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***CALL.2:満月◆wd6lXpjSKY
無音に包まれた主に灰色で構成されたつまらない空間。
転がっている瓦礫と削れているコンクリート。椅子や机は複数存在するが、人影は一つしか無い。
目立った存在と云えば、とある世界にありそうな生命維持装置――巨大なビーカーがある。
その中に液体ごと放り込まれたそれは大切に保管されているようだ。
聖杯戦争風に言及するならば何とも言い難い魔力を秘めている。
強い、凄い、強力、莫大、規格外、神域……どんな言葉で表現すればいいのやら。
神の欠片、聖杯に至る道標、魔力の結晶、絶対領域への進化……とにかく巨大で意味不明な抽象的な表現が似合うだろう。
色素のない世界で一際存在感を放つソレを大切にしているのが、始まりの男である天戯弥勒。
学園から帰還した彼は特に何も行動を起こしていない。
強いて言うならば定時放送を行おうとしているくらいか。外を見ている。
不気味なぐらいに輝いている満月を見つめた後、ビーカーへと振り返る。
「その力を存分に使えなかったのは残念だと思うが、あの状態のお前にはそもそも領域へ辿り着けないだろう」
誰に向かって話しているのか。この空間に存在しているのは彼のみであり、これは独り言。
「乗り遅れた者に明日を見る資格は無い。その場で朽ち果てることになる」
天戯弥勒が見つめるのは何かが保管されているビーカー。
「既に俺の計画は始まっている、乗り遅れた者のために止まることなどあり得ない。
俺が、世界が領域へ辿り着くためにもお前らには礎となってもらわなくてはな……」
その横にあるもう一つのビーカーを見つめながら。
「今度こそ辿り着いて見せるさ。総ての獄を振り払った先にある、俺達が求める天へと、な」
液体と共に眠っている彼を、四肢を鎖で繋がれておりその生命の鼓動を感じないエレン・イェーガーを見ながら。
「俺の計画は絶対なる領域へ辿り着く……そのためにも計画を加速させてもらう」
◆ ◆ ◆
俺が勝手に決めた時間から丁度一日が経過した。
どうだ、感想は? お前らはその手を何色に染めたんだ?
赤い鮮血か、黒い絶望か、何も掴めない透明か?
お前らがどんな行動を取ろうが俺には関係ない。だが、願いを求めている癖に行動しない奴は帰れ。
一人、たった一人だがテレホンカードを行使して帰還したマスターが居た。
賢明な判断だったよ。致命傷を負えば優勝する確率は大いに減るからな。居ても殺されるだけだ。
そしてアサシンがまた脱落した。これで聖杯戦争に存在するアサシンは消えた。
元々戦闘能力に欠けるサーヴァントではあったが……無闇に前線に出て来たことが仇となったよ。
これで残る主従は十二組だ。
アサシンを除いた役職は六つ、それが各二体存在している。
この情報を聞いてお前らがどう動こうが自由だ。一つ言わせてもらえば夜は危険だろうな。
世界の針はもう止まらない。
お前らが足を止めても時間は待ってくれない。
永遠と続く戦争が無いように、聖杯戦争にもリミットが存在する。
最初に言い忘れていたがな。
それにしても今日は月が綺麗に見えるな。
まるで奇跡に縋っているお前らを嘲笑っているみたいだ。
今にも落ちてきそうなぐらいに――――――――近いうちに月がこの世界を破壊する。
※聖杯戦争の舞台である架空世界の月が【月@ゼルダの伝説ムジュラの仮面】になりました。
※放送以後、月には例の顔が浮かんでいます。
※現状で月に干渉する術はありません。
※NPCが月の変異に気付くのは三日目からです。今はただの月と認識しています。
※聖杯戦争参加者はもう気付いています。
※月は徐々に世界へ迫っています。世界が異変に気付くのは三日目からです。
※満月世界直撃崩壊予定は三日目の昼です(予定であり展開や進行によって前・後ろ倒しの可能性(大)です)
※放送によって強制的に目が覚めることはありません。寝ててもらって大丈夫です。起きたら記憶にある感じでお願いします。
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