと舐め始める。<br />
　和宮に向けられた股間からは、熾仁の放った精液が伝い落ちており、それをも和宮に見<br />
せつけている様に思われた。<br />
　室内に熾仁と女が馬鍬っていた性交の臭気が漂い、和宮は袂で顔を庇いながら叫んだ。<br />
「ぶ、無礼者っ！　み、宮にその様な汚れた部位を見せるなんてっ！　お、お前は誰っ！」<br />
　熾仁の股間に顔を埋めていた女は、気だるそうに一旦熾仁から口を離す。<br />
「まあ、ちょっと待ちなよ。ミヤサマ。終わったら綺麗にしてさしあげるのもお勤めだろ。<br />
　……そうそう。あの時は『生臭い』なんて言って悪かったよ。今じゃあたいもお仲間さ」<br />
　女はくすりと笑ってそう言うと、再び熾仁の一物に舌を這わせ始めた。<br />
「……何の事です……」<br />
　和宮は背筋に冷たい悪寒を走らせつつ、聞きたくない気持ちと裏腹に尋ねた。<br />
　女に一物を舐め清めさせながら、肩に衣を羽織った熾仁が可笑しそうに笑い、応えた。<br /><br />
「覚えてはおらぬか。この者は初秋に其方が罰を願った少女、多岐だ」<br /><br />
「たき……？　初秋って……。　あ、あのときの浮浪児！？」<br />
　和宮は熾仁の股間で振り返り笑う女を、凍りついたまま見つめていた。<br /><br />
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　承－１　終　</p>
]]>    </description>
    <dc:date>2010-12-01T08:34:06+09:00</dc:date>
    <utime>1291160046</utime>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/pinksk5pfw/pages/62.html">
    <title>皇女裏伝説01</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/pinksk5pfw/pages/62.html</link>
    <description>
      <![CDATA[
<p>「……んっ……んっ……んはぁっ……！　もっと……もっと激しくして！　お兄様！」<br />
　豪奢な屋敷の庭で、まだ年端も行かぬあどけない少女が青年に両の足を絡ませ、愉悦の<br />
声を隠そうともせず快楽に耽っていた。<br />
　白く小柄な裸体が青年の股間に跨り、溢れる愛液を散らしながらも深々と貫かれ続ける。<br />
「ふふ……。困った奴よ……。こんなにも淫らに濡らしておいて、まだ足りぬと申すか。<br />
　それ！　どうじゃ！？　これが良いのか？」<br />
　もっと激しくとねだる少女に応え、青年は少女を貫く律動を早める。<br />
　淫猥な肌と肌とがぶつかり合う音が庭内に鳴り響き、少女は歓喜の喘ぎを放ち続けた。<br />
　自らも青年を更に受け入れようと、貪欲に腰を動かしている。<br />
「……い、いいっ……！　いいのぉっ～！」<br />
　少女が達する叫びをあげると共に、青年は少女の蜜壷の中に白濁した欲望を放った。<br /><br />
　初秋の夕日が紅葉と共に二人の裸体を赤く染めてゆく。<br />
　一瞬意識が朦朧とした少女は、汗まみれの体に衣を羽織ろうとする青年に抱きつき、<br />
甘え声で囁いた。<br />
「……お兄様の意地悪！　宮をこんな風になさったのは他ならぬお兄様でしょう？<br />
　宮がまだ10歳の頃から、宮のここにお兄様のものをお入れになられてきたのですから。<br />
　もう、あれから４年もの間ですのよ？」<br />
「ふふふ……。そうであったな。あの頃から其方は華奢で我が身の欲望を煽ったものよ。<br />
　待ち焦がれた破瓜の折には、其方は『痛い、怖い』と泣いておったものだが。<br />
　体を重ねた年月は、よくぞここ迄『皇女』から『女』へと変貌を遂げさせたものだ。<br />
　……尤も、処女ではあったが、其方の躯は既に愛撫される事には慣らされておったな」<br />
　青年は高貴そうな衣を纏いながら、少女を見下ろし薄ら笑いをする。<br />
「あ、あれは兄上様が……。物心つく前から宮を可愛がって下さっていたのですもの……」<br />
「其方の異母兄である現帝殿か……。やはり好色の血は争えぬな。さ、其方も衣を羽織ら<br />
ないと風邪を引いてしまうぞ。元々紅葉を見に来ただけの筈であろ？　和宮よ」<br />
　青年は笑ってはいるが、さして会話に興味も示さぬ様子で少女に内掛けを手渡した。<br /><br />
　自らを『宮』と呼ぶこの少女は、仁孝天皇第八皇女　和宮親子内親王である。<br />
　仁孝天皇は和宮が生誕前に崩御しており、現在は彼女の異母兄が帝になっていた。<br />
　後世では『孝明天皇』と呼ばれる和宮の名付け親であり、この異母妹を溺愛していた事<br />
は宮中でも密やかな噂だった。<br /><br />
　そして今迄和宮と交わっていた青年は、有栖川宮家の長男熾仁(たるひと）親王という。<br />
　和宮６歳　熾仁19歳の折に帝の勧めで婚約が成立し、以後和宮は有栖川宮家で教育を受<br />
けるために通い続けて14歳になる。<br />
　何不自由なく育まれた皇女としての教養や自尊心、そして淫欲はこうして培われてきた。<br /><br />
　手渡された内掛けを肩にだけ羽織り、和宮は妖しく瞳の奥を光らせると熾仁にまたもし<br />
な垂れかかった。<br />
「お兄様、お寒くてらっしゃるの？　お風邪がご心配なら、宮が温ためて差し上げてよ？」<br />
　はだけた肌を熾仁に密着させ、素足で熾仁の下半身に絡ませようとする。<br />
　先刻までとは打って変わった冷静な表情で熾仁は和宮を見下ろした。<br />
「やめなさい。もう日も暮れている。妖かしの者に魅入られてしまうではないか。<br />
　そんなに欲しくば、室に戻って夕餉を済ませてから待つがよい」<br />
　廻された腕を振り解くと、和宮の腕ごと内掛けの中に包んだ。<br /><br />
　熾仁は有栖川宮家の長男である。前途を約束された血気盛んな若者であり、いくら皇女<br />
といえど、一人の女に縛られる事には満足できないでいた。<br />
　しかし、皇室という籠で育った和宮には、そんな熾仁の心情は未だ理解できていない。<br />
「まぁ、つまらない事。宮は妖かし等怖くありませんわ。お兄様を守って差し上げる事も<br />
できましてよ？」<br />
　不満そうに唇をすぼめる和宮に苦笑しながら、熾仁は背中を押しつつ室に向かって歩き<br />
始めた。<br /><br />
　室に向かい始めると、後方で何かが落ちる音と共に　庭内がにわかにざわめき始める。<br />
「誰かある！　一体何事が起こったというのだ！？」<br />
　熾仁の呼びかけに、植え込みの影から警護を兼ねる庭師の一人が現れ跪く。<br />
「お騒がせいたしまして申し訳ございませぬ。どうやら浮浪児が一人、庭の塀から紛れ込<br />
んできた様です。御庭を汚す訳には参りませぬ故、ただいま取り押さえましてございます」<br /><br />
「離せよっ！　塀から出てる柿をお父にも持って行ってやろうとして滑っただけだっ！」<br />
「こらっ！　高貴なお方々のおわす御庭内で騒ぐでない！　本来なら斬られても文句は言<br />
えぬのだぞ！」<br /><br />
　薄暗闇でわからないが、どうやら迷い込んだのはやや甲高い声を持つ女子の様であった。<br />
「ふむ。その侵入者とやらを、ここに連れて参ってみよ」<br />
　熾仁はやや興味を示し、庭番にそう申し伝えた。<br />
　程なく縄で括られた侵入者が二人の前に引き出されてくる。<br /><br />
　和宮と年の端も変わらぬ少女が粗末な着物に身を包み、ふて腐れた様に睨みつけてきた。<br />
「まぁぁ……。随分と薄汚れた妖かしの者ですこと。……それになんだか臭いわ」<br />
　和宮は感じたままにそう言うと、内掛けで顔を背けるようにして嫌悪を表した。<br />
　囚われた少女は和宮の言葉を聞くと、かっとなったように叫んだ。<br />
「く、臭くなんかないやいっ！　ちゃんと毎日川で体も洗ってるんだ！<br />
　あんたこそ綺麗な着物を羽織ってる癖に、なんだか生臭い臭いがしてるじゃないかっ！」<br />
　言い返す少女の言葉に和宮の顔色が赤く染まり、体が小刻みに震えた。<br />
「なっ……！　不潔な上に、なんて無礼な浮浪児なの！」<br /><br />
　確かに和宮の体からは、先程まで抽送されていた熾仁の精液の臭いが微かに漂っている。<br />
　しかし、それを口に出す者は　この館の中には誰一人としている筈もなかった。<br />
「こ、こやつ！　皇女様に直に言葉を発しただけでも無礼というのに！　事もあろうに、<br />
なんと恐れ多い事をほざきおるのか！　ええい、黙らぬと命の保障はせぬぞ！」<br />
　庭師は和宮の顔色の変化に慌てながら、縛られた少女を引きずり上げた。<br />
「痛いってばっ！　あたいはほんとの事を言っただけだ！」<br />
「こ、この無礼者っ……！　お兄様、この乞食娘にきつい罰を与えてやって下さいませ！」<br />
　悔しさと怒りで縋り付いてくる和宮を余所に、熾仁は可笑しそうに笑ってしまった。<br />
「まぁ、たまには珍事を見逃しても構わぬ。見ればまだ子供だ。<br />
　花盗人は罪にならぬとも言うではないか。この庭内の柿位ならば、いくら与えてやって<br />
も困らぬであろう。……娘、名はなんと言うのだ？」<br />
「……」<br /><br />
　またも庭師に引きずり上げられ、少女は苦しげに視線を伏せながらぼそりと言った。<br />
「……たき。あたいの名前はタキだよっ……」<br />
「タキ……多岐だな。なかなか良い名だ。そこの者、多岐の戒めを解いて柿をくれてやれ」<br />
　庶民には漢字名がつけられる風習はまだ少ない。熾仁は勝手にタキを多岐と呼び直した。<br />
「お、お兄様っ！？　何故……っ！？」<br />
　自分の命が通らなかった和宮は驚いて熾仁に詰め寄るが、熾仁は耳を貸そうともない。<br /><br />
　今まで、和宮は何一つ自分の要求が満たされなかった事がない。<br />
　和宮の怒りの矛先は、この小汚く無礼な浮浪児を処罰してくれない熾仁へと変わった。<br />
「お兄様ったらっ！宮はこの者に罰を願っているのです！　なのに何故……」<br />
「もうお黙り。和宮。皇女が物もわからぬ下々の言葉に、そうも動揺するのは宜しくない。<br />
　慈悲の気持ちを施してやる事も皇女の務めだと思いなさい。さあ、夕餉に向かうぞ？」<br />
「だって……！」<br />
「いいから。来ぬなら先に行ってしまうぞ。<br />
　……そのご様子を通すつもりならば今宵は会えぬやも知れぬが、宜しいかな？」<br />
　熾仁の言葉にぐっと詰まると、和宮は唇を噛みながら室へと踵を返した。<br />
　――お兄様の馬鹿っ！　心の中で精一杯悪態をつきながら室へと早足で戻ってゆく。<br /><br />
　まだその場に残っていた熾仁は、和宮が室に入るのを見届けると、庭師に多岐を風呂に<br />
入れ、衣装一式を揃えてやるよう命じた。<br />
「な、なんで着物までくれるの……？　あ、あたいは柿を２個も貰えれば満足なんだ！」<br />
　熾仁は好奇の目で多岐を見下ろしながら、微笑んだ。<br />
「気にするな。ただの気まぐれだ。それに、磨けば其方は美しかろうぞ？　多岐よ」<br />
「えっ……？」<br />
　思わず赤面する自分にたきは戸惑う。<br />
　いきなり何を言い出すのかわからない熾仁に対する不安感と、装いを凝らした自分の姿<br />
を想像して湧き上がる、生まれて初めての期待感だった。<br />
「其方が支度をする間に、柿は家に届けてやろうぞ。……そのように計らえ」<br />
「……は、ははっ！　直ちに！」<br />
　庭師の一人が即座に反応する。<br />
「これも何かの縁だ。家の事は気にせず、しばしこの館に滞在を許す。――連れてゆけ」<br />
「な、なんで……！？　あ、あたい、わけがわかんないよ！　ねぇってば！」<br />
　戸惑いつつ庭師に連れてゆかれる多岐を微笑みながら見送ると、熾仁は室へと歩を進め<br />
始めた。<br /><br />
「さて……。早々に癇気を起こされた皇女様のご機嫌を、取りなしてやらねばの」<br />
　今宵は予定していた女の元に行く事は無理だろう。<br />
　熾仁はもう和宮の扱いにすっかり慣れていたつもりだが、熾仁自身に癇癪を起こす和宮<br />
を見るのはあれが初めてであった。<br />
　十歳で熾仁によって性を目覚めさせられた和宮は、精をねだるとき以外は従順であり、<br />
学問や雅楽に秀でた理想的な皇女に育ちつつある。<br />
　その気高い皇女を思うがまま性に溺れさせ、淫楽の世界に誘う事は、熾仁にとって新鮮<br />
であり、優越感に浸れる楽しい秘め事でもあった。<br />
　先程の癇癪も、元はといえば熾仁の多岐への扱いに嫉妬しての事であろう。<br />
　すっかり自分に溺れている和宮を意のままに扱う事は、熾仁に愉悦感をもたらした。<br /><br /><br />
「今宵はもう、お兄様とはお話したくありません！」<br />
　夕餉の時にそう宣告すると、和宮は寝屋に入っても寝具の隅に正座して黙り込んでいた。<br />
「いい加減、もう少し大人の振る舞いができぬのか。家人達にも体裁が悪かろう？」<br />
　言い聞かせても拗ねて黙り込んでいる和宮の横顔が、ほの暗い行灯に映し出される。<br />
　つんと取り澄ました横顔は、逆に熾仁の征服欲を掻き立てた。<br />
　夜具の袖をつかみ、初夜の時の様に乱暴に押し倒すと、驚いている和宮の夜具の裾を捲<br />
り上げる。<br />
　和宮は小さく悲鳴をあげようとしたが、強情に口をつぐみ、意地でも声を出すまいとし<br />
ていた。<br /><br />
　その様子が熾仁の欲望を更に煽り立てる事を、和宮が自覚しているのか否なのか。<br />
　捲り上げた裾から両足を肩に担ぐと、熾仁自らの一物を取り出して和宮の股間にあてが<br />
う。<br />
「そら、和宮。其方がさっき『もっと』と欲しがっていたものだ。存分に味わうがよい！」<br />
　熾仁は前戯もそこそこに、猛る一物を皇女の中に埋め貫くと抽送を開始した。<br />
「い、嫌よっ！　お兄様なんか嫌い！　……んぁっ！……い、嫌……やめ……ああっ！」<br />
　突き上げながら腰紐を解き、胸元をこじ開けると顕わになった乳房を鷲づかみにする。<br />
　既に乳房の先端にある小さな突起は尖り立ち、咥えられるのを待っていたかの様だった。<br />
　欲望のままに齧り付くと、一物を咥えこんでいる蜜壷がきゅぅっと絞まり、愛液を際限<br />
なく溢れさせてくる。<br /><br />
　四年間もの間、熾仁に性儀を教え込まれて来た和宮には、言葉とは裏腹に秘壷を突き上<br />
げてくる熱い塊が与える刺激に陥落するしか術がなかった。<br />
「今宵は喋らないのではなかったのか？　其方は上の口も下の口も嘘つきな様だな？」<br />
「ひ、ひどい……！　そんな風に仰るなんて！　い、意地悪……んあぅっ！……」<br />
　自ら腰を浮かせて熾仁を受け入れている事に、和宮はまだ気づいていない。<br />
「そらっ！……どうした、和宮。ここでやめて欲しいか？　やめてよいのか？」<br />
　熾仁は和宮を突き上げながら、意地悪く問い詰める。<br />
　もう、和宮は口を閉ざす事も耐えられなくなり刹那そうに叫んだ。<br />
「……いや……！　……や、やめ……止めちゃいやぁっ！　お兄様っ、お願い……」<br />
　体が無意識に開き反応しただけではなく、快楽に屈して意地を張る事も放棄した和宮は、<br />
熾仁の動きに併せて腰を律動し始めた。<br />
　夕刻の様に悦淫を狂おしく欲しては、与えられる快楽に歓喜をあげて呼応する。<br />
　その姿は和宮自身全く自覚していないが、とても皇女のそれではなく、まるで性を売る<br />
事を生業とする遊郭の女のようだ、と熾仁は思った。<br />
　世にも高貴なる娼婦の作出が、熾仁によって成されたのだ。<br />
　乱れては遂に潮を吹き、幾度となく達しては失神を繰り返す和宮を、熾仁はまだ果てる<br />
事無く貫き続ける。<br />
　ようやく多量の精を和宮の蜜壷内部に打ち放ち終えると、熾仁は満足そうに自分の作出<br />
した芸術作品を見つめた。<br />
　高貴なる娼婦の寝顔はまだあどけなく、未だ聖女のようであった。<br /><br /><br />
　――それからしばらくの間、和宮は機嫌もよろしく有栖川宮家に留まり暮らしていた。<br />
　そこに絶望的な知らせが届いたのは、万延元年(1860年)4月のある日の事であった。<br />
　尊王攘夷を旗印として倒幕を目指す連中の力を殺ぐ為に提案された、公武合体。<br />
　……すなわち皇女和宮に対する徳川 第十四代将軍家茂への、降嫁の出令が出されたの<br />
である。</p>
<center><br /></center>
]]>    </description>
    <dc:date>2010-12-01T08:30:49+09:00</dc:date>
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    <title>かごめ太夫</title>
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    <description>
      <![CDATA[
<div class="text">
<p><br />
　　　　　　　かごめ　かごめ<br />
　　　　　　　籠の中の鳥は<br />
　　　　　　　いついつ出やる<br /><br />
　　　　　　　夜明けの晩に<br />
　　　　　　　鶴と亀が滑った<br /><br />
　　　　　　　後ろの正面　だぁれ？<br /><br />
　夜は桃源郷の様に明るく華やいではいるが、昼間は人気も少なく、御用聞きの商人達が<br />
ちらほらと行き交うだけの、寒々しい景色であった。<br />
　どこかから、懐かしい童歌を歌う声が聞こえてくる。<br /><br />
　ふと、歌声に立ち止まり辺りを見回したが、どこからの歌声なのかはわからなかった。<br />
「ほれ、もうすぐだから立ち止まらずに付いて来い」<br />
　酷薄そうな男に手を引かれ、一人の少女が通りの中でもひときわ大きな屋敷へと導かれ、<br />
入って行く。<br />
「御免なさいよ。鈴白屋の旦那はいらっしゃるかね？　いつもの様に、左ノ助が参ったと<br />
お伝えしておくれ」<br />
「あ～い。お待ちくださんし」<br />
　手を引かれている少女と年端も変わらぬ娘が、返事をして奥の間へと消えてゆく。<br />
　やがて木の床を踏み鳴らしつつ、一人の男が玄関にやってきた。<br /><br />
「おお、左ノ助が参ったか。禿を一人連れてくるという事であったな。どれ、その子か？」<br />
　恰幅のいい中年の男が少女を見定める様に眺めた。<br />
　少女はおどおどとしながら身を竦め、左ノ輔の背後に隠れようとする。<br />
「それ、旦那にちゃんと御挨拶しねえか！　へへ……すいやせんね、田舎娘なもんで」<br />
　左ノ輔は少女を引っ張り、旦那と呼ぶ男の前に少女を引き出した。<br /><br />
「可愛い子じゃないか。名は何という？　年はいくつだ？　ん？」<br />
　少女は泣き出しそうな表情で旦那と左ノ助を見上げると、恐る恐る答える。<br />
「……はな、です。……な、ななつ……」<br />
「そうか、『はな』か。きっとこの子は美しゅう育つだろう。左ノ助、ご苦労であったな。<br />
　この子はうちで引き取ろう」<br />
　左ノ助は満面の笑顔を見せると、旦那と呼ばれる男が懐から出した小袋を受け取った。<br /><br />
「へへ。毎度、ありがとうごぜいやす。さあ、はな。これからこのお方がお前の身元引受<br />
人だぞ。旦那様とお呼びして、よくいう事を聞くんだ。わかったな？」<br />
　引いていた手を、玄関の壇上にいる旦那に引き渡される。<br />
　はなはよろけながら、壇上にもう片方の手をついた。<br />
「これこれ、汚れたなりで上がってはならんぞ。はな。お～い、誰か！　水桶を持ってき<br />
ておやり！」<br />
「あ～い！　親父様」<br />
　遠くで幼い声が聞こえてくる。左ノ助は旦那に貰った小袋の中身を確かめると、懐にし<br />
まって軽く会釈をし、情けなさそうに振り向いている『はな』を見下ろした。<br />
「では、あっしはこれで。……はな、しっかりお努めを果たすんだぞ？　達者でな！」<br />
　左ノ助は『はな』に一声かけると、もの言いたげな少女を残し、軽い足取りで玄関から<br />
出て行ってしまった。<br /><br />
「……あ……！」<br />
　一人残された『はな』はどうしてよいかもわからず、玄関に立ち尽くしていた。<br />
　恰幅のいい男はそんな『はな』の様子を見慣れた様に、笑いながらしゃがみ込む。<br />
「そんなに怖がる事はないぞ、はな。足を洗って綺麗にしたら、お前を見てくれる花魁の<br />
元に連れて行ってやるからな。そうだ、お前は可愛い顔立ちだから、うちの店で一番の<br />
呼び出し花魁に付けてやろう。わしの事は旦那ではなく親父様と呼びなさい。わかったね」<br />
「……はい……？」<br />
　小さな簪の鈴の音を響かせながら、禿《かむろ》が水滴を落さない様、注意して水桶を<br />
運んでくる。<br />
「親父様。これでよろしゅうありんすか？」<br />
「おお、すず。ご苦労であったな。さあ、はな。それで足を洗いなさい」<br />
　はなは自分と同じ年頃の少女から水桶を受け取ると、地面に置いて男を見上げた。<br /><br />
「は、はい……。お、親父様……」<br />
「いい子だ。はな」<br />
　男が優しげに笑うので、『はな』は少し安心した。<br />
　水桶に足をつけると泥が落ち、白く小さな足が顕わになった。<br /><br />
　足を洗うと親父様に付いて、すずと呼ばれた禿がはなの手を引き、二階へと誘う。<br />
　個室の前に立ち止まると、親父様が声をかける。<br />
「これ、咲野。おるかね？　新しい禿を連れて来たので見てやっておくれ」<br />
「あい。どうぞ、お入りなんし。親父様」<br />
　部屋の中から、しっとりとした声が聞こえてくる。親父様が襖を開けると、はなは生ま<br />
れてから見た事も無い、艶やかな女性が格子窓にもたれかかっているのに見とれた。<br />
「……その子でありんすか？　親父様」<br />
　見とれている『はな』に、艶やかな女性が気だるげな視線を浴びせ、親父様に問う。<br />
「そうだ、咲野。よろしく頼むぞ。さあ、はな。咲野花魁にご挨拶しなさい」<br />
　咲野と呼ばれる女性はしばらく『はな』を見つめると、親父様を見上げた。<br /><br />
「……親父様。唯『はな』では少し地味じゃありやせんか？　……そう、『こはな』……。<br />
　……今後から『小花』と名乗らせてはいかがでありんしょう？」<br />
「おお、かわいらしい響きだの。咲野よ。この子の事はお前に任せれば、わしも安心だ。<br />
　はな。いや小花、わかったな？」<br /><br />
　見とれていた『はな』が、驚いた様に親父様を見上げ、次に咲野を見つめる。<br />
「花魁が名前をくれたでありんす。お礼を言わなくては、いけませんわいな！」<br />
　『はな』の背後から、すずと呼ばれる少女が『はな』の背をつついた。<br />
「は、はい。……あ、ありがとうございます。お姉様……」<br />
　咲野はころころと笑うと、もたれていた小窓から立ち上がった。<br />
「言葉遣いから教えなくてはならないでありんすねぇ……。<br />
　あちきの事はこれからは『おいらん』か『あねさま』とお呼びなさんす。<br />
　返事は『はい』ではなく『あい』とお言いなんし。わかったかえ？　小花」<br />
　そそと近寄ってくる咲野に気圧されながら、『はな』は口ごもった。<br />
「は、はい。……い、いえ！　あい！　あ、あね様……」<br />
　咲野はにっこり笑って優しく『はな』の頭を撫でてやる。<br />
「賢い子のようでありんすね。親父様」<br /><br />
　――こうして何もわからぬまま連れて来られた『はな』は、小花と名乗る事になった。<br /><br />
　小花は訳がわからなかった。<br />
　小花は貧しい村の百姓の家に生まれ、兄や弟妹と共に育てられた。<br />
　生活は貧しかったが、田畑に囲まれて野を駆け回り、近所に住む茂吉とよく遊んでいた。<br /><br />
　それがある日、お父は黙って畑に行き、お母は小花を抱きしめて泣いていた。<br />
「お母……？　どうしたの？　なんで泣いてるの？」<br />
「ごめん……、ごめんよ！　はな……！　お父とお母を勘弁しておくれね……！」<br />
「お母、お母、泣かないで……？　どこか痛いの？」<br />
　小花がたずねても、お母はただ泣いて小花を抱きしめていた。<br />
　そこに筵をあげて、ずかずかと入り込んできたのが、あの左ノ助だった。<br />
「ほい、ごめんよ。この子かい？　おっかさん。……へえ、いい玉じゃねえか！」<br />
　左ノ助はしゃがみ込むと小花をじろじろと見定め、にやりと笑った。<br />
「これなら『鈴白屋』でも買ってくれるぞ。あそこは払いがいいからな。膳は急げだ。<br />
　おっかさん、仕度は出来てるんだろ？」<br />
　左ノ助の言葉に、お母は小花を覆い隠す様に、ただ黙ってきつくきつく抱きしめた。<br />
「お、お母……？　痛いよ。……このおじさんはだあれ？」<br /><br />
　泣きながら抱きしめて沈黙するお母に代わって、左ノ助が口をきいた。<br />
「へっ……。俺も『おじさん』と呼ばれる年になっちまったぜ。いいかい、娘っ子。<br />
　お前はこれから俺に売られて一緒にいくんだ。<br />
　……このうちじゃ、もう一家食わせる金がねえんだとさ。一家七人じゃなあ……。<br />
　お前もひもじいだろ？　おまんまの食えるお屋敷に行ったほうが幸せってもんだ。<br />
　さあ、わかったら荷物を持ちな。俺はこれでも忙しいんでね」<br /><br />
　左ノ助は一気にまくし立てると、お母から小花を引き離した。<br />
　足元にある風呂敷包みを小花に持たせると、腕を掴んで歩き出そうとする。<br />
「お、お母……！？　はなは、もうこの家にいられないの！？」<br />
　左ノ助に腕を引かれながら、小花は泣きながら縋ろうとするお母に戸惑いながら尋ねる。<br />
　お母は狂った様に泣きながら、『ごめんよ、ごめんよ！』と繰り返している。<br /><br />
　――小花にはおぼろげながら解ってしまった。<br />
　昨年から飢饉が続き、生まれた子も育たない。茂吉と共に遊んでいたトミちゃんも、数<br />
ヶ月前から姿を消していた。<br />
　そうか……。トミちゃんも、今のあたしみたいに連れて行かれたんだ……。<br />
　男の子は畑を耕す力出になる。まだ非力で力のない女の子はお母達には重荷なんだ……。<br />
「はなあぁ～っ！　はなっ！　ごめんよ、ごめんよ！　堪忍しておくれっ……！」<br /><br />
　――うん。わかったよ、お母。……だからそんなに泣かないで。<br />
　……怖くないといったら嘘になる。茂吉にもお別れが言いたかった。でも、左ノ助の腕<br />
は小花を急かし、その余裕さえ与えてくれそうに無かった。<br />
「お母っ！　泣かないで！　きっといつか帰ってくるからね！」<br />
　左ノ助に手を引かれつつ、小花はお母に別れを告げた。いつかは帰れる筈だと信じた。<br />
「そうそう。年季までちゃんと働けば帰ってこれるさ。……運が良ければな」<br />
　お母が見えなくなるまで振り返る小花に、左ノ助はぼそりと呟いた。<br /><br />
　……そうやって連れて来られたのがここ、吉原の遊郭でも大棚である鈴白屋だった。<br /><br />
「おいらん、おいらん！　湯浴みは花魁がなさらずとも、あちきがやりますえ！」<br />
　ふっとここに来るまでの事を思い出していた小花が、すずの声で我に返る。<br /><br />
　親父様に託され、咲野に名づけられた後、小花は風呂場に連れて来られていた。<br />
　着ていた着物を脱がされ、咲野自らが湯桶で小花に湯をかけてくれている。<br />
　咲野の濡れた赤襦袢が子供心にも眩しくて、小花は驚いて体を硬くした。<br />
「おや、熱かったでありんすか？　小花。急にお湯をかけたから、驚いたのかいな？<br />
　あちきがせっかちで、ごめんなんし。火傷などしていないかえ？」<br />
　咲野が、心配そうに小花を覗き込む。小花は『そんな事はない』という意思表示で頭を<br />
振って見せた。<br />
　咲野はほっとすると、優しい手付きで小花の体を洗い清めてくれ、小花を湯船に入れた。<br />
「よぅく温まりなんし。数は数えられるのかいな？　五十まで数えられるでありんすか？」<br />
　湯船に浸かった小花は、十までしか数えられないと、恥ずかしそうに告白する。<br />
　咲野は微笑むと、小花の頭に冷やした手ぬぐいを乗せてくれる。<br />
「では、十を五回、数えなんし。そうしたら上がって着替えようね、小花……」<br />
「あ、あい……。あねさま……」<br />
　小花は一生懸命十を五回まで数えた。<br />
　湯船から上がると、すずが体を拭くのを手伝ってくれる。<br />
　その間に、咲野は小花が触った事もない、綺麗で愛らしい着物を用意してくれた。<br />
「徐々に自分で出来るよう、お気張りなんし」<br />
　着物を着付け、髪を梳いてくれながら、咲野は甲斐甲斐しく小花の世話を焼いてくれる。<br />
「ほぅら。可愛らしい禿に仕上がりなんした。お腹も空いているでありんしょう？」<br />
　ほかほかと温まり、心地よい肌触りの着物を着せられて、小花は惚けた様に手を引かれ、<br />
　食堂へと連れてゆかれる。<br /><br />
　他の禿たちが咲野を見届けると、一斉に箸を止めた。<br />
「花魁、お食事でありんすか？　しばしお待ちなんし。すぐに用意するでありんす！」<br />
　咲野は立ち上がろうとする禿達を制して、にっこり笑った。<br />
「いいから、そのままお食べなんし。お前達もお腹がお空きでありんしょう？　あちきと<br />
て、昔はこうして食べていたのだから。<br />
　それより、今日からあちきに付いた禿を紹介させておくれ。名は小花でありんす。お前<br />
達、仲よう色々教えてやっておくれなんし。お頼み申しますえ。さ、小花。おいで……」<br />
　咲野が小花にお櫃の場所などを教えながら、二人分の膳を用意する。<br /><br />
「あ、あね様……。あたしがこれを全部食べてもいいのですか？」<br />
　小花は目の前に置かれた白米と汁や漬物、焼き魚もある事に驚き、思わず聞いてしまう。<br />
　生家では三食どころか一日二食で、しかも稗や粟でさえ満腹迄食べた事が無かったのだ。<br />
「たんとお上がりなんし。お前はまだまだ、これから大人へと成長するのですえ？」<br />
　咲野は笑いながら箸を取ると、自分を真似る様にと食事を始める。<br /><br />
　小花は戸惑いながらも豪華な食事に手を伸ばし、恐る恐る食べ始めた。<br />
　隣に座ったすずが、やはり食べながら小花に耳打ちをする。<br />
「お前様は果報者でありんすよ。姐様は御店一番の太夫であられるのに、母様の様にお優<br />
しくありんす。この様な姐様は他にあちき達は知り申さんす。皆、花魁が好きで、憧れて<br />
いるのですえ」<br />
　小花は口の中に食事を頬張りながら、すずの言葉に強く頷いた。<br /><br />
　まさか売られた自分が、この様に優しく扱ってもらえるとは小花自身、夢にも思っては<br />
いなかったのだ。精一杯姐様にお遣えしよう、と小花は硬く決意した。<br /><br />
　夕刻になると、他の花魁や遊女達が身支度を始める。<br />
　一通り咲野に連れられ、挨拶を済ませた小花だが、すずの言った通り咲野が一番美しく、<br />
凛として優しかった。<br />
　髪を結い直し、櫛や簪をつけた咲野は最後にしなやかな小指で紅をさす。<br />
　動作の一つ一つも優美であり、紅をさした咲野は、まるで天女のように美しく小花は食<br />
い入るように見とれてしまう。<br /><br />
「……紅が珍しゅうござんすか？　小花」<br />
　傍らに正座して、先輩禿のすずが咲野を手伝うのを見覚えていた小花は顔を赤らめる。<br />
「ご、御免なさい。……姐様、とってもお綺麗です。あたし、びっくりしちゃって……」<br /><br />
　咲野は鏡箱に紅皿をことりと置くと、少し寂しそうに笑って言う。<br />
「あちきが綺麗だと申しんすか、小花。この衣装や化粧が華やかにお見えなのかえ？」<br />
　小花は優しい姐様の寂しそうな笑顔に、何か自分が悪い事を言ったのかと不安になる。<br />
「あ、あのぅ……。姐様はお飾りにならなくてもお綺麗です。紅をさした姉様は、もっと<br />
お綺麗に見えるので……。姐様、あたしは何か辛い事を言ってしまいましたか？」<br />
　しどろもどろに話す小花に、咲野は手を差し伸べて微笑む。<br />
「そんなお顔をしてはなりんせんよ、小花。お前はまだ何もわからないのだから、気にす<br />
る事はありんせん。<br />
　あちき……いいえ、この吉原の女達はね。着飾り、紅をさす事が『戦い』の仕度でもあ<br />
るのですわいな。……そう。殿方がいくさで武装をするのと同じなのでありんすよ」<br />
「……『戦い』ですか……？」<br />
　小花には咲野の言う事が良くわからなかった。大きな丸い瞳を不思議そうに見開く。<br />
　咲野は喉元を鳴らして小さな笑い声を立てると、小花の髪を撫でてやった。<br /><br />
「……あちきとした事が、つまらぬ事を話してしもうたわいな。小花、お前はまだ、何も<br />
知らなくていいんでありんすよ。<br />
　でもね、自分の事は『あたし』ではなく、『あちき』か『小花』と申しなんせ。<br />
　廓詞《くるわことば》にも、少しずつ慣れて行かなくてはなりんせん」<br />
　――こんなにも美しくて優しい姐様なのに、何か辛い事がおありなのだ。<br />
　小花は何故だが自分までもが悲しくなってきた。<br />
「あい。姐様……。小花は一所懸命に頑張ります。姐様に喜んで頂けるように……」<br />
「可愛い事を言うてくれるわいな。お前は本当にいい子だねえ、小花」<br />
　咲野が小花を抱きしめると、甘く柔らかい香りが小花の鼻孔をくすぐった。<br /><br />
　子守唄の様に、咲野はひそやかな声で口ずさむ。<br />
「かぁ～ごめ、かごめ。いついつ、出ぇやある……」<br />
　柔らかい腕に包まれて、小花は咲野をそっと見上げた。<br />
　……ここに来る時に聞こえてきた歌だ。あれは姐様が歌ってらしたのだ。<br /><br />
　小花の視線に気がついた咲野は、静かに笑う。<br />
「お前はこの歌で遊んだ事がありんすか？」<br />
「……あい、姐様。でも、姐様が歌いなさると、とても綺麗で何やら寂しげです……」<br />
「そう聞こえんすかえ？　じゃあ、小花も一緒に歌いなんすか？」<br />
「あい、姐様」<br />
　咲野の笑顔に明るさが戻る。小花は嬉しくなって咲野の手を握った。<br /><br />
　その時、親父様が部屋の外から声をかけてきた。<br />
「咲野。仕度はできてるかね？　そろそろ花魁道中に出かけてくれるかの」<br />
　咲野はふっと溜め息をつくと、小花の頭を撫でて立ち上がった。<br />
「あい、親父様。仕度は出来ておりますわいな。……小花、お歌はまた今度にしまんす。<br />
　さあ、お前も一緒にお出でなんし。吉原の夜が始まりんすよ」<br />
「あい、姐様」<br /><br />
　煌びやかな光とさざめく遊郭の人間達が廓の中と外でにぎやいでいる。<br />
　小花は昼間とは打って変わった眩しさにたじろいだが、すぐにそれは驚きに変わった。<br />
　咲野が道中を始めると、そのさざめきは歓声へと声が高まり、人々が群がって来る。<br />
「咲野花魁の道中が始まったぞ！　かごめ太夫のお出ましだ！」<br />
　凛と背筋を伸ばし、巧みに三枚歯下駄を操って優美に外八字で歩む咲野は、他の道中よ<br />
りも人目を引く程艶やかで、小花は何やら我が事の様に誇らしかった。<br /><br />
　咲野花魁が別名『かごめ太夫』と呼ばれる意味も、なんとなくわかるような気がした。</p>
<p> </p>
<p>　　　　　　　　　　　　　　―続―</p>
</div>
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    <dc:date>2010-12-01T08:28:16+09:00</dc:date>
    <utime>1291159696</utime>
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