*2A-18 「おーい、落ち着いたか」 C-6に位置する、修智館学院の敷地内にある白鳳寮の一室。 出来たてのホットミルクをテーブルに置き、少年は腰を下ろした。 「・・・・・・・・・」 そんな彼の目線の先には、ベッドの上にて毛布を頭からかぶった少女がいる。 何も言わず、テーブルに置かれたホットミルクと少年の顔を何度も見比べる。 「・・・毒なんざ入っちゃいねーよ」 ため息交じりにそう告げて、自分のぶんを一口飲む。 だがそれを見ても、少女はホットミルクに口をつけようとしない。 「・・・・・・・・・」 そうやって、しばらくはお互いに無言のまま時間が過ぎる。 少女は動こうとしないし、少年も特に何をしようとはしない。 ちっ、ちっ、と時計の音だけが室内に響く。 ■ 少年には、少女を怖がらせるつもりなど毛頭もなかった。 ただ単に不運が重なり、誤解されてしまっただけ。 だから、その誤解を解けば全てが解決する。いや、するはずだった。 少年は出来うる限り友好的に話しかけた。誤解を解いてもらうために、誠意をこめて話しかけた 敵意がないことを示すために、バッグは遠くへ置いたし、現状を懇切丁寧に説明した。 だが、未だに少女の警戒心を解くには至らない。 それでも、毛布をかぶったままの少女が少年の方を向いたのは、大きな進歩だった。 未だに不安そうな目で見られても、見られずに拒絶されているよりはずっといい。 そして、その距離をより縮めるためにと、ホットミルクを作ったのだが・・・ 少女からすれば、いきなり入ってきたのに対して、警戒するなという方が無理だった。 例え敵意がなくとも、精神的に不安定だったところへ銃を構えて入ってこられたのだ。 もともと、どちらかといえば精神的に弱い方だ。 少年の弁明も、恐怖に囚われた少女の耳にはほとんど入っていなかった。 それでも、時間が経てば心は落ち着く。 少年の必死な弁明から、少しは話を聞こうと向き直る。 だが、それが限界でもあった。 せっかく出されたホットミルクも、今は残念ながら飲む気になれなかった。 ■ どれくらい経っただろうか。 こと・・・ 時計の音だけが響いていた室内で、それ以外の音がした。 考え事をしていた少年は、その音で現実へと引き戻される。 見れば、少女がマグカップを置いたところだった。 「・・・ごちそうさま」 少年の視線に気づき、ぶっきらぼうにそう告げる。 そんな少女の仕草に、思わず少年は笑ってしまった。 「な、なんだ」 少年を半眼で睨みつける。 しかしそれすらも微笑ましく思うのか、少年は笑みを絶やそうとはしない。 「いやぁ、ようやく反応してくれたな、って」 安堵感が少年を包む。 ようやく警戒心を解いてもらい、嬉しくて仕方なかったのだ。 「ふ、ふん!なんだそれ!」 そう言って少女はそっぽを向く。 「だいたいなんだ!お前は紳士としてなってないぞ!ハヤテを見習えハヤテを! それにだな・・・・・・・・・」 しかし、そんな少年の態度が機嫌を損ねてしまったのか、少女の小言は三十分近くも続いた。 ■ 「はいはい、じゃあそのハヤテってヤツを捜しに行こうぜ」 なかなか止むことのない小言は、いつしかハヤテという人物の自慢話になってきた。 放っとくと止みそうにないので、強引に少年は話を中断する。 「え!・・・いいのか?」 その発言に、少女は一瞬表情を輝かせたが、すぐに気まずそうな表情へと変わる。 「かまわないさ。頼りになるんだろ、そいつ」 「も、もちろんだ!誰よりも頼りなるぞ!」 「じゃあ決定だ。捜しに行こうぜ」 「あ、ありがとう・・・」 「さ、行こうぜ・・・ええと・・・」 と、そこでまだ互いの名前を名乗って無かったことに気づく。 「あー、まだ自己紹介してなかったな。日向秀樹だ、よろしく」 「三千院ナギだ・・・よろしく」 【一日目/1時00分頃/B-6】 【日向秀樹@AngelBeats!】 [状態] 健康 [装備] [所持品]基本支給品、ランダムアイテム [思考・行動] 基本: ゲームには乗らない 1:仲間たちと合流したい 2:ハヤテとやらを捜す 【備考】 ・エンディング後からの参戦 【一日目/1時00分頃/B-6】 【三千院ナギ@ハヤテのごとく!】 [状態] 健康 [装備] [所持品]基本支給品、ランダムアイテム [思考・行動] 基本: 殺されたくない、殺したくない 1:ハヤテを捜す 2:秀樹と行動する 【備考】 ・参戦時期は未定 |No.005:[[目的は凛然なりて]]|[[投下順]]|No.007:[[教諭として]]| |No.006:[[醒めない夢]]|[[時系列順]]|No.010:[[bad end]]| |COLOR(yellow):GAME START|日向秀樹|| |COLOR(yellow):GAME START|三千院ナギ||