princess-ss @ ウィキ内検索 / 「ユゥとメイリン1」で検索した結果

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  • ユゥとメイリン1
    ──ふるさとの人々は、どうしているだろうか。 凍えていないだろうか、ひどい扱いを受けていないだろうか、食べ物はちゃんと、足りているだろうか。 そんなことを考えながら僕は、広いお邸の回廊から、暗い夜空を見上げていた。 この四角く切り取られた空も、故郷の空へと繋がっているのだろう。僕は、随分遠くへと、連れて こられてしまったけれど。 ふたたびあの懐かしい故郷の土を踏むことは、あるのだろうか。 いや、絶対に帰る。生きてさえいれば、願いを捨てずにいれば、いつか道は開けるはずだ。 そう思ってなければ、今にもくじけてしまいそうだった。 両手には、板状の手枷が嵌められている。 僕は、奴隷としてここへ連れてこられたのだ。 異郷の地で、誰かに所有され、踏みにじられるために。 「おい」 背の高い男が、僕を呼ぶ。 「付いて来い、おまえの主になる方に、引き会わせる。」 僕は黙って、彼の後ろを歩いた。 ──こいつ、...
  • ユゥとメイリン7
    翌朝のメイリンは、うって変わって静かだった。 朝食は、珍しく──というか、僕がこの邸に来てから初めて──メイリンの房室で、一緒に摂った。 けれど、メイリンはじっとあらぬ一点を見詰めたままで、箸も一向に進まない。 寝惚けているのか、旅の疲れが抜けないのか、それとも僕が何か粗々でもしたのか。ひどく気に なったが、メイリンは「ユゥは食べて」と言ったきり動かない箸を持ち続けていた。 主人格であるメイリンが食べ終われば、僕も終わらざるを得ない。メイリンが、僕の食べ終わるのを 待ってくれているのは明白だった。 メイリンと初めて共にした朝食は、少し慌ただしく終わった。 「済まない、今朝はもう、食べられない。」 そう言って、硬い表情で皿を下げさせたメイリンは、長椅子へと移り、卓を挟んだ向かいの椅子に 僕を掛けさせた。 「今日は、話があると言った。──まずはよい...
  • ユゥとメイリン4
    「ユゥ…今宵の…夜伽を……命じる。」 「はい、姫様、仰せのままに。」 四方に薄い紗を垂らした褥の中に、メイリンの鈴を鳴らすような声が響く。僕はその前に引き入れ られていた。いつも通りの言葉なのに、この言葉を言うときのメイリンは、いつだってうっすらと 頬を染めて恥ずかしそうにする。 僕がこの邸に来てから、三月(みつき)が経とうとしており、季節は厳しい冬へと向かっていた。 森で暮らすには、これからが最も厳しい季節だ。 僕の故郷の人たちは、この冬をどう乗り越えるのか気がかりで仕方なかったが、そのことは誰にも 訊けずにいた。訊こうとすると、頭の中にあの戦のときの光景が広がって、喉が詰まってしまう。 彼らは、猛々しいシン国の兵士たちと比べたら頭一つ分も小さく弱々しい僕等の兵の首を薙ぎ払うのに、 一瞬の躊躇もなかった。 もし、残った者たちが反抗したら──それが、女子供ばかりでも──迷うことなく、粛清さ...
  • ユゥとメイリン3
    その年の秋、僕らの『クニ』は滅んだ。 新たな領地の領有を主張して大国シン国と衝突し、開戦した。 戦いが始まってしまえば、力の差は歴然としていた。圧倒的な兵力の差に、僕らはなすすべもなく踏み潰されるしかなかった。 静かな山地である桂花山で、ひっそりと焼畑による農業を営む僕たちが、どうして大国シン国と戦を構えなければならなかったのかと言えば──ただ、飢えていたのだ。 はじまりは、旱魃による不作だった。暑く、雨の降らない夏があり、井戸は枯れ、川は干上がり、 作物は収穫を待たずして枯れた。 その年は、まだ良かった。僅かながら蓄えもあったし、森の恵みはまだ充分にあり、食べられる 木の実や野草、それに森の獣や鳥を狩って凌ぐことができた。 だが、次の年は、寒い夏だった。 作物はまたしても実らず、森の木の実も多くは青いままだった。 僕らのクニにあった蓄えは、そこで尽きた。次の年まで食いつなぐには、野草や木...
  • ユゥとメイリン6
    目が覚めて初めに見たのは、見慣れぬ天井だった。 喉がからからに渇いていて、頭がぼうっとする。節々の痛む体を動かして周りを見廻すと、埃の積もった箱、 掃除道具、梯子やそのほかのよく分からない道具類が棚に置かれていた。多分、物置部屋だ。 開いた場所に俄か作りの寝台が設えてあって、そこに寝かされている。 どうして、こんなところに寝ているんだっけ? 考えようとしても、頭が朦朧として考えが上手く纏まらない。 水だ、とにかく、水。 ひどく喉が渇いていて、水が欲しいのに、体が重くて動くこともままならない。 漸く体を起こしたと思ったら、眩暈がして、大きな音を立てて床に倒れこんでしまった。 それでやっと気がついたけど、どうやら熱があるみたいだ。床の高さから見上げる天井が、ゆっくりと 回転して見える。 仕方なく寝台に戻ってから暫くして、大きな足音がしたかと思うと...
  • ユゥとメイリン2
    ……。 ……………………………。 ──────生まれてきて、ごめんなさい。 僕は強烈な自己嫌悪の中にいた。 メイリンは、僕の腕をするりと抜けて、何か拭くもの……と、取りに行っている。 なんなんだこの状況。捕虜になって、奴隷に落とされたかと思えば、かつての敵軍の『偉い人』 の家に連れてこられて、その娘でありかつ敵将であった女の子に、いいように弄ばれて。 あまつさえ……、その、出してしまったとは。 ひとつも、故郷の人たちに申し開きできません。桂花の民の誇りも何もあったもんじゃない。 虫ケラ以下です。もう死んだほうがいい。 確かにこれも、誇りを傷つけるのにはいい方法かもしれないけど……ってああああああ。 「駄目ッッ!!!! そんなばっちいもん舐めちゃ駄目──────────────ッッッ!!!!!!!」 僕は寝台を離れたメイリンのところへ飛んでいってその手をはたいた。 あろうことかメイリンは、赤...
  • お姫様SSリスト
    ... ◆13-367 ユゥとメイリン1 ◆13-381 ユゥとメイリン2 ◆13-418 ユゥとメイリン3  [微エロ] ◆13-434 ユゥとメイリン4 ◆14-027 ユウとメイリン5  [やや鬱展開 陵辱] ◆14-039 ユゥとメイリン6 [非エロ] ◆14-089 ユゥとメイリン7 [非エロ] 中華の国の物語 番外編 ◆13-029 昼休み [非エロ] 帝国の皇女 ◆12-307 帝国の皇女1 作者:◆Bm9r1Poa9oBB ◆12-321 帝国の皇女2 作者:◆Bm9r1Poa9oBB
  • ユリとメイリン1
    ──ふるさとの人々は、どうしているだろうか。 凍えていないだろうか、ひどい扱いを受けていないだろうか、食べ物はちゃんと、足りているだろうか。 そんなことを考えながら僕は、広いお邸の回廊から、暗い夜空を見上げていた。 この四角く切り取られた空も、故郷の空へと繋がっているのだろう。僕は、随分遠くへと、連れて こられてしまったけれど。 ふたたびあの懐かしい故郷の土を踏むことは、あるのだろうか。 いや、絶対に帰る。生きてさえいれば、願いを捨てずにいれば、いつか道は開けるはずだ。 そう思ってなければ、今にもくじけてしまいそうだった。 両手には、板状の手枷が嵌められている。 僕は、奴隷としてここへ連れてこられたのだ。 異郷の地で、誰かに所有され、踏みにじられるために。 「おい」 背の高い男が、僕を呼ぶ。 「付いて来い、おまえの主になる方に、引き会わせる。」 僕は黙って、彼の後ろを歩いた。 ──こいつ、...
  • ユウとメイリン5
    薄明かりの中に、淡く浮かび上がる寝顔を見詰めていた。 僕の隣で規則正しい寝息を立てる可愛い女の子、メイリン。 ──このまま、朝が来なければいいのに。 何度そう思ったか分からない。 このまま、何もかもを眠らせた、静かな時がいつまでも続けばいいのに。 メイリンが僕の隣にいて、僕だけがメイリンの隣にいて。 囲われた狭い世界の中で、二人だけで生きられたらいいのに。 メイリンの艶のある黒髪をそっと撫でる。絹糸よりも滑らかな髪が、うねるように緩く 編まれていて、その流れにそっと指を沿わせるように撫でる。彼女を起こしたりしないように。 メイリンが、好きだ。 一度自覚してしまえば、その感情はひどく僕の内側を焦がした。 僕らの『クニ』を滅ぼした国の偉い人の娘で、すっごいお姫様で、僕とは生まれも育ちも まるっきり違う女の子。 でも、優しくしてくれた。...
  • メイファと皇子様5
    メイファがシン国の王都に入ったのは、涼やかな風の吹き始める初秋の、ある 晴れた日だった。 途中の街で調整して、シン国の王都には婚儀の前日に到着するよう取り計らわれた。 婚儀では、吉祥色の真紅の花嫁衣裳で顔にも真紅の布で覆いをつけ、花婿が それをはずして対面する。それまでは、お互いに顔を合わせないのがしきたりだ。 『身一つで来れば良い』という、シン国からの言葉を真に受けたわけではないが、 徒歩ではあまりに長旅になるので、侍女も従者も、馬に乗れるごく僅かな人数しか 同伴しなかった。六年もの歳月をシン国で過ごしたメイファには昔馴染みの侍女も いないし、身の回りのものも大してなかった。 それでも花嫁として用意すべきものは揃えたはずなのだが、それはあくまでハリ国 の王族としての常識に多少の上乗せをした程度のもので、シン国から見れば吹けば 飛ぶほどのものかも...
  • メイファと皇子様1
    勝気な中華姫に萌えたくて書いてみました。 国名はベタにシン国ですが、秦でも新でも晋でも清でもない架空の国。 ここはシン国の王都。 肌を刺すような夕刻の冷気の中、一人の少女が、二人の従者を伴って石畳の大通りを 足早に通り過ぎていた。陽は既に翳り、行商人の姿もまばらで、通りにいるのは ほとんどが家路を急ぐ者達だった。 「──メイファ。」 ふと呼び止められて、足を止める。その声は、大通りに面した茶館の方から聞こえて きた。深い藍色の袍(ほう)を纏った青年が、茶館の軒下に出してある卓についている。 シン国の袍は袖口も裾もゆったりと幅広で、袖口と襟、裾は飾り織りの布で彩られて いた。茶館のほうは、夜には酒を出すのだろう、奥からは明かりが洩れている。 「またおまえか。レン。」 メイファはその青年を、強い意志を宿した瞳で睨みつける。レンと呼...
  • アニーとクリフ 後編
    小さなショーツを取り去ると内からとろとろと愛液が溢れだした。 褐色の引き締まった肌に挟まれた透き通る白い肌。黒い翳りの奥に綻ぶ薔薇色の花弁。 色彩の鮮やかさに息を飲む。唾をごくりと咽下する音が嫌でも意識される。 思わず柔らかな襞の奥に指先を差し込めば、まるで吸い付くように蠢く。 ――きつい。 処女の狭隘な入口を指先で解すようにかき混ぜれば、くちゅくちゅと粘着性の水音を立てる。 クリフは口の端を持ち上げて笑みを形作ると、口の中で呪を唱えた。 その呪文に感応したかのように一際嬌声が高くなる。 「あ、あ、あ……あっ……」 アニーの褐色の肌の上に、紅い紋様がうっすらと浮かび上がる。 思った通りだ。 この女は″魔神ナヴァルの再来″なのだ。 これは単なる譬えではなく、真実だった。 ナヴァルの書を読み解くうち、クリフはある事実に気が付いた。 魔神ナヴァルの力を宿すためには媒体が...
  • メイファと皇子様2
    王都の学院に通う書生、リィ ルイチェンが、学友のラン メイファに「心配 事がある」と相談を持ちかけられたのは、卒院試験の終わった次の日だった。 最終学年の学生達はの間には、昨日までの緊迫した空気と打って変わって、 ゆったりした時間が流れていた。少し春めいてきた空気のなかで、最上級生 にはもう講義はなく、学生たちは武術場で手合わせしたり、図書室で本を 読んだりと、のんびり過ごしていた。 ──それにしても、あのメイファが心配事なんて珍しい。ルイチェンは、 そう思った。 彼女はこだわりのない性格で、『悩んでも仕方のないことは、悩まない。』 と言って、本当に思考から切り離してしまえる特技を持っていた。要は、 精神面が強いのだろう。十二で親元から離れて何年も異国で暮らしている というのに、しかも自由は制限され、一時帰国さえほとんど許されないと い...
  • メイファと皇子様3
    その昔、『芙蓉の君』と呼ばれる女官がいた。 賓客を舞や歌でもてなす、宮廷の──正確に言うと、女官が所属 するのは後宮だが──尚儀という部署に属していた。 彼女は容姿も大層美しかったが、下級遺族の出身ながら教養深く、 詩歌にも精通し、そして何よりも抜きん出ていたのは、その歌声。 彼女が唄えば、男も女も、老いも若きも、言葉の通じぬ異国からの 来訪者さえ、高く低く、不思議と心を揺らされたという。 大輪の華のような女性、という意味を込めて、彼女は誰から ともなく『芙蓉の君』と呼ばれるようになった。 当然のようにあまたの貴公子が彼女に求婚したが、結局彼女を 手に入れたのは、皇帝陛下だった。 『芙蓉の君』は正二品の貴妃として迎えられ、寵愛を受けることになる。 陛下はひどく彼女に夢中になり──他の貴妃達の事を次第に顧みなく なった。 それにつ...
  • メイファと皇子様4
    六年ぶりに祖国へ足を踏み入れるメイファは、まずその道の細さに息を呑んだ。 ──こんなに、細い道だっただろうか。 山岳国であるハリ国は、一方が切り立った岩場、もう一方が崖という道も 珍しくない。その地形からあまり道も広くは出来ないのだが、今通っている道も、 さほど大きくない荷馬車が一台、通れる程度の幅しかなかった。行き違いには 広くなっているところまでどちらかが道を戻らねばならないほどだ。 従者の一人が、姫様がこの道をお通りになったのは十二のときが最後ですから、 思っていたより道を細く感じるのも無理はありません、と言った。 それもあるが、それだけでもない。 シン国の王都では、この道幅よりもはるかに大きな荷台で大きな荷物を、あるいは 大量の荷物を、運んでいることも珍しくはなかった。シン国ではそれだけの大きさが、 必要であり普通なのだ。王都に通じ...
  • レンと小さなお姫様3
    メイファの姿を認めた途端、えもいわれぬ気持ちで、胸が満たされる。  ──ああやっぱり、本物はいいな。自分に都合のいい想像の中のメイファより、  本物はずっと生き生きしてる。三日ぶりの実物に僕は、状況もわきまえずに  見惚れてしまう。  「メイファ。いつも寄り道は駄目だって言ってるのに、わざわざ寄ってくれたの?」  メイファは、眉をキッと釣り上げ、上目遣いに向かい側に座った僕を睨んで  見せた。いかにも、怒ってますよという表情だ。でもそこに、暗い怒りも侮蔑も  嘲りも含まれていない事に、僕は安堵する。  「違いますっ! 今日のわたしは、学院の遣いですっ!! 外出許可も通行証も、  学院側が用意してくれましたっ!!」  びしっ、と両手に朱印の押してある外出許可証と通行証を持って、高らかに言い放つ。  「ひとつ! 休んだ間の分の課題を提出すること!  ひとつ! 連絡が取れないと困るので、病欠以外...
  • レンと小さなお姫様5
     婚儀は、滞りなく進んだ。 中華の国たるこの国が、異国の姫を迎え入れる式典は、国の威信を示すように盛大に 執り行われた。 花嫁の真紅の衣装に身を包んで豪奢に着飾ったメイファも、それはそれは綺麗だった けれど、大勢に囲まれた中で喋りもせずじっと座っているだけというのは退屈だった。 まあ、メイファと約束したから、じっと大人しくはしておいたけれど。   *   *   * 「──困ります、あの、まだ姫様は支度がお済みではございません!」 その侍女は、必死に僕を押し留めた。いや、押し留めようとした。 しかし、異国から着たばかりとはいえ、シン国の皇族の身体に下級の身分の者が触れる ことは許されていない、という程度の知識は、持ち合わせているようだった。強引に 歩を進めると、彼女は道を空けざるを得ず、かわりに房室の中に居た他の侍女たちも わらわらと寄って来て、こぞって僕の非常識を非難し始めた。 「わあ、...
  • 帝国の皇女2
    傾向:エロ本番有り、複数♂×淫乱姫、相変わらずちょっと暗いです 「クレメンティナ殿下のおいでです」  白いキャップの看護婦がそうささやくと、軽く羽毛の毛布を整え、席を立つ。  気を利かせて、退出するらしかった。 「……」  熱でかすむ視界では、すべてがぼやけてゆらいでいる。よって、世話になっているはず の看護婦の容貌ですら、彼は知らなかった。知っていたかもしれないが、忘れてしまった。  ――白百合城。  旧宮殿は剣と槍の時代の遺産、無骨な砦と言っていい外見であった。だが、火薬の時代 には高い城壁も通用しない。大陸の国々は、次々と砦や城壁を捨てていた。  帝国の新宮殿は、湖沿いの丘陵に広がる街を従えた、白亜の城館である。前皇帝が十数 年をかけて建築した美しく華奢な姿は、見るものにため息をつかせずにはいられないだろ う。  その内部、...
  • プラグイン/ニュース
    ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ダンカグ】エンブレムとは?カードの違いと入手方法まとめ【東方ダンマクカグラ】 - AppMedia(アップメディア) 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ...
  • 覇王の孫娘 学園編 前編
    私立アイリス女子学院は終戦後創立された女子高等学校である。 旧帝都には古い歴史をもち、伝統と格式を重んじる名門女子校なるお嬢様学校がある。 そこに通うのは大貴族、大財閥のご令嬢に大国のお姫様。 本来なら皇女であるリューティルもそこに通うべきなのだが、 宮廷晩餐会や諸々の行事などで見知り合いが多い。 よって旧帝国の皇女様が通う事になれば、 やれ貢ぎ物だ、やれおべっかだと毎日のようにつきまとわれるだろう。 そういった者達から『皇女様』『皇女様』とちやほやされるのが苦手なリューティルは 『帝都内にあるお嬢様学校だけは絶対イヤ!』と父王に言った。 困り果てた父王は王妃並びに宰相とあれこれと相談した。 その結果、マイステン家からほど近いこの女子学院に通うことになったのだ。 とはいえアイリス女子学院は平民が通う学校ではない。 私立校であるだけに学費、給食...
  • レンと小さなお姫様4
      ──どうして、こんなことに。 幽州行きは、とにかく最悪だった。 メイファの卒院試験が終わったら、外出許可を取ってあげて二人きりでどこかへ 遊びに行こう──そう密かに計画していたはずなのに、急に拉致同然で連行されて、 勅命ですと仕事を押し付けられた。 幽州総督府内で組織的に書類を改竄して、朝廷に上納する租税を着服していたのだから、 当然関わった部署も多岐に渡り、関わった者もかなりの人数に登っていた。 むさいおっさん達に裁定が速いとか、神懸かっているとか褒められても全然嬉しくないし、 むしろ雑音。 どのくらい汚職に関わっていたかくらい、対面して表情読んで、引っ掛ける質問の 二、三もすれば大体のところは見えるだろう?! と言ってみても無駄らしいので、 黙っておいた。逆に彼らに、何故それが出来ないのか、簡潔に説明して欲しいくらいだ。 まあ、その話はいい。終わったことだ...
  • 帝国の皇女1
    傾向:エロ本番有り、不愉快描写はたぶんないはず、多少暗いです 「気の利かないッ」  部屋に激昂した叫び声が響き渡るやいなや、空気が凍りつく。  ――白百合城と呼ばれる、美しい城の一室、姫百合の間。名前に相応しく、とりわけ美 しい部屋として知られるが、皇女の私室という性質上、入ることのできる者は限られてい る。  とはいえ、部屋は広く、取り扱いに注意が必要な家具やら、いつでも磨かれていなけれ ばならない鏡や窓などがあるおかげで、昼間は侍女や従僕も多く出入りしていた。 「この――のろまめッ」  慎重な手つきで花瓶に花を生けていたメイドの顔に、恐怖とも不安とも知れないものが かすかによぎる。図書棟の本を回収しに来た従僕が、慌てて本を抱えると出て行った。  部屋にいた数人の召使たちの顔には、動揺が浮かんでいた。だが、はじめてのことでは なかっ...
  • 覇王の孫娘01
    「姫様―!姫様―!」 静かな昼下がりの午後、屋敷内を駆け回る一人の青年がいた。 「あ、キルシェ様。どうなさいました、大声を出されて」 廊下の反対側から、ワーウフルのメイド―――ティニアとアリアエル がティーポットとカップをのせたカートを押しながらやってきた。 「どうしたもこうしたもない!ティニー、アリア!姫様はどちらに行かれたんだ!」 青年はティニーの両肩をがしりとつかみ、凄まじい剣幕で両肩の脱臼を目論むが如く ガクンガクン揺らした。 「やめて下さい!やめて下さい!犯さないで!」 いきなり泣き叫ぶメイドに青年は怒鳴った。 「誰がだ!アリア、知らないか!」 青年はもう一人のメイドに激しい剣幕で振りむいた。 「え、ええっと…その…わかりません」 申し訳なさそうにもう一人のメイドが頭を下げた。 「ああ…一体、どちらに行かれたというのだ!?姫...
  • 魔法学園☆グランシール
    ホームルーム  ヤバイ。息が乱れてる。脚の動きと呼吸のリズムが一致しなくなって、それが急激に体力を 奪っていくのが判る。  だからと言って止まる訳には行かないぜ。  離れていても判る。そいつの纏っているオーラの色は真っ黒だ。  ドス黒い殺気が球状の塊を描くように迫り、俺は背筋をジリジリと焦がされるような錯覚さえ 覚える。  ――捕まったら殺されるぞ――  俺のアラームがビンビンに反応して危機を告げていた。  息が切れ始めると共に、背後の足音に呼吸音が重なって聞こえてくる。いかん!若干だが、 奴の方が足が速いらしい。  あと少し。あと少しでゴールに辿り着く。そのサンクチュアリに到達さえしてしまえば後は どうにでもなるだろう。  「そろそろ限界!」悲鳴を上げそうになる両脚に喝を入れて、ラストスパート。目指す場所は、 ようやく視界に入ってきたあの扉!  見えてしまえば後はあっと言う間だ。アイツと...
  • 女たち
    「もとはと言えばな、そなたら毒姫は人に害を成すドラゴンを屠る為に考え出されたのよ」 朱天幕の床に胡坐をかき、ネリィに髪を梳らせながらティラナは語る。 人目の無いこの場所では、腰巻さえ履かない気楽な姿だ。 その後ろに坐って、ネリィは丁寧に櫛を入れる。 衣服を着るのは大嫌いなティラナも、毛繕いだけは欠かさない。 こうして身軽な格好で髪を梳かせるのは、ティラナにとって大のお気に入りの時間だった。 「太古の頃は、今よりもずっと竜種は世にのさばっておった。  ようやく殖え始めた人間族にとっては、奴らは逆立ちしても敵わぬ敵じゃった。  ゆえに人間どもは、奴らにしばしば生贄を差し出し、暴れる竜を宥めておったのよ。  生贄に供されるのは決まって、選び抜かれたうら若い生娘じゃった……  まあ、そちらは人間の美意識の話で、実際はドラゴンどもに生娘と経産婦の味さえ区別が付くと思えんがね」 「そんなに味が違うもの...
  • レンと小さなお姫様2
      メイファは朝貢国から差し出された、人質の姫だった。 ほとんどの朝貢国は恭順の証として、王族の子を人質に差し出す事を義務付け られていた。 万が一、戦ともなれば惨殺したその首を前線に掲げ、敵の戦意を削ぐためのもの であるから、人質は王の血族の女子供、つまり戦に巻き込むにはむご過ぎると 相手国、及びその国民が判断するような、ごく弱い立場の者に限られた。まあ、 中華の国たるこの国の、底意地の悪さの垣間見える制度だ。 近年はひどく平和で、朝貢までしていながらわざわざ強大なシン国と事を 構えようとする国もなく、人質が命まで取られるほどの事態は起こっていないが、 小さな揉め事にも人質は有効だ。 それゆえ、『留学』という名目でシン国の王都に集められた各国の王族の子供達は、 外出は出来ても常にシン国側が居場所を把握できるようにしておかねばならなかったし、 はかりごとを防ぐために...
  • アリス陵辱(前編)
    帝国兵×勇者軍 陵辱 一部ショタ 前編 「……う…くっ」 太陽が眩しい。 ここ何ヶ月か薄暗く湿った地下牢で閉じこめられていたのだ 目が慣れていないのだろう。 「……ん」 もう痛みも麻痺してしまった秘部からドロリとした体液が 太腿をつたい、こぼれ落ちてきた。 私の名前はアリス。エルフの神官だ。 神官といってもかじった程度の医学と薬草学、 精霊術を使うぐらいしかできない未熟な神官である。 大陸を巻き込んで起こった二回目の大戦で 最終的に勝利したのは覇王の娘を有した新生帝国だった。 そして最期に敗北したのは私達、勇者の末裔だった。 光を冠する、正義を冠する、希望の戦士達は惨めたらしく負けたのだ。 子供の頃、読みふけった英雄の物語のようにはいかない、実にリアリティ溢れる残酷な物語だ。 勇んで挑んだ大戦、当初はうま...
  • Dark Force 2  城砦都市
    青竜の川の戦いから一ヶ月。 クリスティーナ率いるソレンスタム共和国軍は、ベルイマン王国王都を目指して西進を続け、王国軍と四度交戦をし、勝利を収めていた。 王女復帰以来の快進撃で、兵士達は戦勝への希望に沸き立っていたが、一方で首脳部はそうもいかなかった。 「わかっているとは思うが、私たちは余裕があるわけではない」 野営地に張られた天幕の中で、机に置かれた地図を叩きながら、クリスティーナは言った。 机を囲んでいるのはエイナルをはじめとした、クリスティーナへの忠義の厚い士官達である。 夕刻に始まった作戦会議は、喧々諤々としてまとまらず、すでに夜半を迎えていた。 議題となっているのは、地図上に刺された一本の針。 そこに位置する城砦都市、フェーンストレムの扱いについてであった。 「人も物も、何より時間も、一切の無駄は許されぬ。フェーンストレムについての対応の誤りは、最終的な戦争の敗北に繋がるだろう」...
  • 昼休み
    「──なんですって?! メイファお姉さまがあの男と結婚?!」 その噂が彼女にもたらされたのは、夏の休暇に入る少し前の、昼休みのことだった。 「許せない…あの男。のらりくらりと胡散臭くていかがわしくて、ぜんっぜん、 お姉さまに相応しくないわ! 在学中は歯牙にもかけられていなかったくせに… 一体どんな汚い手を…っ!」 「普通に政略結婚だろ」 この春に卒院した、一級上の異国の姫君、ラン メイファ女史と、その前の年に 卒院したこの国の皇族男性の結婚話。客観的には順当な話に怒りまくっているのは 俺の同期生、裏の通称は『黙ってりゃ可愛い』の榎二娘[チァ アルニァン]である。 彼女と俺、直胡風[チ ホゥフォン]は同郷のよしみで──同郷と言っても、王都の この学院に来てから知り合った、ただ同じ州の出身というだけだが──よく話す仲 だった。ただ通称の通り、『黙っ...
  • 覇王の娘と勇者の末裔 エピローグ ハッピーエンド編1
    覇王軍が大陸の大部分を掌握し、勇者軍討伐へと着々と侵攻していた。 が、帝都を激震させる事態が起こった。 『大陸の窓口』とよばれた西部の軍港を有する一大都市の『謀反』である。 覇王の遺児、ティルフィードに反発する者達が決起したのだ。 勇者軍討伐へと大陸の東部に主力部隊を配備していた覇王軍は 瞬く間に大陸西部を乗っ取られる形となった。 それだけならまだしも、謀反の主導者達が覇王軍の優秀な武将達であった事が さらに事態を重くした。 それに伴う東部での勇者軍の行動は素早く、また的確だった。 東部の小国ごとの解放にあたって対覇王軍の戦線構築させ、 さらに東部の重要都市を解放するまでに勢力を拡大させた。 帝都では苦渋の選択を迫られる事になった。 帝都:ヴァイアブリンデ 軍師の一人であるヘスタプリンは軍議の席に設けられた大陸図を指し、声を荒げた...
  • 覇王の娘と勇者の末裔 エピローグ バッドエンド編
    『覇王の娘と勇者の末裔』 エピローグ 勇者バッドエンド 「姫様、一体、民達にどう説明をするおつもりですか!?」 城内の一室で長椅子に背を預ける女性に宰相である ヘスタトールが声を上げた。 しかし、その長椅子に腰掛ける女性は何も言わない。 「宰相、ティルフィード様はもう『姫様』ではありませんよ?」 補佐官であるヘスタプリンが宰相を嗜めるように言った。 「む…、失礼しました。女王陛下、大臣達は納得しても民達に――――――」 「民達の間には私と先王との間にもうけた子という噂が流れているのだろう ヘスタプリン補佐官?」 長椅子に腰掛けていた女王が静かな声で言った。 「はい。それはもう…」 ニコリと笑ってヘスタプリンは言った。 「で、ですが――――――」 「………つまるところ、夫は誰か?と」 ふぅ…と息をつき、女王は言った...
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  • 覇王の娘と勇者の末裔3
    「一体、どこに行かれたというのだ!!」 本拠地である帝都の一室でダークエルフの軍師であるヘスタトールは頭を抱えた。 「確かに………書き置きには2、3日で戻るとありましたが…」 ティルフィードが残していった紙切れを見ながら、ダークエルフの妹ヘスタプリンが呟く。 「姫様はここ3日の間心労がたたって、床に伏しているという事にしているが…もう限界だぞ。 将兵の士気に関わる!プリン、もしや、姫様の行き先を知っているのではないだろうな!?」 「まさか…それならとうの昔に連れ戻していますよ」 しれっとして妹は兄の疑いから身を引いた。 「同じ女性として見当がつかんか?」 「全く見当が付きませんね」 妹からの即答にがっくりと肩を落としながら軍師は呻いた。 「姫様が幼き頃より仕えてきたこの身。 姫様の身に何かあれば亡き先王様や王妃様に申し訳がたたん!」 「…...
  • リタとマスター
    漆黒の闇が太陽によって消される前 古ぼけた屋敷に喪服のような黒のローブを纏った女の均整のとれた足音が響く やがて足音がとまり、魔法認証による解錠音とともに、扉が開く 物言わぬ闇の空間に通路の松明が灯され、彼女の淡い影が闇の方へと伸びていく 主人と二人だけの屋敷に明かりを灯すことが、彼女の最初の仕事である。 彼女の名は、リタ・フェルナンデス。 とある組織のトップに仕える女である。 席に着いたリタは、まず依頼主から届く案件の確認を行う その後、その後、分刻みで詳細な計画を立て、それを頭に叩き込む 無論、不測の事態に備えての、回避策とその優先順位も確認しておく このようなことは普通の秘書でも行うだろうが、リタの凄い所の一つとして挙げられるのは、絶大な予想能力である。 まるで不測の事態などあり得ないかと思うほどの洞察力、判断力ともに著しく優れているのだ。 もう一つ、依頼主...
  • 女兵士SSリスト
    ファンタジー世界の女兵士総合スレ SSリスト 1~4スレの小説はhttp //vs8.f-t-s.com/~pinkprincess/female_soldier/index.htmlに。 連作で途中からしか見当たらないといったものは上記サイトに掲載されています。 単発 ◆05-018 01.1kb タイトル未定 [陵辱] ◆05-022 10.2kb オブザーバ ◆05-042 10.5kb 隻眼のアーシャ [陵辱] ◆05-078 06.0kb 兵隊さん(陵辱もの) [陵辱][残酷] ◆06-092 01.9kb 保守小ネタ ◆06-172 00.8kb タイトル未定 [非エロ][未完] ◆06-194 25.9kb 魔法学園☆グランシール [非エロ] 作者:桃肉◆CrEK/Iu5PU ◆06-219 02.9kb タイトル未定 [非エロ] ◆06-2...
  • TOP/コメントログ
    PINKBBSの方には類似スレがあり立ててはいけないような気がしたので 独断ですが作ってしまいました。 無論、閉鎖しろといわれたら閉鎖いたします。 ご意見だけでも書き込みよろしくお願いします。 SSも投下していただけるならうれしいです。 ファンタジー世界の戦う女(女兵士)総合スレ避難所(仮) ttp //jbbs.livedoor.jp/otaku/14092/ -- (名無しさん) 2010-08-31 15 45 49 現在仕事が多忙を極めておりまして 更新が滞っており申し訳ございません。 上にも書きましたが 過去スレのログだけはどうにかwikiに保管してありますので 時間が取れ次第順次更新していきます。 -- (管理人) 2010-09-03 22 20 37 避難所管理人です。 リンクを貼ってくださりありがとうございます。 どうぞよろしくお願いします。 ...
  • 覇王の孫娘03
    「あれ、キルシェさんも来てたの」 宿の一階に下りるとカウンター越しに見慣れた顔の少女がこちらを見て声を上げた。 リューティルと同年代の少女で名前をエッジというワーキャットの少女だ。 ただその肌は褐色に日焼けしており、いかにも海の男ならぬ女の子。 ワーキャットのトレードマークである耳をピンッと立てて腕を組んだ。 「母ちゃんからは聞いてなかったけどなぁ?おーい、リーチェ、名簿」 少女がカウンターの奥に声を掛けると、名簿を抱えた女の子がやってきた。 こちらはエッジの妹のリーチェルだ。 「めいぼ、めいぼ、はい、エッジ姉ちゃん」 「よーし、んでキルシェさんは宿泊する?つーか、するよね? こんな時間だし。朝御飯付きにしとく?リュティと合わせて4名にしとけば割引で安くなるし。 リュティ達の宿泊期間はあと2日になってるけど、合わせるとさらに安くなってお得だよ?」...
  • ルナ 5
    隊列はつつがなく進み、当初の予定よりも早く、既に旅程の中ほどまで来ていた。 ルナは馬上から、前を行く歩兵の背をぼんやりと見つめていた。 サクラの一隊は緋色をところどころにあしらった兵士服を揃って身にまとっていたが、ルナの前にいる歩兵3人は他の歩兵よりは少し位上なのか、背に鮮やかな緋色の短いマントをつけていた。 もともと分隊長さえ信用しないルナは、ほとんどの場合、自分の目前に護衛を置きはしなかった。 いまも彼女の両脇と後方をを固めるだけに留め、よって彼女はサクラ一隊後陣のすぐ後ろを進んでいた。歩兵たちは鍛えられた脚で一時間に16キロほど進み、その後ろでルナたちを乗せた馬が続く。 揺れる彼らのマントのひだを見つめながらルナは、隊の中央にいるであろうサクラを思った。 彼も馬上の人である、その周りにはいまのルナとは数倍近くの人数の護衛がいるはずだ。 当初の計画通りに前衛隊を率いるリンツの後方、本隊...
  • 覇王の孫娘02
    「海だー!海だよ!うみィ!いい風~最高だよ♪」 絵に描いたような青空の下に広がる青い海に少女は歓声を上げた。 白い砂浜に見える人々は何百人といるだろうが、それでも十分な間隔が開いている。 それだけこの砂浜が長大なのだろう。少女は麦わら帽子を被り、水着の上に白いシャツを着て 砂浜を駆けていった。海に入る直前、帽子とシャツをセイヴィアに向かって投げた。 『持っていてね』と叫び、そのまま波に向かってに突進していった。 「リュティ様、お一人では…」 後から付いてきた少年は肩に掛けたクーラボックスを置き、はぁ~とため息をついた。 「……大丈夫かな…」 「セイヴィアもキルシェさんの心配性が伝染したか?」 「そんな事はないよ――――――」 顔を赤くしながらセイヴィアはリーフェイから目をそらした。 「どうしてリーフェイも水着を着ているの?」 セイヴィアの...
  • 漆黒の騎士(又は黒い狼)
    リヴァー王国第四王女、「社交界の女王」として名高いマリアンヌ姫の応接室は、 王女たちが住まう秋の宮の中でも、ひときわ華やかだと評判だった。 ベルベット張りの柔らかい長椅子に、ふわふわの毛織の絨毯。 磨きこまれた樫の卓上には、旬の果物に焼き菓子に香りのよい紅茶。 そして彩りを添えるのは、淑女たちの引きもきらないお喋りだ。 本日の話題の中心は、来るべきユーリ二世の生誕記念祝賀祭について、 ―――さらに正確にいうと、その期間に王宮で催される舞踏会についてだった。 「どんなドレスにしたらいいのか、まだ決めていないのよ。  絹にするか、それとも光沢を考えて、繻子でもいいし―――、ああ迷いどころだわ」 マリアンヌ王女が悩ましげなため息をつくと、 ブリューム侯爵家の双子姉妹キャロルとルイーゼは熱心に相槌を打った。 「色も重要よ。私たちは、赤毛だから、どうしても似合う色が限られてしまうのよね」 「何しろ、...
  • 覇王の娘と勇者の末裔 エピローグ ハッピーエンド編3
    長きにわたった戦乱の世が終わり、大陸に平穏が訪れた。 西部の新興勢力を壊滅させた勇者軍と覇王軍が和平条約を結び、戦争の終結を宣言したのだ。 覇王軍・勇者軍及び各地の軍組織は解体され、大陸軍として統合された。 大陸には議会制が設けられ、各国の代表達が話し合いという形で問題にあたる事になった。 各地の街は春の訪れとばかりに活気に溢れ、勇者達は祝福と感謝の賛歌と共に讃えられ、 連日を通してのお祭り騒ぎが続いた。 それは元・帝国であった領地でも同じであった。 商人が各地の産物を卸し、露店には食料品に生活雑貨がずらりと並べられ、 城下は活気にあふれていた。 「城下がこのようなにぎわいを見せるのは初めて見た気がする」 夜、月夜に照らされた城の一室で椅子に腰掛けた女性がふと呟いた。 意志の強そうな眼はどことなく柔らかく、温和な表情をみせている。 絹の...
  • 覇王の孫娘04
    「――――――何、またリューティルが?」 「…も、申し訳ございません。皇后陛下」 旧・帝国領の首都にそびえる城の一室で頭を垂れた騎士が恐縮した面持ちで答えた。 「ふむ……困ったものだな」 皇后は「はぁ…」と短いため息をつき、こめかみに手を当てた。 「私がキルシェをお目付役に推挙したのが間違いでした。な、何とお詫びすればよいか…」 その騎士のトレードマークでもある紅い髪がビクビクと震える様は見るからに哀れだ。 「いやいや、キルシェが悪いワケではない。あのじゃじゃ馬がよこす便りには よく仕えてくれていると毎回のように書かれている……我が娘ながら……人を見る眼は確かだ。 そなたが詫びる必要はない」 「は…で、ですが…」 「今回の件か?」 「は、はい」 皇后は事の詳細が記されている報告書に目を通した。 「ふむ……ヘスタプリン…いや、宰相はど...
  • 紅髪の騎士様と軍師様3
    「か、歓迎会?そのような会は開いては――――――」 「ああ、そうだ……副題を付けるなら『団長に手を出すな!』か『長耳はぶっ殺す!』か… 実に血の気の多い歓迎会だったな。もっとも開会は深夜だったし、閉会も早かったが」 キエルヴァはそれを聞いて少しの間思案するような仕草をし、ハッと息を呑んだ。 「悟ったようだな?」 「あ…あの……そ、その…」 (えええっ!?あ、あの8人……酒によって喧嘩したって報告書が上がっていたけど ……まさか軍師殿を私刑にするために……それで返り討ちに……で、でも 騎士団の中でも剣や格闘術に長けている古参の団員を1人で倒すなんて…あわわわ) 紅髪の騎士様と軍師様 「ん……んちゅ…は」 私はこれで何度目だろうか…唇を離すとキエルヴァの尻に手を当てた。 部屋着のズボンの上からでもキエルヴァの肉付きの良い尻は きゅ...
  • 紅髪の騎士様と軍師様1
    軍師と女騎士モノ エロ無し 勇者軍と覇王軍が西部の新興勢力を殲滅し、両軍の間に和平条約が結ばれた。 帝国の領土が大幅に縮小され、自治権が東部の良心的な貴族達に与えられ、 その問題が済み次第、皇女様の正式な婚儀が執り行われるらしい。 宰相になった妹が送ってよこした便りには各地では祝祭が催され、活気が戻ったと 記されていたが、職を辞し、隠居した私にはもう関係ない。そう私には関係ないのだ。 そう思い書物を読み悠久な時間を送る日々を過ごしていると一人の騎士が私を訪ねてきた。 その者の手には皇女様のサインが入った委任状があった。 どこかで見た事のある紅い髪をたなびかせるその騎士…それは―――――― 『紅髪の騎士様と軍師様』 平穏…とは言えども水面下では、未だに燻り続けている戦争の爪痕。 その解決に旧帝国軍がそのまま運用される事...
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    お姫様でエロなスレ のまとめwiki 2ちゃんねる エロパロ板のお姫様でエロなスレ まとめwikiです。 ファンタジー世界の戦う女(女兵士)総合スレも同時に保管しています。 当wikiは下記保管庫が現在更新停止中による補助的なものとします。 お姫様でエロなスレ 保管庫 http //vs8.f-t-s.com/~pinkprincess/princess/index.html 18禁注意 ご自由に編集してください。 定期的にバックアップはとってあります。 現在12スレ 378まで保管済み 現行スレ お姫様でエロなスレ14 http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1324607051/ ファンタジー世界の戦う女(女兵士)総合スレ7 http //yomi.bbspink.com/te...
  • ルナ 4
    ルナの帰還したときにはもうすっかり深夜になっていて、主人の異変に気がついたのかやたらと唇を鳴らす馬を優しく何度も撫で、厩を後にしたルナは、虫の密やかに鳴く中をどこか弱々しげに、 それでも門にいる兵を睨むように入って無駄に構えたまま歩いていた。 自分に与えられた部屋の前で無意識に息をついたとき、鍵を開けようとして右手の中で弄った鍵を取り落とした、かしゃん、と音を立て落ちたのを拾おうとして、止まる。 視界に影が落ちた、と思うのよりも先に、鍵を拾い上げるものがあった。 「どうした?」 不審げな声を聞いてから、ルナは瞬きをして彼を見、姿を捉え、頭の中の残像と結んだ。 気だるげに言う「ああ、・・・・サクラ」 疲れた体を壁に寄りかからせて、「じゃなかった、リタ中佐」 「何か?」というのに、サクラは、ルナの顔をまじまじと見た。鍵を勝手に差し込んで開けて見せながらも 「お前、どうした?」と訝しげに問う。 ...
  • 覇王の孫娘 学園編 後編
    「おかえり、キルシェ」 「はい、ただいま戻りま――姫様!なぜ私の部屋に!?」 キルシェはリューティルが自分の私室にいることに驚いた。 侍女に見られては非常にまずい。 しかしリューティルは気にもかけず言った。 「キルシェ……股を開いてそこに座りなさい」 メガネをくいっと上げて皇女は言った。 「な、何を言っておられるのですか!?」 「座れ」 「は……は…はい」 リューティルの眼力に萎縮し、哀れな従者は力なく座った。 「足が疲れちゃったわ……揉んでくれる?」 「何を仰っておられるのですか!姫様の御足に触れるなど―――」 「昨日の夜は私の足にねっとり絡ませていたクセに」 「あ…あ…あぅ」 昨夜の情事のことを指摘され、キルシェはしぶしぶリューティルの 右足を手に取った。 「あ……んっ…そこ、もうちょっと強く」 「は、はい」 ...
  • 桃色の鞠(中編)
    記念祭三日目。 セシリアは、エルドに会うため、早々に王宮入りを果たしていた。 一晩あれこれと悩んだ結果、彼に全てを打ち明けることが最適のように思えたのだ。 何しろ、エルドはこちらの厄介な婚約の事情について知っている。 ついでに、わからなかった言葉の意味も質問してみよう、とセシリアは考えていた。 侍従長から、第三王子が厩舎に居ることをさりげなく聞きつけると、 セシリアは、勇み足で目的地に向かった。 中庭を横切ろうとしたときだった。 突然、彼女の視界の端に桃色の物体が飛び込んできた。 ――鞠だ。 セシリアは、反射的に手を伸ばし、それを受け止めた。 一人の少年が、息を切らしながら、駆け寄ってくる。 「セシリア!」 「あら、ロビン」 それは、ユーリ陛下の末息子にして第四王子のロビンだった。 彼の後ろから、二人の従者も走ってくる。 「ありがとう」 ロビンはそう言って、両手を差し出した。 「これは……...
  • レンと小さなお姫様1
      幼い頃から、人の顔色ばかりを気にしていた。 一番初めに気にしたのは、母の顔色かもしれなかった。 なにしろぼくが物心ついた頃にはすでに、母は病床に伏せりがちだったのだから。 本当に母は、いつ消えて無くなるかわからないような風情だったのだ。 ぼくの父は、この中華の国、シン国の皇帝だ。 母は、歌の上手い宮女だった…らしい。そこから妃となり、男の子を一人産んだ。 それがぼく、シュンレンだ。 僕にとって、母の歌とは、子守唄だった。病床においてもなお、優しく甘く響く、 母の調べ。 子供心にも、母は他の誰より美しく、優しかった。 皇帝陛下──父も、母を愛していたようだ。いわゆる、寵愛というやつ。 けれど、帝国の一番偉い人にもなると、それは単純にはいかないもののようだった。 皇帝陛下には、何人もの妃がいるのだ。誰か一人にかまけてしまうと、当然 おろそかになる妃もいるわけで...
  • ルージュ姫とラメル
    ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン……… 僕が向かうのは戦場。 僕と同じ貨物馬車に乗っているのは、西部で未だ抵抗を続ける勢力を平定する為に徴兵された若者ばかりだ。 戦況は予想外に激戦らしく、ろくな訓練もなしにこの貨物馬車に押し込められた。 装備はない。戦地で支給されるのだろうか? ガタン…ゴトン……ガタン………ゴトン……馬車の列が止まった。 ガララッ、薄暗い貨物馬車の扉が開き、まばゆい光と共に――― 「ぐあっ」 「うっ!?」 「ぎゃ!」 ――矢が雨のように降り注いだ。 「全員、降車!急げ!!」 矢が次々と貨物車に乗っていた者達に突き刺さる中、僕は転がるように貨物車から飛び出した。 その眼に飛び込んできた光景に僕は唖然とした。 枯れ果てた木々と泥と湿気にまみれる大地が一面に広がっていた。 その時、凛とした声が遥いた。 「貨物馬車を守れ!防盾隊は何をしている!」 一頭の馬に乗った黒い甲冑の騎士が叫...
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