アイテム番号:PTCO-146
収容レベル:3
伝播レベル:2
変異レベル:5
解決レベル:3
収容手順
PTCO-146が1か月に1回の周期で発生するK県■市の■■山は、該当小石が散乱している川辺を水質管理施設に偽装して建てた保護施設で保管されています。
PTCO-146に変異する可能性がある小石は、該当偽装施設に用意された識別装置によって判別し、川を流れて流出するのを防止します。
PTCO-146に変異する可能性がある小石は、該当偽装施設に用意された識別装置によって判別し、川を流れて流出するのを防止します。
新たに生成されるPTCO-146は、どれも収容に協力的である事が確認されており、PTCO-146の存命期間は、PTCO-146の発生経緯の調査と、変異体を元に戻すための実験が行われます。
ただし発生してから1週間後に発生する『双子石』変異プロセス2日前に、PTCO-146の同意の元、終了処分。または職員からの隔離処分が施されます。
ただし発生してから1週間後に発生する『双子石』変異プロセス2日前に、PTCO-146の同意の元、終了処分。または職員からの隔離処分が施されます。
職員は、職員自身の精神保護の観点から配慮し、終了処分及び隔離処分の際に、PTCO-146と過ごした時間のデータ文献としての記録後の記憶処理が義務付けられています。
変異体保護手順
双子石プロセスを経過してしまい、変異体へと変化してしまった被害者は、PTCO-146を管理している施設内の通常物品保管庫内に、保管されます。
各変異体は、それぞれの記録文献と共に保管され、PTCO-146との協力による変異体の回復方法の実験の際に、実験に用いることが許可されています。
各変異体は、それぞれの記録文献と共に保管され、PTCO-146との協力による変異体の回復方法の実験の際に、実験に用いることが許可されています。
説明
PTCO-146は、K県■市の■■山の■■川中腹の小石が散乱する川辺で発生する、小石の内の一つが、十代前半の女性の人型実体に変異する異常現象です。
発生するPTCO-146は以前発生したPTCO-146の記憶を保持しておらず、ある特定時期のPTCO発生原因人物の人格、記憶の複製体であると考えられます。
発生するPTCO-146は以前発生したPTCO-146の記憶を保持しておらず、ある特定時期のPTCO発生原因人物の人格、記憶の複製体であると考えられます。
発生したPTCO-146は、PTC機関による隔離が実行される前の記録では、発生してからすぐ、自分の現状が分からず、路頭に迷い周囲を徘徊します。
その際、野生動物による襲撃は起きず、双子石プロセスが発生するまでの間、餓死などによる死亡する様子は確認されていません。
その際、野生動物による襲撃は起きず、双子石プロセスが発生するまでの間、餓死などによる死亡する様子は確認されていません。
PTCO-146は、PTCO発生原因人物の人格のままに振る舞い続け、1週間経った際の双子石プロセスの際に、段々歩行能力を始めとした運動能力を失い、徐々に元の小石へと戻っていき、特異性を喪失します。(この際の小石が再び特異性を発揮するかどうかは、現在不明です)
しかし、PTCO-146が小石に戻る前の1週間の間に、人間と遭遇し、数日の間共に過ごした場合、人間に被害をもたらす双子石プロセス-bを発生します。
【双子石プロセス-b】
PTCO-146が人間に保護され三日程生活した場合、PTCO-146は、自分がだんだん動けなくなり、石に戻っていくという現象を夢に見るようになります。
そして、その翌日には、変異被害者となる相手の人間が、PTCO-146が小石になり、川辺でPTCO-146を探してもどの小石がPTCO-146か分からなく探し続けるという夢を見ます。
上記二つの夢によって、PTCO-146、変異体被害者は、PTCO-146が数日以内にただの小石になるという事を、妄信に近い形で確信することになります。
PTCO-146が人間に保護され三日程生活した場合、PTCO-146は、自分がだんだん動けなくなり、石に戻っていくという現象を夢に見るようになります。
そして、その翌日には、変異被害者となる相手の人間が、PTCO-146が小石になり、川辺でPTCO-146を探してもどの小石がPTCO-146か分からなく探し続けるという夢を見ます。
上記二つの夢によって、PTCO-146、変異体被害者は、PTCO-146が数日以内にただの小石になるという事を、妄信に近い形で確信することになります。
それ以降、PTCO-146の発生から1週間後の深夜になるまでの間、PTCO-146と変異体が距離を取らず共に居続けた場合、特異性が発揮します。
従来と変わらぬ経過で、PTCO-146は動けなくなっていきますが、PTCO-146が小石に戻る寸前のタイミングで、被害者も同様に運動機能を失っていきます。やがて、PTCO-146と被害者が身を寄せ合った形でその形を失い、半分が川辺で見かける小石の柄、半分が規則性の無い乱雑な色の模様で彩られた見た目の、一つの小石へと変異します。
従来と変わらぬ経過で、PTCO-146は動けなくなっていきますが、PTCO-146が小石に戻る寸前のタイミングで、被害者も同様に運動機能を失っていきます。やがて、PTCO-146と被害者が身を寄せ合った形でその形を失い、半分が川辺で見かける小石の柄、半分が規則性の無い乱雑な色の模様で彩られた見た目の、一つの小石へと変異します。
1つの小石に変化した被害者は、それ以降通常の小石との違い。自我らしいものは確認されず。現在も元に戻せていません。
しかし、生成されるPTCO-146個体は、どれも自分の特異性を知った段階で、親しくした相手を巻き込む事を強く拒絶することが確認されています。
その後の経過は、PTCO-146と親しくなった人間との関係で、違いますが、割合としては現状、以下の通りになっています。
その後の経過は、PTCO-146と親しくなった人間との関係で、違いますが、割合としては現状、以下の通りになっています。
- 過ごしていた場から離れ、人知れず小石に戻ったと考えられる 48%
- 解決策を考えている内に、双子石プロセスの日が近づき、PTCO-146が自殺 27%
- 最初から誰とも会わず、小石に戻る 8%
- 被害者が変異を受け入れ、双子石プロセスで共に変異 4%
- その他及び経過不明 13%
一度PTCO-146と遭遇し、変異することなく生存した人間は、機関が意図的に再会させた事例を除き、再開した例はありません。
PTCO-146は生成毎に特定時期からの複製体と考えられますが、複製をする元の個体の無意識下に、何らかの形で記憶が送られている可能性があります。
PTCO-146は生成毎に特定時期からの複製体と考えられますが、複製をする元の個体の無意識下に、何らかの形で記憶が送られている可能性があります。
PTCO-146は、2016年8月■■日に、知里川調査員により発見され、人間として保護し身辺者を探していた際に、特異性を発揮したことで、発見に至りました。
知里川調査員が遭遇したPTCO-146個体は、知里川調査員が双子石プロセスの夢を見た当日の夜に、■■調査員によって知里川調査員とPTCO-146が離され、PTCO-146はその後発生源の特定後に、単体で双子石プロセスの最後を発生し、小石に戻りました。
知里川調査員が遭遇したPTCO-146個体は、知里川調査員が双子石プロセスの夢を見た当日の夜に、■■調査員によって知里川調査員とPTCO-146が離され、PTCO-146はその後発生源の特定後に、単体で双子石プロセスの最後を発生し、小石に戻りました。
知里川調査員がPTCO-146と会話した際に取った記録で、PTCO-146の発生原因と思われる内容が語られた音声記録が残っています。
インタビュー記録
【記録146-1】
知里川調査員「音声記録起動確認。それじゃあ、■■ちゃん(PTCO-146の本名)。もう一度、夢の事話してくれるかな……」
PTCO-146「うん、分かった。私が、目を覚ました川に、立ってる夢なの。私は、ただぼーっと川を眺めてる。
自分が、どうしてここに居るんだろう。って考えてて、そのうち、どっかに行かなくちゃいけないって思って、歩き出そうとしたら、体が動かないの。
どうしてかって思ってたら、私、転んじゃって。手足の先から、こう、ばらばらーって、細かい石になって崩れていくの。
声も出せなくて、私の頭、どんどんばらばらになって行っちゃって。細かい私が、たくさんあちこちに広がってるような感じがして……それで、何も言わなくなった私が散らばってる川を、ただ眺めている所で、目を覚ますの」
知里川調査員「うん…。ありがとう。それで、目を覚ました後、自分が石になっちゃうかもって。怖くなって、私の所に来たんだよね。それで今と」
PTCO-146「そう」
(知里川調査員がメモを取る『ただの悪夢なのか、PTCO事例なのかまだ判別は不可能。ただし、最悪を想定して、本部に連絡を入れておいた方が良いかもしれない』と記載)
知里川調査員「怖かったね。でも、素直に話してくれて嬉しいよ。大丈夫、私そういう怖い事から守ってくれる人達、知ってるから。一度見てもらおうか」
PTCO-146「本当?」
知里川調査員「うん。立派なお医者さんみたいな人達でね、■■ちゃんがちっちゃな小石になるなんてことさせない。きっとその前に守ってくれる。だから、今日の夜一緒に会いに行こうか。■■ちゃんが安心できるまで私も傍にいるから」
PTCO-146「駄目!!」
(PTCO-146が声を荒げる。知里川調査員がスマホで電話を掛けようとするのを止める)
PTCO-146「その……もう、いいの。私、今日でここを出ていく」
知里川調査員「えっ、どうして」
PTCO-146「私が一番怖いのは、自分が小石になる事じゃないの。知里川さんも、石にしちゃう事」
知里川調査員「…………大丈夫。そんなことで、私は貴女を嫌ったりしないから。それよりも、貴女を治した方が……」
PTCO-146「確信があるの! 本当に、知里川さんも石になるって。だから、早く逃げて!」
(知里川調査員は、呼吸を取り乱すPTCO-146をなだめる。
しばらくして、PTCO-146が落ち着きを取り戻す)
PTCO-146「……言ってなかったけど。もう一つ、夢見たの」
知里川調査員「えっ?」
PTCO-146「その夢、ぼんやりとしているけど、覚えがあるの。たぶん、私が本当に体験した事」
知里川調査員「……教えてもらえるかな」
(PTCO-146が頷いたらしい音がする)
PTCO-146「……その夢で私、誰かにさらわれたの。何人かの人が、私を取り押さえて。意識を失って……。気が付いたら、あの川で寝かされてたの。
目を覚ましても、体が動かなくて。浚ってきた人たちが話してる。
私を砕いて、川に流せば、多くの人を巻き込める、って。私はその為の時限式の罠だって。
だから、次目を覚ましたら、目に会った人に付きまとえ。縋って、助けてもらえって。そうしてくれたら、私達は嬉しいって。
言ってることが分からなくて、でもその言葉を聞いてると頭がぼやけてきて。その言葉を受け入れたら、私、恐ろしい事になるって感じて、自分で口の中噛み切って、意識保ってた。
そしたら、その後から……もう一つの夢で見てた時みたいに、私、手足から石になっていって。その上から、私を浚ってきた人たちが、私を砕いて……」
知里川調査員「…………」
PTCO-146「私が、川全体に散らばった。私が私の体を見てた。動けなくなった私をあちこちにばらまいて。それでその人達、どこか行っちゃった。
それから、それから……どのぐらい経ってからか、私の中で、私が、人の姿になって、どこかへ行って、戻ってきて、たまに誰かを連れてきて、巻き込んで元に戻って、戻って、戻って、それで、それで……」
知里川調査員「もういい! もう、それ以上いいから!」
(泣き始めたPTCO-146を知里川調査員が抱きしめる。なく声だけが続いている)
PTCO-146「私、本当に私なの? 私、まだ人間なの? 私、都合の良い罠なの? 道具なの? 嫌だ、そんなことしたくない……誰かを巻き込んで石になる、道具じゃない……怖いよ……」
記録終了。
知里川調査員「音声記録起動確認。それじゃあ、■■ちゃん(PTCO-146の本名)。もう一度、夢の事話してくれるかな……」
PTCO-146「うん、分かった。私が、目を覚ました川に、立ってる夢なの。私は、ただぼーっと川を眺めてる。
自分が、どうしてここに居るんだろう。って考えてて、そのうち、どっかに行かなくちゃいけないって思って、歩き出そうとしたら、体が動かないの。
どうしてかって思ってたら、私、転んじゃって。手足の先から、こう、ばらばらーって、細かい石になって崩れていくの。
声も出せなくて、私の頭、どんどんばらばらになって行っちゃって。細かい私が、たくさんあちこちに広がってるような感じがして……それで、何も言わなくなった私が散らばってる川を、ただ眺めている所で、目を覚ますの」
知里川調査員「うん…。ありがとう。それで、目を覚ました後、自分が石になっちゃうかもって。怖くなって、私の所に来たんだよね。それで今と」
PTCO-146「そう」
(知里川調査員がメモを取る『ただの悪夢なのか、PTCO事例なのかまだ判別は不可能。ただし、最悪を想定して、本部に連絡を入れておいた方が良いかもしれない』と記載)
知里川調査員「怖かったね。でも、素直に話してくれて嬉しいよ。大丈夫、私そういう怖い事から守ってくれる人達、知ってるから。一度見てもらおうか」
PTCO-146「本当?」
知里川調査員「うん。立派なお医者さんみたいな人達でね、■■ちゃんがちっちゃな小石になるなんてことさせない。きっとその前に守ってくれる。だから、今日の夜一緒に会いに行こうか。■■ちゃんが安心できるまで私も傍にいるから」
PTCO-146「駄目!!」
(PTCO-146が声を荒げる。知里川調査員がスマホで電話を掛けようとするのを止める)
PTCO-146「その……もう、いいの。私、今日でここを出ていく」
知里川調査員「えっ、どうして」
PTCO-146「私が一番怖いのは、自分が小石になる事じゃないの。知里川さんも、石にしちゃう事」
知里川調査員「…………大丈夫。そんなことで、私は貴女を嫌ったりしないから。それよりも、貴女を治した方が……」
PTCO-146「確信があるの! 本当に、知里川さんも石になるって。だから、早く逃げて!」
(知里川調査員は、呼吸を取り乱すPTCO-146をなだめる。
しばらくして、PTCO-146が落ち着きを取り戻す)
PTCO-146「……言ってなかったけど。もう一つ、夢見たの」
知里川調査員「えっ?」
PTCO-146「その夢、ぼんやりとしているけど、覚えがあるの。たぶん、私が本当に体験した事」
知里川調査員「……教えてもらえるかな」
(PTCO-146が頷いたらしい音がする)
PTCO-146「……その夢で私、誰かにさらわれたの。何人かの人が、私を取り押さえて。意識を失って……。気が付いたら、あの川で寝かされてたの。
目を覚ましても、体が動かなくて。浚ってきた人たちが話してる。
私を砕いて、川に流せば、多くの人を巻き込める、って。私はその為の時限式の罠だって。
だから、次目を覚ましたら、目に会った人に付きまとえ。縋って、助けてもらえって。そうしてくれたら、私達は嬉しいって。
言ってることが分からなくて、でもその言葉を聞いてると頭がぼやけてきて。その言葉を受け入れたら、私、恐ろしい事になるって感じて、自分で口の中噛み切って、意識保ってた。
そしたら、その後から……もう一つの夢で見てた時みたいに、私、手足から石になっていって。その上から、私を浚ってきた人たちが、私を砕いて……」
知里川調査員「…………」
PTCO-146「私が、川全体に散らばった。私が私の体を見てた。動けなくなった私をあちこちにばらまいて。それでその人達、どこか行っちゃった。
それから、それから……どのぐらい経ってからか、私の中で、私が、人の姿になって、どこかへ行って、戻ってきて、たまに誰かを連れてきて、巻き込んで元に戻って、戻って、戻って、それで、それで……」
知里川調査員「もういい! もう、それ以上いいから!」
(泣き始めたPTCO-146を知里川調査員が抱きしめる。なく声だけが続いている)
PTCO-146「私、本当に私なの? 私、まだ人間なの? 私、都合の良い罠なの? 道具なの? 嫌だ、そんなことしたくない……誰かを巻き込んで石になる、道具じゃない……怖いよ……」
記録終了。
現在、PTCO-146担当研究員の白殻研究員は、PTCO-146は悪意ある組織による、人為的なPTCO、人間を変異させる兵器として作られたものの失敗作であると考えられています。
本来の用途として、無自覚に人間社会に紛れ込み、人知れず人間を小石に変え続ける事が想定されていましたが。変異元となった人間が、PTCO-146として成立する際、ミーム汚染に抵抗し中途半端で終わったため、自己の役割を知るにつれ、人間から離れ自死するようになったと考えられます。
現在、PTCO-146を生成した組織の特定を進めています。
本来の用途として、無自覚に人間社会に紛れ込み、人知れず人間を小石に変え続ける事が想定されていましたが。変異元となった人間が、PTCO-146として成立する際、ミーム汚染に抵抗し中途半端で終わったため、自己の役割を知るにつれ、人間から離れ自死するようになったと考えられます。
現在、PTCO-146を生成した組織の特定を進めています。
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