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    <title>プリキュアスクエア@wiki</title>
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      ***スクエアとは？→[[ここ&gt;スクエアとは？]]をクリック！！

&amp;random_img(フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,フェイクメッセージ.jpg,ジミーウェールズからのメッセージ.jpg,スー・ガードナーからのメッセージ.jpg)

&amp;random_img(プリキュアスクエア・タイトル.jpg,キュアクロリス.jpg,キュアクロリス２.jpg,キュアキュンティア.jpg,キュアキュンティア２.jpg,キュアキュンティア４.jpg,キュアテティス.jpg,キュアテティス２.jpg,キュアテティス４.jpg,キュアテティス５.jpg,キュアテティス６.jpg,キュアエルピス.jpg,•キュアエルピス３.jpg,キュアエルピス４.jpg,４人のプリキュア.jpg,我らプリキュア！スクエアの女神なり！.jpg)

この作品はおジャ魔女どれみを使った二次創作ノベルです（いわゆるフィクション）。
実在の人物（どれみちゃん達とか）・団体（美空市とか）・事件等にはいっさい関係ありません。

*本家は[[こちら&gt;http://omoi.lolipop.jp/precure_sq1/index.html]]へどうぞ！    </description>
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    <title>天地海の三重奏第１番Aパートその１</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/72.html</link>
    <description>
      **Scene０◆受け入れる者、抗う者
　小魚の兄弟がいました。力なき小魚の兄弟は、常に群れをなしていました。しかしそれは、力を合わて運命と闘うためではなく、ただ、ただ、自分だけが生き残りたいためでした。群れからはぐれれば様々な天敵に狙われ、あっという間に捕食されてしまいます。群れの中心から外れるほど、食い殺される危険が増すのです。生き長らえるためには、群れの中心にいるしかありません。だれもが兄弟を盾にして自分だけは生き残ろうと必死でした。いつ食べられてしまうのかとおびえる毎日。毎日。毎日…。そんな惨めな、惨めな、小魚の兄弟でした。

　そんなある日の事です。小魚達の前に海の女神様が現れたのは……。

　それは不思議な光景でした。様々な海の生物が、ご挨拶しようと女神様の周囲に集まっていたのです。大小様々な魚から、カニやエビといった甲殻類、クラゲや貝に至るまで、様々な海の生物が種族別に整列していました。小さき者達は側に天敵がいるにもかかわらず動揺するそぶりも見せません。大きなる者達も側にいる大好物に目もくれません。
　小魚の兄弟は、天敵の姿におびえながらも女神様の神々しいお姿に魅了され、少しずつ近づいていきました。整列する海の生物達を越えるまで近づいた時、女神様が振り返り、小魚の兄弟に微笑みました。女神様の慈愛に満ちた微笑みは、小魚の兄弟に安らぎを与えました。それは小魚の兄弟にとって生まれて初めての経験でした。
　そして小魚の兄弟は、世界が穏やかに変わった理由を知ります。すべては女神様のお力でした。海の生物は、海の女神様のおそばに近づく事で、心の安定だけでなく理性と思考力をも得るのです。理性が欲望を押さえ、女神様の微笑みが恐怖心を取り去ったため、海の生物から争いが無くなったのでした。
　恐怖も悲しみもない穏やかな世界……。弱肉強食の自然の掟しか知らなかった海の生物にとり、それは驚くべき新世界でした。

　周囲に生息する海の生物があらかた集まったところで、女神様は身体を切り分け、無数の小さな分身を作り出しました。小さな女神様達は整列するそれぞれの種族の前へと向かい、それぞれの種族にわかる言葉で話しかけました。本来なら言葉が理解できる魚介類など存在しないのですが、女神様の側に来て知恵が付いた今は違います。小さな女神様達の話す言葉は一言一句理解できました。小さな女神様達は海の生物達にこう話したのです。「海の女神は生け贄を所望します」と…。
　それは驚くべき言葉のはずでしたが、女神様のカリスマがそうさせたのか、弱肉強食の世界になれすぎて心が麻痺してしまっているのか、海の生物達は誰もが冷静に受け止めました。女神様達は続けて語ります。「決して強制はしません。我が身を捧げるか否かは、自分達で考え、決めなさい」と……。海の生物達に理性と思考力が与えられたのはそのためだったのです。
　生け贄となる事で得られるのは、食される事で女神様の血肉となる栄誉だけです。だけど、残された海と仲間は女神様の加護を得られます。小さき者が大きなる者に食べられる現実は何も変わらないけど、子孫の繁栄は約束されます。他者のため、未来のために己を捨てられる者を女神様は望まれていたのでした。
　小魚の兄弟は初めて話し合いました。自分たちの惨めな運命を。女神様の事を。自分たちが食べられる事で世界が成り立つ食物連鎖というシステムを。自分たち弱き者の犠牲で成り立っている悲しい現実を…。そして結論を出したのです。女神様がボクたちを生け贄に望むなら、喜んで我が身を捧げようと。それは海の生物達の総意でもありました。
　だけど一匹だけ、運命を拒絶した者がいました。

***「ボクはいやだ！　誰かに食べられるなんて嫌だ！　弱い者が食べられる運命なら、ボクは誰よりも強くなってやる！　小さき者が食べられる運命なら、ボクは誰よりも大きくなってやる！　こんな呪われた運命、変えてやる！！」

　それは小魚の兄弟の中にいた一匹でした。彼は抗うためにその場から逃げ出しました。周囲の海の生物がほとんど女神様のおそばに集結していたため、遠くまで泳ぐ事ができましたが、兄弟の群れからはぐれる事は死を意味します。女神様が海から去れば、海は再び弱肉強食の世界へと戻り、天敵は食欲を満たすために再び牙をむく事でしょう。はぐれ小魚の命運が尽きるのも時間の問題でした。そんな時、小魚は別の運命をを見つけてしまいました。いや、もしかすると、『それ』に誘い込まれていたのかもしれません。

**「力が……欲しいか？」

　小魚の脳に直接話しかけてきた『それ』は、突如目の前に現れました。実際には手のひらサイズのカードでしたが、小さな小魚には長方形の大きな板に見えました。きっと陸から流され、海の底に沈んだ不燃ゴミの一つだったのでしょう。しかし、藻もフジツボも付いておらず、腐食もしてません。畏敬を感じさせる『それ』は、例えるなら類人猿の前にそそり立つモノリスのようでした。

**「ならば……くれてやる」

　『それ』は問答無用で小魚に憑依すると、体内から凶悪な力を解放しました。そして小魚は望み通り、巨大な身体と強大な力を手に入れたのです。

めでたし、めでたし。
----
**天地海の三重奏 第１番
*大海獣、美空湾に現る!!
----
月のきれいな静かな夜、美空湾の港から出航した第三若草丸が行方不明になる。
PRECURE SQUARE next &gt;
**Scene１◆事件
ご期待ください！    </description>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/17.html">
    <title>天地海の三重奏 蒼き乙姫</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/17.html</link>
    <description>
      #ref(キュアテティス３.jpg)

*エピソードリスト
**第１番◆大海獣、美空湾に現る!!
Aパート
-[[その１&gt;天地海の三重奏第１番Aパートその１]]
-[[その２&gt;天地海の三重奏第１番Aパートその２]]
-[[その３&gt;天地海の三重奏第１番Aパートその３]]
Bパート
-[[その１&gt;天地海の三重奏第１番Bパートその１]]
-[[その２&gt;天地海の三重奏第１番Bパートその２]]
[[ENDパート&gt;天地海の三重奏第１番ENDパート]]

**◆[[火の矛と水の盾]]
----
*[[ご感想スレッド]]    </description>
    <dc:date>2011-07-04T01:42:51+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/68.html">
    <title>こんとん！ENDパート</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/68.html</link>
    <description>
      **Scene13-1◆訪問者ローズ～記憶(fifth day)
「ローズちゃんが片言の日本語を話すのは、もしかして相手を油断させるため？」

　ローズは指をパチンとならすと、突然流暢な日本語を話し始める。

「結果的にそうなっているかもしれないわね。でも違うわ。せっかく日本語を勉強したんだから、日常会話では魔法を使わないようにしてるだけ♪　正体を明かしても問題ない時は、その限りではないけれどね」
「まあ、それは殊勝な心がけですね。
　ところで……魔法堂の新たなオーナーになったそうですけれど、どんなお仕事をなさるの？」
「表上は喫茶店でもやろうかなって思ってるけど…。正直、ちまちました仕事をするのは好きじゃないのよね。だから短い時間で大きく稼げる裏の仕事を本業にするつもりよ」
「裏のお仕事？」
「有り体に言えば『何でも屋』ね。危険が伴ったり、表沙汰にできない仕事を請け負うわよ。もちろん安くはないけどね」
「お見舞いに来てくれたのは、もしかして営業をかねてる……とか？（＾＾；」
「あったり～～（＾＾）　ただし一回につき100万円以上の仕事は受けないけどね」
「100万円……。さすがに私のお小遣いでは依頼できそうにないわね」
「あら、それは残念。……でも、『姫巫女様』は藤原家の実質的当主なのでしょう？」
「ごめんなさい。そちらのお仕事は担当者に一任しているの。無断で私からローズちゃんに依頼はできないわ」
「おかまいなく。その担当者に私を紹介していただけるだけで結構ですわよ♪」
「う～～ん。紹介するにしてもローズちゃんの事は何も知らないし…。ローズちゃんはどんなことができるの？　もしかして……ペガソスが破壊した美空市を直してくれたり……とか？」
「………ああ、あれね。あれは私じゃないわよ。私の友達……かな？　まあ、私と同じ『アンノウン』には違いないけど。照れ屋だから名前は秘密ね」

　正確には『おジャ魔女ファファ』のやったことだが、ぽっぷの影武者故に表沙汰にはできない。さりとてローズは回復系の魔法が苦手なため、そっち系の仕事を依頼されても応えられないので自分の手柄にするわけにもいかなかった。

「秘密というのは……つまり、知りたければ情報料を支払えってこと？」
「え？　あ、いえいえ。確かにお金は欲しいけど、これは本当に秘密なの。信用問題にかかわるしね」
「そう……。よかった。少し安心したわ」
「魔法堂のオーナーがお金に汚くなるのはしょうがないのよ。結果を出さないとオーナー権を剥奪されてしまうから。美空町の魔法堂であればなおの事ね」
「美空町の……？　魔法堂って他にもあるの？」
「え？　……え、ええ。世界中にあるわよ」
「あ……ああ、そうだったわね。ニューヨークにも魔法堂があったわ。今はマジョバニラさんがオーナーになってるって、ももちゃんから教えてもらったわ」
「…………」
「？　なぁに？」
「なんでもないわ。今でも仲良しなんだなって思って…」
「ええ、そうよ。どれみちゃん、あいこちゃん、おんぷちゃん、ももちゃん……。みんなそれぞれの道を歩みだして、会う機会は減ってしまったけど、今でも大切な私のお友達…」

　はづきは魔法堂のことを忘れてる。もしかしてどれみ達の事も忘れたままなのだろうか。
　『姫巫女』がお勤めをするたびに一時的な記憶喪失に陥るという話は、人間界に訪れる前に聞かされていた。マジョローズは、記憶を失ったはづきが羨ましかった。たとえ一時的にでも忌まわしい過去が忘れられたら、もっと違う自分になれたかもしれないから………。

----
**Scene13-2◆訪問者ローズ～過去視(fifth day)
「街を直してくれたのがローズちゃんなら、これを直してほしかったのだけれど……」

　はづきはそう言いながら部屋の勉強机に向かうと、箱を持って戻ってきた。ふたを開け、中身をローズに見せる。中には真ん中で半分に裂かれた薄い本が入っていた。

「カリスマ……配達…員……？」
「小学５年生のときに、学芸会でやった演劇のシナリオよ。私の大切な想い出の品なの」
「ちょっといいかしら」

　ローズは真っ二つのシナリオを上下とも手に取ると、両方の裂け目を見つめる。手で引き裂いたにしては綺麗すぎ、刃物で切ったにしては汚すぎた。どうやればこのように引き裂けるのかローズには皆目見当もつかなかったが、それ以上に気になったのは、どのような経緯でシナリオが引き裂かれたかであった。

「これは……どうして引き裂いちゃったの？」
「私がやったんじゃないわ。多分………」
「多分？　身に覚えがあるの？」
「それが判らないのよ。でも、ずっとお部屋にしまっていたから、自分以外にできるとも思えないし…」
「じゃあ、いつこうなったか判る？」
「それもよく判らないの。気がついたときにはこうなっていたから」
「ふうん…ちょっとしたミステリーね。自然にこうなるなんてあり得ないし、はづきちゃんの手でできるとも思えない。第三者の仕業だとして、警戒の厳しい藤原邸に誰にも気づかれずに潜入したとなると、かなりの凄腕か特殊能力の持ち主ね。でも目的は何かしら。はづきちゃんへの嫌がらせとも思えないし……」
「……………」
「気になるなら、何が起きたか確かめてみる？」
「どうやって確かめるの？」
「いわゆる『過去視』ってやつ。このシナリオ自体が体験し記憶された、出来事を魔法で映像化するの」
「そんな事ができるの？」
「それくらい、魔法が使えれば簡単よ。はづきちゃんだって昔にやった事あるでしょう？」
「え……。え、ええ。そうだった……わね」
「………まあいいわ」

　ローズがパチンと指を鳴らすと、シナリオは映写機と家庭用サイズのスクリーンへと変化する。具現化されたイメージが古いのは、ローズの生まれた時代の影響だろうか。

「まあ、映画みたいね。これで過去を観るの？」
「ジャンルは何かしらね。私はミステリーかサスペンスを予想してるけど」
「シナリオが記憶した過去なら何でも観れるの？」
「もちろん観れるわよ」
「物がどうやって記憶するの？」
「曖昧な事はすぐに忘れてしまうし、印象的な事はいつまでも覚えている。人と同じよ」
「……もしかして、学芸会の時の記憶も観る事ができる？」
「これだけ使い込んでいるのだから、シナリオにとっても忘れられない記憶でしょう。観れるわよ」
「なら、そっちを先にみせてちょうだい！」
「いいけど……」

　ローズが再びパチンと指を鳴らすと、カーテンが閉まり、部屋の照明が消え、映写機が回り始めた。しかしいつまで経ってもスクリーンには何も映し出されない。

「これは……一体……」
「もしかして……映写機の故障？」
「魔法で出したのだから故障するわけない。もちろん私は、この程度の魔法を失敗させるようなドジじゃないわ。考えられるとすれば、このシナリオにはもともと記憶が無いか。それとも記憶を奪われたか……。でも、そんな事ってあり得るの？」
「状況が飲み込めないのだけれど…、私のシナリオは何も記憶していないってことなの？」
「いいえ、わずかだけど間違いなく記憶はあるわ。恐らくは引き裂かれた時のものね。観る？」
「他に上映作品が無いのなら、しょうがありません。観ます」
----
**Scene13-3◆訪問者ローズ～意外(fifth day)
　それは実験映像にも見えた。台本に無数の糸が絡み付き、真っ二つに引きちぎられたところで映像が途切れる。時間にして30秒程度だが、身の毛もよだつホラー映像であった。

「今のは……もしかして……髪の……毛？」
「そう見えたわね」

　ローズには、二つの点において意外であった。一つは台本に残された記憶がわずか30秒しか無かったこと。そしてもう一つは、ホラーな映像に動揺のそぶりさえ見せないはづきの反応。
　はづきと言えば、お化けや幽霊のたぐいが大の苦手だったはず。『映画』の形で観ていたが、これははづきの部屋で実際に起こった出来事なのだ。にもかかわらず、はづきの反応は冷静だった。成長したという事なのか。それとも、記憶喪失と関係がある？

「でも、この映像では台本しか写ってないから、何がなんだか判らないわ。もっと俯瞰で見るような、全体を把握できるような方法は無いの？」
「あるわよ。これははづきちゃんの部屋で起きた出来事だから、台本とこの部屋の記憶をリンクさせれば、全体像はつかめると思う。でも、いいの？　ちょっと怖いものを見る事になるかもしれないわよ」
「どのみち状況を把握する必要があるもの。だから大丈夫」
「OK。じゃあ、始めましょう」
----
**Scene13-4◆訪問者ローズ～混沌の神様(fifth day)
　ローズが魔法で時間を同期させると、リールに巻かれたフィルムが増える。部屋と時間を同期させた事で情報量が増えた事で、リールにはさらに、先ほどまで無かった日付のラベルまで現れていた。2007年12月15日AM2:12……これが事件の発生した日時であるようだ。
　映写機をスタートさせる。5…4…3…2…1…。スクリーンに現れるカウントが終了すると、再び台本が無数の髪の毛に引き裂かれる映像が始まった。スクリーンが真っ白になったかと思うと、続いて髪の毛が巻き付いたカードのようなものの映像が現れる。杖のようなものが描かれた絵札だ。端にはギリシャ文字で『ヘルメス』と書かれてあるのがわかる。今度はカメラが引き始め、画面に部屋の細部が見えてくる。カーテンが閉められた窓や勉強机。そしてカードに巻き付いた髪の毛の本体が現れる。女の子の後ろ姿だった。
　不思議な出で立ちの少女である。髪はツインテールで床を引きずるほど長い。服装はポンチョから２本の足がにょきっと生えているようで、他には何も着ていないように見える。両手を斜め下に広げているのか、ポンチョは菱形のように広がっていた。耳にはイヤリングがつけられており、宝石でも付いているのかキラキラと光っている。そして振り返った少女にローズは息をのむ。禍々しき眼光……。それはまるで蜘蛛であった。

　数々の修羅場をくぐり抜けてきたロ－ズにも、人並みに苦手なものはある。とりわけ虫は大の苦手であった。危険が無いとは判っていても、スクリーンを観ながら思わず後ずさりしてしまう。ところがはづきは動揺するそぶりも見せなかった。この映像を観て何も感じないのだろうか。作り物ならまだしも、これは過去に起きた現実の……しかもはづきの部屋で起きた事なのに……。かつて『おジャ魔女はづき』と呼ばれた魔女見習いの面影はみじんも無い。これが『姫巫女』の貫禄…ということか。

　蜘蛛娘は四角いカードケースらしきものを取り出すと、絵札を納め、何事も無かったかのように部屋から消え去り、同時にフィルムも終了した。上映時間はだいたい3分ほどだったろうか。

「これは……何？　こんなものが美空市の闇を徘徊してるの？」
***「この感じは………多分『触れ得ざる者』だわ」
「触れ得ざる……何？それ」
***「私たち護り人は、彼女達になるべく干渉しないようにしているの。人命に関わる大事になった場合も、最小限の干渉にとどめる事にしているわ」
「ふうん。だから『触れ得ざる者』ね。…………それで、正体は何なの？」
***「美空の里の……神様よ」
**「い、今のバケモノが神様ですって！？」
***「正確には、神様の分身ね」
「ますます訳が判らないわ。どういうことなの？」
***「美空の里の神様は、地下奥深くで眠りについてるの。起きたら地球が大変な事になってしまうわ。だから地上に現れる時は、自分の力を小さく切り分けた分身を作るの。先日の空飛ぶお馬さんも分身のひとつだと思うわ」
「蜘蛛娘に天馬ちゃん……神様の分身は様々な姿をしてるってことなのね。それで神様が地上に現れる目的は何？」
***「それは判らないわ。崇高な目的があるのかもしれないし、ただの暇つぶしかも…。いずれにせよ、いにしえの時代から続けられてきた神事であることに変わりないから、『姫巫女』である私は滞りなく執り行なわれる事を祈るのみよ。ただ……」
「ただ……何なの？」
***「神事が執り行なわれるのは２年か３年先のはずだったのよ」
「そう」
***「もう少し……」
「え？」
***「もう少し、時間があると思っていたんだけどな……」

　はづきは寂しそうに微笑んだ。２～３年の誤差なんて魔女にとっては微々たるもの。しかし人間にとってはそうではない。子供や年頃の娘にともなれば、なおのこと…。

「はづきちゃんに残された時間は、もしかしたら僅かかもしれないのね！　これはいけないわ！」
「え？　え、ええ」
「だったらなおの事、私を雇うべきねっ！　決して悪いようにはしないわよ。もちろんギャラははずんでもらうけどね♪」

　だけど同情はしない。したところで意味がない。ローズにできる事は、プロフェッショナルとして仕事を着実にこなす事だけなのだから。だけど、結果的に彼女の望みを叶える事はできるだろう。それが彼女の…藤原はづきの救いとなれば良いのだが。

★　　★　　★

　藤原邸を後にしたローズは、ふと空を見上げる。雨上がりというわけでもないのに、青空に美しい虹の橋がかけられていた。これもまた、美空の神様の仕業であろうか？　美しき空の里……か。
　今夜は『秋穂』と言う名の小料理屋で、はづきが紹介してくれた矢吹鬼という人物に会わねばならない。なんでも明日、ローズと同じ日に美空高校へ転校してきた桜田ふぁみが藤原邸に来るのだという。彼女の正体が判らないため、警備に万全を期す事になっているのだが、同時にローズの採用試験をかねる事になりそうだ。そのため、『護り人』の実行部隊の中核を担う矢吹鬼という人物に会い、明日の打ち合わせをする事になった。
　さて、昼休みがもうじき終わる。急いで学校に戻らなければ。指を鳴らすと、ローズの身体は瞬時に美空高校の屋上へと移動する。誰にも見られていない事を確認すると、ローズは何食わぬ顔で教室へと戻った。
　男がいて女がいる混沌の世界、人間界。多くの人外の者が住み着く混沌の街、美空市。様々な姿の分身を作り出す美空の神は、さしずめ混沌の神様だろうか。嗚呼、素晴らしきは混沌なり。男女共学の高校に転入して本当に良かった♪
　魔女界では決して味わう事のできない刺激的な毎日。ローズはワクワクが止まらない。
----
**第１番・完    </description>
    <dc:date>2011-06-25T03:41:57+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/13.html">
    <title>スクエアとは？</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/13.html</link>
    <description>
      時に西暦2007年。
我らが妹、春風ぽっぷちゃんも、美空小を卒業して中学1年生となりました。1年後には中学2年生。中2と言ったら『プリキュア』になるお年頃だよね！　…という、極めて安易な発想から生まれた二次創作企画、それが『プリキュアスクエア』です。いうなれば、ぽっぷちゃんを主人公にしたスピンオフ企画ですね。
　しかし、安易な企画のはずなのに、スケールが壮大すぎるような……。いや、むしろ企画が安易であったからこそ、壮大なスケールで展開せざる負えなくなってしまったのかもしれません。主因は大きくわけて二つあります。
 
*■1)『おジャ魔女どれみ』の後日譚
　スピンオフとはいえ、ぽっぷちゃんさえ出れば良いというわけではありません。2008年なら、『おジャ魔女どれみ』の登場人物の多くが美空市で生活しているはずですから。また、その後の魔女界や魔法使い界の動向も気になります。どれみちゃんを魔女にすることは諦めても、人間界との交流を再開させる事まで諦めたわけではないのですから。
　…などと考えたのが運の尽き。ぽっぷちゃんに絡む人間関係だけで止めておけばよいものを、直接絡まない[[キャラクター]]まで出して脱線させるものだから、ちっとも話が進まなくなってしまいました（＾＾；

*■2)東堂いづみ原作作品のクロスオーバー
　もとより発想が『どれみ×プリキュア』でしたから、「だったらいっそのこと、東堂いづみとクレジットされている東映オリジナル作品を、全て同じ世界観にしてしまえ」と、安易に考えてしまったわけです。
　しかし『ナージャ』は約100年前の物語ですから問題は無かったのですが、『マシュランボー』の存在を知って頭を抱えました。なんと、人類が滅んで300年後の地球が舞台なのです。これを物語に絡ませた結果、ぽっぷちゃん達のドラマは最終的に、人類の未来をかけた戦いへと発展していくことになってしまいました。もっとも、そこまでたどり着くのに何年かかるのか、本当にたどり着けるのかは判らないのですが（＾＾；

**◆明日のナージャ
20世紀初頭のヨーロッパを舞台にした物語。100年もの時を越え、あの子がニンゲンをやめてエントリー。

**◆プリキュアシリーズ
少女の間で語り継がる都市伝説として名前のみ登場。ただし、同じ2008年作品である『Yes! プリキュア5 GoGo』からは、美少女アイドルがさりげなくエントリーしてたり。

**◆マシュランボー
第一部）人類は自ら創りだした新生命体『マトリクサー』との戦争に敗れ、滅ぼされる。それから300年後の地球が舞台。
第二部）歴史が書き換えられ、人類とマトリクサーが共存する300年後の地球。そこでは新たな驚異『カードリアン』との戦いが繰り広げられていた。
これをどう物語に絡めていくかは……まあ、これからのお楽しみという事で（＾＾；
 

*■それでスクエアってなぁに？
　言葉の意味としては、正方形、四角形。広場。T型定規、L型直角定規。また、頑固者的な意味もあるようです。そして物語上での『スクエア』とは、巨大な4面の結界壁に囲まれていることから付けられた、魑魅魍魎の里『美空市』の俗称です。つまり『プリキュアスクエア』とは、プリキュアの名前ではなく、プリキュア達のバトルフィールド『美空市』を差したタイトルなのです。美空市自体が主人公という伏線だったりしてね（＾＾）

*■インスパイアされた作品
最後に参考になるかどうかは判りませんが、『スクエア』を書くに至り、設定作りやデザインなどで少なからずインスパイアされた、『どれみ』や『プリキュア』以外の作品を上げます。

**◆学園戦記ムリョウ
**◆ジョジョの奇妙な冒険第4部
**◆涼宮ハルヒの憂鬱
**◆仮面ライダーブレイド
**◆タイムボカンシリーズ タイムパトロール隊オタスケマン
**◆GANTZ
**◆ヴァンパイアセイヴァー
**◆デビルマン
**◆スクライド
**◆パーマン    </description>
    <dc:date>2011-06-19T00:30:50+09:00</dc:date>
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    <title>永遠の少年</title>
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    <description>
      **◆永遠の少年 
　　1999年の晩秋、僕は死んだ。交通事故だった。どうして道に飛び出してしまったのかは覚えてないけど、車にはね飛ばされ、宙を舞った事は覚えている。横たわって見た最後の光景……空を舞い落ちる紅葉は、とても幻想的で美しく、もの悲しかった。

　気がつくと僕は人間でなくなっていた。肉体を失い、霊魂だけの存在になってしまったのだ。生理現象はもちろん、物理法則にすら縛られない自由な存在……。それは世間では幽霊と呼ぶのだけど、一つだけ違うことがある。僕の霊魂には神札『ディオニュソス』が憑依していたのだ。これをなんと呼べばよいのだろう。神様の力を持った幽霊？　限りなく神様に近い幽霊？　何か違う。
　永遠に年を取らず、あらゆる事から自由な少年……。自由であるが故に孤独な少年……。そんな少年の物語を読んだ気がする。少年の名前は……。ああ、思い出した。ピーターパンだ。僕はピーター･パンになったんだ。もっとも、その自由は神札の有効範囲内でしか発揮しない。美空市というトリカゴの中でのみ許される自由…。だけど、不満なんかあるものか。僕にとっては十分に広すぎる世界だ。

　自分の葬式を見るのは不思議な感じだったし、家族の悲しむ姿を見るのは辛かったけど、寂しくはなかった。美空市には、僕以外にもおばけや幽霊がいたからだ。見た目が気持ち悪い奴もいたけど、みんな気の良い仲間だった。中でも古井戸に棲むオバケさんにはずいぶんと世話になったものだ。僕は神様の力が使えたから、問題を抱えたオバケの悩みを解決したり、幽霊になったばかりで途方に暮れている子をエスコートしたりと、寂しさを感じる間もないくらい忙しい毎日だった。それこそピーターパンのような大活躍。僕にとって、美空市はまさにネバーランドだった。
　だけど、楽しい時間は長くは続かなかった。神札『冥府王ハデス』が覚醒したのだ。『ハデス』は美空市の地下深くに冥界を創り、冥府王としての支配力を行使した。幽霊やオバケ達は冥府王の支配力に逆らえない。みんな冥界へ強制送還されてしまった。こうして僕は独りだけ地上界に取り残された。僕に憑依する『ディオニュソス』には抵抗する力があり、『ハデス』の支配力を打ち消したからだ。だけど、それは幸運だろうか？　それとも不運だろうか？　僕にはわからなかった。

　それからしばらく、僕は美空市をさまよっていた。人間には僕の姿が見えないし、話も出来ない。神様のチカラを使ったところで怪奇現象としか思われない。群衆の中で、僕は本当の孤独を味わっていた。だけど夏祭りの夜、1度だけ不思議な体験をした。不思議の固まりである僕が言うのもヘンだが、本当に不思議だった。幽霊やお化けでも、神札が憑依しているわけでもないのに、僕を認識する女の子と出会ったのだ。女の子は自分のことを「ハナちゃん」と呼んでいた。あの子は何者だったのだろう。人間だったのだろうか？

　……あれから何年経っただろう。僕はなおも美空市をさまよい続けている。今でこそ新たな仲間、『ポセイドン』をはじめとする神札の憑依するモノ達が話し相手になってくれているが、神々が次々と覚醒するまでは、僕は本当に独りぼっちだった。だけど僕には一つだけ楽しみがあった。妹･りつこの成長だ。
　小さくて泣き虫で甘えん坊だったりつこは、いつの間にか僕よりも背が伸び、しっかり者となっていた。一生懸命勉強して、なんとお嬢様学校として名高いカレン女学院に入学した。今や家族とっても僕にとっても希望の星だ。アイドルと言っても過言ではない。
　だけど我らがアイドルも、いや、アイドルだからこそ輝こうとして苦労するのだろう。がんばりすぎて倒れそうになったり、大きな挫折を味わって深く落ち込んだりもする。時々僕を思い出して涙に暮れるときもある。
そんな時、僕はりつこの耳元で、魔法の言葉をささやく。いつも見護っているよと、言葉に想いを込める。幼い頃、クラスの男子にブスとからかわれ、ベソをかきながら帰ってきたりつこを慰め、励ますための言葉を捧げる。
「リッチャンハ、カワイイデスヨ」と。

★　　★　　★

*「お兄ちゃん！？」

　我に返ったりつこは、人の気配を感じた背後を振り返る。そこにいたのは死んだ兄ではなく、カレ女の制服を着た幼い女子生徒だった。背格好からして中等部。翼を広げたような髪型には見覚えがある。眼鏡を外していてぼやけているが、一目でわかる特徴だった。

「………あ、あれ？　春風さん？」
「こんにちは、秋月部長。お久しぶりです」

　辺りを見回すと、そこが郷土部の部室だとわかる。どうやら机にうつぶせになって居眠りをしていたようだ。さっきまではっきり感じ取れていた、懐かしい気配はもうどこにもない。

「夢……？　そうか、夢か……。そうだよね…。夢だよね……」
「楽しそうな夢を見ていたみたいでしたのに、起こしてしまってすみません」
「え……あ、ううん。いいのよ別に。それにしても春風さんが部室に来るなんて珍しいわね。どうしたの？」
「あははは（＾＾；　ずっと幽霊部員してて、重ね重ねすみません」
「いいのよ、そんなこと。あなたはピアニストを目指してるんですもの。レッスンの方が大事だし、郷土部はそういう人のためにあるようなモノだしね」
「実はその……最近美空市の歴史に興味が出てきまして、もしかして郷土部なら何かあるんじゃないかと思いまして」
「あら、それは目の付け所が良いわね♪　カレ女郷土部の秘蔵資料は伊達じゃないわよ♪」

　りつこは机に置いていた眼鏡をかけると、ぽっぷに嬉しそうにほほえんだ。
　秋月りつこ。郷土部の部長にして、ぽっぷの先輩。彼女の死んだ兄が『ディオニュソス』の寄り代である事を、ぽっぷはまだ知らない。

***永遠の少年◆おしまい    </description>
    <dc:date>2011-06-16T09:12:33+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/70.html">
    <title>えりかの背信</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/70.html</link>
    <description>
      **◆えりかの背信 
　午前中の授業が終わり、春風ぽっぷは周りの席の子達と机を囲んでお弁当を広げる。いつもながらのクラスメイトとのたわいのない会話を楽しみながら、ゆっくり昼食を食べていると、クラス１の情報通で噂好きな子が、今日も話しかけてきた。

「ねえねえ春風さん！　デビル委員長のウワサ、知ってる？」
「デビル委員長て（＾＾；……。玉木さんの話しなら、クラス内のいじめを一睨みでやめさせたって昨日聞かせてもらったけど……。他にもあるの？」
「私たちってさ、学校で指定されているバッグを使ってるでしょ？」
「そりゃあ、丈夫だから大事に使えば6年間くら余裕で保つし、学校で決められてるもの」
「でもあれってね、校則で義務づけられているワケじゃないの。」
「へぇ～、そうだったんだ。知らなかった。でも、カレ女のステータスみたいなものだものだし。誰だって使うでしょ？　ねえ？」

　そう言って仲間に同意を求めると、一緒にお弁当を食べていた3人のクラスメイトは一様にうなずいた。

「たしかに私たち庶民にとってはそうだけど、そう思わない方々もいらっしゃるわけですよ。こだわりのあるおしゃれさんとか、お金持ちのお嬢様とか。で、そういう方々は、一部の例外を除いてブランドもののバッグを使っていると」

　噂好きっ子がそう言うと、クラスメイトはやはり一様にうなずいた。どうやら、そのことを知らないのは、ぽっぷだけのようだ。クラスにはブランドバッグを使っている者などいなかったし、ピアノのレッスンなどで忙しいぽっぷには、人の持ち物に関心を持つ余裕など無かったので、仕方ないことかもしれない。

「デビル委員長は、何といっても美空市一のお金持ち玉木一族のご令嬢なんだから、ブランドバッグを使うのは、まあ当然よね。だけど、その使い方が凄いのよ！　なんと！　持ってくるバッグが毎日違うの！　わかりやすく言えば、毎日使い捨てにしちゃってるらしいのよ！！」
「え～～～～～！！……って、いやいやいや。それは流石にウソでしょ！　お金持ちなんだから、ブランドバッグをたくさん持ってるのは不思議じゃないし、その日の気分によって使い分けてるだけ何じゃないの？」
「まあ、確かに使い捨てってのは言い過ぎかもしれないわね。同じデザインのバッグが2～3日続くこともあるし。でも、どういうワケか、いつまでたっても新品同様で古びないし、昨日付いていたはずの傷が次の日には無くなってたりするんだよ！　春風さんはこれをどう論理的に説明する？」
「う～ん……怪奇現象でなければ、痛むごとに買い換えてるのかもしれないねぇ。でも、だとしても別にいいんじゃない？　玉木さんお金持ちなんだし。それにお金を使わなきゃ日本の景気は回復しないんだからさ。むしろお金を持っている人にはジャンジャン使ってもらわないと（＾＾）」
「それはそうだけどさぁ。もったいないと思わない？　ほしいとか思わない？」
「ううん、別に。人は人だし、自分は自分だもの。無い物ねだりはしない主義なんだ。空しくなるから」
「そうなんだぁ～。春風さんて、出来た子なんだねぇ……」

　そう言うと、噂好きっ子はうなだれたまま自分の席に戻っていった。まるで最後の希望を打ち砕かれたかのように……。そんな小さな挫折を何度も繰り返し、少女は大人へと成長するのだ。そう言うことにしておこう、うん。
　ぽっぷは弁当箱を片付けながら考える。今の話が本当なら、何かヘンだ。いとこの麗香さんならまだしも、えりかちゃんはそこまでブランド志向では無かったはず。中学生になって趣向が変わったのだろうか？　そんな風には見えなかったけど……

★　　★　　★

　放課後。玉木えりかは迎えに来た車の後部座席に乗り込むと、ブランドもののバッグから荷物を取り出し、古くから愛用しているバッグへと入れ替えた。そして出し忘れはないか２度確認し、となりに座っている乳母の雛乃に手渡す。

「ふう。面倒ね。雛乃、これでよくて？」
「はい。十分でございます」
「おかげで学校では贅沢三昧の成金お嬢様だわ。どうしても使わなくてはいけないの？」
「新品のままでは盗品ではないかと疑われます。それこそ玉木家の恥でございましょう。それに使っていることをアピールしておかなくては、一体何のためにブランド品を買っているのかと、ご両親に疑われてしまいます。アリバイ作りのためにも学校の皆様には証人となっていただかねば」
「たしかに、雛乃の言う通りね。わかりました。目的のためですもの。少々のことは目をつぶります」

　えりかの財布には、現金は１円も入っていない。カードが複数枚入っているだけである。内訳はいくつかの会員証と、国際ブランドのプラチナカードが４種。それは、未成年が購入を許されない品を除けば何でも自由に買ってよいと、カレン女学院への入学祝いに父からもらったものだ。
　「何でも自由に買ってよい」と言えば聞こえが良いかもしれないが、クレジットカードで買い物をすれば、何時、何処で、何を買ったか、全てが記録に残され両親に報告される。しょせんは管理された自由。えりかにとっては動物園の檻の中と何ら変わらない…。
　だから秘密の買い物をするためには、プラチナカードは使えない。どうしても足の付かない現金が必要だった。しかしえりかは玉木家のお嬢様。働いて収入を得るわけにはいかないし、犯罪に手を染めるなど論外である。合法的に現金を得る方法を考えた結果、見つけたのがブランド品を買い取り業者に売ることであった。つまり、ブランド物のバッグなどをプラチナカードで購入し、中古ブランド品の買い取り業者に売って現金化するのだ。ぶっちゃけ、マネーロンダリングのようなものである。
　えりかのやっていることは犯罪ではないが、両親への背信行為に他ならない。そうまでして買わなければならないもの……。それは情報であった。

「これから売りに行って探偵さんとの約束の時間には間に合うの？」
「他のバッグはお昼のうちに売っておきました。この一品だけでしたら査定もさほどかからないでしょう」
「そう……。でしたらワタクシは少し眠ります。探偵さんを見つけたら起こしてちょうだい」

　そう言うと、えりかは後部座席に身体を埋めた。よっぽど疲れていたのだろう。雛乃が返事をしようと振り返ったとき、えりかはすでに寝息を立てていた。無理もない。昨日はハルピュイアの予想外の反撃に遭い、ダメージが抜け切れていないのだ。

「ごゆっくり……お休みください……えりか様」

　雛乃は我が子を見つめるように、優しく微笑んだ。

***えりかの背信◆おしまい    </description>
    <dc:date>2011-06-16T09:11:45+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/69.html">
    <title>持ち腐れて切り札</title>
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    <description>
      **◆持ち腐れて切り札
　再び春風邸に戻ってきた妖精ファファには、二つの役目がある。
　一つ目は春風ぽっぷの影武者である。ぽっぷそっくりに変身することはこれまでも出来たが、５年もの厳しい修行を乗り越えた結果、限りなくぽっぷに近い思考と行動が出来るようになった。いざとなれば、ぽっぷの身代わりになって死ぬ覚悟もできている。もっとも、戦国時代のように命を狙われれているわけではないので、あまり意味の無い覚悟ではある。まあ心構えと言った所か。
　実際の影武者としての役割は、ぽっぷがプリキュアとしての戦っている事を家族に知られないよう、心配をかけないようにすることだ。ぽっぷが戦いで忙しい時、ぽっぷに代わって学校に行き、帰宅する。でも、その為には、ファファは自分の存在を徹底的に隠さねばならない。自分を知っているどれみには特に。知られてしまえば、影武者としての意味が無くなってしまうのだから。
　だけど影武者としての役目は、もとから持っていた能力をバージョンアップさせたに過ぎない。ファファが本当にスゴイのは、魔女見習いにお着替え出来ることだ。しかも、一級魔女見習いだけが使用を許されているリズムタップを使いこなせる。もちろんそれは、ぽっぷが一級魔女見習いの資格を持っていたからであり、影武者の延長線にある能力であったが、それでも、妖精が魔女見習いになるなど前例のないことなのである。
　しかし、影武者の役目が度々あるわけでもない。今は魔女見習いになっても魔法は使えない。影武者である以上、自分の存在を知られるわけにも行かないので、迂闊に外出も出来ない。共に魔女界から来た妖精ナージャも、たまにしか遊びに来てくれない。一緒に留守番をしているゼピュロスは、ぽっぷが戻ってくるまで眠りっぱなしで、話し相手にもなってくれない。クルリンコールでゆき女王様と世間話に花を咲かせるなどもってのほか。要するに、ファファは暇なのだ。

　そんなファファに与えられた任務が、魔法の実を増やすことだった。ピコットポロンやクルリンコールのエネルギー源となる魔法の実は、植物のように栽培して増やすことが出来るのだ。ファファは人間界に訪れて間もなく、ペガソスが破壊した街並みを修復するために魔法の実をほとんど使ってしまった。節約すれば何回かは使えるが、まさかの時に使えないでは意味がないので、今は温存しておくしかない。魔法の実の増産は急務なのだ。とはいえ、ファファに出来ることは少ない。鉢植えの世話をする以外無いのだから。
　ファファは一つだけ残していた魔法の実を、ぽっぷが用意した鉢植えに植える。人間界の風土は魔法の実には適さないのだが、どれみ達が育てた時は魔女界の土や肥料が使えたので何とかなった。それでも実がなるまでに10ヶ月はかかった。今回は魔女界の支援は一切期待できないが、代わりにぽっぷに憑依する花の女神クロリスの加護がある。バラの花束を未だに枯らすことなく保たせているのだから、魔法の実の成長にも良い影響を与えるはずだ。
　その予想は見事的中した。……というか、的中しすぎた。

「おはようファファ♪」
***「おはようございます。ぽっぷちゃん♪　見てください！　魔法の実からもう芽が出ましたよ！！」
「え！　昨日植えたばかりなのに、もう芽が出たの？」
***「スゴイです！　魔女界で植えてもこんなに早くはないですよ！　これも全てはぽっぷちゃんのご加護ですね♪」
「ファファが一生懸命世話してくれたおかげだよ。それと私に憑依してるクロリスのおかげかな」
***「同じ事ですよ♪　私はぽっぷちゃんのコピーですし、花の女神様が力を出せるのもぽっぷちゃんに憑依しているからですし。同じ事です♪」

　そんなやりとりを、ゼピュロスは鳥かごの中から嬉しそうに微笑みながら見ていた。愛する妻が褒められているのだ。嬉しいに決まっている。

「あ、おはようゼピュロス」
***「おはようございますゼピュロスさん」
「おはようだピュ♪　二人とも楽しそうで何よりだピュ♪」
「ところでさ、ゼピュロス」
「なんだピュ？　クロリス」
「そんな朝っぱらから、やらしそ～な目つきで見ないでくれる？」
***「べ、べ、別にやらしい気持ちで見てるわけじゃないピュ！　誤解だピュ！」
「いやいや、ぽっぷちゃんにメロメロな殿方に、それは酷というものですよ。ぽっぷちゃん♪」
**「ふ、二人とも、そんなヘンタイを見るような軽蔑の眼差しはやめてくれピュ！　オレはそんなご褒美はいらないピュ～～～（＞＜）」

★　　★　　★

　魔法の実がなる木は、それからも常識ではあり得ないスピードで成長していく。そして一週間が経過した。

「おはようファファ♪」
***「お、おはようございます。ぽっぷちゃん」
「……どうしたの？　魔法の実がなる木に何かあった？　もしかして実がなったの？」
***「あ、はい、え～っと。なるにはなったのですけど……。少々問題が（＾＾；」
「問題？　実の出来が良くないとか？」
***「それがその…、どうやらぽっぷちゃんの中の花の女神様、はりきり過ぎちゃったみたいです」

　そう言ってファファは鉢植えを見せる。ぽっぷは驚愕した。確かに木には実がなっていた。しかし魔法の実とは形が違う。

「これって……たしか、ロイヤルシードだよね？」
***「はい。10年に一つ出来れば良い方だと言われるくらい、特別な実です。それがこの短期間に2つもなるなんて、奇跡としか思えません」
「すごい…。すごいけど…。困ったね」
***「自給自足の思惑が外れてしまいました。リースポロンなんてありませんし…。これでは宝の持ち腐れです」
「換金するとしたら魔女界だよねぇ。でもファファは表だって動けないし」
***「マジョローズさんを頼るしかありませんけど、ぼったくられてしまいそうです（＾＾；」
「ううん、むしろ口止め料で済むなら安い方だよ。産地不明のロイヤルシードを正規のルートで換金するのは難しいと思うし」
***「なんだか、麻薬か偽札の取引みたいですね（＾＾；　すみません。私が表に出れば全て解決しそうなんですけど…」
「ファファ、そんな事は考えないの。あなたは私のとっておきの切り札なんだから」
***「はい…」


　いざと言う時にはファファがいる。これがぽっぷにどれだけ心強いことか。同時に心は痛みを訴える。ファファの才能をこのまま埋もれさせて良いのかと。しかし、現状維持こそがベストな選択なのだ。魔法アイテムを持ち出した事が表沙汰になれば、ファファは魔女界の裏切り者として切り捨てられるのだから。

***「大丈夫です。ぽっぷちゃんが本当にピンチの時にお役に立ててこそ、本当の切り札。平穏な今は、むしろ宝の持ち腐れであるべきなんです。そうでなければ切り札である意味がありません！」
「あれ～？　自ら宝物宣言？　やけに自信満々じゃん。そんな事言ってると、本当に頼っちゃうぞ～♪」
***「当然です♪　その時が来たらビシバシ頼っちゃってください♪」

　そんなやりとりを、ゼピュロスは鳥かごの中から嬉しそうに微笑みながら見ていた。以下略…。

**「ふ、二人とも、そんな生ゴミを見るような侮蔑の眼差しはやめてくれピュ！　オレは訓練された紳士じゃないピュ～～～（＞＜）」

★　　★　　★

　その夜のこと。ファファは誰かの気配に気付いて目を覚ました。辺りを見回すと、髪の長い少女が魔法の実のなる木の側に立って何かしているようだった。髪の長い少女……というと、春風家にはどれみしかいない。
　どれみちゃん？　もしかしてバレた？　ファファは目をこすってもう一度見る。だが、そこにいたのは間違いなくぽっぷだった。てっきり髪を下ろしたどれみがいたのかと思ったが、どれみとぽっぷでは身長が違う。どうも寝ぼけていたようだ。

「起こしちゃった？　ごめんねファファ」
***「いえ、そんなこと…ないですけど……」

　ぽっぷはファファにいつもになく優しい微笑みを浮かべると、ベッドに戻って横になった。ファファも横になり目を閉じる。しかし漠然とした違和感がファファを眠らせてくれなかった。なんだろう…。これは…。花の匂い？　ファファは起き上がると改めて部屋を見渡す。夕方には弱っていたはずのバラの花束は、再び活き活きと返り咲いていた。魔法の実のなる木からは、早くも新たなつぼみが出て来ていた。ぽっぷは寝息を立てて安らかに眠っている。ファファは夢を見ていたのだろうか？　それとも今のが現実だとしたら……。

***「もしかして……今のって……花の女神様？」

***持ち腐れて切り札◆おしまい    </description>
    <dc:date>2011-06-16T09:11:04+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/18.html">
    <title>至宝の狂想曲 我は希望</title>
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    <description>
      #ref(キュアエルピス２.jpg)

*エピソードリスト
**第１番◆こんとん！ ～美しき空のもとで～
Aパート
[[その１&gt;こんとん！Aパートその１]]
[[その２&gt;こんとん！Aパートその２]]
[[その３&gt;こんとん！Aパートその３]]
Bパート
[[その１&gt;こんとん！Bパートその１]]
[[その２&gt;こんとん！Bパートその２]]
[[その３&gt;こんとん！Bパートその３]]
[[こんとん！ENDパート&gt;ENDパート]]
----
**◆[[持ち腐れて切り札]]
**◆[[えりかの背信]]
**◆[[永遠の少年]]

*[[ご感想スレッド]]    </description>
    <dc:date>2011-06-16T09:06:59+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/62.html">
    <title>こんとん！Aパートその１</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/precure_sq/pages/62.html</link>
    <description>
      **Scene０◆アバンタイトル～美しき空のもと(first day)

「パンドラ。こんなとき、人間だったらどうするの？」
「計画が成功したんだから、笑えばいいと思うドラ」
**「あーはーはーはーはー。うーふーふーふーふー。
　…………どう？」
「……………。す、少しぎこちないけど、だいぶ人間らしくなったドラ……かな（＾＾；」
「そう……。よかった………」

　キュアエルピスは空を見つめていた。上空ではペガソスとキュアクロリスの追いかけっこが繰り広げられている。計画は大成功だった。臆病なペガソスはがむしゃらに逃げ回り、心優しきキュアクロリスはペガソスを倒せない。そしてこれだけ派手に暴れ回れば、狩猟の女神アルテミスが見逃すはずも無い。もう少しだ。もう少しで第４のプリキュアが……大地の女神が光臨する。天空、大地、蒼海、そして冥府…。すべてのプリキュアが揃うのだ。

「ごめんパンドラ……。そろそろ………活動限界……」
「あとのことは私に任せて、エルピスは『本体』に戻るドラ」
「お願い………」

そう言い残すと、キュアエルピスは合体を解く。その場にはぬいぐるみサイズの女の子が残された。

　パンドラのパンとは『すべてのもの』、ドラは『贈り物』の複数形を意味する。神々によって造られた人類最初の女性であり、その名は美貌、才能、感性など、あらゆる『贈り物』を与えられたとする神話に由来していた。そして彼女が憑依しているのは『機動戦隊バトルレンジャー』放送当時にトルトルキャッチャーの景品として製造された、ゲストヒロイン『ミィ姫』のぬいぐるみ。パンドラが瀬川おんぷの姿を模したぬいぐるみに憑依することで顕現（けんげん）したのは偶然であろうか？　つまり何が言いたいかというと、おんぷちゃんマジパンドラ♪　……いや、忘れてください。

　パンドラの手元には２つのカードケースがある。エルピスから託された時、カードケースは４つあった。ダイヤのマークのカードケース『冥府神エレボス』はエルピスの代わりにパンドラが預かり、第１のプリキュア『キュアエルピス』に合体するため使用している。ハートマークのカードケース『蒼海の女神タラッサ』は海原くみこが受け取り、第２のプリキュア『キュアテティス』となった。スペードマークのカードケース『天空神ウラノス』は春風ぽっぷが受け取り、第３のプリキュア『キュアクロリス』となった。残すはクラブマークのカードケース『大地の女神ガイア』のみ。第４のプリキュアが誕生し、すべてのプリキュアが揃えば……。いや、それでもまだ、スタートラインに立ったにすぎないか。予断は許されない。今は仕込みに専念せねば。

「春風ぽっぷちゃん。私の計画が成功するもしないもあなた次第ドラ。私の思惑通りに動いてくれるよう、期待してるドラよ♪」

　美しき空のもと、パンドラはキュアクロリスの健闘を祈るのだった。

----
**Scene１◆ペガソス・クライシス(first day) 
**「タイヘンだよ！　ひろこちゃん！！」

　１人で下校していた都留ひろこは、突然上空から声をかけられた。ひろこが見上げると、緑の翼を広げた女子中学生姿の女神が降下して来る。女神が着地すると、大きく広げた翼はどんどん小さくなり、かわいい三つ編みに戻ってゆく。

「日が暮れて虹の航跡は残らないとはいえ、大胆すぎるよひろこちゃん。人に見られたらどうするの？」
「それどころじゃないよ！！　タイヘンなのよ！！　ペガソスとプリキュアが！　キュアクロリスが派手に空中戦をやらかしてるんだよ！！」
「へぇ！　空気がざわついてるのはそのせいだったんだ。でも変だね。閉鎖空間での戦いにしては、ざわつきが生々しい…。まさか、『スクエア』全域が閉鎖空間に飲み込まれたとか？」
「それがおかしいのよ！　閉鎖空間自体発生してないの！　この騒ぎは通常空間で起きているのよ！」
「つまり……デュエルが成立してないってコト？　これだけ騒がしいのに？　どんな形であれ、互いが戦いの意志を示せばデュエルが成立して、戦いは閉鎖空間へ移行されるはず。例外はアステリオスのように自ら偽装空間を創り出した場合だけで、いずれにせよ、通常空間を被害を与えないよう機能するはずだよ。それが機能しないという事は………」
「もしかして、ワタシたちの知らないところでルールが替わっちゃったのかな」
「ルールが早々替わるわけ無いよ。あるとすれば、あたしたちの知らないルールの存在か、ルールをくぐり抜ける抜け道のどちらかじゃない？」

　その時、二人は空気のざわつきが間近に迫って来るのを感じた。暗くなった空を見上げていると、数秒程度だが、ペガソスとキュアクロリスが追いかけっこする姿が見える。
　……追いかけっこ？

「デュエルが成立しない理由が判ったよ。あれは空中戦じゃない。ただの鬼ごっこだ」
「でもその『ただの鬼ごっこ』のせいで、美空市が大変な事になってるのよ！　ペガソスは必死に逃げようとして町のあちこちを破壊している。なのにクロリスは追いかけるだけ…。ねえ、ひろこちゃん！　本当にワタシたち、何もしなくていいの？　ぽっぷちゃんに託したのは間違いだったんじゃないの？」
「ひろこちゃん。戦士が一人前になるには、数々の試練を乗り越えなければいけないんだよ。ぽっぷちゃんはプリキュアになる道を選んだ。これはぽっぷちゃんに課せられた試練なの」
「この騒動で死人が出るかもしれないんだよ！　それでもこれをぽっぷちゃんの試練だというの？」
「そうだよ。正にその通り。これはぽっぷちゃんの優しさと甘さが引き起こした災厄だもの。戦士としての自覚を持ってもらう為には犠牲も必要ってことさ」
***「ひろこちゃん！　戦の女神だからって、いくらなんでも非情すぎるよ！」

　ひとみの顔が引きつり、怒りをあらわにする。しかしひろこは動じず、微笑みながら応える。

「じゃあ、折衷案をだそうか？」
「え………折衷案？」
「ぽっぷちゃんには試練を乗り越えてもらわないといけないから、手助けは一切しない。だけどその為だからって、死者を出す必要も無い。そしてあたし達は、普通の女の子としての生活を守りたい。だから、誰にも知られる事無く、私たちだけで、こっそり人助けをするの」
「………見殺しにするんじゃ、ないの？」
「アンタあたしを誰だと思ってんの？　都市守護神のアテナ様だよ♪　美空市の危機を知りながら、黙って見過ごすわけないでしょ」
「あ～！　わざとワタシを怒らせようとしたのね！　……ホントいじわるなんだから！」
「みんなにも知らせてくれるかい？　都市部はあたしが全力で護る。ひとみちゃんはスピードを活かして、あたしのフォローしきれない『スクエア』の端っこを護ってくれないかな。他のみんなには美空町の護りに入ってもらいたい。私たちにとってドコよりも大切な場所だからね。何か問題ある？」
「問題ないよ。戦の女神様が考えた布陣だもの。ベストだって判ってる。じゃあ行くね！」

　ひとみは再び翼を大きく広げると、虹の女神イリスへと変化する。呼応するように、ひろこも知恵と戦の女神アテナへと変化した。それは互いが全力を出す事の証であり、初めて見せる神々しい本来の姿だった。

　その日の事件は、後に『ペガソス・クライシス』と呼ばれ、人類の歴史の転換期として記憶される事となる。だが、この時点では事件の重要性に気付く者はほとんどいなかった。無理も無い。事件を裏付ける証拠がほとんど消えていたからだ。
　１級魔女見習いの能力を有するファファにより、破壊された街並みはほとんどが修復された。『姫巫女』の子守唄によって事件は記憶の片隅へと追いやられ、多くの人々にとって無価値な物となった。事件の重要性を認識しているのは特別な力を持った一部の者しかいないのだ。しかし、そのように何事も無かったかのようにできたのは、奇跡的に１人の死者も出なかったからだ。そう。誰もがそれを奇跡だと思った。
　美空市の人々が、最速の女神と最強の女神を中心とした７人の女神達に護られていた事は、永遠に誰にも知られることはないだろう。

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**至宝の狂想曲 第１番
*こんとん！
*～美しき空のもとで～
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**Scene２◆二人の転校生:その１(second day)
**「ぢょしこうせいだぁ♪　ぢょしこうせいだぁ～♪　ぢょしこうせいだぁ～～～♪」

　美空高校の制服を着た年頃の少女が、鏡に映った自分を見つめながら浮かれていた。
　カールのかかったブロンドには大きな赤いリボンが揺れ、白い肌は高揚して赤く染まり、大きな青い瞳は喜びを隠しきれない。

「なぁに♪　なんなの♪　この制服♪　可愛いのかエロいのかワケわかんな～い♪　太もも出しまくりじゃん♪　スカートがこんなに短くてホントにいいの？　ビッチとか言われたりしないかな♪」
***「100年前とは違うんだし、女子生徒はみんな同じ格好してるなら大丈夫じゃない？
***　20年くらい前に人間界に行ってたマジョポンなんか、おヘソ丸出しだったじゃん」
「ねえナージャ！　どうかな？　似合ってる？　おかしくない？」
***「すっごくオカシイ！」
「え！？　ど、どこ？　どこがおかしいの？」
***「マジョローズのア・タ・マ・が！
***　その名を聞けば泣く子も黙るクールビューティー『赤ずきん』はどこに行ったのよ！
***　なんで人間界の学校に行くくらいで浮かれてんの！」
「だって花の女子高生だよ！　共学の高校だよ！　オトコノコがいるんだよ！」
***「そりゃあ人間界だもの。いるに決まってるけど……」
**「しかも年頃だよ！　若いツバメだよ！！」
***「若いツバメて……年下の恋人作る気満々か～い！　女王になる野望はどうしちゃったのよ！」
「馬鹿ね～。このあたしを本気にさせるようなオトコなんているわけ無いでしょ！
遊びよ、ア・ソ・ビ♪　せっかく人間界に来たんだもの。魔女界で持ち腐れていたこの美貌を有効利用しなくちゃ、もったいないオバケが出てきちゃうわよ♪」
***「遊びねぇ……。確かに魔女界って退屈なところだし、人間界って刺激的なところだけど。マジョトゥルビオン様と同じ轍は踏まないでよね」
「はいはい、判ってますよ。……あっ！　でも、金や権力で魔女どもをかしずかせるより、愛と美貌で男どもをかしずかせた方が、面白いかも♪」
**「も～～～！！　勝手にしろ～～～～～～～！！！」
「アハハハハ♪　冗談、冗談だってば♪　じゃあそろそろ行って来るね♪」
***「え？　もう出かけちゃうの？」
「久々の人間界だし、ニッポンポンに来たのは初めてだもの。景色を見て回りたいのよ♪」
***「魔法堂はどうするのよ～！　昨日マジョローズが壊したまんまじゃん！」

　そう言われてマジョローズは後ろを振り返った。なるほど確かに部屋はメチャクチャだ。昨日の夕方、魔法堂に訪れた際、中型犬クラスの奇妙な小動物と遭遇して、慌てたマジョローズが辺り構わず攻撃してしまったのが原因なのだが。とりあえず、外観は一般人にバレないよう、幻惑魔法で壊れた箇所を隠しているが、根本的な問題は何も解決していない。

「私、騙したり壊したりするのは得意だけど、直すのは苦手なのよ」
***「自分でやらかしておいて、それはないんじゃない？」
「も～～！　しょうがないなぁ」

　マジョローズは昨夜持ち込んだ荷物を探ると、手のひら大のものをナージャに渡した。

「じゃあナージャ、これでなんとかして」
***「……これはマジョローズが弟子をとる時に使うタップでしょ。妖精の私がタップ使えるワケないじゃない。ファファじゃあるまいし」
「なんだ。ちゃんと判ってるじゃん。ま、そういう事で、ヨ・ロ・シ・ク♪」
***「ンもう！　あたしに丸投げするなぁ～！　バカァ～～！　鬼畜魔女～～！！」

　妖精ナージャの悲鳴にも似た罵倒を励ましと受け止め、マジョローズは魔法堂をあとにした。
　いざ行かん。未知なる世界、美空町へ！

★　　★　　★

**「さあ～！　盛り上がってまいりました♪
***　マジョローズちゃんにはどんな出会いが待っているのかしらね♪　うふふふふ♪」

　奇声を上げながら喜んでいるのは、我らが美しき自宅警備員マジョフブキである。相変わらずこたつに入って人間界が映し出されたモニターを眺めているが、その中心に映っているのはどれみ達ではなく、美空高の制服を着て町を歩くマジョローズだった。

***「し、信じられません。これがあの悪名高い『赤ずきん』ですか？　まるで生娘のようではありませんか！」
「いや、あのね、ローズちゃん生娘だから。メイド奉公時代には色々辛い思いをしてたみたいだけど、不純異性交遊とかしてないからね。不適切発言は控えてね（＾＾；」
***「悪魔のような小悪魔と呼ばれたマジョローズが、無垢な子供のようにはしゃぐとは…」
「いやいや、大人びてるけど、背伸びしてるだけでローズちゃんまだ子供みたいなものだから。人間ならおばあちゃんだけど、100年前から魔女の寿命だからね（＾＾；」

　マジョフブキのとなりで凝視しているのはマジョリンである。彼女は鈍った身体を鍛え直すべく、山にこもって修行に明け暮れているが、毎日一度はマジョフブキの様子を見に訪れていた。いつものように立ち寄ったところ、思わぬイベントを目撃することとなったのである。

「マジョフブキ様、一体、あの者に何が起きているのですか！？」
「人間界の空気にあてられているのよ」
「人間界の空気…ですか？　しかし私はあのようになった事は一度もありません」
「そりゃあ、あなたは私のお供やお使いで行ったくらいでしょ？　マジョローズは元々人間だったから、久々の人間界の空気に過敏に反応してるけど、年頃の魔女が人間界に長居していれば、遅かれ早かれ一度は経験する事なの。私が魔法堂のオーナーとして美空藩に訪れた時も経験したし、ピュアレーヌとして人間界に派遣したマジョポンも経験したわ。マジョドンやマジョハートもそう。
　そしてそんな時、運命にいたずらされちゃうと、マジョトゥルビオン様のように、恋に落ちてしまう…」
「し、知りませんでした。人間界がこれほど恐ろしいところだったとは。マジョトゥルビオン様がマジョガエルの呪いをかけたのも、この為だったのですね」
「いや、全然違うから（＾＾；」

　モニターには、カタコトの日本語で近所の人に挨拶するマジョローズが写されていた。演技にしては微笑みが自然すぎる。マジョリンにはそれがとても不自然で、不気味に思えた。
　マジョフブキは振り返ると、部屋の隅で丸くなって震える子に優しく話しかける。

「パオちゃんどうしたの～～？　面白いわよ。こっちにいらっしゃい」
***「パオちゃん、イイ子イイ子でいるパオ～（＞＜）　だから見たくないパオ～（＞＜）」

　伝説の白いゾウ、パオちゃんは、五年前に何者かに誘拐され、マジョローズに救出された事がある。つまりパオちゃんにとっては命の恩人なのだが、救出される際、マジョローズの鬼気迫る戦いぶりを見て間接的に恐怖の片鱗を味わい、トラウマを抱えるほどのショックを受けてしまった。それ以来、パオちゃんはマジョローズの顔を正視できないのだ。例えるなら、なまはげに怯える子供のようなものか。
　マジョリンは子鹿のように怯える子ゾウを見ながら考える。パオちゃんの反応は正しい。あれは、あの者は、間違いなく邪悪な存在なのだ。それが人間界に訪れただけで、こうも変わるとは……。

「マジョフブキ様。人間界に何があるというのです？」
「人間界にあるもの……というか、魔女界に無いものと言った方がいいかもしれないわね」
「それは一体……」
「ローズちゃんも連呼してたでしょう？」
「マジョローズが？………はっ！　もしかして『ぢょしこうせい』ですか？」
「いや、そっちじゃなくて（＾＾；」
「すると……『若いツバメ』？」
「だいたい合ってるけど、もう少し幅広いわね。ようするに男性の存在よ」
「………おっしゃる意味がわかりません。男性と第三種接近遭遇したならまだしも、マジョローズはそれ以前からおかしいではありませんか」
「でも、ローズちゃんがおかしいのは人間界に行ってからでしょう？　つまり人間界におかしくする何かがある。ここまではいいわね？」
「はい」
「ここから先はあくまで仮説だけど……。マジョリンはフェロモンを知ってる？」
「……いえ。存じません」
「フェロモンというのは、動物や微生物が体内で生成して体外に分泌する生理活性物質のこと。犬なら犬、猫なら猫という風に、同種の他の個体に一定の行動や発育の変化を促すの。フェロモンには様々な種類があるけど、有名なのが性的興奮を誘発させる性フェロモンね。人間の男性は男性フェロモンを、女性は女性フェロモンを生成し分泌する。そして互いを異性として認識させるのよ。
　もちろん私たち魔女も体内で生成してるわ。そして汗などと一緒に体外に分泌されている」
「はあ。汗ですか」
「汗の成分の多くは着衣に付着するけど、一部は気化して大気中に混ざっていると考えられないかしら」
「しかし、仮にそうだとしても、微量ではないですか？」
「確かにそう。フェロモンは極めて低濃度でも効果を果たすものが多いと言われてるけど、閉鎖された空間ならまだしも、大気中に拡散したものが心身に影響を与えるなんてあり得ない。普通ならね」
「と、申されますと？」
「私たちの住む魔女界が普通の環境じゃないってコト。
　魔女のフェロモンは人間の女性と酷似している。だから魔女界の大気中には女性フェロモンが混ざっているといって良いでしょう。ところが男性フェロモンは全く無いの。少なくとも、私たち魔女に変化を促すような男性フェロモンはね。魔女界には人間の男性が１人もいないのだから、当然なのだけど」
「それは確かに…道理です」
「そして当然のように、人間界の大気には男性フェロモンが混ざっている。微量とはいえ、混合率０の魔女界の大気と比べれば、溢れかえっていると言っても過言ではないわ。そして……困った事と言うべきか、喜ばしいと言うべきか、私たち魔女と人間の女性は、体の作りが極めて酷似しているの。だから、男性フェロモンが女性に影響を与えるように、魔女にも影響を与えてしまう。男性と接触しなくても、大気中に含まれた僅かな男性フェロモンを吸収するだけで、魔女には十分過ぎるくらいなのよ。
　以上で講義はお終い。何か質問はあるかしら、生徒さん？」

「いや…その…、驚きました。つまりマジョローズに起きている現象は、生物学的に言えば発情…」
*「ゴラァ～～～(^^;　下品な表現はおやめなさ～い！！」
「はっ！　し、失礼いたしました。ではなんと申しましょう？」
「そうねえ……恋に恋するお年頃……かな？」
「はぁ……」
「マジョリン。あなたも人間界へ武者修行にお行きなさい。魔女界と違ってスポーツも盛んだし、最強を目指して修行する武道家も数えきれないほどいるって話しよ。いっそ道場破りでもすれば、山ごもりするよりはるかに成果を上げられますよ」
「道場破りですか。それは魅力的ですが、マジョローズのような醜態を晒したくはありません」
「まっ！　醜態だなんて！　相変わらずの朴念仁ねえ。恋をするって素敵なことなのですよ。」
「お、お戯れをっ！！　私は自分を見失いたくはありません！！」
「自分を見失うどころか、むしろ新しい自分を発見できて世界が広がるんだけどなぁ……。
　せっかくオンナノコに生まれたんですもの。オンナノコを楽しまなくちゃ損よ」
「私は魔女であって、オンナノコなどというものではありませんから」
「まあいいわ。マジョリンの武者修行は今後の仮題という事にして、今はローズちゃんよ！　マジョローズちゃん！　……それにしても、えらくのんびりしてるわねえ。もう、学校始まっちゃうわよ」
「もしかして、道に迷ったのではありませんか？」
「あ～。あるある。普段、ホウキや魔法に頼りすぎていると、人間界で苦労しちゃうのよね～。私も最初はそうだったわ。でも、こういう時に運命の出会いがあったり無かったり……。思い出すなぁ……幕末の美空藩で迷った時の事」
**「ああっ！！　激突しました！！」
「そして私は孝之進様と……え！？　なに？　なに？　ローズちゃん始まった？」

★　　★　　★　

　それは出会い頭の衝突だった。道に迷ったマジョローズが曲がり角に差し掛かった時、全速力で走って来た人間に気付くのが遅れ、避けようが無かったのだ。

**「ごごごごごゴメンナサイ！！（＞＜）　
**　遅刻しそうで慌ててたんですぅ！！　
**　転校したばかりで町並みに詳しくなくてぇ！！
**　だ、だ、大丈夫ですか！！」

　先に立ち上がったのは人間の方だった。声から察するに16~7の若い娘のようだ。マジョローズは英語で悪態をつきそうになったが、口から吐き出される直前で飲み込む。言葉が通じなくても、響きの悪さから悪態と気付かれるかもしれない。人間界に来て早々、悪評は作りたくない。
　目を開けて最初に飛び込んで来たのは短いスカートから伸び出た彼女の太ももだった。ちっ、生足とは見せつけてくれる。１００年前の価値観を捨てきれないマジョローズには、そこまで露出する勇気は出せず、パンティストッキングをはいていた。
　見上げるとマジョローズと同じ美空高校の制服を着ている事が判る。髪はローズマリーより長いが、プロポーションは小粒な感じだ。典型的大和撫子体型ということか。

「気ヲツケテクダサ～イ。ニッポンジン急ギスギデ～ス」
「本当にごめんなさい……ゲッ！？」

「ゲッ」？　「ゲッ」とはなんだ？　驚きを表す言葉ではないのか？　それも響きから察するに、あまり良い意味では無いように思える。では何を驚いている？　マジョローズの何を驚いているというのだ？
　そんなマジョローズの疑問に長髪の少女はすかさず応えた。

「ご、ごめんなさい。外人さんを見るの初めてで……。でもよかった。言葉通じるんだね♪」

　一瞬、心を読まれたかとギョッとしたが、すぐに違うと気付いた。そう言えば昔、ジャパニーズは全国民がニンジャかサムライのいずれかで、『空気を読む』という特殊能力を備えていると聞いたことがある。くだらないウワサだと思っていたが、マジョローズがかもし出す雰囲気から察したのだとすれば、あながちウソでもないのかもしれない。むう、ジャパニーズ侮りがたし。
　マジョローズは長髪の少女に心のうちを悟られないよう、満面の笑みを浮かべた。

***「ワタシ、イギリスから来まシタ、ローズ・マリア・マキハタヤマ言いマス。
***　ヨロシクです♪」

　長髪の少女はマジョローズがさしだした手をギュッと握ると、やはり満面の笑顔で応えた。

**「私、桜田ふぁみ！　こちらこそヨロシクね、ローズちゃん♪」
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**Scene３◆二人の転校生:その２(second day)
「どうやら娘のようです」
「なぁんだ、ザンネン。素敵な彼氏と運命的な出会いをしてほしかったのに。見たかったなぁ、恋するローズちゃんの可愛いとこ♪」
「今でも十分不気味ですので、これ以上は勘弁していただきたいです」
「これこれマジョリン、年頃の娘にそのような物言いはおやめなさい」
「あの…マジョフブキ様」
「なんですか？」
「さっきから気になっているのですが、マジョローズと激突した娘、どれみちゃんににてませんか？」
「え？」

★　　★　　★

　桜田ふぁみは運命的なものを感じていた。この任務に自分が選ばれた事も。大好きなおばあちゃんと、それも同い年の女子高生同士として再会できる事も。そしてドスンとぶつかる、漫画のようなベタな出会い方も……。よりによってマジョローズさんと、このような形で知り合う事になろうとはっっっっ！！！
　ふぁみには目の前の現実が信じることができなかった。心の中で叫ばずにはいられなかった。

**（私の師匠がこんなに可愛いわけがない）と……。

　桜田ふぁみは百年後の美空町からやって来たタイムトラベラーである。小学校時代には魔女見習いとなり、魔女界と人間界との交流にそれなりに貢献して来た。その時のふぁみの師匠にして魔法堂のオーナーが、目の前にいるマジョローズなのだ。
　ふぁみの知っているマジョローズは、見た目はセクシーなオトナの女性だが、中身は鬼畜な外道で悪い魔女そのものだった。でも……もしかして百年前は、ピュアピュアリンなカワイ子ブリッ子（死後）魔女だった？　いやいやいや、そんな事はあり得ない。ゼッタイ猫をかぶっているに違いない！　騙されるなふぁみっ！　これは光明の罠だっ！

***「……ていうか、こんな事やってる場合じゃないんだよ！　遅刻だよ！　チ・コ・ク！」
「why？　チコク…何デスか？　ニホンゴ難しデス」
***「も～！　何で日本語判らないのよ～！　とにかく走って！　RUN！　ラン！　らん！」

　そう言うと、ふぁみは途方に暮れているローズの腕を引っ張り、美空高校に向かって走り出した。転校した初日から遅刻なんてカッコ悪すぎる！　だけど、間に合うのだろうか？
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***[[その２&gt;こんとん！Aパートその２]]へ    </description>
    <dc:date>2011-06-16T08:58:45+09:00</dc:date>
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