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2A-18 - (2015/11/29 (日) 03:12:53) のソース

*2A-18


「おーい、落ち着いたか」

C-6に位置する、修智館学院の敷地内にある白鳳寮の一室。
出来たてのホットミルクをテーブルに置き、少年は腰を下ろした。

「・・・・・・・・・」

そんな彼の目線の先には、ベッドの上にて毛布を頭からかぶった少女がいる。
何も言わず、テーブルに置かれたホットミルクと少年の顔を何度も見比べる。

「・・・毒なんざ入っちゃいねーよ」

ため息交じりにそう告げて、自分のぶんを一口飲む。
だがそれを見ても、少女はホットミルクに口をつけようとしない。

「・・・・・・・・・」

そうやって、しばらくはお互いに無言のまま時間が過ぎる。
少女は動こうとしないし、少年も特に何をしようとはしない。
ちっ、ちっ、と時計の音だけが室内に響く。


■


少年には、少女を怖がらせるつもりなど毛頭もなかった。
ただ単に不運が重なり、誤解されてしまっただけ。
だから、その誤解を解けば全てが解決する。いや、するはずだった。
少年は出来うる限り友好的に話しかけた。誤解を解いてもらうために、誠意をこめて話しかけた
敵意がないことを示すために、バッグは遠くへ置いたし、現状を懇切丁寧に説明した。
だが、未だに少女の警戒心を解くには至らない。
それでも、毛布をかぶったままの少女が少年の方を向いたのは、大きな進歩だった。
未だに不安そうな目で見られても、見られずに拒絶されているよりはずっといい。
そして、その距離をより縮めるためにと、ホットミルクを作ったのだが・・・


少女からすれば、いきなり入ってきたのに対して、警戒するなという方が無理だった。
例え敵意がなくとも、精神的に不安定だったところへ銃を構えて入ってこられたのだ。
もともと、どちらかといえば精神的に弱い方だ。
少年の弁明も、恐怖に囚われた少女の耳にはほとんど入っていなかった。
それでも、時間が経てば心は落ち着く。
少年の必死な弁明から、少しは話を聞こうと向き直る。
だが、それが限界でもあった。
せっかく出されたホットミルクも、今は残念ながら飲む気になれなかった。


■


どれくらい経っただろうか。

こと・・・

時計の音だけが響いていた室内で、それ以外の音がした。
考え事をしていた少年は、その音で現実へと引き戻される。
見れば、少女がマグカップを置いたところだった。

「・・・ごちそうさま」

少年の視線に気づき、ぶっきらぼうにそう告げる。
そんな少女の仕草に、思わず少年は笑ってしまった。

「な、なんだ」

少年を半眼で睨みつける。
しかしそれすらも微笑ましく思うのか、少年は笑みを絶やそうとはしない。

「いやぁ、ようやく反応してくれたな、って」

安堵感が少年を包む。
ようやく警戒心を解いてもらい、嬉しくて仕方なかったのだ。

「ふ、ふん!なんだそれ!」

そう言って少女はそっぽを向く。

「だいたいなんだ!お前は紳士としてなってないぞ!ハヤテを見習えハヤテを!
 それにだな・・・・・・・・・」


しかし、そんな少年の態度が機嫌を損ねてしまったのか、少女の小言は三十分近くも続いた。


■


「はいはい、じゃあそのハヤテってヤツを捜しに行こうぜ」

なかなか止むことのない小言は、いつしかハヤテという人物の自慢話になってきた。
放っとくと止みそうにないので、強引に少年は話を中断する。

「え!・・・いいのか?」

その発言に、少女は一瞬表情を輝かせたが、すぐに気まずそうな表情へと変わる。

「かまわないさ。頼りになるんだろ、そいつ」
「も、もちろんだ!誰よりも頼りなるぞ!」
「じゃあ決定だ。捜しに行こうぜ」
「あ、ありがとう・・・」
「さ、行こうぜ・・・ええと・・・」

と、そこでまだ互いの名前を名乗って無かったことに気づく。

「あー、まだ自己紹介してなかったな。日向秀樹だ、よろしく」
「三千院ナギだ・・・よろしく」





【一日目/1時00分頃/B-6】 
【日向秀樹@AngelBeats!】 
[状態] 健康
[装備] 
[所持品]基本支給品、ランダムアイテム
[思考・行動] 
基本: ゲームには乗らない
1:仲間たちと合流したい
2:ハヤテとやらを捜す

【備考】
・エンディング後からの参戦


【一日目/1時00分頃/B-6】 
【三千院ナギ@ハヤテのごとく!】 
[状態] 健康
[装備] 
[所持品]基本支給品、ランダムアイテム
[思考・行動] 
基本: 殺されたくない、殺したくない
1:ハヤテを捜す
2:秀樹と行動する

【備考】
・参戦時期は未定



|No.005:[[目的は凛然なりて]]|[[投下順]]|No.007:[[教諭として]]|
|No.006:[[醒めない夢]]|[[時系列順]]|No.010:[[bad end]]|
|COLOR(yellow):GAME START|日向秀樹||
|COLOR(yellow):GAME START|三千院ナギ||